CROSS × OVER

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太一はゆっくりと体を起こした。
「んっ・・・おはよう。」
一人になると言葉は価値がなくなる。それはそれが彼の人を傷つける弾丸だったり・・・・・・。
心をつなげるCHANNELだったりするからである。

言葉は虚しく空に解けていった。
まるで人々がきえてきたのと同じように。

「さあ。今日も放送をしなきゃ。」
何回目になることだろう。いや何回目でも本当はかまわないはずだ。
放送の最後にはみんなが出てきて。
今までやってきた馬鹿なこと
恥をかいてしまったこと
罵り合ったことを。
思い出して笑ってそしてなぜか泣くと相場が決まっているのである。
それまで人間らしい心はお預けだと思っている。
鶉の卵を残しておくように
そう思うとなぜか笑いがこみ上げてくる、しかもそのなかに点のように哀しさがある。
ああ今はとてもいい気分だ、とても。
よし、放送だ。
「こちら、CROSS†・・・・・・っ!!」
「こちら、CROSS†・・・・・・っ!!」
自身を驚かせたのは自分の声だった。



561 名前:CROSS × OVER たったひとつのもの[sage] 投稿日:04/03/27 12:19 ID:7/halqte
「やばいな・・・俺アンテナ直せるかな。いやそれともついにおれは神に近い存在になったのか!!」
奇跡は起きないこの世界は繰り返していて、観測者の俺が帰れるはずなくて・・・。
「まだ寝ぼけているんですか先輩。」
それは空に解けて、心に帰ってきた。
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世界がざわめいてまた繋がった。

「夢?オチカヨ!!!」

「このピッパラリー!!!!!!!!
「夢は眠っているときに見るものだ太一。」
「太一、きずくの遅い。」
「ぺけくんお帰りなさい。」
「や、みんないっぺんに言わなくても。」
「あの・・・先輩おかえりなさい。」
いわゆる揉みくちゃにされる。
そうきっと俺は生まれて二度目の涙を流している。
「ちょっとまっててくださいね先輩」
そう言うと美希はアンテナに向かって行く。
「すみません。DJが突然たおれてしまい放送が途切れてしまいました。
それではCROSS†CHANNEL最終回をお送りします。」

562 名前:CROSS × OVER パズルのように[sage] 投稿日:04/03/27 12:44 ID:7/halqte
「すべての生きている人に、今ありがとうの言葉をささげます。人はどんなにあがいても一人です。でも私達はそれぞれで一人ですが
この世界(空)はみんなで一つですあなたがそこにいてくれるからわたしは世界の一つになれます。たとえ遠く離れていても。」
冬子に変わる。
「自分達が今居ること、居たこと、かかわりあったこと、傷つけあったことを心の中に刻んで。」
桜庭に
「その思い出の中で今を生きつつける。」
陽子ちゃんへ
「きっとまた会えることを信じて。」
みみ先輩へ
「その人に恥じぬよう、再会したとき誇らしく胸を張れるように。」
インモラルへ
「そいつと会ったときすぐ笑えるように。」
霧チンへ
「心の中では繋がっているから。」
また美希へ
「一人かけてもだめなんです。この世界はみんなで一つだから。
あなたが生きているから、誰かが生きている。あなたは誰かを傷つけているでも
だれかと一緒に生きるということは本当にいいものです。そう思いませんか?」
そして自分へ
「さっき倒れたDJです。最終回なので自分にメッセージを送ります。
生きていて本当に良かった。」
生まれて初めてうれしさだけで泣いている。
「いままで生まれ生きた命すべてにあろがとうのメッセージを送ります。」
みんなが笑っている
「CROSS†CHJANNNE最終回でした。
新しい放送をよろしくお願いします。群青学園放送部より、また会えることを願ってすべてを終わります」


563 名前:フィロソフィー(生まれてきたことを幸せに感じる)[sage] 投稿日:04/03/27 12:46 ID:7/halqte

スッ・・・・・・。
その名のとうりTVをきったように電力が落ちた。

「ただいま、みんな。」
おれはすべてがまた、始まる前にそう言った。

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