さくらの挑戦

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「せんぱいぃ……」
 泣きそうな顔でさくらがやってきたのは金曜日の昼休みで、
だいたい予定通りだった。俺はすぐさま席を立つと廊下に出て、
人通りの少ない隅っこで話し合う。
「……あれ?」
「はい……」
 制服の裾をつかみながら、消え入りそうな声で頷くさくら。
前回の発情期からそろそろ二カ月になるから、俺も準備はしていた。
 やっぱりたしなみということで。避妊とか。
「我慢できない? 今日は金曜日だから、放課後まで待ってくれれば……」
「駄目……ですか?」
「我慢できるなら我慢したほうがいいと思うけど」
 学校でするのはやっぱりリスクが大きい。それにさくらの様子を見ると、
本当の限界までにはまだ少しだけ時間があるようにも思えた。呼吸は少し
荒いだけだし、顔色もまだあまり変わらない。
 ……パンツの中はすごいことになってるんだろうけど。
「……分かりました。でも、放課後迎えにきてくださいね」
 必死の声で言うと、さくらはふらふらと自分の教室へ戻っていった。
送っていってあげたいんだけど、俺が傍にいると我慢できなくなっちゃう
って言うし。
 そういうことを聞くと可哀想だなと思う反面、むらむらと燃えちゃうのも
男としては当然なわけで。
 とにかく期待を胸に、俺は放課後を待つことにした。

 それに対してさくらは――。
(頭おかしくなりそう……)
 自分の席に座ってじっと授業の開始を待つ。休み時間ごとにトイレに行っては
少しずつ自分で慰めていたが、そろそろ逆効果になりそうだったのでそれも
やめた。強く意識していないと、授業中にもスカートの中に手を入れたくなってしまう。
(先輩……ほしい……)
 優しく抱きしめて、そっとキスをする。そんな想像では済まない。
強引に自分を押し倒して、後ろから思いっきり突きこんでほしい。
ほとんど濡れていなくて、すごく痛くてもいい。そのまま壊れるぐらいに
抱いて欲しい。想像の中で自分はものすごくいやらしいことを叫んで、
言われるままに腰を振っている。そんな妄想で自分を慰める。
 制服の上から、そっと胸に触れる。張り詰めている乳房をぐっと押す。
少し痛い。でもその痛みが快感に変わっていく。
(まだ大丈夫……。あと少し……)
 仕方のないことだと分かっていても、この体がうらめしい。子供を産むのは
まだ当分無理だし、こんなことだとそのうち先輩にも嫌われてしまうかもしれない。
 こんないやらしい娘は嫌だと言われたら。そしたらどうなるのだろう。
自分でこの火照りを冷まさなければいけない。けれど、もしそれに耐えられなくなったら。
(先輩以外の人に……)
 それを想像すると、少しだけ頭がすっきりする。背筋を冷たいものが走って、
理性が戻ってくる。
 もう授業が始まっていた。授業に集中しながらも、体は求めている。
 時計の秒針は、妙にゆっくりと動いていた。
放課後、俺はダッシュでさくらの教室へ向かった。帰宅なり部活なり、人の流れに
逆らってさくらの教室へ入る。彼女は何かに耐えるように、ぎゅっと拳を握り締めて
椅子に座っていた。
 何人かの女子が声をかけている。それに対してさくらは、あからさまに引きつった
顔で応答している。
「さくら」
 呼びかけて傍によると、よろけながら立ち上がる。
「大丈夫、綺堂さん?」
「……うん」
 クラスメートとうつろに話すさくらに手を貸して、俺は教室を出る。
「さくら、辛い?」
「大丈夫、です」
 声が途切れ途切れになる。なんとか校門を出たあたりで俺はさくらをおぶった。
軽いのは相変わらずだが、最近は少し体重が増えたらしい。確かにおっぱいなんか
一回り大きくなった気もするけど。
 俺が歩くのに合わせて、さくらが短く息を吐く。これだけでもけっこう快感に
なってるみたいだ。甘い息が首筋にかかって、さくらの熱が俺にも伝染する。
さくらをおぶっているのにも関わらず、俺は普段の倍の速度で家に急ぐ。
