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私の体の中央に、熱い熱いるつぼがある。
るつぼには温かな液体が入っていて、掻き出しても掻き出しても尽きることはない。
液体はあの人のことばに反応して出てくる。
「・・・・・・・・・」
耳元でささやかれる声に反応して出てくる。
「・・・・・・・・・」
あの人の目を見てると出てくる。
あの人の舌で指で息遣いで、溢れてしまう。
一番液体が止まらなくなるのが、あの人が入ってきたとき。
こうなると、液体が溢れている感覚すらもない。
あの人が私の中でだんだんと硬くなる。
出たり入ったりするあの人がいとおしい。
あの人の指でも掌でも舌でも、私のるつぼは反応してしまう。
触れ合っているところから、何かが流れ込んでくるような気さえする。
るつぼの中に、あの人がいる。
熱くて熱くて、もうるつぼなんて形はなくて、
私はただの液体なのではないかと思うようになる。
けれどあの人を感じられる。
感じているのはあの人の感触だけになる。
とろけてとろけて でも 身体中が締め上げられるような感覚にも襲われる。
そのとき あなたがびくり、として、
私のるつぼの中に温かな、けれど新しい液体が注ぎこまれる。

次第に私は形を取り戻して ただ 液体を飲み込もうとする。
身体の、奥へ、奥へ。

残った私はただの残骸のようで、くたくたとあなたに抱き上げられる、のを待つ。






2004.8.22





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