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超短編「おでこのめがね」

放課後、少し遅れて生徒会室に入ると双七くんのおでこに眼鏡があった。
「双七くん、それどうしたの?」とりあえず聞いてみた。
「ん?ああ、眼鏡?」
こくんと頷く。
「さっきそこの消火器と話してたら、さくらちゃんにちょっとキモイですって言われて」と、ちらりとさくらを見る。
「だって」さくらが少々困り顔で話しに加わった。
「流石に壁際で消火器に向かって話ししている姿はちょっと…」
そういえば、最近双七くんは虚空に向かってぶつぶつ言ってるね、たしかにキモイわ。
「ということで、生徒会のみんなにならともかく、一般生徒に見られたら示しがつかないのではないかと思いまして。」
ふむふむ、で、何故眼鏡?
「呪文を唱えて眼鏡をかければ」
「゙待て゛」つい言霊使ってしまったわよ。さくらが口パクパクさせて焦ってるわね。
「なによその呪文を唱えてって」言霊を解除しつつとりあえずの疑問点を聞いてみる。
「えーとですね、その昔呪文を唱えて眼鏡をかけると<物>とお話し出来る人が居たんですよ。」
ふむふむ、わかったわ。その人の真似すればとりあえず双七くんは危ない人扱いわされないわけね。
「そうですそうです。」
ふーん、まあいいわ。で、その眼鏡はどうしたの?
「ん、ハルバード分解して作った。」
分かり易い答えだわね、つうかそんな器用な真似も出来るようになったのね、双七くんのくせに。
「という訳で、学園の見回りついでに話ししに行ってくる。」
あ、私も行くわ。待ってよ双七くん。


2人が去った後の生徒会室──書類整理する会長と机に突っ伏す副会長

「なあ、刑次郎。やはり私が突っ込むべきだったんだろうか?」
問われた副会長は眠そうに答える
「んー、面白そうだしいんじゃね?」
「──そうか。」しばし考えて書類整理に戻った。

日常の一幕、世は全て事も無し。おしまい。
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