後日に


「……あ」
「どうかした?水野」
「いや、何でも、無い」
目の前の人物、郭にプレゼントを渡している時に思い出した。
3日前は、あいつの誕生日だった、と。
「そう?なら良いんだけど、それと有り難う」
「いや、別に大したものじゃないし……」
「別にそんなの気にしないよ。寧ろ俺は水野から貰えた事の方が驚きだったりするから」
「何だよ、それ」
「はは、褒め言葉だよ」
「……どこがだよ」




「いやはや、一馬さん」
「……何だよ」
「あの光景微笑ましいですよね?」
「そうか?」
「そうだって!!英士が笑ってんだぞ!!」
「まぁ、誕生日だし良いんじゃねぇ?」
「何、そのまとめました。みたいな感じは!!生意気だ、一馬っ!!」
「ちょ、結人、止めろっ!!放せ」
「嫌に決まってんだろー」
「結人っ!!」




「……ごめん、何か騒がしくて」
「いや、何時もの事だろ」
「確かに」
距離はあった筈なのにここまで声が聞こえるという事はそれ程叫んでいるという事だろう。
まぁ、本当に何時もの事なので気にするまでも無いが。
「そういえば、学校の方はどう?」
「どうって?」
「先輩にいるでしょ?あの人」
「あー……」
郭が言ってるのは多分あいつの事だ。
三上亮。
「まぁ、今の所特に問題は無い……と思う」
「思うって、大丈夫?」
「そんなに心配しなくても良いって……ただ」
「ただ?」
「……誕生日忘れただけで」
「……あの人根に持ちそうだよね」
「………」
俺は小さく頷く事しか出来なかった。
「あ、でも、武蔵森だったら誕生日パーティーくらいしてたんじゃない?」
「俺、その時用事があって実家に……」
「それは、また、何というか……」
沈黙が暫し俺たちを包み込んだ。
「今からでも大丈夫だから祝ってあげたら?」
「遅くないか?」
「まぁ、そりゃ、遅いでしょ」
「………」
「でも、無視はもっと悪いでしょ?」
「分かった……」
「はい、じゃ、いってらっしゃい」
「ごめんな、じゃ、また」
俺はそう言うと郭に背を向けた。
そして、まだ言い争っている真田と若菜にも別れを告げて急いで寮へと戻った。
俺が帰った後、郭がこんな事を言っているとは思いもしなかったが。


「はぁ、世話のやける子供が1人増えちゃったね。まぁ、聞き分けが良いだけまだ良いかな?ちょっと、結人!一馬!何時まで言い争ってんの!!帰るよ!!」





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07.1.25


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