直線上に配置

とろとろ・・・・

いや、
どろどろ・・・。

ジャロンが戻ってきたときのわたしの有様を表現するならこういうことになるのだろう。

徐々に獣たちが私の身体から離れていき、弾む息を整えながらも、体中を渦巻く官能の嵐に揺さぶられながら、痴呆のように

「いかせて・・・殺して・・・どっちかにして・・・」

とつぶやいていた・・・


「ふふふ、さっきの元気がうそのようだな・・・」

いきなりうしろから、太い、そしてひどく大きい声がした。ジャロン! もどってきた。

もう余裕の無い私は唯一の解放への鍵を持っている男の帰還に興奮して、懇願した。

「おねがい! ジャロン、どうにか・・・どうにかしてえええ!」

自然と身体がくねり、憎い男の前で媚態をさらしてしまう・・・

「ほう、すごい格好だなヒトミ。いやらしく大きなケツをくねらせて・・・えぇ?」

「はぁ・・はぁああ! おねがい!」

わたし、はしたない、安物の娼婦のような声を上げてしまう。

「あまりいやらしくて触る気にもならねえ。しばらく見学といくかな・・・」

「やだ! やだああああああああ!!!!」

 絶叫していた。完璧な屈服だった。

「どうしてほしいんだヒトミ??いかせてほしいのか?俺とセックスしてえのか? えぇ??」

「・・・!」

その言葉のもつ意味に・・・自分でもうわごとのように繰り返していた言葉の意味に気づく・・・イカせてもらうこと・・・この苦しみからのがれること・・・それは、この憎むべき怪物と・・・あ

ああ・・・・どうしよう!

「ひ・・い・・・ひ・・・・・・・や・・・・い・・・・あああああ・・・・・」

「そんながたがた震えながら言われたってわからねえよ!いいか? 買ったばかりのお前を
殺すなんて馬鹿なまねをするはずはねぇだろう?だから逃げ道は一つだ。どうする??それともそのまま待つか?そうさな、もう『術』をかけてから3時間経ってる・・・あと3時間経てば元に戻れるがな・・・どっちがいい?」

そ・・・そんな・・・待てない!

「おねがい! いかせてえええええええ!!!!!!」

私はジャロンが言い終わらないうちに絶叫していた。

「なんだってぇ?」

「セ・・・セックスしてっ!おねがい! わたしを、いかせてぇ!」


一瞬の沈黙、そして、ジャロンがゆっくりこちらに歩いてくる足音・・・
そして、私の頭上から太い声が振ってくる・・・

「じゃ、そうさせてもらうぜ・・・・いいか?お前が望んだことだからな・・・」

あああ・・・もういい、そんなの分かってるから・・・お願い、はやく!

ジャロンの革のグローブのような、大きな手のひらが私の頭にかかる、それだけで、私の身体が激しく痙攣してしまう・・・ジャロンは私の後頭部に手を回し、目隠しを取り去る。一瞬、部屋のまぶしさに目がくらみ、私は目を閉じる・・・

「こちらを見てみろ」

ジャロンは私の髪の毛を掴み、頭をひきあげる・・・
私の視野の中に、逆行に照らされたジャロンのシルエットが写り始める・・・そして・・・徐々に目が何本もの蝋燭で照らされた明るさになれるにつれ、わたしは異変に気が付き始める。

そこに立っていたのはジャロンじゃなかった。  いや、ジャロンではあったが・・・でも、私を買った盗賊風の男ではなかった。化け物・・・そう、完全なモンスターだった。確かに、身体の線や、顔つき、雰囲気はジャロンのままだった・・・でも、こいつの肌は人間の色ではない、妙に白ちゃけた、いやらしい灰色をしている・・・それに、身体の表面にヒルのようにくねる何本もの赤い太い血管のようなものが飛び出していた・・・

そして、アイパッチで隠されていたほうの目の位置には、眼窩から、太い、蔦のようなぬめぬめした器官が伸び空中をのたくっていた・・・

「ひ・・・い・・・いやああああ!!! こないでぇ!!!」

さっきまで官能に染め上げられていた意識が圧倒的な恐怖と嫌悪に塗り替えられた・・・
身体が冷え込み、歯の根が合わずにカタカタと音を立てる。 涙が自然と湧き出して・・・からだが縮みこむのがわかる・・・・

