波の音が聞こえる。ここは、海岸沿いの別荘地の外れ。人気はない。
私の前に、ひとりの男が、対峙している。
「藤沢さん……」
その男……私が今、藤沢、と呼んだ男は、
何人もの無表情な男たちに押さえつけられている。
「放せ……」
「あなたは、捜査指揮官として大変優秀でした。優秀過ぎました……。
これ以上、我々に痛みを与えていただくのはご遠慮いただきたい。ご退場願います」
「貴様……!」
ぎりぎりと、藤沢の歯が鳴った。
無理もない。
たった今、私は、逃げようとした藤沢の妻を崖下に突き落とし、葬り去ったばかりだ。
海外の組織ともネットワークを築きあげている私の組織を壊滅させようと、
警察の威信をかけて陣頭指揮を取っていたのが、この男、藤沢だった。
そして、休暇に家族で観光に訪れていたこの地方都市が、彼の葬送の場所に選ばれた。
裏社会と犯罪組織を憎み、家族を愛した清廉な男、藤沢──。
「娘さんがおりましたなあ…。まだ、ふたりとも向こうのお車の中ですか?」
藤沢の顔色が変わった。
「娘に、娘に何かしたら……!」
組織が児童誘拐、売春、人身売買をも手がけている事実は、彼も知っている。
「それでは。さようなら。娘さんたちは、私が直々に扱わせていただきますので……」
「貴様! やめろ! 放せ! 放せーっ!」
それが、藤沢が地上で発した最後の言葉となった。
* * *
私は、崖の端近い路上に駐車してあった車に近付いた。
中を覗くと、そこで眠っていたのは──可愛らしい、
まだものごころもついていない、キャリア捜査官・藤沢の幼い娘たち。
──みおとみほ。
私は、ふたりを組織の私有地、自分の広大な別荘地の奥深く、小さな家に閉じ込めた。
接触するのは口のきけない使用人が一人。そして、私だけだ。
時は静かに何年かを刻む。
言葉も覚え、ふたりは年相応に活発に動きまわるようになった。
自分の両親を殺害した男だとも知らず、その瞳は一心に私を慕う。
一卵性の双子とはいえ、ふたりの個性も見えてきた。
おっとりしていてドジだが、料理や掃除洗濯等の家事が好きな生活力のある妹のみほ。
そのへんはほとんどせず、少しルーズでわがままな、姉のみお。
……この年齢でも、彼女たちを摘み取ることは可能だ。相当の高額の値がつく年代。
しかし、私はふたりを手放すつもりはなかった。
藤沢の娘が成長してゆくようすを、私は静かに見守っていた。
私が風呂にも入れてやる。
幼い裸体を無防備に晒して、喜んで一緒に入って来る双子。
私がどんな欲望を抱いて彼女らといっしょにいるのか……。
幼いふたりには気付くすべもなく、
自由に私の手で石鹸とタオルを身体の上に滑らせるのを許す。
数回一緒に入っただけで、もう身体に触れていない所などなくなっている。
乳首も、首筋も、幼い陰部も等しく擦ってやる。
くすぐったいのか、みおが笑い声をあげる。
私は、藤沢が地獄でどんな顔をして
私に娘を自由にされるのを見ているのか、想像して楽しむ。
「いらっしゃい、こんにちは。お待ちしてたわ」
今日も彼女たちの家を訪れた私を、姉、みおが出迎えた。
みほは海岸に晩御飯にする貝でも拾いに行っているようだ。
海岸線から家の周囲の森まで、敷地内は高い塀で覆われており、
彼女らが外に出る心配はない。
みおは、私に面と向かうと、真っ赤になって気まずそうにうつむいた。
第二次性徴を迎え、胸もふっくらとボリュームを見せるみお。
「……見たのかい? みお」
「愛し合う男の人と女の人って、あんなことをするのね……」
みおにこっそりと与えたのは、男女の性愛を描いたビデオだ。
ソフトなもので、嫌悪感や不潔感を与えるようなものは排除されている。
少女の夢や妄想を膨らませ、欲望を誘うような作りだ。
「もし、みおがあんなことをしたいとしたら……」
えっ、といった表情で、みおが驚いて顔を上げた。
「誰と、したいと思うんだい?」
「……あなた、と。」
私は、“お父さん”や“おじさん”ではなく、私のことを
「あなた」と、そう呼ばせている。
みほが帰ってくる前に……。
みおの心を急かし、私は、彼女の身体を抱きかかえてベッドに運んだ。
収穫の時だ。
「ん………。ん……」
みおの生まれて初めての口付けを、何度も、何度も、惜しみなく奪う。
憧れていたキスを経験して、みおの瞳が欲情に熱く潤む。
すべての衣服を脱がし、生まれたままの姿にする。
数え切れないほど見てきた彼女の裸だが、第二次性徴を迎えた身体を、
“ベッドの上で”脱がすのは、これまでとは、私の感慨がまったく違った。
「……きれいになった。実に、美しい……」
年に不相応なほどの実りを見せる両乳房を、下からゆっくりと擦り上げる。
「あぅ…ぅ………っ」
みおが身体を震わせる。
小娘の身体は、一通り私の愛撫を受けただけで何度も何度も
絶頂に達してしまい、やがてすっかり熱くほぐれてしまった。
「さあ、私たちが、男女として繋がる時が来た。足を開いてごらん……」
私の裸の背に両腕を回しながら、まっすぐに揃えていた足を、静かに開いて行くみお。
私の手で、みっともないほど足を開かせても、みおは目を閉じたまま拒まない。
びくん、びくんと鼓動する私の男根が、みおの純潔に近付いてゆく。
藤沢。お前の娘は、この私に喜んでバージンを捧げようとしているんだぞ……
何も知らずに。何か邪魔ができるものなら、やってみてはどうだ……?
