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式守伊吹の災難〜コスプレ編〜

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(1/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:36:06 ID:yFDgWY7a0
それは、ある日の昼休みのこと……

「し、しまったぁぁぁっ!!!!」
普通科の校舎内を、大急ぎで駆け抜ける私。
今日は屋上で……すももの作った弁当を……共に食す予定であったのに……
あろうことか私は……鈴莉の奴に急に無理難題を押し付けられたおかげで、
すっかり時間を食ってしもうて……
「ま……待っておれよすもも……今……今行くからな……っ!!!」
息も切れ切れに、屋上へと通じる階段を駆け抜け……
バンッ……!!
「あ……」
扉を開けたその姿勢のまま、凍りつく私。
「……すもも……」
そこにはもう、誰もいなかった。
真っ白にぼやけてゆく頭で、呆然と辺りを見渡してみるものの、
私を長らく待ち受けてくれていたであろう友の姿は……もうどこにもなく……
私は力なく、ぺたんとそこへ座り込む。
「……すまなかった……すもも……私……」
私との昼の語らいを、長らく楽しみにしていたであろうすもものことを思い……
そして、突然の急用とはいえ、大事な友との約束を破ってしまった自分自身を思い……
私はその場で、力なくうなだれるのだった。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(2/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:36:44 ID:yFDgWY7a0
「……というわけなのだ……すまない……すもも」
「そんな、わたしはもう気にしてませんよ?」
放課後の教室で、ひたすら平謝りする私。
「だが……私がそなたとの約束を破ってしまったのは、他ならぬ事実で……」
「もぉ、考えすぎですよ伊吹ちゃん!
 人間誰しも都合というものがあるんですから、いちいち気にしてたら身が持ちませんよ」
「……すもも……」
すももはこういう時、一度たりとも私を責めることはない。
それどころか……伊吹ちゃんは悪くない、わたしは全然気にしないなど、私を気遣う言葉ばかり言うて……
そんなすももを見る度に、私はいつもどうしようもない自己嫌悪に陥るのだ。
「私は……私が自分がふがいないっ!!!
 すももはいつも、私のことを……かようにも……気にかけてくれておるというのに……
 何で……私は……いつもこう……」
「……」
すももはそんな私のことを、神妙な面持ちで眺めていたが。
「……それじゃ、ひとつ罰ゲームといきましょうか!」
「? ばつ……げーむ?」
すももが満面の笑顔で、私に提案してみせる。
「はい! わたしとの約束を忘れちゃった伊吹ちゃんに、わたしからの罰ゲームです!」
「ばつ……げーむ……」
それをすれば、私の今日の過ちは償えるということか?
だとすれば……そのくらい、お安い御用だ。
「……わかった。そなたの言うことなら、何でも聞こう……」
「それじゃあ、ですね……」
すももはそっと目を閉じ、次の言葉を紡ごうと口を閉ざす。
その様に、私は思わずきゅっと体を縮こませた。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(3/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:40:32 ID:yFDgWY7a0
……しかし。
「今度の日曜、またいっしょにデートに行きましょうね! 伊吹ちゃん」
「え……?」
デートかどうかはともかく……週末すももと共に出かけるのは、今に始まった話ではなかろう?
それなのに、何を今更……
「それだけで、よいのか……? すもも……」
「んふふ……もちろん罰ゲームですから、それだけで済ますつもりはありませんよ♪」
「……すもも……」
そうやって変に微笑まれると、逆にバツが悪いぞ……ι
「……なぁすもも……そなた……一体何を企んでおるのだ……?」
「それは日曜までのおあずけです♪ 伊吹ちゃんも、楽しみにしていてくださいね!」
「……あぁ……」
何はともあれ、今日の過ちを償うには、日曜に共に遊びに行くほかなさそうだ。
(そう言えば……すももと休日にこうして遊ぶのも……随分慣れっこになってきたな……)
そして同時に、すももと過ごすそんな何気ない日々を、すごく楽しんでいる自分がいることも。
「それでは、楽しみにしておるぞ。すもも……」
この私に、普通の女の子としてのいろんな楽しみを与えてくれたすももに。
私は心より感謝しつつ、今度の日曜のことに、いろいろと思いを巡らせていた。

今思えば……私が迂闊であったのだ。
もっと早く……すももの企みに……気づいてさえおれば……!!!

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(4/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:41:20 ID:yFDgWY7a0
そして迎えた日曜日……

「な、なぁ……すももよ……」
「はい。何ですか伊吹ちゃん?」
「また……『こすぷれぷりくら』か? すもも……」
すももに連れてゆかれたのは、いつものゲームセンター。
その中の、いつも連れてゆかれる変な機械の前で、すももは楽しそうに微笑んでいる。
「はい! ここんところずっと、伊吹ちゃんのかわいい姿を撮ってませんでしたから……
 今日はいっぱい、かわいい格好、撮らせてもらいますね!」
「……なるほど……」
すももの言ってた「罰ゲーム」とやらは、このことか……
まぁ確かに、罰とするには、最もおあつらえ向きであるか……
「……まぁ私もそろそろ、すももの楽しみに少し付き合わねばならんと思うておったところだ。
 今日は1日、存分に楽しませてもらうぞ」
「ふふ……その意気ですよ、伊吹ちゃん!」
意気揚々、私は更衣室へと向かって行った。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(5/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:42:16 ID:yFDgWY7a0
……実のところ、私はこの「こすぷれ」とやらに、妙な快感を覚えつつあった。
普段まず着ることのないいろいろな洋服に、身を包んでおると……
何だか……いつもとは違う自分に、出会えるような気がして……
普段暇な時など……沙耶たちに内緒で買ってしまった「めいど服」とやらに、
こっそり袖を通してみたりして……
な、何を言っておるのだ私は!!! と、ともかく……今のは誰にも他言するでないぞ!!!