「どうした?お前が欲したんだぜ?」

ジャロンが手の甲を私の右の頬におしあててくる・・・両脚が交互に震え、まるでその場足踏みをしているかのようなみっともない姿をさらしてしまう・・・

こわい・・でも・・・ジャロンの顔を見つめてしまう・・・迷路のようにあった刺青・・・なんだか形をかえている・・・幾何学形のパターンではなく、何か、めちゃくちゃな筋の配列・・・そして、表面がその筋にあわせてでこぼこしている・・・そして・・・なんだか、その筋がかすかに・・・蠢いている・・・

そのとたん、触られている頬にも何か、もぞもぞと動く感覚を感じる。

「ひ・・・い!」

その気持ち悪さに、伸ばされているジャロンの腕・・・そして私の目の前にある分厚い胸板に目を向ける・・・う・・・動いてる・・・いや・・・これ・・・・・!!!!

そこにあったのはジャロンだった怪物の身体一面びっしりと多い尽くすいやらしい虫たちのコートだった・・・ウジの化け物のようなそいつらは、まるで薄い膜のような皮の下でぐちゃぐちゃにうごきまわっている・・・その光景に、私はほとんど気を失いそうになる・・・
 
「いや・・・やあああああああああああああああ!!!!!!!」

気が狂いそうだった。

「こないでええ! こないでえええええ!!!」

ち・・・ちかづいてくる・・・!あああ・・・いやらしい、虫の固まりになったジャロンの皮膚が、わたし、身体におしつけられる! 

「だめ! だめええええええええええ!!!!!!!!」

ジャロンは、X字に拘束された私の体の前面に分厚い胸板から腿に掛けてを隙間なく押し付けてくる。 その、あまりにおぞましい感触は、私のどんな想像も、恐怖も超えていた・・・
一度に、超敏感になった皮膚の・・・すべての神経端末が、ぬめぬめとして、そして、グネグネとうごめく線虫たちに一度に刺激され、わたしは強烈な吐き気をもよおす。

「う・・・うううう・・・いやあああああ!!!」

胃の中のものを一気に吐き出そうとする、でも、ジャロンはお構い無しに身体を押し付け、それどころか、太い腕を背中にまわし、私をギューッと抱きしめてくる。
「や・・・やめろぉおおおお!!! やめてえええええ!!」

全身が、ざわつく虫のカーペットに包まれる・・・神経から届けられる過剰な刺激を脳が処理しきれず、目の前で白い火花がはじける。

「ひ・・・・いやああああ!! やめてええええ!!!」

「へへへ・・・そこまで興奮してくれるとうれしいぜ。俺の帰りを待ってたんだろうよ?」
「いやあああ! いやあああああ!!! いやあああああ!!」

私は泣きべそをかきながら、顔を左右に振って同じ言葉を繰り返していた。

「かわいい泣き顔だな、よくみせてみな」

ジャロンが、私のあごを掴み固定する・・・
ジャロンの顔からは何匹かの虫が皮膚を突き破り、のたり、のたりとくねり動いている・・

「ぐ・・・い・・・やあああ!」

その様子に、吐き気が倍増し、私は嘔吐しようと口を開いた。その瞬間!

「ズリュウウウウウ」

私は、口からおなかにかけて串刺しにされていた。なにか、熱くて、太くて、そしてヌメッとしたものが私の口から食道を一気に下っていった。

「ん・・・・・んん・・・・・・・!!!」

あまりの衝撃に、私は顔をそらせ、目を大きく見開き、そして涙をぼろぼろ流して硬直していた。 顔が上向いている為、見下ろすような形になった私の眼に、ジャロンの口から伸びた、太く、長い、薄紫色の舌が写っていた・・・

ジャロンの長大な舌に食道を犯される圧倒的な侵犯に、吐き気も吹き飛んでいた。いや、この感覚の前には吐き気などはどうでもいいものになっていた。そして、次の瞬間、私の深奥を犯すジャロンの舌がゆっくりと振動しだした・・・・

(い・・やだああああ! もう、やめてええええ)

声にはならなかった。でも、私は全身を音を立てて震わせ、抗議した。

「ははは、素質があるな、おまえは。これならそのうち腹の中でもイケルようになるぜ」

(う・・・うそよ! もう! やめてえええ!)

