花束でも持って会いに行こうか。
そう思ったのは昨日の事で、何を買うか何て考えてもいなかった。
向日葵
「お客様どうなさいます?」
笑顔で接客は店員さんの基本らしく始終笑顔で応対してくれる。
しかも結構可愛い子なのでお得な感じがする。
「えーと」
置いてある花をぐるりと眺めるがどれもピンとこない。
「彼女にプレゼントですか?」
「えぇ、まぁ」
取り敢えずそう言っとけば何とかなる、と思う。
若干違うけど。
まぁ、取り敢えずそんな感じだし?
・・・・・俺の思い込みじゃなければね。
「でしたら、此方の花はどうでしょうか?」
・・・お姉さん。
確かにその花は可愛らしいですよ。
可愛らしいけど、イメージに会わない気がします。
ってか、俺花何か買いに来た事無いし、種類何て知らないし。
どうすれば良いんでしょうか?
英士、ちょ、英士くーん!!
と心の中で叫んで見た所で現れる訳も無いので、再度辺りを見回す。
「あ」
「どうかなさいました?」
「じゃ、あれ下さい」
そう言って指したのは向日葵だった。
「かーずーまーくーーん」
ハッキリ言って近所迷惑。
自分で気付いていますが、止めません。
すぅ、と息を吸って再度呼ぶ。
「かーずー・・・」
「煩い、この馬鹿!!」
元気良く玄関からお迎えが来てくれました。
いやぁ、肩で息してますよ。
相当焦って出てきた様子です。
「ったく、何の用だよ」
寝癖があります。
いやはや、珍しく一馬君はお昼寝をしていたみたいです。
「え、何って、恋人に会いに来たんですけど?」
「あっ、そう」
素っ気無いのは相変わらずですね。
いや、寧ろ素っ気無くなりましたね?ですかね。
「で、結人、その向日葵は何だよ」
「あ、これ?一馬に」
そう言って俺は左手に持っていた向日葵の束を一馬へ差し出した。
何此れ?っていう顔をしている。
やっぱり忘れてる?
「さて、バ一馬君に質問です、今日は何の日でしょう?」
「バ一馬って言うな!!」
この辺はやっぱり相変わらず可愛らしいですね。
「で、何の日だと思う?」
「・・・・・何だっけ?」
考える気無しかよ!!
「今日は、真田くんの誕生日だぞ!」
「結人、それ気持ち悪いから止めろ、あー、そっか、俺の誕生日だっけ?」
何かこの軽い交わし方に時代の流れを感じる、俺。
昔は突っ掛かって頬赤らめて、可愛かったのになぁ。
俺が思い出に浸っている間にいつの間にか向日葵を持って玄関に入っていく一馬。
「結人、入ってくだろ?」
「勿論」
久々に入る一馬の家は懐かしい感じがした。
最後に入ったのは高校生の時だっけ?と曖昧な記憶を思い起しながら一馬の後を付いていく。
「先に俺の部屋行って、俺これ活けるから」
「了解〜!」
「相変わらず綺麗にしてんなー」
今度俺の部屋に来させて掃除でもして貰うか。
そう思いながらベッドに座る。
「あー、一馬の匂いがする」
「おい」
「あれ、一馬もう終わったの?」
まぁ、花瓶に水入れて花挿せば良いだけだもんな。
「あぁ、ってか、何変態染みた事言ったんだよ」
「いや、だって久しぶりですから」
「だからって匂いとか可笑しいだろ」
「だって最近一馬させてくれな・・・痛っ!」
「結人!!」
いやー、真赤になりました。
此れでこそ我が愛しの一馬君ですよね。
「一馬」
「・・・・・何だよ」
照れちゃいました?
「誕生日おめでと」
「ありがと・・・」
「キスしちゃって良い?」
「聞くな!!」
「じゃ、勝手にする」
そう言って俺は赤くなった一馬に口付けをした。
一馬、誕生日おめでとう。
また来年も一緒にな。
END
久々に真田受を書きました。
見事に失敗しましたが。結人と一馬のキャラが掴めずにおわってしまいました。
久々に書き過ぎた。キャラを忘れてしまっている自分がいました。
兎に角、お誕生日おめでとう、一馬vvv
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2006.8.20