「近づいてるんだ」
「何が?」
「台風23号」


「……え〜と、セかチューごっこ?」
昼食後の教室、葉佩と皆守の会話を聞いた八千穂がそう一言尋ねると

「「違う」」

と、仲良くハモった返事が返ってくる
「なんだそのつまんなそうな遊びは」
「やっちー今のじゃ俺がアキ役になっちゃうじゃん」
皆守がうんざりした様子で否定するのに対し葉佩の否定する部分が少しズレてる気がする
「いや〜、二人の会話聞いてたらあまりにも似てたから。で、ホントは何の話してたの?」
「こいつが今日も潜るってうるさいんだ」
そう言って皆守が顎で葉佩を指す
「昨日の依頼からアンクガメてやっとあそこの扉開けられんだよ、平気だって台風くらい」
「平気な訳あるか、台風の倒木で怪我することだってあるんだ。都内だって危険には変わりない」
「俺の敏捷99だっつーの、倒木くらい避けられる。なめんな」
「だからその過信が命取りになるんだと言ってるんだろ、大体避けられるのも俺のサポートあってこそだろうが」
「なっ、俺は別にサポートがなくても」
「はいストップ!ストーップ!!」
口論を始める二人を八千穂が収める
「もう、二人とも喧嘩しない!要するに九チャンは今日も墓地に行くって言ってて
皆守君がそれに対して台風だから今日は止めさせようとしている、と」
「外国暮らしが長いせいか知らないがこいつは台風を甘くみてる」
「知ってるよ、台風くらい」
「じゃあ今日はおとなしくしてるんだな」
「ヤダ」
「だからなんでそーなんのよー!この二人は!」
隙あらば口論を再開しようとする二人にまた割って入る
「でも九チャン、私も今日は止めといた方がいいと思うよ。なんせ超大型らしいし」
教室の窓を叩きつける雨を見ながら八千穂も諭しに入る
「怪我して潜れなくなったら元も子もないし、それに……」
一旦そこで句切って皆守に向き直り
「皆守クンって九チャンのことになると過保護だから素直に諦めた方がいいって」
と言っていたずらっぽい顔で笑う
その発言に当の二人はと言うと
「へ?」「はぁ?」と呆けた返事
「何言ってんだ八千穂」
「いいっていいって、分かってるから」
「何が分かってんだよ、つーか何で今の流れでそういうことになるんだ?」
「九チャンが墓地から無事に戻ってくるまで皆守クン心配で寝れないんだよね」
否定すると皆守と更に面白がって煽る八千穂
「あのな――、……もういい勝手に言ってろ!」
反論しようとしたが不毛だと悟り二人に背を向けて去っていく
「え?ちょっと何処行くの、もうすぐ授業だよ」
「知るか!」
そう言い残して皆守は教室から出て行った、残された二人は
「あーあ、やっちー遊びすぎ」
「ごめーん、でも皆守クンは否定してたけど九チャンのこと心配してるのは見てて分かるし」
「まぁ、有難いんだけどね。自分を心配してくれる存在がいるってことは」
でもやっぱり宝探し屋として遺跡への好奇心を押さえられない自分がいる
申し訳なさそうにそう言うと、八千穂が察した様に
「そっか……、でも九チャンあたしも心配してるんだからね。無茶しちゃ駄目だよ」
「うん……、ありがとやっちー」
自分を心配してくれる八千穂に感謝しながらさっき去っていった人物の事を考える
――あいつもやっちーくらい理解示してくれればいいのに