 無意識のうちにか、さくらの手が制服の上から俺の胸に触れてくる。まるですりつける
ように体を揺らす。
 最後はもう走っていた。階段を駆け上がり部屋のドアを開け、額の汗を指で
なぞる。
「先輩……」
 振り向いた瞬間、唇を奪われていた。
 歯の間を割って、普段の何倍も熱い舌が入りこんでくる。ぐにぐにと動く柔らかい
それは、俺の口の中をぐるぐると探っていく。どくどくと唾液が流れて、口の端から
たれていく。
「ぷはっ」
 ようやく解放されてさくらを見る。熱っぽいまなざしが俺を射た。
 我慢に我慢を重ねて、さくらはもう限界だったらしくて、無言のまま俺のジッパーを
下ろしていく。俺自信も引き続きの刺激に、充分に屹立していた。
「あ……」
 かすかなうめき声。倒れこむようにさくらは俺の上になる。はあはあと荒い息を
つきながらも、そこで一度止まる。
「もう……いいですか?」
 吐息に混じったつやっぽさに抵抗できず、俺は素直に頷いた。
「はあぁぁぁっ!」
 一枚も服を脱がず、さくらは下着の脇から俺を迎え入れた。その瞬間、顎をのけぞらせ
感極まった声を上げ、がくがくと震えて、さくらはイった。
「あ……あ……」
 びくんびくんと、さくらは立て続きにイった。ほんの少しだけ腰を揺らして、その度に
体が震える。口の端からよだれがたれて、俺の制服の胸に落ちる。しっぽが左右に動いて、
少しくすぐったい。
「あ……はあ……」
 ふ、と息を吐いて、糸が切れたように俺の上に倒れこむ。荒い呼吸で肩が上下し、
俺はとりあえず髪を撫でてやる。ヘアバンを外して、耳を外に出してみる。
「さくら、あれつけるから、一度抜いてくれる?」
 連続で絶頂を迎えたさくらの中でイかないでいるのは、すごく大変だった。
「ふうぅぅん……」
 甘えるような声を出して、さくらはまた小刻みに揺れ出す。
「だーっ! 駄目だってば」
 脇の下に手をやって、むりやり引き剥がす。さくらは抵抗したが、発情期の彼女は
ほとんどこちらに抗えない。投げ出された鞄の中から避妊具を取り出し、くるくると巻いて
「あうっ」
 毛をはさんだ。一度元に戻して……準備完了。
 荒い呼吸のまま俺を待っていたさくらに覆い被さり、とりあえずパンツだけは脱がして、
薄い毛に覆われたそこに突きこむ。
「はあああぁぁっ!」
 ひときわ長くさくらがないた。太ももを俺の脇腹にすりつけてくる。首に手を回して、
全身を重ねるようにして自分自身でも動いてくれる。
「はあっはあっはあっ」
 しばらくは単純な動きをして、それからゆっくりと動いて、キスをする。ぐちゅぐちゅと
口の中から唾液がこぼれて、さくらの口からどんどんたれる。さくらはもう何も考えられないのか
うつろな瞳を空に据えて、快楽をむさぼっていた。
 小さな波を何度か重ねたあと、さくらは体を引きつらせて絶頂を迎えた。その瞬間、俺も
薄い皮膜越しにさくらの中に解き放つ。
 お互いの震えが伝わり、しばらくはそのままでいたが、先に我を取り戻したのは俺のほうだった。
(……玄関先でやってしまった……)
 軽く事故嫌悪した後、さくらを抱き上げる。俺の胸の中でさくらは丸くなり、頬をすりよせてくる。
 可愛いなあと思う。思うが、少しだけ我慢。
 さくらをベッドに運ぶと服を脱がせていく。力の抜けていたさくらも身をよじり、それを
助けてくれる。服をたたんで俺も裸になり、あれをつけなおして……。
 ふたたび俺はさくらの中に突きこんだ。
さくらの中は熱くて柔らかくて、俺のものは溶けそうになる。思いきり突きこんで奥に
すりつける。短く速い動きで前後する。
「――――っ!」
 さくらの歯が肩に食い込み、俺は快楽と痛みの中間でどうにもならなくなる。腰がびりびりと
震えて、声をもらし俺も最後を迎えた。
 ベッドの上で重なり、汗だくになりながらも俺達はお互いの体をまさぐった。快楽の残滓が
弾けていって、俺はようやく正気に返る。
 ぐったりと寝そべったさくらの体をタオルで拭き、毛布をかぶせる。すうすうと小さな
寝息を聞きながら、穏やかな気持ちで俺は台所へ向かった。