「さて、今日は何を着てみるとするか……」
さっそく浮かれた気分で、いろんな衣装に手を出してみる。
ピンク色のひらひらがかわいいワンピースや……瑞穂坂の制服を模したセーラー服とスカート……
そして中には、ウサギを模したもこもこの着ぐるみまで……
(き、着てみたいぞ……これ……全部……)
はやる気持ちを抑えつつ、私は棚に架けられた衣装をひとつひとつ吟味してゆく。
……やがて私は、ひとつの衣装を手に取った。
純白のフリルが独特の清純さを醸し出す、上品なデザインのドレス。
以前から少し、目につけていた特上の品だ。
(ふむ……今日はまず、これで……)
私はそっと微笑をこぼすと、さっそく手に持ったドレスに身を包むのだった。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(6/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:47:10 ID:yFDgWY7a0
「これで、よいか? すもも……」
さっそくそのドレス姿で、機械の前で待っているすももの元へ駆け寄る私。
「あ、伊吹ちゃん♪」
すもももすぐ私に気づき、笑顔でこちらに駆け寄ってくる。
すももが着ておるのは、垂れ下がった犬耳がかわいらしい、薄茶色の犬の着ぐるみ。
……こやつはもともと、どこか犬っぽいところがあるからな……
すももがその身にまとう着ぐるみは、何やら妙にすももに似合っている。
(しかし……)
これで一緒にプリクラを撮って終わりとは、罰ゲームとしてはいささか不足ではないか?
これでは、いつもすももとやっておるのと変わりないではないか……
「さ、早く撮りましょう! 伊吹ちゃん」
「あ、あぁ……」
妙に釈然とせぬまま、プリクラの台へと向かう私たち。
と、そこへ。
「……伊吹ちゃん……?」
「……?」
な、何だ……?
今後ろから、妙に聞き覚えのある声が聞こえたような……
そう思ったのも束の間。
「きゃああっ……ホントに伊吹ちゃんだぁ♥」
「ひゃ……ひゃああああっ!!?」
私は後ろから、急に抱きしめられていた。
背中に押しつけられる、妙に挑発的な2つのふくらみ。
まさか……こやつは……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(7/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:48:21 ID:yFDgWY7a0
「あ、遅かったですね♪ 姫ちゃん♪」
「うん……ごめんねすももちゃん。ちょっと、お洋服選びに時間かかっちゃって……」
……間違いない。こやつは……
御薙鈴莉の愛弟子にして、すももの旧友のひとり……神坂春姫その人ではないか!!
「か、かかかかか神坂春姫!? そなた、何故ここに……」
「え? だって……ここに来たら、伊吹ちゃんのかわいい姿が見られるって……すももちゃんが……」
「……すもも……? これは一体……」
私は思わず、ジト目ですももを見つめていた。
「ふふ。そういうことですよ、伊吹ちゃん♪
 いつもわたしばっかり楽しんでちゃ、姫ちゃんがかわいそうですから」
「ふふ……伊吹ちゃん。今日はいっぱい、いろんなお洋服着てくれるんだよね……♥」
「た、謀ったなすももーーーーー!!!!」
だが、時は既に遅かった。
神坂の奴は私を抱きしめ、何が何でも離すまいとしがみついてくる。
「でも姫ちゃん……今日の伊吹ちゃんの格好は、少しインパクトに欠けるんです。
 ここは姫ちゃんの手で、何とかうまくコーディネートできませんか?」
「ふふ……任せてね、すももちゃん。
 さ、伊吹ちゃん……いっしょに、お洋服選ぼ……♥」
「だ、誰か……助けてくれーーーーーー!!!!」
すもも一人でも大変なのに、よりにもよってこんな目がらんらんと輝いた神坂春姫まで一緒とは……
あ、悪夢だーーーーーー!!!!

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(8/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:50:52 ID:yFDgWY7a0
それから小一時間後。
「ねね、伊吹ちゃん♥ 今度は、このお洋服着てみて♪」
神坂の奴に山と積まれた洋服を宛がわれ、思わず嘆息する私。
「……神坂春姫よ……まだ終わらぬのか……?」
「ダーメ。まだまだ着せたいお洋服、いーっぱいあるんだから♪」
「ダメですよ伊吹ちゃん。これは罰ゲームなんですから、最後まで付き合ってあげませんと」
「う……うぅ……」
それを言われたら、私も抗えないに決まっておろう……
結局私は、すももの一言に押されたまま、ふたりの言いなりになってしまう。
(というか……)
傍らに積まれた服の山を見て、げんなりと肩を落とす私。
そこに積まれているのが、もっとまともな衣装であれば、私も納得がゆくであろう。
しかし……神坂の奴が選んでくるのは、まるで幼稚園児が身にまとうようなスモックと黄色い帽子とか、
カッパや怪獣の姿を模した着ぐるみとか……その……子供の召し物みたいなものばかりで……
神坂の奴が嬉しそうにそれらを持ってくる度、私は心の底からげんなりした気分になるのだ。
「あ、そうだ! 今度は、これなんてどうかな?」
やがて神坂の奴は、服の山からひとつの衣装を取り出し、すももに評価を問うた。
神坂の奴がその手に持つ、その衣装……
「なっ……!!!!」
その衣装に、私は思わず絶句していた。
ま、まさか……よりにもよってそんな恥ずかしい衣装を、私に……!?
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(9/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:51:57 ID:yFDgWY7a0
「あ、なかなかいいチョイスですね、姫ちゃん!!」
「ふふ……伊吹ちゃんだったら、これ……ぜーったい似合うと思うんだ♥」
神坂春姫の手にした衣装を前に、早くもやる気満々なふたり。
まずい……このままこの場におったら、私は間違いなくこやつらの餌食に……
「す、すももよ!! 私は急に用事を思い立ったのだ!!!