「初めての時は、ものすごく痛いぞ。我慢、できるか?」
一心に私を信じる表情でこくっとうなづくみお。
ずず……っと男根を侵入させてゆく。
ひっかかりを覚えたが、さらに力を込め、狭い狭い穴に私の性器を打ち込む。
「ふはあぁぁっっ!! い…ぁ、ぃぃっ!!」
みおの処女血が、私たちふたりの股を、濡らした。
「ふふ……あなたって、とても上手……」
今日は、もう何度目の逢瀬だろうか。
みほがいない時を見計らっての、私たちの密会。
いつしかみおは、私の手ほどきで開花し、
男根の抽送にも悦びを感じられる身体になっていた。
私に、そうされたのだ。
今日も一度目の絶頂からゆっくりと回復し、
いま、年に似合わない手つきで私の男根をしゅっ…しゅっ…としごいている。
私の回復を待っているポーズだ。
「奉仕してくれないか」
みおは笑みを浮かべると唇を舐め、姿勢を変える。
「ふふ……」
あむ……と亀頭を唇の中に迎え入れ、今度はすぼめた唇でしごき始める。
藤沢の娘が、私の、まだふたりの性液でぬるぬるの汚い男根に喜んで奉仕している。
私は、みおの軽い尻を両手で掴むと、少し持ち上げた。
……?
少し不審そうな表情をしながらも私の思うようにさせるみお。
だが、私の狙いに気付いてはっとした表情になった。
両手で掴んだ尻を、私の目の前に持ってくる。
みおの性器と肛門とが、迫力ある間近さで、眼前にやって来た。
「や! やぁっ! は、恥ずかしいわ……」
さすがのみおも羞恥心に頬を染めた。
「今日も、おしっこもしたんだろう? 洗いもしないで、私としてるのかい?」
同じことを何度も問い掛け、とうとうみおに白状させる。
「あ、朝8時ごろ一度よ……。だ、だって、あなた、急に来るし……」
ぐすっ、と鼻が鳴った。年頃の少女にとってあまりに恥ずかしい告白だったのだろう。
「正直なみおを喜ばせてあげるよ……」
私が破り開いた膣口に、私に初めて触られたクリトリスと肛門に、舌を這わせる。
奉仕も続けさせる。みおの、人生で初めてのシックスナインだ。
いやらしい水音と共に、あっ、んっ、んっ、はぁっ、と、みおの喘ぎ声が響く。
ぶるぶるぶるっと絶頂の震えを起こし、脱力するみおの口内に、
私は遠慮なく私の精液を発射し、すべてを飲ませた。
「みほにも、教えたいと思わないかい?」
え……?とみおがこちらを向く。
性の交わりを終え、昼の日差しを浴びながらベッドの上で
ふたり裸でまどろんでいた時のことだ。
ビデオは、こっそりとみおにだけ渡したものだ。
妹みほはまだ、何も知らないうぶな小娘のままだ。
「こんなにいいこと、素晴らしいことなんだよ……?」
「でも………」
みほを傷つけてしまうのではないか、と不安なのだろう。みおは心配げだ。
「みおが教えるんだ」
「わたしが……?」
「みおに任せるよ。私じゃなく、みおがみほに、すべてを教えるんだ」
レズビアン・セックスのビデオも、ノーマルなペアのビデオと同時に
みおには見せてある。さらには、複数の男女同士のものも。
みおにそれらの行為に対する偏見はない。
正確に言えば、私が、偏見を持つ機会を、みおから奪った。
誘惑のすべてのようすを録画して後で私に見せると約束させ、
決意した裸のみおをベッドに残して立ち去る──
そして私は今ソファに座り、ビデオを鑑賞している。
まず映ったのは、ふたりで例のビデオを鑑賞する双子の姿だった。
“ふふふ……。どう?感想は。みほ”
“………”
“どうしたの? 黙っちゃって”
“えっちって……。えっちって、こんなこと、するんだね……みおちゃん……”
みほは真っ赤だ。そのみほの肩に、妖しく手を回すみお。
“ね……みほ……。ちょっと、自分でもしてみたいって……そう、思わない?”
