GS美神 極楽大作戦!! 「それじゃあおばさま、ウチの馬鹿がご迷惑をおかけするでしょうがよろしくお願いしますわ」
「ありがとうね令子ちゃん〜〜〜〜。 お礼に今度、冥子をお仕事を手伝わせるわ〜〜〜〜」
「て、丁重にお断りいたしますわおばさま」
美神は特別審査員の依頼を受ける事にした。
実際には依頼ではなく要請であり、ただメモ代わりに依頼書に書いただけなのだが。
日本のGS界はもちろん、財閥としても六道家は経済界で大きな力がある為、そうそう断れないのも事実だった。
その上六道女史には母娘2代揃って色々と世話になっている事もあり、無下にする事も出来なかった。
母の美智恵は令子が生まれて以来六道家に関わっていないに等しい様なものだったので、令子が六道女史と出会ったのは冥子と知り合ってからであるが………
「まぁ面倒な話じゃないですし、これくらいなら構いませんわ」
まぁたまにはこういう事があってもいいか、そう美神は思った。
「さてと、話も終わったし、帰るわよ二人共?」
「そうですね。 横島さんとタマモちゃんを呼んできます」
「拙者も行くでござる!」
美神の言葉に二人は部屋から出ていった二人を探そうと腰を上げる。
特にシロは話についていけずかなり退屈な思いをしていたので、尻尾をパタパタと激しく振っていた。
「ああ、大丈夫よ〜〜〜〜。 後で二人ともちゃんと送って行くから〜〜〜〜」
そこに六道女史が笑顔で言った。
「なら拙者も残るでござる!」
「あ、あの、それじゃあ私も………」
『先生と一緒に帰りたいっ!!』と言わんばかりに、シロは手を上げて言う。
おキヌもそっと一歩前に出て頼み込んだ。
「おキヌちゃん、シロ。 おばさまに迷惑が掛かるでしょ」
「でも先生が……」
くぅんとシロは寂しそうに鼻を鳴らした。
おキヌもどことなく残念そうな顔をしている。
「ほら、さっさと帰るわよ。 すいませんがおばさま、お願いします。 あいつらが何かやらかしたら放り出しても構いませんから」
「わぁぁぁぁぁっ!せんせーと一緒がいいでござる〜!」
「子供かおのれは!」
「あらあら〜〜〜〜」
そうして、美神たちは先に部屋から出ていった。
シロは普段横島がされているように引きずられてではあったが。
入れ違いに部屋の外で待っていたメイドのフミが入ってきた。
「奥さま、御夕食の用意が出来ました」
「横島くん達を呼んできて頂戴」
「承知しました」
一礼してフミは部屋を出ようとしたが、「あ、フミさん。」と呼び止められて振り返る。
「なんでしょうか奥さま?」
「私の分はピーマン入れないで下さいよ、くれぐれも」
「………はい、奥さま……」
真面目な表情で言う主人の言葉にフミは複雑な笑みで返すのだった。





「いやぁ美味かったっす」
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした〜〜〜〜」
六道女史の誘いで夕食を共にする事になった横島は、今まで食べた事のない豪勢な食事に舌鼓をうった。
まぁ食べ方は人それぞれだが。
タマモも油揚げが無かったとはいえ気に入ったのか僅かに満足そうな顔をしていた。
「横島クン、今日はどうするの〜〜〜〜?」
上品に口元を拭った六道女史は横島にこの後の事を尋ねた。
「是非冥子ちゃんの部屋で一泊」
「アンタ、明日の朝日は見れないわよ」
目を血走らせ鼻息を荒くする横島にボソッとタマモが漏らした。
美神に知られたらの事を言っているのだろう。
実際には冥子のプッツンもあるためますます生存率は低くなっているのだが。
「じゃあ今日は2人とも泊まっていけばいいわ〜〜〜〜」
「ホントっすか!ありがとうございますお義母様!!」
「………………」
タマモは横島に突っ込もうとせず、静かに食後の紅茶を飲んでいた。
「横島く〜〜〜ん、一緒に寝てくれるの〜〜〜〜?」
「………ぐぶほっ!!」
そして横島は冥子の無邪気な一言に鼻血を噴出して血の海に沈んでいたのだった。