 そなたと遊べなくなるのは残念だが、私はこれで……」
「そうですか……残念です。伊吹ちゃんとのデート、楽しみにしてましたのに……」
「ゔ……」
すももの切なげな声に少し良心が痛むが、もうそのようなことに構っている場合ではない。
私はそのまま、その場をそそくさと立ち去ろうとした。
しかし……
「それじゃ仕方ありませんね……今日は兄さんといっしょに、この写真見て楽しむことにしましょう」
「な……!!?」
な、何てことを言い出すのだこやつは!!?
「ふふ……この写真なんかきっと、兄さんは大喜びですね♪
 兄さんって意外と、こういうマニアックな衣装大好きですから♪」
「あ、私も……小日向くんと……伊吹ちゃんのいろんなお写真、とりかえっこしたいな♪」
「な……なっ……」
よりにもよって、あんな恥ずかしい写真を……小日向の奴に……!!?
「た……頼む!!! 頼むからこれは……小日向の奴には……」
「「ふふふ……(キラーン)」」
「……あ……」
ひょっとして私は……この2人のかけた罠に……きっちりはめられたと言うのか……?
「それじゃさっそく、お着替えタイムと行きましょう!」
「ね? 伊吹ちゃん……早く行こ……♥」
「……うぅι」
私はもはや半泣きになりながら、2人の所業に諾々と従うほかなかった。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(10/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:56:37 ID:yFDgWY7a0
「きゃああああっ!! ホントにかわいーーーっ♥」
「むむ……わたしの姫ちゃんにここまで言わせちゃうなんて……強敵ですね、伊吹ちゃん」
「う……うぅ……///」
2人の選んだ衣装に身を包みながら、顔を真っ赤にしてうなだれる私。
「あぁんもぉ、お部屋に飾っておきたいよぉ! すももちゃん、これ、お持ち帰りできないかな?」
「ふふ……ダメですよ姫ちゃん。伊吹ちゃんはもう、わたしのものなんですから!」
「うぅ……いいもん! だったら代わりに、今日のお写真、いっぱい携帯に貼り付けちゃうから!」
「あ……あのな……」
早くも我を忘れはしゃぎまくる2人に、私はおずおずと問いかける。
「? 何ですか伊吹ちゃん」
「その……私はいつまで、こんな格好をしておらねばならんのだ?」
私がその身にまとうのは、水色のタオル生地でできた、ひらひらのフードと前掛けつきのツナギ……
平たく言えば……赤ん坊がその身を包むような……そんな屈辱的な衣装で……
おまけに私の右手には……赤ん坊をあやす時に使う、がらがらと鳴る筒状の玩具まで……
「もちろん、わたしたちがきっちり満足するまで、です!」
「そ、そんな……」
これだけ人を着せ替え人形にしておいて、まだ飽きぬと申すのか、すもも……?
というか……神坂春姫のあの目の輝き……
あれは、ちょっとやそっとじゃ満足などせぬという目だぞ……ι
「それよりも、伊吹ちゃん……まだまだひとつ……足りませんね……」
「す……すもも?」
まだまだ不満全開といった表情で、私の全身を舐めるように眺めるすもも。
……これ以上……何が不満と申すのか? すももよ……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(11/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:57:43 ID:yFDgWY7a0
「あ! そうだ! やっぱり赤ちゃんには、これがありませんと!!」
そうやって、すももが懐から取り出したのは。
「なっ……」
それは……泣き止まぬ赤ん坊にくわえさせておとなしくさせる玩具……
俗に言う「おしゃぶり」ではないか!!!!
「たっ……頼むすもも!!! それだけは……それだけは……っ!!!」
「姫ちゃん……伊吹ちゃんのこと、しっかり押さえててください!!」
「うん、任せてすももちゃん! ね、伊吹ちゃん……いいこいいこ……♥」
「は、離せ神坂春姫!!! かような屈辱に耐えるなら、死んだ方がましだーーーー!!!」
「ふふ……さぁ……伊吹ちゃん……」
既に目が据わった状態で、私の口におしゃぶりを近づけるすもも。
「だ……誰か……助け……」
「……あれ? 伊吹……?」
「!!!!!!」
心臓が、ひっくり返るかと思った。
今一番出くわしたくない人の声が、今まさに私の背後で……
「ま……ま……まさか……」
私は青ざめた頭で、ぶるぶると震える顔を後ろに向ける。
「や〜ん、伊吹ちゃんかわい〜♪ 雄真について、ここまで来た甲斐があったわ♪」
「うぉぉぉっ、伊吹ちゃんの赤ちゃんコス!!! たまんねぇぜっ!!!!」
「あ……ぅあ……」
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(12/28)投稿日:2006/09/02(土) 22:58:53 ID:yFDgWY7a0
もはや、疑いようもなかった。
小日向の奴といつも共におる、渡良瀬準と高溝八輔の2人が、今ここにおるということは……
誰よりも一番、この姿を見せたくない輩が、今まさに目の前におるということで……
「い……伊吹……?ι」
「ぁ……ぅ……ぁぅ……」
もはや私に、まともな思考回路は残されていなかった。
恥ずかしさと屈辱と……いろんな負の感情が、私の胸の中で渦巻いて……
「ぅ……ぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
……気がつけば、私は駆け出していた。
ついに……ついに見られてしまったぞ……
こんな……屈辱的な格好を……小日向の奴に……
「ちょ、待てよ伊吹!! んな格好で暴れたら」
「うぅぅぅっ!!! 死んでやる!!! 死んでやるぅぅぅぅっっっ!!!!!」