“じ……自分で?”
みおは、ゆっくりと説得を続ける。
戸惑いを隠せないみほの体にぴったりと身を寄せながら、
甘い言葉でこの世でたったひとりの妹を篭絡しようと言葉を紡ぎ続ける。
決定打は、すでにみおが私と経験してしまった、その事実を告げられた衝撃だった。
“このまま……わたしと彼だけがそうして……みほだけ置いてきぼり……”
“ヤぁヤぁ……、なんでそんなこと言うの……”
“だったら、ね”
とうとう唇を許すことを、了承させる……。
みおは、待ちかねたようにみほの唇におのれの唇を押し付けた。
実の姉に、初めてのキスを味わわれるみほ。
見る見る顔が赤く染まっていくのが、ビデオの画面でもわかる。
ちゅっ……と音を立ててふたつの唇が離れると、みおが聞く。
“どう? 気持ちいい?”
“……うん”
“いつかみほがするとしたら、わたしか……彼か……。でしょ? それとも、
いつか誰か他の人としちゃうの? その誰かのために、とっておくつもり?”
“そんな人いない……そんなのいやぁ……”
みおが、みほにとうとう言わせた。
“みおちゃんと……みおちゃんとしたいの……”
ふたりが、姉妹でセックスを行うために、服を一枚ずつ脱ぎ捨ててゆく。
“恥ずかしい? お風呂に入る時といっしょじゃない”
“……これから、みおちゃんと……しちゃうんだよね……”
すべてを脱ぎ捨てると、互いに抱き合い、深いカーペットに身体を沈めてゆく双子。
同じ顔、同じ髪型。ふたりの白い身体がカーペットの上で絡み合う。
“んっ……はっ……みおちゃん! みおちゃぁぁん!”
“ふふ……初めてのみほには激し過ぎるかしら?”
後ろからみほの股間に回した手を、しゅっしゅっとリズミカルに動かすみお。
“はふうううぅぅぅっっっ!!”
それだけで何も言えなく、何もできなくなってしまうみほ。
生まれて初めての刺激に指一本動かせなくなり、思うが侭に肉体を弄ばれるのみだ。
みおは、何もかも初体験のみほの身体を自由にする悦びを顔いっぱいに表し、
私がみお自身に施した愛撫をそのままみほの女体に再現してゆく。
股間に差し込んだ右手の動きのリズムは決して変えぬまま、
左手で乳房を片方ずつゆったりと揉みしだき、乳首を摘み、
口でみほの唇と舌をたっぷり吸ったあと、首から肩へと、ねっとりと味わってゆく。
びくびくとみほの身体が卑猥な痙攣を起こす。
初体験の過敏な身体は、この責めだけで何度も絶頂に追い込まれているようだ。
“はっ、はっ、あ…だめ! みおちゃんっ! 汚いっ、汚いよっ”
頭をみほの下半身にずり下ろし、割れ目を舐め始めたみお。
“くっ…、ウッ…、うは…ァッ! だめだめぇっ……! そ、そ、そんな…”
想像もしなかった刺激に目を剥いて震えるみほ。
“汚くなんかないのよ? あとで、みほにもしてもらうんだから”
“うん……。はぁぁぁっっ……!!”
