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龍剣士の巣作り日記:出産騒動

460 :龍剣士の巣作り日記:出産騒動(1/5) :04/12/08 20:27:50 ID:6v/LMGOa
 私はフェイ。開始早々ですまないが、今回は生々しい話になる。その、なんだ。

      ***CAUTION***
ネタをネタとわからない人や、リアルで彼女が最近物欲しげに宝飾店の前で立ち止まったり
する男性には、スルーをお勧めする。遠くて近い未来の話かもしれないゆえ。ふふふ。


 ………つまり、来ないのだ。アレが。
しかも、妙に酸っぱい物が食べたくてしかたがない。これはつまりアレだろう。

「えぇ〜。おめでとうございますぅ〜。ブラッド様もぉ、きっとお喜びですよぉ〜」
 なんで人の顔を見るなり分かったのか突っ込むべきか、それともその妙に間延びした
喋りを突っ込むべきか。とはいえ、彼女はここでの私の近しい友人の一人だ。
 『無粋な言葉を使えば、棒姉妹…』とはご主人様がいつかの夜に言っていたことだが、
意味は知らない。本当に知らぬ。知らぬといったら知らぬ。
「妊娠中はぁ〜。あまりしないほうがいいと思うのでぇ。私が代わりに頑張りますねぇ」
 友人というか、彼女との危うい関係はご主人様の強壮極まりない精力の上の綱渡りで
あるのは言うまでも無い。まぁ、私とユメとをまとめて相手してもまだ捕虜の所に
通えるご主人様のことだ。私たちの友情は永遠のものだろう。
「ところで…、私はどうしたらいいのだ」
「出産ですか? 私の村ではぁ…」
 間延び会話を要約すると、イコインカルとかいう呪術師が一切合財を行うので
彼女はよく知らない、と言うことらしい。それにしても、会話スキップというのは
優秀な機能だとご主人様がおっしゃっていた意味がわかるような。
「あ、でもぉ。私とブラッド様は結婚したわけではないのでぇ。私の場合はぁ、
 どうするんでしょう? 今度ぉオサに聞いてきますねぇ〜」
 龍へ差し出した生贄が子供を生んだ場合の儀式手順までが定まっていたら、私は
先見の明のありすぎる獣人族の先人を尊敬する。かなり本気で。


461 :龍剣士の巣作り日記:出産騒動(2/5) :04/12/08 20:28:17 ID:6v/LMGOa
「ふむ。妊娠したのか」
 と、羨ましげに人のおなかを眺めているのはルクル様。まだ平たいから見て分かるもの
でもないだろう。…そういえば、姫様とはいえ、ご主人様の巣で会う時に様はいらないの
だろうが、どうも身に付いた癖は抜け切れないようだ。
「はぁ…どうしましょう」
「馬鹿を申せ。おぬしに産まぬ理由があるか? …私ならそう簡単にはいくまいが」
 そういえば、婚姻によらぬ不義の子とあれば、普通は産むか産まないかで悩むのか。
まして王族などとなれば、出産は自分の意のままにはなるまい。そう思うと、羨ましそうな
目つきにも、ただご主人様の子を為した事を羨むだけ、ではない意味を感じてしまう。
「産むのであろう?」
「は、はい」
 力強く頷くと、ルクル様は何故か目線をそらされた。
「…頑張るのじゃぞ。しかし…、ブラッド様のお子とあれば、きっと風当たりも強かろうが、産む
 決意は変わらぬな?」
「はいっ」
 そう聞いて、ルクル様は気遣わしげに、一言付け加える。
「おなかの内側から蹴られるのはそれはそれは辛いと、乳母が申しておったが…産む決意は
 変わらぬな?」
「ええ、それくらいでは」
「それに、龍の子ともなれば…、人の場合の知識は役に立たぬやもしれぬ。大きさが龍並だと
 したら、お主の身も危ないぞ…。それでも産む決意は変わらぬであろうの?」
「ブラッド様の為ならば、例え身が裂けようとも構いませぬ」
 それからも、心配げにあれやこれやと危ない可能性を数え上げてくださるルクル様の
心遣いに、私の感謝の念は絶える事はなく、私の心はますます強くなっていった。
 ……ルクル様は、最後には涙目になって去っていかれた。そんなにも心配してくださる
とは、父は心優しき良き方におつかえできたのだな。そうだ、今度ご主人様にお許しを
頂いて墓参と報告に行くことにしよう。


462 :龍剣士の巣作り日記:出産騒動(3/5) :04/12/08 20:28:44 ID:6v/LMGOa
 …とはいえ、龍の子、という一言は頭にひっかかる。そういえば、龍と人の間の子は
一体どのように産まれるのだろう。備えなくしては戦にならぬ。まずは情報を集めねば。