休日の平和なゲームセンターを全力で駆け抜ける、大きな赤ん坊の姿……
我ながら、何と奇怪な光景に映ったことだろう。
「いいから、とにかく落ち着けって!! 伊吹!!!」
「つ……ついて来るな小日向!!! こんな格好を見られては、私はもう生きてなどゆけぬ……!!!!」
「だから人の話を聞けーーーーーーーー!!!!」
そのまま私たちは、追いかけっこの舞台を往来にまで移し、飽くなき逃走劇を繰り広げるのだった。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(13/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:00:00 ID:yFDgWY7a0
「……落ち着いたか? 伊吹……」
「……あぁ」
静まり返った、小日向の自室。
そのベッドに赤ん坊衣装のまま腰掛け、しょんぼりうなだれる私。
「……しかしびっくりしたよ。準やハチの奴といっしょにゲーセン行ったら、
 お前らまでいっしょにいるんだもんな」
「……」
「しかしまぁ、神坂さんまでいっしょにいるのは意外だったけどな。
 神坂さん……あの手の遊びって、ちょっと苦手そうなイメージあったからさ」
「……」
当たり障りのない話題を選んでは、私に積極的に話しかけてくれる小日向雄真。
しかし……こう見えても、内心では私のこと……蔑んでいるに違いない……
まぁ……それはそうであろうな……
こんな面妖な格好した私のことを、一瞬でも褒める輩がおるわけがない……
「……見損なったであろう? 私のこと……」
「? 何でだ?」
小日向の一言に、私はぎゅっと唇を噛みしめる。
「……この格好のことだ!! 勿体ぶらずに、素直に申せばよかろう……
 格好悪いと……似合ってなどおらんと……」
……自分が、すごくみじめだった。
何で私は……こんなにも……格好つかぬのだろう……
これでは……小日向の奴に嫌われても……文句は言えんではないか……
「……伊吹……」
すごく神妙な面持ちで、私にそっと語りかける小日向。
「……小日向……」
「その……すごく……似合ってるぞ、伊吹」
「……今更、慰めなどよい……」
「いや……慰めとかじゃなくてさ……やばいくらいかわいいって! 伊吹……」
「……小日向……」
今更そんなこと言われても、私の心がより虚しくなるだけであろう……?
それなのに……何で今……そんなこと……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(14/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:02:34 ID:yFDgWY7a0
「……伊吹……」
「あ……」
小日向の顔が、間近にあった。
冗談でも慰めでもなく、ただまっすぐに……私の瞳を捕らえている小日向の目……
その顔に、不覚にも自分の胸がとくとくときめいてゆくのがわかる。
ちゅっ
「っ……!」
小日向の軽い口づけに、私の全身がぴくりと反応するのがわかる。
「ずりぃよ……伊吹は……
 俺が抗えないってこと、知ってて……こんな、挑発的な表情、するんだもんな……」
「……小日向……」
「ごめん……けどやっぱ、俺……自分のこと、抑えられそうにねーや」
とさっ……!
私の体が、やわらかな布団に投げ出されるのがわかった。
視界いっぱいに広がる、小日向の熱を帯びた表情。
その顔に、私は否が応にも、その後の展開を期待させられてしまう。
ちゅっ、ちゅっ……
私の顔中を啄ばむように、しきりに口づけしてゆく小日向。
小日向の唇の触れた箇所が、じんじんと熱く痺れてゆく。
「んふ……ん……ぁ……こひな……た……」
「ん……伊吹……ん、んちゅ……」
唇に触れそうでなかなか触れてくれない小日向の態度が、とてももどかしくて。
私は自然と、小日向の顔を手で押さえていた。
「伊吹……?」
「何をやっておる……私の唇は、ここであろう……? ん……ぁむ……」
そのまま私は、小日向の顔を強引に近づけ、その唇を無理やり奪ってみる。
「ん……んむ……むちゅ……んふ……ん、んちゅ……」
ふたりして溶け合ってゆくかのような、情熱的な口づけ。
段々と頭がぽわーっとして、こんな恥ずかしい格好していることなど、忘却の彼方に消え去ってしまう。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(2/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:03:46 ID:yFDgWY7a0
「ん……んは……っ」
小日向は唇を離し、改めて私の全身に目を通した。
「あ……あまり、見るな……恥ずかしいであろう……」
「ご、ごめん……でも何か、すごく倒錯的だなぁって思ってさ……」
頭の芯が痺れるような感覚の中、私はただぼんやりと、小日向の言葉に耳を傾ける。
「そうだよな……お前ってば、こんなにかわいいんだもんな……
 すももや神坂さんが、お前にこんな格好させたがる気持ち、俺……すっげぇわかる」
「小日向……」
「赤ちゃんみたいに白くてきれいな、お前の肌も……」
「ぁ……や……」
首筋から頬のところまで指先で優しく撫でられ、思わず声を漏らす私。
「こうやって艶っぽく囀(さえず)る、お前の大人っぽい吐息も……」
「あ……は……ぁあん……っ、ゃ……ぁ……こひなた……」
右手で私の首筋をなぞりつつ、左手で私の胸を掌で撫でる小日向。
敏感になった乳首が、服の生地にこすれて……すごく、気持ちがよい。
「全部……大好きだよ、伊吹……全部……俺のものにしたい……!!」
「んはっ、ぁあ……小日向……こひなた……ぁ」
服の上からなぞる小日向の手の感触が、すごくもどかしくて。
私は思わず、胸元のチャックを開け、小日向の手をそこに誘っていた。