信じられない言葉に、わたしはいやいやをするように、顔を許されたかすかな範囲で振る。

「ほんとうさ、まってな。」

そういうと、ジャロンは二コリと邪悪にわらった。その顔が真顔に戻った瞬間、

(ひ・・・・ひやあああああああああああああああああ!!)

胃の中が・・・そして食道が急に熱くなった。そして・・・ジャロンの舌のその虫のような突起の一つ一つがもぞもとうごめきだしたのが、胃壁ごしに生々しく感じ取られた。

(ひ、そ・・・そんな! うそ!うそよぉおお!!!)

心の中で絶叫していた。本当なら苦痛か嘔吐感でしかないようなそのおぞましい感覚に私の全身がカーッと熱くなっていく。

(だめ、そ・・・そんな・・・・いやぁ!)

頭の中がぐらぐらと煮立ってくる。全身にピリピリとした電気が走って、体中が更に敏感になっていく。先ほどの嫌悪感により忘れていた圧倒的な官能が倍になって私を襲ってくる!

(やだあああ! いやあああああ!!  もえちゃう! 焦げちゃうのおおおお!!!!)

高圧電流のような刺激が尾てい骨から湧き上がり背骨を駆け抜けていく。 私の視界は真赤視染まり、全身が赤銅色の渦の中で火を吹きながら溶けていく!

「どれどれ、かわいい声を聞かせてもらおうか?」

ジャロンがそういうとわたしの口に含まれていた舌
(・・・? どうやってこいつ、しゃべっていたの??)がすっと消えてなくなる。でも、おなかの中の蟲どもはそのままだ。

「う・・・・ふぁああああああああああああはっ!!!!!」

わたしは自分でも信じられないほどいやらしい、あまりに淫らな叫び声を上げてしまう。

「うはあああ!!!!  だめええええ!!  もう!!! はあああああ!!!!」

ほとんど息をつく間もないほど、自然と声がでてしまう。体中ががたがたと震え、背骨が折れるのではと思われるほど反りあがる。

「へへへ、これぐらい溶ければ大丈夫だろう」

ジャロンが腰をもじつかせる・・・ あ、だめ! こいつ、私の股間に・・・ああああ! そんなおおきいの!!

「それ!」

「・・・・・・・・・・・・・・!!!」

「おおおお、きもちいいぜえええ! とろとろじゃねえかああ!!!?」

「う・・・・ふぅぅぅぅぅぅぅぅうううううう・・・・・・・・」

は・・・はいって・・・・る・・・・!!!!!!!!

「ひ・・・・・・いいいいいいいいあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

すごい声を出していた。すごかった! だって、もう・・・・わたし・・・だめぇ!!!

「うはあああああ!!! くあああああ!! だめええええええ!!! やあああああああ!!!!!!」

ジャロンはゆっくり、私にその、モノの凶悪さをすべて味あわせようとするように身体をゆすってくる。 わたしは、あまりに強烈な劣情に、全身を焼き尽くされ、まるで電気銃で撃たれ続けられているかのように身体を痙攣させ、絶叫を繰り返している。

「ひ・・ぃぃいい! ひぎぃいいいい!!!! もう!!! あがががががが!!!」

私は獣じみた、いや、まるで猛獣が狂ってしまったかのようなこえをあげ、体中から体液を垂れ流しながらジャロンに抱えられた姿勢のまま、まるで癲癇の発作を起こしたように震えていた。体の芯を、凍りつくような寒気と、マグマの海に沈められたかのような灼熱が交互に襲う。身体の奥底から、何か、圧倒的な電圧にチャージされたびりびりとしびれる"気" の球がせり上がってくる・・・

