自室に帰り着いてからも、乃絵美の様子は変わらなかった。

媚薬によってもたらされた快楽は、乃絵美の体調までも狂わせてしまったらしい。

制服の上着を脱ぐ際、軽く指が乳房へ触れただけでビクン!と仰け反るくらいに

感度は敏感に高まった状態にあった。


(・・・ふぅ。ふぅ。体があついよぉ)

足元をフラつかせながら気だるそうにベットに腰をおろすと、乃絵美はそのまま

身体を横たえた。

目を閉じると先刻までの出来事が脳裏に浮かび上がる。

折角の再会を果たせたフィアッセはノーマンの調教によって媚薬漬けにされ、

ただの快楽の虜・・・乃絵美の知らない肉人形と化していた。

ノーマンに蹂躙された、フィアッセの快楽の華に染まる表情が忘れられない。


(もう少しで私も同じように狂わされていたのかもしれない。)

そう思うとゾッとする思いがしてくる。

しかしフィアッセと同じように媚薬の快楽を感じたいまでは、悦楽を求める

淫らなもうひとりの自分が現れ始めているのを、本人はまだ気が付かない。


 自ずと手が胸へと伸びてしまう。

服の上から胸を触るだけで乳首は固く尖り、触れた部分から電気が走り抜けて

くるような気持ちよさが生じる。

『あ・・・はァ・・・んんん』

思わず吐息を漏らしてしまう乃絵美。恥じらいつつも指の動きは更なる快楽を

求めて止まらない。乳首を指で挟んでじらしたり、手のひらで転がすうちに

快楽の電気は下腹部まで降りてきて熱くさせるのだ。

ふとももを擦るだけで陰核は敏感に反応し、乃絵美の指を快楽へ誘う。

たまらずに乃絵美はショーツの上から陰核へ軽く触れてみると、強烈な刺激を

乃絵美にもたらした。

『はぁはぁはぁはぁ・・・あっ!、くぅ・・・ぁんんんんん』

敏感になったままの乃絵美の身体は、陰核に触れるだけで快楽のボタンを押し

たままにしたかのようだ。立て続けに乃絵美を軽くイッた状態にさせてしまう。

『ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!・・・あ!・・・はぁぁ・・・ハァハァハァハァ』

(か、身体が勝手に動いちゃうようぅ。)

恥ずかしさと気持ちよさがごちゃ混ぜとなり、乃絵美の心はぐるぐると回って

混乱状態だ。全てフィアッセを狂わせたあのクスリのせい。そう誤魔化す事で

納得しようとしていた。


 しかし心は騙せても、身体はウソをつけない。

更なる刺激を求めて乃絵美はショーツの中へ手を伸ばすと、自分の陰核を慰め

始めていた。抑えていた喘ぎ声は気が付くと、次第にボリュームが上がってきた。

『あっ!あン!あはぁ!・・・・・・くぅ・・・やぁぁ』

快感を止める事もできず、指を激しく律動させ慰め、登りつめてゆく乃絵美。

ショーツは愛液にびしょ濡れだ。

フト、イク瞬間に自分が思い浮かべた顔が堂島であるのに気付き蒼然となる。


『こ、こんな!うそ。お兄ちゃん!お兄ちゃん!やああぁ』

必死になって兄の姿を胸に思い浮かべようとするが、自分の頭に浮かぶのは快楽

の刻印を植え付けた堂島なのである。

堂島に弄ばれる自分を想像すると、身体が熱く敏感になり、深く感じてしまう。

そんな自分の身体に引き起こされた変調に気が付き、乃絵美はパニック状態に

なりながら強い快楽の波へと流されてしまうだった。

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