夏休み明けから、先輩達は部活参加を控えるようになっていた。 平日に2日だけしかやってこなくなった。話し合って決めたらしい。 強烈な跡部さんの影響力 副部長の立場からすればありがたい配慮だけど、個人的にはありがたくない。 宍戸さんに会える時間が減ってしまう… 実のところ、先輩(っていうか宍戸さん)がやってこない日は練習に気合が入らない俺 だったが、日吉や樺地の視線が痛いので今のところ何とかやっている。 なので、3年が練習に来るはずの無い金曜、にコートサイドで宍戸さんの姿を見つけた時驚いた。 練習が終わるまで待っていてくれるというので、(早く終わってくれよ、監督)と 内心毒づいていたけれど、そんなそぶりも見せずメニューをこなし、 終了のあいさつもそこそこにさっさと着替えて、校門に急いだ。 「宍戸さん、お待たせしました」 「そんなに急がなくてもよかったんだぜ。ちゃんと副部長の仕事してきたのかよ」 「当たり前じゃないですか」 爽やかに嘘をついた。今日の部誌担当だったけれど、日吉に押し付けてきたのだ。 「それより、どうしたんですか?何か俺に用があったんですよね?」 本当に気になっていたので、歩き出すと同時に聞いてみた。 「あ、あのよ。日曜って部活午前だけだったよな?」 「?はい。そうですけど」 「じゃあ、午後からお前ん家行ってもいいか?」 「構いませんけど」 どうしたんだろう。夏休みのアレ以来、なんとなく家で俺と二人きりになるって シチュエーションを避けてるみたいだったのに…それなのに…これってまさか… しかし下手なことを聞いて、流れてしまうのも嫌なので、内心の動揺は押し隠して 「わかりました。日曜は確か両親がコンサートにでかけるらしくて遅くまでいないので  ゆっくりしていって下さいね」 と無難な返事をしておく。 「お、おう。家に着く前に連絡いれるからよ」 「はい。待ってますね」 それからすぐに別れる地点がやってきて、俺は家まで一人で帰る間、期待してもいいのか、 それとも別の意図があるのか、とかぐるぐると考えてしまった。 日曜。宍戸さん発言のせいでちょっと、いやかなりペースを乱されていた 俺は、いつにもましてノーコンになってしまい、練習中監督に 「鳳、今日はもういい、ランニングに行ってよし」と走らされるハメになった。 身の入らない練習から解放されて、帰宅するとすでに昼を随分過ぎていた。 昼食を取って、ちょっと昼寝を…と思っていたら本格的に寝入っていたらしい。 ケータイの着信音に起こされた時、すでに夕方近くになっていた。 俺の部屋にやって来た宍戸さんは、どこか落ち着かない様子だった。 話しかけても、気のない返事が返ってくるだけ。 どうも様子がおかしい。もしかして、本当に… 「宍戸さん、何かあったんですか?具合悪いとか」 「そんなことないぜ」 「そうですか?ならいいんですけど」 期待が確信に変わる。 「なあ、長太郎。ゲームしようぜ。兄貴から新作のソフト借りてきた」 「いいですよ、何のソフトですか?」 つとめて平常心を装って、ゲームに付き合うことにした。 思ったよりゲームは面白くて、宍戸さんも俺も熱中してしまったらしい。 「腹へった」と宍戸さんが言うので、近所の中華料理屋から出前を取って夕飯を食べ終わると もう、夜遅い時間になっていた。 満腹になってご機嫌な様子でテレビを見ている宍戸さんに、 「あの、帰らなくても大丈夫なんですか?」 本当は帰す気なんてさらさらないけど、一応聞いてみた。 「……」 「宍戸さん?」 無言の宍戸さんにもう一度問いかけると、 「帰らない。そのつもりで、来た」 一瞬フリーズしてしまう 期待していたことが現実になると 「それって…俺、期待しちゃっていいってことですか?」 「…ああ」 「本当に?途中でダメって言われても…」 「だからいいっつってんだろ。男に二言はねぇ」 俺をさえぎって 潔い 顔は紅いけど 宍戸さん  抱きしめる。抵抗しないで素直に俺の背に腕を回す。 それだけで、もう ベッドに押し倒す 「なあ、長太郎」 「なんですか?」 「電気消してくれ…頼む」 「この前散々」 「改めてっていうと 恥ずかしい」 「可愛いですね わかりました」 額にちゅっとキスをして、俺は一旦宍戸さんから離れて、電気を消す 窓から差し込む月明かりでぼんやりと くすぐったそうに身をすくませる 初めてだし、きっと大変だろうと、少しでも負担が少なくなるように 丁寧に愛撫し、快感を煽る 少し恥ずかしそうだけど前よりも快感に素直に身を任せてくれている姿に 嬉しい、俺もたまらない気分になる 「気持ちいい?」 「やっ 聞くなそんなこと」 荒い息 聞かなくても判るけど聞きたい 「脚もっとひらいて」 顔を覆ってしまっている 指をいれる。固く閉ざされている ゆっくり押し開くように 「うっ…痛っ」 「力抜いて」 これは相当キツそうだ 抜き差しして 中で折り曲げる  「ああっ いや」 「いや?いいんですよね?ここ」 高い声が上がったポイントを爪先で執拗に もう片方で張り詰めた宍戸さんを 濡れてきた先端から溢れてくる 指でからめとって さらに秘所に指の本数を増やす。 