「伊吹……?」
「その……小日向……服越しだけじゃなくて、その……」
「ん? どうしてほしいんだ、伊吹」
「うぅっ……こ、小日向よ……直接……触れては、くれぬか……?」
……自分でも、何を言うてるのだと思うた。
よりにもよって、こんなに猥らで恥ずかしい要求を、小日向に……
「……わかった」
小日向は頷くと、そっと残りのチャックを開け、私の胸元を大きくはだけさせた。
私の充血した先端が、惜しげもなく小日向の目の前に晒される。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(16/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:04:44 ID:yFDgWY7a0
「……すまぬな、小日向よ……」
「? 何がだ、伊吹」
「その……かように薄い胸をしておるから……その……こんな格好させられるのであろうな……」
「……」
小日向は無言のまま、そっと掌で私の先端を直接刺激しだした。
「あぅぅっ!! あ、やぁっ!! ぁ……は……はぁぁ……っ」
「こんなに感じる乳首持っといて……今更、何言ってやがんだよ」
「ゃ……ぁ……だめ、小日向……ぁ……はぁ……ぁうっっ……」
更に小日向は、私の両の乳首を指先でくりくりこね始めた。
まるでそこの感触を味わうかのように、指先を擦らせ、指の腹で執拗に揉みしだく小日向。
その度ごとに、私の全身に甘痒い電流が駆け巡るのがわかる。
「ぁ……は……ぁああ……や……そんな、こね……回したら……」
「伊吹の、ここ……すげぇ……かわいい……」
「そ、そのようなことを言って……誤魔化し……あ!! はぅぅ……」
胸の先端に、温かな感触が走った。
未だ慣れぬ小日向のぬめった口の感触に、思わず身悶える私。
「こ……こひなた……そんな、舐めたら……ぁぅっ!! ぁ、はぁぁ……」
私の制止も聞かず、小日向は更に舌先で、私の先端をちろちろ刺激する。
「やぁ……ぁ……あぁ……っ、はぁ、ぁ、はぁん……っ」
時折強く吸い上げては、唇でぐにぐに揉みしだく動きも加え。
小日向は夢中になりながら、なおも執拗に私の乳首を攻め立てる。
「やだ……こ……こひなた……そんな、激し、すぎるっ……ぅ、あ、あぁっ!!」
口のついてない方の乳首は、乳房全体を覆うように、掌で広くまさぐる。
まるで乳房まるごと、小日向に包んでもらっているような感覚。
「あぁんっ……ぁあ……小日向……いい……とても……よすぎる……ぞぉ……っ!!!」
気持ちよさの奔流で、頭の一部が壊れてゆきそうな感覚。
私の全身は心地よさのあまりがくがく震え、私の秘所からは、
まるで粗相でもしてしまったかのようにぐちゅぐちゅと蜜が染み出してくる。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(17/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:05:44 ID:yFDgWY7a0
「伊吹……もしかして、ここ……湿ってきた……?」
小日向はそんな私の秘所に手を忍ばせては、私の耳元で熱く囁く。
ま、まさか……も、漏らしてしまったと……勘違いされてしまったか……?
「うぐ……こ、子供扱いするでないぞ……これは、その……そういうものではなくて……」
「あ、いや……そんな風に思ってなんかないぞ……むしろ、その逆……かな……?」
小日向はそう言いながらも、私の秘裂を滑る指の動きを止めようとはしない。
「伊吹がこんなにも、感じやすい娘だったなんて……俺、すっげぇ嬉しい」
「はぅ……ぅ……あぁ……っ」
恥ずかしくて恥ずかしくて、頭の中が沸騰してしまいそうだ。
こんな……汚いところを……小日向の奴に……いいように……まさぐられておるなんて……
「あぁん、ぁ、ひゃあっ……や……は……ダメ……小日向……」
次第に、自分の意識が遠くなってゆくのを感じた。
世界の実感が薄れ、全てが、小日向で満たされてゆく……
「そろそろ……イキそう……なのか? 伊吹……」
「わ……わからぬ……で、でも……は、ゃ、はぁぁぁっ……」
全身が、ぴくりと跳ね上がるのを感じた。
息詰まりそうな快感の波に、私の腹が、足が、腕が……びくびくと激しく痙攣する。
「ぁ、や、あっ、あぁぁっ……私、イク……イッて……しまうぞぉ……っ!!!」
「伊吹……っ、はぁ……伊吹……!!」
小日向がとどめと言わんばかりに、乳首を吸う唇の動きに力を入れた。
全身がぐぐっと浮き上がってしまうほどの、強烈な刺激。
私は、その強烈な刺激に後押しされ……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(18/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:08:30 ID:yFDgWY7a0
「ああぁっ、あ、ひゃああ……あっ、ああああああ……っっ!!!!」
私はそのまま、一気に絶頂を迎えていた。
全身が硬直し、呼吸することすらままならぬ程の、激しい痙攣。
その間も小日向はずっと、私の弱点を攻め続けるのを忘れない。
「あぁっ、ぁっ、あはぁっ……ぁ、はぁ……ぁあ……」
やがて絶頂の波が遠ざかり、私は力なく肩で息をする。
私の秘所は濃厚な蜜で潤い、全身からは暑さのあまり、じわりと汗が噴き出している。
「す……すごく……よかったぞ……小日向……」
「あぁ……伊吹こそ、すっげぇ……かわいかった」
小日向はにっこり笑うと、秘所に這わせていた指先をそっと退ける。
その瞬間。
「あ……ひゃあっ!!?」
小日向の指先が、おそらく私の一番弱いところをなぞってしまったのだろうか。
イッたばかりの私の体は、そんな微弱な刺激にも鋭敏に反応してしまい……