「ひ・・・だ・・・だ・・・だ・・だ・・・だだだだだだだ!!!!!」

「どうした? いっちまうのか??俺にまんこ串刺しにされてよぉ??」

ジャロンの下卑た言葉を聴いたとたん、その球がわたしの中で核爆発をおこした! 身体の中に赤とオレンジと黄色と緑がでたらめに混じった光の塊が飛び散り、体中の毛穴から"生"が四方に飛散していく・・・・

「ううううううぁあああああああああわああああ!! い・・・いいいいいいいいい!!!」

「そら! そらぁああああ!!!」

「イ、クゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウ――――ッ!!!!!!!!!!!!!」

「ハハハハハハハ!!!!、イケェ、ADDの雌イヌめ!」

ジャロンの嬌笑がわたしの断末魔にかさなる。くやしい。でも、わたしはジャロンに強制された淫獄から逃れることができない。

「ひぃやぁああああああ!! ふぁあああああ!!! もう! だめえええ!!! もう!!・・・・ああああああ、 またぁあああ!!! いいい・・・・いやあああ!!!」

一度はじけた官能は次から次へと同じ規模の、いやそれ以上のクライマックスを呼び起こしていく。

(もう、だめ・・・これで終わりにしてぇ! これ以上は、もう・・!)

いったい、私の体のどこにそのような快楽のエネルギーが残されていたのか? 十何回も、いや、何十回も立て続けに絶頂を迎えるわたしの願いは、しかし、あっさりと裏切られ続ける。

「あは! あははは! はぃやあああああ!! だめええ! だぇえええエエエエ!!!!」

「ハハハハ! 狂っちまえ! この淫乱女!!」

ほんとに・・・本当に狂ってしまう。このまんま、気を狂わされ、廃人になってしまうの???

「ひ・・ほおおおおおおおおっ!!! ぐふぅうううああああああああああ!」

「ふぁあああ・・・・はぁあああ・・・・・・あああ・・・・・・」

もう・・・私・・・だめだ・・・もう・・・ふらふら・・・・

「何だ、元気がなくなっちまったなぁ??もうだめかぁ・・??」

ゆるして・・・・もう・・・・おねがい・・・・

「じゃ、こっちはどうだぁ??」

ジャロンの、熱くて、太いものが刺さっている私の急所の周りに、冷たく、ぬめりとした感触が伝わってくる・・・その、冷たい、ぶよぶよの舌のようなものが、股間をうしろに滑り出す・・・その、頼りの無いような、そして奈落に落ちていくような感覚に、私は思わず背筋を硬直させ、素っ頓狂な声を上げてしまう。

「だ・・・だめええ!! そこ、いやあああああ!!!!」

やだ、そんなとこ!は! だめぇ!!!

「いやぁああああああああああ!!!!!」

は、はいってくる!! こんどは、うしろに!!
でこぼこと、めちゃくちゃな形に盛り上がり、ぬるぬるとした、気味の悪い軟質の組織に覆われた、異様な器官が、私の後ろにおしこめられてくる! 私のアヌスはジャロンの呪縛と、執拗な蹂躙によって敏感になり、気持ち悪い突起、ひとつひとつが進入してくる様子を鮮烈にフィードバックしてくる。

「いやぁああああ!! こんなの! い・・・・い・・・・・ヒィィイイイイイイイッ!!」

同時に、両のわきの下、足と手のすべての指の間に、いやらしい蟲の舌がすべりこんでくる!!!

「ひぃいいいい・・・い・・・・い・・・・・イクゥウウウウウウウウウッ!!!!」

突然だった、一度収まっていた官能の核分裂が、さっきの数倍の勢いで誘発される!

「ふ・・・くぅぁあああああああああ!!!! イ・・イク! イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!・・・・・・イク――――――――――ッ!!!!!!!」

だめぇえっ! もう、とまらない! 

わたしは、はしたなく下半身を打ち振りながら、自ら気色の悪い蟲どもののたくるジャロンの胸板に顔をうずめて泣きじゃくっていた。

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