夜も更けて人が寝静まる暗闇の中に一つの影が浮かび上がる。
窓の外から星の光が射し込み、闇の中から影の姿を浮かび上がらせる。
「ふっふっふ………名家のしきたりによって閉じ込められた深窓の令嬢を助け出さんが為!漢横島、推して参る!!」
そう宣言して、横島は物音一つたてないようにしながら冥子の部屋へと歩きだした。
コッ、コッと廊下のどこかに設置された置き時計の音が響き渡る。
「にしてもでかい屋敷だよなぁ。 金ってのはあるところにはあるもんだ」
歩きながらしげしげと辺りを見回して溜息を付く。
自分の部屋と見比べる事すらできないのが現実だった。
今の時給のままだと一生かかっても買えないものばかりにしか思えなかった。
「美神さん、頼むから時給上げてくれへんかなぁ……考えるだけ無駄な気がするのは気のせいじゃないのが悲しいけど」
美神との交渉を思い描いてガックリと肩を落す。
「冥子ちゃんとこに婿入りでもしたら玉の輿なんだろうけど……そんな事ありえんしなぁ……」
ブツブツと言えば言うほど気分が滅入ってくる。
気分を切り替える為、パンパンと顔を叩いた。
「よっしゃ!いくで!俺はやったる!いかなる困難をも跳ね除けて、いざ囚われし姫の元へ!」
静かな廊下に横島の声が響き渡る。
思わず大きな声を上げてしまったのに気付いた横島が口を押さえて辺りを周りを見渡すが、誰かが起きたような気配は感じられなかった。
「危ねぇ危ねぇ……さてと、冥子ちゃんの部屋は……」
そうして横島は廊下の奥へと消えていった。