がくん、がくんと裸身を揺らして、ビデオの中のみほは、イッた──
ビデオの一部始終を、見終わった。
「なかなか可愛いじゃないか……?」
「いやぁ……」
ソファに座る私の足元から声がする。
鑑賞中、全裸のみほ本人が、みおに抱えられてずっと私の足元にいたのだ。
「うふふ……じゃあ、さっそく今度は彼にしてもらいましょう」
みほは、一人だけ裸に剥かれ、痴態のビデオを鑑賞されて、
羞恥心で小さく縮こまっていた。
しかし、みおがまた股間に手を伸ばす。
「あらあら……ぬるぬるにしてたのね?」
「いやぁ……」
「みほはHな子だな」
「ふふっ……みほは、えっちな子」
「ち、違うもん……」
私も、みおも、服を脱ぎ始める。今日は、みほを摘み取らねばならない。
姉の胸に抱かれながら、素直に両足を私に明け渡すみほ。
足を開くと、ピンク色の処女地は、
処女だった時のみおのものと色も形もそっくりだった。
「痛いぞ……。一生懸命我慢するんだ」
「ウンっ……」
両親を殺害した男を信じ込んで、
なんの疑問も持たずに処女を捧げようとするみほ。捧げさせようとするみお。
(藤沢の叫びが地獄の底から聞こえるようだな……)
私の浮かべた笑みの意味を、みおも、みほも、知るよしもない。
処女の性器、藤沢の娘の未通の性器に、私の汚れた男根を添える。
濡れそぼった入り口に、くなくなと先端を擦り付けつつ、ゆっくり沈ませてゆく。
「ああ!? む、無理! 入んないよう!」
だが、ここでやめてやる気持ちなど、私にはさらさら無い。
ぐっっ…と腰を送り込み、容赦無く、犯す。
狭い狭い穴が、ついに、私の男根で満たされた。
おしっこをし、生理が来るだけの場所だったみほのそこを、
私の男根が性器にしたのだ。
「よく我慢したわ。みほ……」
妹の痛みを思ってか、みおも目の端に涙を浮かべてみほを誉めた。
はっ、はっと荒い息を吐いて耐えるみほ。
しかし私は容赦なく突きを送り込むことにした。
キツい初体験になるが、その方が「女」になる時期が早まるはずだ。
首を振り回し、涙を飛ばしながら、痛みのあまり無言で身悶えるみほの姿。
数分がたち、やがて十分が経過し、
その終わりない抽送に、しだいにみおが興奮し始めた。
夢中になってみほの口を吸い、また私が教えたオナニーを繰り返していたが、
ついにすっと腰をあげると、みほの顔をまたいだ。
「みほ、やくそく……」
見下ろすみおに、うん……とみほはうなずき、やがて舌をみおの割れ目に添わせた。
妹の舌がそこを往復し出し、みおもきゃふっ…と可愛い声を出して身を震わせる。
みおには、少々、サディスティクな資質もあるのかもしれない。
それとも、家事全般をこなすなど、生活力あるみほに
何かコンプレックスを感じていた、その裏返しなのか。
やがて、初めて妹の舌を感じながら絶頂に達したみおを見ながら、
私も、みほの膣内に抽送を送り込み続け、すべての精液を放出し終えていた。
これが、みほの初体験だった。
その日、私が彼女たちの家の玄関を開けると、出迎える者はいなかった。
奥に進むと、湿った水音と、静かな喘ぎ声が聞こえてくる。
リビングで朝から全裸で互い違いに折り重なり、
互いに性器を舐め合うふたりの姿が、そこにはあった。
ぴちゃっ……ちゅぷっ……
ちゅっちゅっちゅっ……れろ……
「あ……」
ようやく私の姿に気付いて、慌てて身を起こそうとしたふたりに、
私は、慌てないでそのまま続けるように促す。
女同士のシックスナインの悦びを覚えたふたりは、嬉しそうに行為に戻る。
面白いのは、それまで生活力あるみほに叱られたり、
少々抑えられ気味だったみおが、セックスの手ほどきを
みほにすることで立場を逆転させ、イニシアチブを握り始めたことだ。
みほも、みおに対して従順になりつつある。特にセックスの時は。
セックス。閉ざされた生活に生まれた新しい楽しみに、
ふたりは屈託なく没頭し、日も夜も明けず交歓を繰り返していた。
私に突き込まれ、奉仕して上下の口で交互に精液を受け入れる。
ふたりだけの時はこうしてレズビアンの快楽に身を委ねる。
もし両親が私の手に掛かっていなかったら……。
ふたりは学校に通い、同じ年頃の少年に恋し、
普通の少女として彼らと愛し合ったろう。
私の汚れた男根や精液を喜んで受け入れることなど有り得なかった。
そして、同性、しかも血縁ある相手……姉妹同士で性交することなど、
さらに有り得なかったはずだ。
私が、そうしたのだ。
私は、藤沢のふたりの娘の人生を、こうして淫事に酔う性の虜にし立てたのだ。
ソファに身を沈めながら、私は性的快感とはまた違う快楽に酔っていた。
最初から、このふたりを市場で他人に手渡すつもりなどなかった。
人間の運命を掌の上で弄ぶ快楽──至上の快楽に身を浸しつつ、
私はみお、みほの相互愛撫の情景を楽しんでいた──。