そして……
じゅわぁぁぁぁ……
「あ……あぁ……やだ……私……」
気づいた時には遅かった。
私の括約筋は力なくうなだれ、私の股間に、じわりと黒い染みを広げていってしまう。
「あ……伊吹……」
「み……見るな……見ないでくれ……小日向……///」
必死に止めようとするも、全身に思うように力が入らず……
結果……私は本物の赤ん坊のように、そこら一帯を生温い液で湿らせてゆく他なかった。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(19/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:10:08 ID:yFDgWY7a0
「ん……ぐす……ぇぐ……っ」
股間を伝うあまりの気色悪さと、いい歳して粗相してしまったことへの羞恥に、ひたすら泣き咽ぶ私。
「あ……あんまり、気にすんなって……伊吹ι」
「だ……だが……こんなの……はしたのうて……私……」
「伊吹……」
小日向はそんな私を前に、にわかに考え込んでおったようだが。
「……それじゃ、伊吹のここ……俺がきれいにしてやらないとな」
「え……? あ……小日向……」
小日向はいたずらっぽく微笑むと、そっと私の服を脱がしにかかった。
そのまま私を下着一枚にすると、小日向はぐっと、私の両足を高く掲げてしまう。
「な……何をするつもりなのだ……小日向……」
「何って……お漏らししちゃったんだから……おしめ、交換しないとな。
 ついでに……おしっこで汚れちゃった伊吹のここも、俺が……」
「な……ざっ、戯言を申すな!! 私は……」
私の必死の反論も意に介さず、小日向は私の腰を浮かせ、私の下着をつつつっと器用に脱がしてゆく。
「すげぇ……もう、ぐしょぐしょだな……伊吹……」
「そ……そんなに……見ないでくれ……小日向……」
「こんなにいっぱい……漏らしちゃって……これは、きれいにするにも時間がかかるぞー」
そう言いながら、小日向は私の両足を大きく広げ、私の秘所をあらわにしてしまう。
「あ!! はぅぅっ……」
全身を襲うあまりの羞恥心に、私は思わず全身を縮こませた。
小日向とは、これまで何度か……体を重ねたことはあったが……
かようにまでそこをまじまじと見られるのは、さすがに初めてのことで……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(20/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:13:07 ID:yFDgWY7a0
「すげ……綺麗だな、伊吹の……ここ……」
「うぅ……こ、小日向ぁ……///」
「綺麗なピンク色で……毛もホント、薄めだし……何度も俺とやってんのが、信じられねーくらい……」
「た……頼むから……もう、これ以上は……///」
いちいち私の恥ずかしい箇所を指摘しては、私に更なる羞恥を与えてゆく小日向。
あまりに恥ずかしくて……頭がぐるぐる回ってしまいそうだ。
「それじゃ、さっそく綺麗にしてやらなきゃな……んっ」
「!!! あ、はぅっ!!!」
小日向は私の股座に顔を入れたかと思うと、私のそこにそっと口づけてきた。
「ぁ……ゃ……ぁぅぅ……っ、や……やめて……小日向……」
そこはもう、私の汚い液でまみれておるというのに……
私の抵抗も意に介さず、小日向は更に、私の秘裂に舌を這わせてくる。
「そ……そんな……そこ、汚っ……ゃっ、あぁ……」
ぴちゃぴちゃと淫靡な水音を立てて、私のそこを愛撫する小日向。
気の狂いそうなほどの恥ずかしさと心地よさに、私はどんどん意識がかき乱されてゆく。
「伊吹のここ……ちょっと、しょっぱくて……何だか、いい匂いがする」
「こ、小日向……!?」
小日向の発言に、私は思わず面食らっていた。
まさか、小日向は……女性のそういったものの味と匂いが……好みと申すのか……?
「……今何か、妙な誤解しなかったか? 伊吹ι」
「ご、誤解と申すのは、その……」
「安心しろって。俺は伊吹の以外には興味ねーからさ」
そう言いながら、小日向はなおも私の秘裂を舌先でぺろぺろとなぞる。
「こんなかわいい伊吹に、ついてるものだからこそ……こんなに、愛しく思えるんだぞ? 俺は……」
「あぁっ、はっ、あぁん……こ、小日向……」
秘裂を指先で押し広げては、ざらつく舌先で中をぐぐっと押し分けてゆく小日向。
切ないほどに甘い快楽が、私のそこを絶え間なく襲ってゆく。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(21/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:15:50 ID:yFDgWY7a0
「ひゃああ……っ、あぁっ、あぁ……き、気持ちよいぞ……小日向……」
徐々に恥ずかしさより、心地よさの方が勝ってきたのだろう。
絶え間なく襲う小日向の舌の感触に、我を忘れ喘ぐ私。
そんな私の様子を伺ってか、小日向は更に舌先で私の中をかき回し始めた。
舌のざらついた感触が私の襞をなぞる度、刺激の波がぞわぞわと私の全身を駆け巡ってゆく。
「あぁっ、あぁ、はぁぁ……小日向……ぁっ、ぁぁ……小日向……」
股間を際限なく襲う快感に、うわ言のように小日向の名を呼ぶ私。
次第に心地よさのあまり、頭がぽわーっと白くなってきて……
それと共に、私の中に、不安感にも似た感情が募ってゆくのがわかった。
「ぁはぁぁ、あっ、やぁ……やだ、小日向よ……ひとりに……ひとりに、しないでくれ……!!」
小日向にこうやって、ひとり絶頂に導かれるのも嫌いではないが。
それだとまるで……世界に私しかおらぬような気になって……すごく寂しくて……
どうせ逝くなら……小日向の腕の中で……いっしょに……昇り詰めたい……!!