冥子の部屋は思いのほか簡単に見つかった。
『♪冥子の部屋♪』と書かれた大きなルームプレートがドアに付いてあったのだ。
「こ、この奥に冥子ちゃんが……」
ゴクッと喉がなった。
意を決してドアノブを回す。
鍵は掛かっていないらしく、カチャッと小さな音を立ててゆっくりと扉は開いた。
影の様に忍び込むとそこには無邪気そうにベッドで眠っている冥子の姿があった。
壁が一面窓張りで、そこから月明かりが冥子に降り注ぐ様子は幻想的ですらあった。
「おおお、寝顔が可愛い……あれだけ凶悪な十二神将がいてもこの可愛さで許してしまう!」
目を血走らせて荒い息をハァハァと吐くその様子は、煩悩少年の面目躍如といったところか。
襲われる方からすればたまったものではないが。
「………」
眠る冥子に口づけしようと顔を寄せる。
タコみたいに唇を伸ばす姿はひどく間抜けだが、横島は冥子の唇にくぎづけで気が付いていなかった。
ピカッ
すると背後から一瞬強烈な光が迸った。
「な、なんだ!?」
突然の出来事に横島は飛び上がる。
それでも逃げる準備は出来ている所が横島であった。
「きゃあっ!?」
光が収まると背後で可愛らしい悲鳴が上がり、同時に何かが落ちた音がした。
「女性の悲鳴?」
「いたたた………あれ?ここは……?」
光に目が眩んで横島は何が起きたのか判断が出来なかった。
声からして誰かがいるようだが、暗闇の中では何も見えなかった。
(ヤバい、冥子ちゃんの部屋に忍び込んでたなんてバレたら何されるか……間違いなく美神さんとおキヌちゃんに殺される!)
とりあえず何が起きたか確認するため、手の中に文珠を作って光をイメージする。
手元が軽く光始めると、誰かがいる所に向かって『光』と刻み込まれた文珠を放り投げた。
床に転がった文珠からポゥッと小さな光が溢れ、暗闇にいた人物の姿を浮かび上がらせる。
「ん……?これ、文珠?」
「僕とあなたは運命と言う赤い糸で結ばれていましたぁっ!!!」
ムニュゥ。
暗闇の中から浮かび上がった金髪でTシャツとスパッツだけの肉感的な美女に横島は反射的に抱きついた。
美神の胸と同レベルの大きく形の良い胸に顔を埋めてその柔らかさを思う存分堪能する。
「あれ、アンタ忠夫じゃない?」
「はい?」
Tシャツを押し上げてきつそうな位巨大で柔らかな胸に頬擦りしていた横島は、突然現れた美女に名前を呼ばれてきょとんとした顔をする。
女は横島がいる事に驚いていたが、横島の様子にどこか嬉しそうな風にみえた。
「あの〜、何処かで会いましたっけ?」
下の名前で親しげに呼んでくる美女を横島は巨大な胸の谷間からマジマジと見つめた。
改めて女を見ると、ただただその存在に圧倒される。
最初見た時は目に強い意志を乗せて気が強そうにツリあがっていたが、目の端を下げた柔らかい微笑みはまるで優しく包み込むようでこちらの方まで嬉しくなってくる。
美智恵や唐巣、ドクターカオスの様に人生経験が豊富な者がいれば、その瞳は深く、そして初めて会った筈の横島に対してまるで長く一緒に過ごして培ったかの様な厚い信頼が宿っていると評したであろう。
美しい目、漂う高貴さを損なわない整った鼻、潤んだその口唇は見るもの全ての目とその心までもを捕らえて放さない。
腰まで伸びた美しい金色の髪を、透き通って輝く丸いものが二つ付いた髪留めを使って髪先でまとめている。
何故かまとめた先が、小さくいくつにも分かれていてタマモみたいだと思った。
宝石には詳しくない横島ですら目を引いた髪留めは、そこだけ源泉から沸き出る地下水を圧縮して閉じ込めたかの如く透き通り、日光に当てれば生き生きと輝き光るに違いないと思えるほど気品さ、圧倒的な存在感がそこにはあった。
純度100%のクリスタルですら比べ物にならない、まるで『透明』とはこれのためにあるとさえ思えた。
化粧すら欠片もしていないこの姿でも、一度目にすれば死ぬまで覚えているであろう絶世の美女だが、何処かで見た事がある気がしながらもやはり会った記憶がない事に首を傾げる。
女は尋ねながらも胸から離れようとはしない横島に溜息をひとつ付いた。
「ねぇ忠夫?」
「なんでしょうか御姉様!なんなりとお申し付け下さい!」
綺麗な女性にはどこまでも卑屈になる横島にクスクスと笑うともう一度口を開いた。
「文珠、1個頂戴」
「へ?ああ、いいっすよ」
そのままの状況で右手の平に意識を集中させて文珠を一つ作り出す。
胸に顔を収めるという煩悩MAX欲望火山噴火寸前な状態だからか幾つでも作り出せそうな雰囲気だ。
何故文珠を知っているかという疑問は欲望に染まった頭の中では全く浮かばなかった。
「えっと、これでいいっすか?」
「ええ、ありがと」
そう言って女性は胸元の横島の額に軽く口づけた。
一瞬何をされたか分からなかった横島だったが、すぐに舞い上がって滝のような感動の涙を流す。
「うおおおおっ……このGS美神の世界でこんなにも俺好みの展開が未だかつてあっただろうか!?」
一般的な日本人と同じようにそれほど宗教には熱心ではない横島だが、この時ばかりは神や仏に感謝していた。
「神様仏様魔王様小竜姫様椎名様!!今日ほどあなたに感謝した事はありません!!不肖横島、全力を以ってこの幸福を掴んでみせます!!」
酷く都合がいい感謝の言葉に天罰やら仏罰やら落ちてきそうである。
手を合わせて何処か遠くに感謝していた横島は、その時美女が胸の前で両手で文珠を包み込み、手から小さな光が漏れていた事には気が付かなかった。
「御姉様!このまま18禁な状況へ突入しましょぉぉぉぉぉっ!!」
天罰を当然気にしない横島は火のついた欲望を満足させるべく女を押し倒した。
欲情に流されながらもそっと頭の後ろを手でカバーするのは横島の優しさ故だろう。
「あら、駄目よ?ふふふ………」
2人の顔と顔が間近になったが、女は余裕を滲ませからかうような口調、そして挑発するような視線を横島に向ける。
押し倒される前は太陽の様に明るかった笑顔が、今や全ての男を誘い惑わせる娼婦の妖艶な笑顔に変わっていた。
それはまるで暗闇の中で煌々と明かりを灯す松明の炎。
その明るさに誘われた虫達は炎の中へと消えてゆき、その消え得ぬ炎はますます燃え盛る……
横島はその瞳に見つめられて一瞬動きが止まるが、その瞳に、その口唇に吸い込まれるように顔を引き寄せられていった。
「ハイ、すとっぷ♪」
艶然な笑顔を浮かべたまま、女は手に持ったモノを横島の口唇に指でそっと押し付けた。
「んむっ!?」
女の突然の行動に横島は目を白黒させる。
口唇からゆっくりと指が離れた。
男を誘う笑顔を浮かべていた女は、何時の間にか無邪気な笑顔へと変えていた。
そしてニコニコと笑う女の指先には文珠があった。







そう、『従』の文字が刻まれた文珠が。

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