『wiedergewinnen』




たまにね。

蛮ちゃんが俺よりも先に寝るとさ。

こうして近づいて寝顔を見てみたり。

だって。

起きてる時にこんなに近づいたら。

きっと怒られちゃうから。

第一そんなの恥かしいじゃない。

だから。

これは俺だけの秘密。

蛮ちゃんも知らない。

俺だけの秘密。

秘密の時間。

見た目よりもサラサラしてる前髪とか。

長い睫毛とか。

切れ長な瞳を覆う瞼。

俺よりも全然通った鼻筋とか。

いつもキスしてくれる唇。

綺麗な顎のライン。

全部ぜんぶ俺の大好きな蛮ちゃん。

瞳が見れないのがちょっと残念。

深い深い藍で。

綺麗で。

キレイで。

見つめられる度に息が苦しくなるぐらい大好きで。

ほら。

思い出しただけでもこんなにドキドキして。

苦しい。



唇。

蛮ちゃんの唇。

いつも俺にキスしてくれる。

いつも・・俺を・・・その・・

・・愛してくれたりもする唇。

大好き。

煙草の匂い。

蛮ちゃんの匂い。

この唇が近づいてくるとやっぱりドキドキして。

壊れちゃうんじゃないかって思うぐらいドキドキして。

キスすると。

もう蕩けちゃいそうになったり。

目の前が真っ白になりそうだったり。

麻薬っていうのかな。

俺にとって。

蛮ちゃんのキスは麻薬。

だからいつもは。

キスしてもらってすぐに寝ちゃうのに。

こうして起きてるとさ。

麻薬が切れちゃうみたいに。

俺が空っぽになった感じで。

眠れなくなる。

だから。

眠る前に。

一回だけ。

いいよね。

起きないでね。

俺からキス。

恥かしいから。

蛮ちゃん。

大好き。

・・・・・。

ほら。

俺の唇から。

蛮ちゃんの匂い。

これで。

眠れるかな。

おやすみ。

蛮ちゃん・・・。





「・・奪られたら 奪り還させてもらうぜ。 鑑賞料はサービスな」

銀次の知らない。

蛮だけの秘密の時間。









END





わ〜〜! もうもうトロけてしまいますよ〜v
お互いに・・ナイショで・・・キス!

かと思いきや!
ワザと知らないフリで楽しむ美堂さんってば・・・vv

銀次のはにかんだ独白・・・行間から蛮ちゃんへの想いが
溢れて来て、愛しいv

この数行分の文字で・・・どうしてこんなにも
甘い空間を造り上げるコトが出来るのでしょうか??
かえで様の文才、惚れ惚れ致しますv

かえで様、ステキなフリーSSを
有り難う御座います!!

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