「……よう」
「――げっ」
扉をノックする音がしたから、と何も気にせず開けたのが悪かった
開けた人物が皆守とわかりすぐ扉を閉めようとしたが
「そう嫌そうな顔をするな」
新聞の勧誘よろしく足をドアの隙間に滑り込ませ阻止する
「新聞なら間に合ってますから」
「何訳わかんないこと言ってんだ、中入れろ」
「なんで」
「話があるからに決まってんだろ」
「…………はぁ」
ここで話していても埒が明かないと思ったのか
溜息をつきながら渋々ドアを開けて皆守を招き入れる葉佩
もう探索に出に行くところだったのか部屋の電気は消されている
が、改めて付けようという気も無いようである
皆守が部屋に入りドアを閉めると
「何の用だよ?もう説教は聞かないからな」
先手を打ってそう言う
「やっぱり行くつもりな訳か」
「当然」
「……そうか、じゃあ悪く思うなよ」
「は?――うわっ」
皆守はそう言って葉佩の後ろのベットへと突き飛ばした
「てめっ何を――」
起き上がって文句を言おうとした葉佩にそのままのしかかると
肩を押さえまたベットへと押し倒す
嫌な予感がして押し返そうと試みるがビクともしない、完璧に押さえ込まれてしまっている
「気にするな、お前が行くって言い張るんならこっちもそれなりの手段に出るってだけだ」
そう言って慣れた手つきでベルトを抜き取りズボンを下げる――が、下げるだけで完全には脱がさない
「……ちょっ……待っ…やめ…っ」
葉佩が制止の声を上げようとするがいきなり握りこまれビクリと強張る
手をどかしたくて暴れようとするが中途半端におろされたズボンが縛りになって思うように抵抗できない
その間にも皆守はゆるゆると葉佩のモノを扱き始めると徐々に勃ちはじめ
「……ん…なん……で……くっ…」
耐えてはいるがどこが感じるか知り尽くされた手で翻弄されて辛くなってくる
「イキたいんならさっさとイッちまえ」
「…だ……れ…がっ……イくかっ…ん…っ…」
まだ憎まれ口を叩く余裕がある葉佩を見て規則的に扱いてた手の動きを不規則に変化させはじめ
「えっ?……や…ぁ……何…すっ…」
急に変わった手の動きについて行けず堪えきれず時折甘い声が漏れ出してくる
それに気を良くしたのか皆守は先端から零れている先走りを掬い取ると
葉佩のモノへと満遍なく塗りつけ手の滑りをよくさせ
「我慢しないでイッたらどうだ?」
余裕の表情でそう聞いてくる皆守に
「ぜっ……てぇ…イか……ねぇ……」
悔しくて睨みつけながら返す葉佩、だがそんなに濡れた瞳で睨んでも相手を煽るだけで
そして強情になられるとこちらとしては苛めて泣かせたくなってしまう
「それじゃあ、どこまで耐えられるか見せてもらおうか」
楽しそうに言うと皆守は一層扱く手を早める
裏筋にも指をのばし何度も撫で上げ、カリ首にもわざと指を引っ掛けて
「……ゃ…め……っ…ん…」
弱い所ばかりを攻められ段々上げる声が色を含んでくるのが分かる
「相変らず先端が弱いな」
根元から先端まで扱いていたかと思うと今度は亀頭を重点的に攻められ
「そこ……や…だ……ぁ……」
喋ろうとすると出したくないのに上がる喘ぎが嫌になって口を自分の手の甲で押さえる
「なんだ、耐え切れなくなったのか?」
分かってるくせにそう聞いてくるのが癪に障る
大体なんでこんなことされなければならないのか
勝手に人のことを押し倒しておいてなんでこんなに偉そうな態度をとっているんだコイツは
そう思い返してまた腹が立って睨み返すと
「……そういう顔もそそるんだが俺が一番見たいのは――」
そこで句切って葉佩のモノの先端に爪を立て
「……ひっ…ぁ…あ……あっ…――――っ」
ギリギリのところで堪えていた葉佩の熱を手で受け止めニヤリと笑い
「やっぱりこの顔なんだよな……」
葉佩が自分の手の中に放った白濁を舐めとりながら言った
「……なん…なんだよ……お前…」
まだ息が上がっている葉佩が悔しそうに問いかける
「何が?」
質問の意味が分かってないのか分かっていて惚けているのか分からない物言いに
「普段はイキたくても、絶対イカせてくれねぇくせにっ!」
とうとう葉佩がキレた
いつもだったらイキたくても根元を握り込んで絶対イカせてなどくれない
気が狂うほどに苦しくなって、泣いて、懇願して、それでも皆守が満足するまでは解放してくれない
なのに今日は性急な愛撫でイカされて
一体何がなんだかわからない
「だから今日は存分にイカせてやってるだろうが」
「――愛が無いっ!」
「愛があるからこうしてるんだろ」
愛があるからこそ葉佩が台風の中墓地に行くのを阻止しようとしてる訳で
コイツが怪我するとこを見たくない
でもそれ以上に自分がいない場所でコイツが怪我するかと思うと耐えられない
そんなこと面と向かっては絶対に言わないが
ただ、葉佩もこの行動が自分を遺跡に行かせない手段だと言うことは悟った様で
「……ふーん、そういうつもりなら受けて立とうじゃねーか」
望む所だ、とでも言うような挑発的な目つきで返す
――この眼だ、妖しくてゾクリとする。そして屈服させたい衝撃に駆られる
自分の中にそんな欲望があったなんて今まで知らなかった
「へぇ……、どこまで持つか試させてもらおうか」
どっちが先にギブアップするか――
面白そうに言い返して皆守は自分の服を全て脱ぎ捨てまた葉佩へと圧し掛かる
「――俺も服脱ぎたいんだけど」
上だけ着ていて下は脱がされてるって言うのは変な感じがして好きじゃない
自分で脱ぐのでも脱がされるのでもいいから取ってしまいたい
そう思って口にしたが
「却下」
「何でだよ」
「着ていた方がお前が嫌がるだろ」
「お前な……」
どこのいじめっ子だ、それとも好きな子にはいじめるタイプなのか
多分両方だろうと思うが
「お前ほんっと性格悪い」
「知ってる、自覚あるから気にするな」
このように開き直られると悪口と言うのは効果を持たない
「だったら――っ、……ん…」
悔しがって吠え続けようとする葉佩の口に人差し指と中指を入れて舐めさせる
葉佩は最初は驚いたが意図を理解したようで指に舌を絡め始め
時々口から覗く紅く、濡れている舌がとても卑猥で
指へ絡める舌の動きが淫靡でそれを見ただげて皆守は自分のモノが熱を持つのがわかる
さっき手でイカせてたときだって冷静を装ってはいたが
葉佩の上げる声に、表情にどれほど興奮させられていたことか
「……そろそろいいか」
十分に濡れた指を口の中から引き抜く
その時わざを敏感な上顎を撫でると一瞬葉佩の体がはねる
「本当に感じ易いな」
「うるさい、つーかお前がそれを言うか?」
敏感なのは元からで、でも自分をこんなに快楽に弱い体にしたのは今覆いかぶさっている人物なのに
「褒めてるんだがな」
「全然そう聞こえないんですけど」
不満そうに言う葉佩に
「褒めてるに決まってるだろ、こんなに――」
そこで話すのをやめ、葉佩のアナルへ指を一本挿しいれる
「…っ……くっ…」
一本だけということもあってかすんなりと指の侵入を許す
「――男を喜ばす体をしてるんだから」
腸壁が指に絡みつき締め付けてくる
「……そんな…こと……な……っあ……」
否定しようとする声を中の指を動かして黙らせる
少し指を動かすだけでまるで自分から引き込んでいくみたいに内壁が動く
早く自分のモノを突っ込んで滅茶苦茶にしてしまいたい、そんな衝動に駆り立てられそうになる
指を2本3本と増やしていき十分に慣らしたのを確認すると
――そのまま一気に貫いた
「…っ……く……ぁ……」
葉佩の体が大きくのけ反り苦しそうに声を上げる
この瞬間だけは何度体を重ねても一向に慣れることはできない
苦痛で呼吸が浅くなる、皆守もそれを気遣ってか動かずに待っていてくれる
葉佩の呼吸が整うのを待って、少しずつ腰を動かし始めるが
狭さと熱さで気を抜くと一気にもってかれそうになる
「ほんと……いやらしい…よな……」
自分のモノを更に奥へと穿ちながら感じたままを口にする
まるで搾り出すかのように動く内壁、そして今自分が見下ろしているその痴態
身体的にも視覚的にもいやらしいとしか言えない
「お…まえ……少し…っ…黙…れ……」
いつもこうやって言葉攻めされて
否定しようとしても自分の性感帯を知り尽してる相手だから
「……っ…そこっ…やめ……あっ…やっ…」
「ほら、やっぱり淫乱だろ?」
弱い一点を突かれて体がガクガクと震え、結局皆守の言葉を肯定するような状態になってしまう
挿入された時に萎えかけた自分のモノも触られてもいないのに徐々に頭を擡げてきていて
それを皆守に見つかって
「……そろそろ、後ろだけでイってみるか?」
「冗談……ん…っ……」
嫌がる葉佩に無理強いする気は無いようで皆守は葉佩のモノを扱き始めた
「……は…ぁ……ん……」
さっき手でしたときとは違い今は葉佩は声を上げるのを押さえようともしない
不規則に扱かれモノが勃ち初めると腸壁の締め付け具合も段々と強くなってくる
自分の先走りもあってか腰を動かすのが楽になっているがこの締め付けはキツイ