「あぅ……い……逝くなら……小日向と、ふたりで……ぁっ、頼む……!!!」
「伊吹……あぁ、わかった」
そう言うと小日向は私の秘所から顔を遠ざけ、そのまま自らのズボンに手をかけた。
そのまま下着を下ろし……私の前に、期待に張り詰めたおのが逸物を晒す。
「あぁ……こ……こひなた……」
こんなに大きなものが……また、私の中に……
そう思うと、私のおなかが無意識のうちにきゅっと縮み上がるのがわかった。
「そんじゃ……痛かったら言えよ? 伊吹……」
「……あぁ……優しく……頼むぞ? 小日向……」
小日向は優しく微笑むと、そっとその先端部を私の秘裂にあてがった。
そのまま小日向のそこは、ほとんど抵抗ないまま、私の中へと飲み込まれてゆく。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(22/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:17:11 ID:yFDgWY7a0
「あ……あっ、あぁっ……入って……おる……小日向の……」
おなかの中を圧迫する小日向の熱に、私は思わず身震いする。
小日向は更にゆっくりと腰を突き出し、じわじわとその場所を奥へとねじ込んで行った。
「はぁっ、ぁぁ、ぁ……小日向のが……いっぱい……」
「大丈夫か? 伊吹……」
「あ、あぁ……大丈夫だ……小日向……」
体格の差のせいか、小日向のそこを全て受け入れてやれぬのが少々悔しいが。
それでも……小日向の気持ちよさそうな表情を見るだけで、じんわり満たされてゆく私がいる。
「小日向……んく……いいぞ……そなたも……共に……気持ちよくなってくれ……」
「あぁ……それじゃ、遠慮なく」
そう言うと、小日向はゆっくりと股間のものを動かし始めた。
引き抜く度……私の襞が小日向の秘所に絡めとられ、すごく……気持ちがよい。
「小日向……あぁ、こひなた……はん、あぁん……」
私は涙目になりながら、小日向と結ばれた悦びに喘ぐ。
小日向は更にそこを私の奥深くに突き入れ、私の奥底をごりごり攻め始めた。
「あぁっ、ぁっ、あぁんっ!! は……激し……すぎるっ……あ、はぁぁっ!!!」
「伊吹……ここ、一番感じるもんな……ん、っく……」
「ああっ、はっ、あっ、ひゃああっ……いい……いいぞ……こひなた……!!!」
奥底をずんずん貫かれる感覚に、我を失い喘ぐ私。
膣壁は堪えかねたように絶えず収縮し、その度に私のそこは、小日向のそれをぐいぐい飲み込んでゆく。
「小日向……早く、欲しいのだ……あっ、そなたの……熱いものが……!!!」
「伊吹……っ、待ってろ……今……出してやる……からなっ……!!!」
私の期待に答えようと、必死になって私の膣内を攻める小日向。
「はぁぁっ、あっ、あうっ、あああぁっ……小日向……ぁっ、こひなたぁ……!!!」
「伊吹……っく、ぅぁ……っ、伊吹ぃ……っ!!!!」
気の遠くなるような感覚の中、私たちは互いを求め、名前を呼び合い……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(23/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:19:10 ID:yFDgWY7a0
びゅくっ、びゅくっ……!!!
「あぁんっ、あっ、はぁあああぁぁ……っっ!!!!」
私たちはほぼ同時に、絶頂を迎えていた。
小日向のそこは絶頂の喜びに絶えず打ち震え、
私のそこは、吐き出される小日向の熱を絶えず飲み込み続ける。
どくっ、ぶちゅ、びゅるるるっ……
私の中では到底受け入れられない量の精液が、私の膣内から溢れ……
私のお尻の辺りに、熱い粘液の塊となって沈殿してゆく。
「あぁ……私の中……小日向ので……いっぱい……」
私は半ば陶酔したまま、中に吐き出される小日向の温かさに酔いしれていた。
「……伊吹……どうだった?」
額を汗で濡らしながら、小日向が私に問いかける。
「あ……あぁ……すごく……よかったぞ……小日向……」
「伊吹……」
私たちはそのまま寝床へと倒れ込み、絶頂後の余韻を楽しむべく、そっと口づけを交わしていた。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(24/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:21:06 ID:yFDgWY7a0
「……あのな……小日向……」
「……何だ? 伊吹……」
ひととおりの後処理を終えた後、私は寝床の中で、そっと小日向に囁きかけていた。
「その……あんな身も世もなく求めてしまった身分で、こういうことを言うのも何だが……
 毎度毎度ああやって無神経に中に出すの、あまり褒められたものではないぞ」
「あ……ご……ごめん、伊吹ι」
「まぁ……私はよいのだがな?
 こうして続けておれば、そなたとの子を授かる日も、そう遠くはなかろうて」
「……」
おなかを擦りながらの私の発言に、半ば呆れたような表情を見せる小日向。
……何だ? こやつは……
よもやまさか……私が子を授かる様が、想像できぬとでも申すのか?
「……何か申したらどうだ? 小日向よ……」
「あ、いや……さっきまで伊吹のあんな格好見てたから……ちょっと、現実感湧かなくてさ」
「なっ……!!!」
そう言えば私は、先刻まであんな無様な姿を、小日向の奴に……!!!
「わ、忘れろ!!! 今日のことは即刻忘れるのだ!!!!」
「いや〜、あれはさすがに無理だな〜♪
 何しろアレは俺ん中で、ウサ耳巫女を越える強烈なヒットだったからな」
「い、いいから……そなたにあんな姿を見られたかと思うと、とても切なくなる……」
「何で?」
「そ、それは……その……」
小日向からのあまりに直球すぎる問いに、思わず口篭もる私。
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(25/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:22:01 ID:yFDgWY7a0
「いいんじゃないか? 伊吹の赤ちゃんコス、とってもかわいかったぞ。
 あんな格好が似合うのも、伊吹の立派な魅力だと思うけどな、俺」
「小日向……それは、まことか……?」
「あぁ……神坂さんや小雪さんあたりにやらせても……多分、あの味は出ないだろ。
 他でもない、伊吹が着るからこそ、あんなに……かわいく映るんじゃないか?」
「だが……それは……私に女としての魅力が欠けておるからであって……」
「逆に考えるんだよ、伊吹。
 自分には、他の人にできないこんな格好ができるんだぞー!! って」
「……」
小日向の言葉に、私はようやく自分の気持ちに思い当たった気がした。
思えば……私がこすぷれに抵抗を持っておったのは……
単に自分の格好が、周囲の目に奇異に映っておるのではないかと、恐れていたせいであって……
ああやって普段着ない衣装に袖を通すのは……その……むしろ好きな方であって……
「……なぁ……小日向よ……」
「? 何だ、伊吹」
「その……今度……共にぷりくらを撮りに行かぬか?