 結局夜になるまで、俺達はHしかしなかったわけだ。手早く炒飯など作ってお皿を並べる。
「せんぱい……?」
 匂いにつられたのか、さくらが起きてくる。羽織っているガウンは、いつの間にか俺の
部屋に置かれるようになったものだ。ふらふらと左右に揺れながら、ちょこんと椅子に座る。
 ほとんど夢うつつのようなさくらに、俺は提案してみる。
「ご飯食べたら、一緒にお風呂入ろっか」
「……はい……」
 もそもそと食べ終わったさくらを、抱きかかえるようにしてお風呂につれていく。汗に濡れた
さくらの体が、いい匂いを出している。
 波と波の間のさくらは本当に無抵抗で、なんだか赤ちゃんを相手にしているような気分になる。
椅子に座らせて体を洗っていくわけだが……。
「ちょっと、さくら」
 無意識のうちにか、さくらの手が俺のものを触っていた。そのまま体を寄せてきて、泡だった
手でくちゅくちゅとこすり始める。
「……おっきくなりました」
「若いから……」
 シャワーで泡を落とすと、俺は本格的に愛撫を始めた。びんびんに立ったさくらの乳首を
つまみ、もう片方の手でさくらのアソコを掻き回す。さくらはそれに応えるように、俺のものを
口に含む。
 ぐにぐにとお互いに愛撫しあっているうちに、自然と床に転がって69の形になる。さくらの
場合はしっぽがあるので、その付け根もくすぐってやる。荒い息が俺の股間に当たって、なんだか
妙にくすぐったい。俺はさくらの髪の毛と同じ色のしっぽをたどって、お尻の穴に触れてみる。
 その瞬間、びくんと大きくさくらが震えた。
「先輩、そんな……」
「いいから」
 ぐにぐにとお尻の穴を揉んでいく。実はお尻の穴を触られるのが好きなのは、ちゃんと分かって
いるのだ。普段はなかなか責められないけど、この時ばかりは別だ。存分に苛めてあげよう。
 手を止めない俺の顔に、しっぽがぱたぱたと当たる。しかしやがて諦めたのか、さくらは
俺のものを再び口に含む。
 どろどろに濡れたさくらのアソコから愛液をすくって、お尻の穴に塗ってみる。ぐにぐにぐにと
連続でこね回した後、人差し指を入れてみる。
「はあうっ」
 短く息をつき、さくらは震えた。軽くイってしまったみたいだ。もそもそと体の向きを変え、
濡れた瞳で俺を見つめる。
「せんぱい、私もう……」
「あ、じゃあベッドに」
 言いかけた俺の唇を奪って、さくらは俺の指を求めた。自分の中に入っている俺の手の上に
自分の手を重ね、ぐいぐいと押し込んでくる。それはつまりお尻の中にどんどん指が入るという
ことで。入口の狭いところを抜けると、膣のようにどろどろとしたところに到達する。その広い
空間で、俺はぞんぶんに指の先を動かす。
「あ、あ、あ、あ」
 短い喘ぎ声を断続的に漏らす。
「先輩、お願い、早く」
「でも、あれつけないと」
「お願い、お願い」
 本当におねだりしてくるさくらは、股間を俺の腹にすりつける。俺は指を二本に増やして
さくらのお尻の穴を責めていた。
(なんか……これって)
 人差し指と中指の両方を飲み込むさくらの後ろの穴。入口の狭さは前と比べられないが、
そこを抜けるとけっこう広い。
「あのさ、さくら。こっちでしてみない?」
「え?」
 一瞬、さくらは正気に戻ったようだった。淡い色の瞳に理性の輝きが見える。だがそれも、
俺がさくらの中で指を動かすことによって霧消する。
 俺の指の動きに従って、さくらの体は伸びたり縮んだりする。しがみついた俺の背中に
爪を立てたりもするけど、そこは愛で我慢する。
「……ぃ……です……」
「え?」
 消え入りそうなさくらの声は、本当に聞こえなかった。だがそれをさくらは俺がじらして
いると勘違いしたみたいだった。あんまり羞恥プレイとかはしてないんだけど。
「お願いです。私の汚い穴に、先輩の入れてください!」
 うあ。
 ちょっぴりの罪悪感と、ものすごい興奮に、俺のものはいつもの二割増しぐらいに膨張
した。さくらは真っ赤になって俺を見つめてくるが、俺も同じぐらい真っ赤になってる
ような気がする。
「じゃあ……後ろで……」