「……おい、中に…出すぞ……」
「え?、……や…待っ……っ」
葉佩の制止を無視してギリギリまで引き抜き一気に奥まで突き上げ
そのまま最奥へと自分の熱を放つ
「……くっ」
ドクッと自分の内に熱さが広がる感覚に
「……ん……あ…ぁ――っ!!」
続いて葉佩も己の熱を解放した
「……中に……出すなって…」
中に出されるとその後の後始末がツライ
SEXしたあとのだるい体から掻き出すのはすごく疲れる
だけどちゃんと後始末をしないと体調が崩れて探索ところではなくなる
「……じゃあ抜いて服に掛けても良かったのか?」
「それは…………困るけど」
「だったら我慢しろ、後で俺も手伝ってやるから」
「……いらない、お前手伝うって言って結局またヤルことになるんだもん」
「お前が掻き出すだけで感じるからだろ」
「なっ、そんなことなっ……ん…ぁ……動…く……な」
否定しようとする葉佩をまだ内に入れたままのモノを動かし黙らせる
「じゃあ第二ラウンドといくか、お前が探索に行くのを諦めるなら止めてもいいが」
「…冗……談っ……」
諦める気は更々無いらしい
皆守はその言葉を待っていたようにニヤリと笑いまた葉佩の内へ己を進めていった