 そなたに見せたい格好が……まだまだ……いっぱいあるのだ……」
「何だ、そんなことか……いいぜ俺は。むしろ大歓迎!!」
「そうか……ふふ……また私に惚れ直しても知らぬぞ? 小日向……」
「あぁ……楽しみにしてるぜ、伊吹」
今度私は、どのような格好で小日向を惑わせてみようか……
私は笑顔もゆるみっ放しで、小日向とのデートのことをあれこれ想像していた。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(26/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:23:10 ID:yFDgWY7a0
(エピローグ)

「な……な……なっ……」
「どうした小日向♪ そんなに驚いた顔をして」
目前に現れた伊吹の格好に、思わず面食らう俺。
伊吹の奴がとっておきの衣装を見せてやると言ってたから、少し楽しみに来てやったのだが……
そこに出てきたのは、俺の想像を遥か斜め上にかっ飛ばした格好で……
「お前……なっ、何て格好してんだーーーーーーー!!!!」
「何って……『ぼんてーじ』とか言う女性向けの皮製の衣装だ。
 この格好で体を鞭で打ってやれば、殿方は喜ぶのであろう? 小日向よ」
一体どこで覚えてきたんですか、そんな知識……
(つか……こ……これは……)
黒光りするその妖艶なレオタードと、伊吹の潔いまでのロリ体型が、見事なまでにミスマッチして……
あ、あかん……頭クラクラしてきた……
「と……とにかく……子供はそんな格好しちゃいけません!! ほら、行くぞ伊吹!!!」
「なっ……そなたまた、私のことを子供扱いして……」
「いいから来いって!! その格好は、さすがに俺の倫理的問題に関わる!!!」
そのまま無理矢理、伊吹を更衣室へ押し込もうとする俺だったが……
式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(27/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:24:28 ID:yFDgWY7a0
「……小日向くん……?」
「どきぃっ!!!!」
後ろから急に聞こえたその声に、思わず跳ね上がる俺。
ま……まさか……今の声は……
「!!!!!」
そこには……今まさに声をかけられた神坂さんだけじゃなくて……
準に……ハチに……おまけに柊のヤツまで……
「うんうん、わかるぞ雄真……
 伊吹ちゃんみたいなちみっちゃい娘にいじめられたいというお前の気持ち」
「お……お前といっしょにするなハチ!!! これはだな」
「とか何とか言って、ホントは心の中でこういうの妄想してたくせに♪
 大丈夫よ雄真……雄真がどんなことを好きでも、それで雄真への気持ちが揺らぐことはないから」
「ぐっ……ば、馬鹿にしやがってこのオカマ……」
「これは本格的に接し方を考えなきゃいけないわね……
 雄真がまさか、そんな変態嗜好の持ち主だったなんて」
「こ……小日向くんも、人前ではほどほどにね……///」
「だ、だから……違うんだって〜〜〜〜〜!!!!」
俺はそれから小一時間かけて、神坂さん達の誤解を解く羽目に遭うのだった。

式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(28/28)投稿日:2006/09/02(土) 23:25:49 ID:yFDgWY7a0
「ふぅ……今日は楽しかったぞ、小日向」
「あぁ……よかったな、伊吹」
夕暮れ時の公園を、ふたり歩く俺たち。
ちょっと前までは、ふたりでちょっと遊びに行くことすら、いっぱいいっぱいだったのに……
伊吹のヤツ、いつの間にか普通にデート楽しんじゃってるよな……
「……変わったよな、お前も」
「そなたが変えたのだ……そなたが私に、普通の女の子としての喜びを教えてくれたから……」
「それを言うなら、すももの方が俺より頑張ってるんじゃねーか?
 プリクラ遊びだって、すももが教えてくれなきゃ、きっと一生出会えなかっただろうし」
「それとこれとは別だ! そなたはそなたで……いろいろ……教えてくれておる……だから……」
「伊吹……」
夕日に映える伊吹の唇に、そっと口づける。
俺の伊吹への精一杯の気持ちを、伊吹に伝えるために。
「……ずっとこうやって、そなたと共におれたらよいのにな……」
「ずっといるさ……お前が、俺のことを好きでいてくれる限り」
「……あぁ……ずっと……一緒だ……小日向」
……本当は、ずっと気づいていた。
伊吹の耳に輝く、一粒のイヤリング。
この前のデートの時、俺が伊吹に買ってあげたとっておきの品だ。
(伊吹……)
俺の前で、どんどん女性としての美しさを磨いてゆく伊吹。
このまま時が経てば、彼女はどこまで魅力的な女性に育ってゆくのだろうか……
そんな伊吹のことが、とても羨ましく……そして、とてもこそばゆい。
「さて、今度の逢瀬はいつにしようか? そなたにはまだ、見せたい衣装がいっぱいあるのだ!」
「はは……今度はさすがに、ボンテージは勘弁な?」
「わかっておる……見ておれ! この次こそ、とっておきの衣装でそなたを悩殺してくれるわ!」
他愛もない会話を繰り広げながら、俺たちは一路、帰宅の途につくのだった。

(Ending Theme:佐藤ひろ美「with you...」)
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