プレゼントは?









「げ・・・明日じゃん」

ふっと目に入ったカレンダーに赤いマジックで丸が描いてあった。その下に更に『三上様B.D』と小奇麗な字があった。

「つーか・・・いつの間に書いたんだよ」

確かに三上はよく家に来ていた。何故かというと水野と三上はそういう関係・・・つまり恋人同士だった。

「・・・此れってプレゼント寄越せって意味だよな」

三上だし、と呟くと何故か顔が赤くなった。

「・・・何やれば良いんだよ」

何分水野はこういう経験は少ない。いや、無に等しいと言っても良いだろう。あげる相手と云えば母・・・それくらいだ。

「・・・三上が喜びそうなもの」

思い当たらない。元より、彼、三上は水野と一緒に居る時に「〜が欲しい」という言葉を発したことが無い。

喧嘩して仲直りのパターンが大半を占めている。

「そいや・・・アイツとそういう話したことないかも・・・」

付き合ってるのに・・・お互いの事全然知らない。・・・性格くらいなから分かるが。いつも嫌味を言うくせに時々ふっと優しくなる。それに思わずときめいてしまう自分がいる。

「・・・あー、声聞きたいかも」

滅多にそう思わないのに何故か思った。

カレンダーのその部分にゆっくりと触れる。

「・・・どうしよう」

そう呟いた時、携帯が鳴り出した。

まさか・・・と思い急いで携帯を取る。

「よぉ」

三上だ。

「取るの早ぇじゃん。・・・待ってた?」

「なっ・・・!!」

「・・・図星か」

そう言い終ると電話の向こう側でククッ・・・と笑っているのが分かった。

「な、なんだよ・・・」

「いやいや、可愛いなぁと思いまして」

何かちょっとムカつく。

「・・・で、何か用なのかよ?」

本当はそんな事を言いたかったわけじゃないのに・・・つい言ってしまった。

「・・・前言撤回、やっぱり水野くんは可愛くないなぁ」

「・・・・・」

息を飲み込んだ。声が出なかった。いや、言葉が出なかった。・・・ごめん、そう言えば良かったのに。

「・・・悪りぃ、冗談。水野は充分可愛い」

「・・・っ!」

顔が真っ赤になる。いや、そうじゃなくて!・・・それも何か問題あるんじゃないか!?そう思いつつも口に出来ない。

「今、顔赤いだろ?」

「赤くないっ!!」

否定したがきっと三上は分かっているだろう、水野の顔が赤いという事を。

「へぇ・・・」

彼、三上が今電話越しにニヤニヤと特徴のある笑みを浮かべていることは容易に想像出来た。

「・・・何の用だよ」

それだけしか言えない自分がとても情けなく思えた。

「水野の声が聞きたくて・・・」

この声に、言葉に思わず胸が跳ねた。

「・・・ってのは、冗談。今、家に前にいるから」

そう言い終るとツーツーという機械的な音が鳴った。

「・・・俺様」

機械的な音を鳴らしている携帯を見つめそう呟くと水野は急いで玄関に向かった。

 

 

 

「よぉ」

「・・・いらっしゃい」

玄関の扉を開くとあの言葉通り三上がいた。

靴を脱ぎ、なれた様子で家に入っていく三上。その後を追う水野。此れではどちらかがこの家の住人かが分からない。

「おい、三上!勝手に入んなよ!」

「別に良いじゃねぇか。真理子さんも言ってただろ?」

『三上くん、自分の家だと思ってくれて構わないからね』

確かに、水野の母、真理子はそう言った。が、

「だからって・・・」

「あー、俺が悪かった。・・・だから、そんな顔すんな」

そう言うと三上は水野の手を握った。

「お前の部屋行くか」

水野はコクリと頷き握られた手に引っ張られながら自分の部屋に向かった。

 

 

「水野」

部屋に入り少々の沈黙が続いた後、三上が名を呼ぶ。

「何・・っ!」

キスされた。優しい、触れるだけのキス。

「悩んでたろ?」

ニヤッという笑みを浮かべ実に楽しそうに言う。

「・・・何に?」

そう言うと三上はカレンダーを見た。

――― プレゼント

「違っ・・・悩んでなんかねぇよ!」

「バーカ、まだ何も言ってねぇだろ」

「くっ・・・」

三上は水野の頭を優しくポンポンっと叩きながら言った。

「明日デートしようぜ」

「・・・平日じゃん」

「別に良いじゃねぇか」

「・・・どこ行く予定だよ」

「お前の部屋」

「・・・デートじゃねぇじゃん」

「プレゼント貰おうと思って、な」

ニヤニヤ笑った後にもう一度キスをする。

「じゃ、俺、門限あるし帰るわ」

そう言うとスッと立ちドアに手を掛け出ようとする。

「ちょ・・ま・・・」

「あ、そうだ水野。明日リボンつけて待ってろよ」

言い終わると同時にカチャっとドアが閉まる。

その言葉が理解できなかった水野はふっと考える・・・そして、結論に至る。

「誰がリボン何かつけるか!!」

顔を真っ赤にしてドアの向こう側の相手に言った。

 

 



END




三上誕生日おめでとうー!って事で頑張りました・・・。ギリギリだよ。
後20分くらいで終わるし・・・(汗)
しかも何気に甘い!?ってか、甘い!?
やー、初カップルだ・・・。付き合ってるよこの2人っ!!
とりあえずおめでとうー!三上!
・・・待て、前日の話だろこれ。
・・・当日にアップしてどうするんだ(爆)



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