「――ん……?」
窓の外の明るさで目が覚める
台風はもう過ぎ去ったようで窓から見える空には雲ひとつ無い
「……起きたか」
隣を見ると皆守がもう起きている
「……ありえない、甲ちゃんのくせに俺より早く起きるなんて」
「あのな……、今何時だと思ってるんだ?」
そう言われて時計のデジタル表示をみると

     AM11:00

頭の中が真っ白になる、やっと出た一言は
「……マジすか?」
「俺はワザワザ冗談の為に時計をいじったりしない」
明らかに遅刻、しかもこいつは分かってるくせに起こす気はなかった
「どーすんだよ、授業」
「行きたいなら行ってもいいけどな、お前その前に体動かないだろ」
「へ?――っ!」
起き上がろうとして腰に走る激痛
「だから今日は休んでろ、当然墓地に行くのも無理だな
昨日俺の言うこと聞いてりゃ二日も続けて遺跡に行けないって事にはならなかったのに」
結局何度目かの射精で失神してしまい、今まで寝ていたので探索には行けなかった
だが、その原因は半分は皆守のせいではないだろうか
「自分のことは棚上げかよ、だいたい甲ちゃんがあんな手段に出なければなぁ」
「でもお前はそれを承知で受けたはずだろ」
「だ、だって普通失神するとは思わないだろ」
今まで失神したことなんでほとんどないのに
「それだけ良かったってことか」
「ち、違っ」
ニヤニヤと笑いながら言われて葉佩の顔が赤くなる
「ま、今日一日面倒みてやっからゆっくりしてろ」
そこでようやく分かった、皆守がなぜ起こさないでおいてくれたのか
なぜ一人だけ先に学校に行かなかったのか
……責任を取る気はあるということか、だったら
「喉渇いた、水取って」
「ミルクでいいな」
「水だっつってんだろ」
「背を伸ばしたいんじゃなかったのか?」
「伸ばしたいけど、それでも水」
なんだかんだいいつつも水を持ってきてくれる
だったら、今日一日は精々コキ使ってやろう
昨日のことを考えたらそれでも足りないくらいなのだから






どうにか裏一作目を仕上られました
無駄に長くなってしまった感がありますが……
なんか書いてるうちにキャラの性格変わったかと思うくらいですが
そこら辺は目を瞑ってくれると嬉しいです



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