2箇所から与えられる快感に痛いという声は上がらず 意味をなさない喘ぎが絶え間なく流れ出る ビクビクとさせていった 宍戸さんが放ったものを丁寧に塗りつける いったばかりで敏感な宍戸さんは身体をそらせて反応する すぐに立ち上がってくる 俺も早く中に入りたい衝動をぐっとこらえて でももう限界 「宍戸さん、うつぶせになって、膝立てて…そう」 言うとおりにのろのろと動く この格好に抵抗があるのか、「恥ずかしい」と漏らす 「これが一番楽なんですよ。だから我慢して下さい」 「もっと腰あげて」 ちょっと震えてるみたい 俺も震えてるかも 腰を両手で固定して引き寄せる 熱く滾った俺を押し当てるとビクリとそらす  そんな反応もたまらなく愛しい クチと音が 恥ずかしさからか枕に顔を埋めてる  腰を突き出すかっこうになる 「宍戸さん、いきますよ」 返事を待たずに 押し入った 「うああああぁ」 ますます背をそらす 顔を上げて声を上げる 辛そうで申し訳ないけど止めることはできない 「力抜いて 息吸って、吐いて そう」 「ああぁぁ」 片方の手で宍戸さんのを扱く  力が抜けたところで少しずつ腰を進める。一気に突っ込みたい衝動との戦いだ 熱くて溶けそうに気持ちいい  「宍戸さん、熱い…」 「あっ そこ、やっ 俺も熱い」 いいところに当たったらしい そのまま押し入って全部埋めると息をついた 宍戸さんの中は想像以上に熱くて、きつくて、気を抜いたらあっという間にいきそう がまんがまん その間も宍戸さんのものを攻める手を休めない 「動いていい?」 「なっ ダメ ひっぃいぁ」 声を上げる 制止されることはない ゆっくり、でも確実にいいところを狙って 動き始める 一気に動いて傷つけたくない 俺の動きにあわせて 卑猥な音と宍戸さんの甘い声の旋律が奏でられる 快感を高める ギリギリまで引き抜いて一番奥まで 繰り返し繰りかえし 速度をすこしずつ上げて 始めは少し痛そうにしていた宍戸さんもなれてきたのか感じているほうが強いのか いい甘い声しかない 「宍戸さん 好きです。」 「俺、もだ…」 早く抜き差しを繰り返す 「あっ・・俺もう い・・・ だめ」 「俺も…」 「 は あああ」 「っく…」 はじけた 真っ白く 青い顔、制服を 午前中に校庭で体育の授業があるはずなのに(もちろん宍戸さんの時間割は完璧にインプット済みだ)、 宍戸さんの姿はなかった。 元々昼休みには様子を見に行くつもりだったけど、俺は心配になって次の休み時間にすぐ 3年生の教室へと向かった。 「お、鳳。宍戸なら保健室やで」 いきなり廊下に出てきた忍足さんに話しかけられた。 「そうですか。ありがとうございます」 宍戸さんの居場所がわかれば用はない。さっさと保健室に向かおうとした俺を呼び止めると 「我慢させるんはよくないでーって言うたらすぐやもんね。おもろいわ」 そんなことを言う。 宍戸さんやっちゃったってバレてますよ・・・俺は別にいいけど。 「やっぱり忍足さんだったんですね。あんまり宍戸さんに変なこと吹き込まないでください。 単純ですぐに信じちゃうんですから。」 「ええやん。おかげでジブンいい思いできたやろ?」 忍足さんがニヤリと笑う。まあ、そうだけど。おいしかったけど。 でも忍足さんなんかにお膳立てされたなんてちょっと悔しいというかむかつくというか。 そんな感情が沸き起こったので、とりあえず反撃しておくことにする。 「人のことばかり気にしてる余裕あるんですか?跡部さん、カバジにとられますよ」 yesかnoか見えない不敵なスマイルとか言われてるポーカーフェイスがきれいさっぱり 消えうせて、呆然とした表情で俺を見ている。 「じゃ、俺保健室行くんで」 フォローする必要もないし、俺は手を振って忍足さんから離れる。 クセモノとか言われてるあの人のあんな表情が見られるとは。 ちょっとすっきりした俺は保健室に急いだ。 保健室に行くと、ベッドで具合悪そうに寝ている宍戸さんがいた。 気遣ったつもりだったけど、やはり負担が大きかったらしい。 俺はベッドの端に腰掛けて、起こさないようにしばらく寝顔を見つめて そっと髪に触れてから、教室に戻ろうと立ち上がる。 「おい、長太郎」 「あ、宍戸さん。起きていたんですか。大丈夫ですか?」 「ああ。本当は何とも無いんだけど…座るのがちょっとな…」 「すいません。俺…」 「気にすんな。別にオマエのせいじゃねぇだろ。俺も…その…アレだし」 あさっての方向を見ながら宍戸さんが答える。 「アレって?」 言いたいことはわかっているけど、つい聞き返してしまう。 「わかってるくせに聞くな。もうちょっと寝るからお前帰れ」 「わからないです。教えてくださいよ」 俺もいい加減止めとけよって思うけど、反応が面白くて止められない。 「……気持ちよかったってことだ。もういいだろ。寝かせろ」 早口でそういうとすばやく布団にもぐりこんで行った。 「ホントかわいいですね」 唯一布団から出ていたおでこに、そっとキスして、俺は保健室を後にする。 次においしい思いができるのは、もしかするとそう遠くないかもな、なんて考えながら。 一応忍足さんは景吾ぼっちゃんが好き 長かった…長太郎よかった〜