 ちょっとどもりながら俺は言って、さくらは小さく頷く。タイルの上にさくらを寝かして、
俺は覆い被さっていく。いつもとは違う体勢なので、ちょっと難しい。
「あ……」
 さくらのお尻の穴に俺のものをあてる。さくらも膝を立てて、位置を調節してくれる。
「じゃあ入れるけど……ゆっくりするから」
 こくこくと頷くさくらの中に、俺は侵入していく。前の穴とは比べ物にならない抵抗が、
俺の行為を妨げる。
「さくら、もうちょっと力抜かないと……」
 言いながら俺は、さくらのおっぱいを揉んだり、クリトリスを弾いたりする。ぴくん
ぴくんと可愛く震えてくれるさくらは次第に脱力していく。
(なんだか……初めての時みたい……)
 あとから思えば、俺とさくらの初体験は、両方初めて同士の割にはかなりスムーズな
ものだった。しかしこれはちょっと……本当なら入ることのないものを入れるわけだし。
 躊躇している俺の首に、さくらは手を回してきた。
「全部……先輩のものにしてください……」
 ため息と共に漏れたさくらの声が、俺の意識にそっと入りこむ。女の子にここまで
言われて、男の俺がためらっているのは情けない。
 ぐっと力を入れて、ねじ込むように少しずつ入れていく。さくらは短くはっはと息を
して、どうにか力を抜こうとする。しかしベッドの上でないこともあってか、どうしても
体が硬い。
 腰に手を回して、さくらを俺の膝の上に乗せる。体重で自然とさくらの体が沈んでいく。
俺はそれを支えながらもさくらを愛撫して、力を抜かせていく。
「あ……」
 ぶるぶると震えたさくらの体から力が抜けた。同時にぷしゃあと暖かいものが俺の股間に
流れる。
「あ……いや……」
 羞恥の涙を流しながら、さくらのお尻は俺のものを完全に飲み込んだ。シャワーでさくらの
尿を流しながら、小刻みに動き出す。
 分かっていたことだが、後ろの穴はきつすぎて、思いきり動くことが出来ない。裂けて
しまうことがないように、揺れるように動く。
 さくらは口をぱくぱくと動かしているが、声も出せないらしい。それでも断続的に震えて
いるので、絶頂を迎えているのが分かる。
 がくんがくんと大きく揺れた後、途端に力をこめて抱き着いてくる。そのまま肩口に
噛み付いてくる。
「……!」
 最近は力の加減が分かってきたのでそんなこともなかったのだが、これは確実に血が
出たと思う。皮膚の下、骨にまで歯が当たる。
 激痛の中、震えるままにさくらの中で動く。さくらも目尻に涙をたたえながら、むちゃくちゃに
体を引きつらせる。
「はあ……っ!」
 びくんとひときわ大きく体を伸ばして、さくらはイった。快楽の残滓の中でしめつけられた
俺も、さくらの中に射精した。
出しっぱなしのシャワーの音に混じって、俺とさくらの荒い息が浴室に響く。つながった
まま力尽きて、重なり合いながら横たわる。呼吸が元に戻るにつれて俺のものも力を失って、
さくらの中から押し出されていく。
「あ……」
 途端にがばっとさくらが起き上がる。だが力が入らないのか、またくたりと俺の上に倒れ
こむ。
「さくら……また?」
 さすがにそろそろ波は去ったと思ったが、それは俺の早合点だったのかもしれない。だが
俺の胸の上で、さくらは力なく首を振る。
「あの……」
 言いにくそうにしばらくもごもごと口篭もったあと、意を決したように言った。
「おトイレ……つれていってください……」
「おしっこならここでしちゃえば――」
「いえ、その……」
 ぴんときた俺はさすがに慌てて、さくらをトイレにかかえていった。おしっこならさせて
あげてもいいけど、さすがにあっちは、ね。
 すっぽんぽんのまま用を足したさくらは、今度は一人でまたシャワーを浴びて、結局その日は
そのまま眠った。
 その後――。もう二度と後ろではしないと泣き出しそうな顔で言ったさくらだったが、うしろで
やると発情がかなり収まると分かって、結局は発情期のたびに、俺達はうしろですることに
なったのだった。
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