知られる事の無い想い




その体を抱きしめたい。

出来る事ならこの腕の中へと閉じ込めたい。

そんな想いを胸に抱いて・・・。

 

 

「水野ー!!」

窓の外から聞こえる声にふっと視線を向ける。

「なぁ、水野!さっきさー」

煩せぇよ。

こっちまで聞こえてんだよ。耳障りだ!バカ代!

心の中で思いっきり悪態をつく。

お前も笑って無いで注意しやがれ水野。

視線を向けそんな事を心の中で言う。

「ヤベッ・・・」

目が合った。

視線が絡み合う事数秒。

「あー!!三上先輩じゃないっすか!!」

はっと藤代の声で現実に戻される。

俺に気付いた藤代は窓の近くへと来た。

「おはようございまーす!三上先輩」

元気120%とでも言いたいのか?と思うくらいの元気さで俺に挨拶する。

「はよ・・じゃねぇよ!!てめぇ煩いんだよ!」

「えー、ヒドイこと言わないで下さいよー!」

いつもと同じようなやり取りを繰り返す。

「おい、藤代、そろそろ行かないと遅れるんじゃないか?」

水野が時計を見てそう言う。

「あ」

今、気付いたというような間抜けな声を出した藤代は水野に「じゃぁ、行くか」と良い俺に向き直り言った。

「三上先輩、また部活でー!」

「あぁ・・・」

そう言い終ると藤代と水野はゆっくり走り出した。

・・あぁ、また挨拶しながったなあの野郎と心の中で思いつつ去って行く2人を見る。

水野が何故か止まり俺の方を見る。

そして、軽く礼をしまた走って行く。

「・・・キャラに合わねぇことしてんじゃねぇよ」

ポツリと呟く。

高鳴る胸を抑えつつ俺は教室に向かった。

 

 

 

アイツの事が気になり始めたのはいつ頃からだっただろう。

思い出せるけど思い出したくない。

出会いは最悪だった。

口を開けばいつも喧嘩。

先輩を先輩だと思っていないかのようなあの態度。

でも、時々ふっと顔が変わる。

あの金髪の事でも考えてんだろ?何度言いそうになったか・・・

でも、俺はその顔が好きだった。

珍しく俺ならそんな顔はさせねぇよ、何て思ったりもした事もある。

俺らしくねぇなホント。

お前にべた惚れじゃん。

 

 

 

「水野ー!」

また煩せぇなバカ代。

練習の時くらいもう少し静かに出来ねぇのか?

しかも水野ばっかり呼びやがって・・・

あー、ムカつく。

水野も笑ってんじゃねぇよ。

それにしても俺ってこんなに独占欲強かったっけ?

そう思い自嘲する。

 

 

まただ。

水野の顔が変わった。

また金髪の事か?

考えている内に俺はいつの間にか水野の傍に来ていた。

「三上・・・先輩、俺に何か用ですか?」

俺とは話したくないようなその態度。

別に構わねぇけどな。

それでも、此れだけは聞きたかった。

「お前、誰の事考えてんの?」

その言葉に一瞬水野の顔が吃驚したが直ぐに戻った。

「何のことだよ?」

・・・分かりやすい。

こいつバカだろ?ホント。

「・・・アイツのこと?」

ニヤッと笑い意地悪く言う。

「アイツって誰だよ!」

なぁ、水野分かってんだろ?お前が一番。

あー、マジムカつく。

「素直になれば?」

「アンタもだろ?」

そりゃご尤も。

でも良いのか?そんな事言って。

まぁ、お坊ちゃまが俺の気持ちなんか知るはず無いだろうし。

「あの金髪・・好きなんだろ?」

「・・・っ!」

「見ててムカつく。何?お前、サッカー本気でやってんの?」

「・・・・」

「行けよ・・。はっきりして来いよ!」

その言葉を聞くと水野は走り出した。

・・・バカじゃねぇ?

何俺良い人になってんだ?

このままほっといて俺のモノにするって云う手もあったんだぜ?

あー、マジ、バカ・・・。

 

 

 

俺結構マジだったんぜ。

気付かなかっただろ?

大人しいお前でも別に良かったんだけどな。

前の生意気な方が張り合いあったし・・・

 

幸せになんて絶対言わねぇ・・・

 

まぁ、愛想尽きた時は俺が相手になってやっても良いぜ?

生意気な水野くん。

 

 





三上の片想いだよーー!!
正直三上はエロ担当だと思います・・・。書けませんが(遠目)
で、解説に入ります。
三上→水野→シゲ
となっているんですが、実はシゲと水野は両思い。
気付いて無いだけなんですねー。
という事でキャラに合わないことをしてる三上・・・良いのだろうか此れで。
まぁ、初作で良い思いしたから良いよね?(ぇ
というか高校設定です。此れ。高1くらいって事で。


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