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龍剣士の巣作り日記:部隊の仲間

456 :龍剣士の巣作り日記:部隊の仲間(1/3) :04/12/08 20:22:13 ID:6v/LMGOa
私はフェイ。今日はご主人様から入り口の警護を命じられた。
本当はご主人様の御傍を守りたいのだが、その、あの…。まぁ、なんだ。
入り口の警護も同じくらい重要な任務なのは理解しているつもりだ。
モンスターと一緒に戦うのも慣れれば気にならない。むしろやりやすい位だ。
この機会に、彼らを皆さんに紹介しようと思う。

「ふぉっふぉっふぉ…今日はお嬢ちゃんが相棒じゃな。頑張るのじゃぞ」
 そう言って笑うのはマーリン先生。ダークウィザードだ。ブラッド様いわく、
『必殺無効がないからアレだけど、初レアだから愛着がわいてさぁ』
だそうだ。よくわからないが、ずっと後ろに下がっていて剣が鈍ってしまった私より
席次は大分上。強いのだろう。たぶん。
「よろしくおねがいします」
「うむうむ。おお、敵じゃぞ」
 ぞろぞろやってくるのは黒衣の竜狩り隊だ。
『嫌な敵だ。強いし、うるさいし、個別H練習シーンが無い』
 …理由はともかく、ブラッド様が嫌がる敵ならば排除あるのみ。

「ここの後ろには一人も通さぬ!」
 とはいえ、私の剣では一度に相手できるのは一人二人。半分は先生に向かっていく。
「ほれ、必殺の究極魔法じゃぁー」
 物凄い威力に敵があっさりと倒れた。さすがだ。
「究極魔法じゃー ほれ、もう一個じゃー」
 いや、究極なのだからもう少し相手を選んだ方が…。究極魔法は己の体力を代償に
相手を倒すスキルだったはずだし。
「むぐぅ!」
 くぐもった声に、嫌な予感がして横を見ると、ぎっくり腰を再発したらしい先生が
メイド部隊の担架で退場していくところだった。HP低いんだから無理はしないほうが
いいのに。

457 :龍剣士の巣作り日記:部隊の仲間(2/3) :04/12/08 20:22:46 ID:6v/LMGOa
 しかし、敵の流れはまだ途切れない。孤軍奮闘する私の横に、新しく援軍が現れた。
「がんほー! がんっふぉー!」
 新人の護衛隊だ(名前はまだ無い)。うるさい。竜狩り隊よりもうるさい。
「がん…ふぉー…」
 そして、弱い。
『これじゃあ必殺無効スキルがついても防御が無いと入り口には向かないな…。うむ』
『ご主人様? 試行錯誤をするのはHだけにしてください』
 どこか呑気な会話が聞こえたような気がした。それはいいから早く援軍を!


 私の声が届いたのか、今度の援軍は早かった。
「がおー」
 合成体のぽちだ。剣呑極まりない外見だが、案外人懐っこく、非番には、メイドに
混じって私やユメも餌をやりにいっている。噂では、クーさんも時々手製料理を持って
現れるそうだ。
『……それで再生肉体に、不死身のスキルか』
 ご主人様が、感慨深げに呟いているが、戦闘の時のぽちは頼りになる仲間だ。
「必殺! 竜狩りきーーっく!」
 ……これさえ食らわなければ。

458 :龍剣士の巣作り日記:部隊の仲間(3/3) :04/12/08 20:23:20 ID:6v/LMGOa
『ハラミボディは魔界でも有数の打たれ強さです』
『うむ。奴まで出さないと止められないとは思わなかったぞ』
 次に出てきたのは見上げるような巨体。私はこのハラミボディが苦手だ。強いのは
分かる。それに、牛頭人身の見かけほど凶暴なわけではない。が。
「時にフェイどの。主が最初から攻略サイトを見て知識を得て我等を育てたならば、
 もっと早くゲームが進んだであろうとは、思わぬか?」
「は、はぁ…」
「しかして、古の賢人曰く、知識ありと言う物がそれを真実知っているとは限らぬ」
 叡智を湛えた目で牛頭のモンスターは物憂げに槌を一閃した。ちなみに、彼の名前は
考える牛。ブラッド様的にはジョークなのだそうだが、正直笑いどころがわからない。
「主はあえて無知の知を実践されたのであろう。さすがは我らの主である」
『いや、めんどくさかっただけなんだがな』
「それはさておきフェイどの。こういう話がある。古代の…」
「……うぅ…」
 誰だ、牛に賢者などという特技をつけたのは。

 なんとか今日も巣を守りきることができた。捕虜も、どうやらお金もたくさん手に
入ったらしい。しかし、やはり私はブラッド様の横で戦いたいと、切実に思う。

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