「龍と人の間の出産がどうなるか、ですか? 申し訳ありません、龍族の村は魔族の間でも
 最後の秘境と名高い場所でして…、子供の龍は見たことないんです」
 メイドの間の入り口で呼び止めたメイドは、心底すまなさそうに答えて去っていった。
よく考えれば彼女達とて人間ではない。そういえば、魔族と人間とか、魔族と龍だと子供は
どうなるのだろう。

「あ、フェイ様。最近はご活躍されているそうですね」
 更衣室で見た限りでは、人間と変わらないように見えたが…、一箇所だけ目に見えて違う。
彼女達は総じて胸が我々より薄い。クーさんなど、目を疑ってしまうくらい薄かった。
「……あの?」
 つまり、これは彼女達が授乳しなくてもいいということなのではないか? そっくりな
外見のメイド達が多いところからするに、魔族は卵生なのかもしれない。これですべての
説明が付く。つまり、世界は滅亡s
「フェイ様? 何かものすごぉぉおく、素敵な考察をされているようですね」
 いつの間にか現れていたクーさんに心を読まれたのだろうか、一週間はおやつ抜きだった。
不思議だ。


463 :龍剣士の巣作り日記:出産騒動(4/5) :04/12/08 20:29:20 ID:6v/LMGOa
 …私とてさすがにリュミス様に聞くほど愚かではない。
「へぇ? 子供? ブラッドもちゃんと練習してるのね。感心感心」
 しかし、先方が見つけてしまうのはどうしようもないではないか。
「そんなに怯えなくても大丈夫よ。人間相手に練習しても構わないと言ってあるし。
 いわば、犬に噛まれたようなものじゃない?」
 それは何かが大幅に間違っているような気もするが、指摘するのはやめておこう。
「とはいえ…ちゃんと上手にできた? ブラッド」
 ………背後に視線を感じる。ちらーっと見るとそこにはご主人様が物凄い姿勢で
椅子の背にへばりついて隠れていた。何やら首をぶんぶんと振ったり目をぐるぐる
させたりされているが…。
 ふふふ、ユメ、ルクル様、私をはじめお情けを頂いている者達はこのような場合の
対処法マニュアルを作成済み。ご心配には及びませぬ。とりあえず、ご主人様が
リュミス様の視界に入らぬように、さりげなく位置をずらして。

「いえ、正直ご主人様とだと、痛いばかりです」
「そ、そうなのか?」
 眉を寄せて恐ろしそうにする乙女のリュミス様を見ていると逆に優越感を感じるの
だから、女というのは不思議なものだと思う。少し前ならば、私もああだっただろう。
「それに、まだ使い込まれていないので皮もついたままで、可愛いものですが…
 まだまだダメですね」
「そ、そうなのか?」
 直接的な言い方に頬を真っ赤にしながらも、ごくりと唾を飲むリュミス様。
ふふ、ちょろいものだ。こうやって私たちは今の生活を守っているのだ。女の戦は
厳しい。

464 :龍剣士の巣作り日記:出産騒動(5/5) :04/12/08 20:31:34 ID:6v/LMGOa
「…あー、リュミス様。ようこそいらっしゃいました」
「あら。…ブラッド」
 …ご主人様が自らリュミス様の前に現れるのは珍しいが、リュミス様が
「早く立派に修行するように」
 としか言わずに足早に去ったのはもっと珍しい。ご主人様の心労はきっと常よりも
少なかっただろう。お手柄のはずだ。
…なのに、何故か一週間は閨に呼んでいただけなかった。不思議だ。

 そうそう、妊娠したと思っていたのは、結局、想像妊娠という奴だったらしい。
運動が激しいと一ヶ月や二ヶ月アレが来ない時もあるし、娯楽室横の白衣の人に
聞いたところ、単にビタミンC不足ですっぱいものが欲しくなっていただけなのだそうだ。
今度果樹園を作るようにユメと二人でお願いに行こう。
『ヤった女性キャラの中で、フェイだけはどうやっても孕ませられなかった。
 子作りドラゴン一世一代の不覚なので、ネタだけでも子作りしたかった。
 フェイならなんでもよかった。今は反省(ry』とかいうご主人様の声が聞こえた。


 そうそう、それから一ヶ月くらい過ぎて、マイト様が遊びに来た折に、リュミス様が
来ていた折の話題が出たらしく、また一週間は閨に(中略)。不思議だ。


465 :名無しさん@初回限定 :04/12/08 20:31:58 ID:6v/LMGOa
タイトル:龍剣士の巣作り日記:出産騒動
>>460-464

*『巣作りドラゴン』 フェイ、ユメ、ルクル、ティエ、クー、リュミス

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