『ヴァーチャル・ガール』もしくは『ブレードランナー』

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「きれいな色だ…濡れてるぜ、エルザ」
「は、博士が集めた遺伝形質プールの平均値をとってるんだロボ」
「そんなもん貯めてやがったのかあの○○○○」
「は、はうっ、そこに口つけたまましゃべっちゃだめロボッ」

「は、は、はかせはこんなこと教えてくれなかったロボ」
「それにしちゃずいぶんいやらしい仕草じゃないか」
「ダーリン、マグロの方が良かったロボ?」
「だからどこでそういう言葉を覚えてきたのかと」
「ああああっ、そこでしゃべっちゃだめだロボっっ」
エルザの足の指がきゅうっと空をつかむ。指が切なげに俺の髪を頭ををわし掴む。腕は…

「いやなら押し返せばいいじゃないか。押し付けてるのはエルザだぜ」
「ダ、ダーリンは意地悪だロボ…ビデオの男優さんとは大違いだロボ…」
「ビデオぉ?」
「ひゃうううっ」
「さあ、どういうことか話してもらおうか」
「指…指でかき回さないで欲しいロボぉ…」
「ちゃんと話したら指、抜いてやるよ」
「ぬいちゃう…ロボ?」
甘えた声と上目遣いでこちらを見るエルザ。俺は、酷く凶暴な気分になって、
優しく激しくやわらかくめちゃくちゃにかき回した。
「はあああああああうっ!!」

「セックスのときの振る舞いなんて、博士の用意したデータベースにはなかったんだロボ。
 だから…だから…ビデオをいっぱい見て勉強したんだロボ」
ああ。人造人間とはいえ、生後3週程度のエルザが性知識皆無なのも
いたしかたないといえばないのだが。
「エルザは、ダーリンを倒すために造られたんだロボ。
 床上手に造ってもしかたなかったロボ」

あの(検閲)がそんな情報を一生懸命入力している姿は…いかん、想像してしまった。
「あれれロボ」
ちょっと萎えた俺を見て、エルザが床に跪いた。
「すーぐ元気にしてあげるロボー」
ぱく。
躊躇がなかった。
「ん…んぐ…で、でっかいロボ…」
の割には稚拙な舌使い。エルザの知識と経験のアンバランスさが俺のリビドーを刺激する。

「続けて」
「ぷう…だから、エルザの実戦はこれがはじめてロボ。
 人間の女性がどんな反応するのか、エルザにはわからないロボ。…ん、ちゅうっ。
 ビデオの女の人は気持ちよさそうロボが…エルザには、気持ちいいときにあんなふうに反応できるか、
 わからないロボ。…れろれろにぎにぎ」
エルザの頭をなでていた手を、首筋を滑らせて、バトルジャケットの隙間から指を差し込む。
ふくよかな乳房の上に、かたくしこる乳首が感じられた。
「あ、ああう」
「おいで」
頬を興奮で紅潮させたエルザをベットに誘い、
窮屈なバトルジャケットを一枚ずつ脱がせてゆく。
「は、恥ずかしいロボ」
「それもビデオで覚えたのか?」
「エロ本もいっぱい読んだロボ。…恥ずかしがらないほうがいいロボ、ダーリン?」
「いや、大いに恥ずかしがってくれ」
「はううう、ダーリンはものすごく意地悪ロボ」

エルザを優しくベットに横たえる。おびえたようなエルザの瞳が、俺を見上げている。
「…怖いか?」
「…怖いと言うより、不安ロボ。実戦経験の不足は、敗北につながるロボ。
 ダーリンがエルザに満足できないかも知れないと思うと、胸がつぶれそうだロボ」
「初めてがうまくいかないなんて、良くあることさ。
 経験は、これから積めばいい」
俺とエルザは、その晩何回目になるかわからない長いキスをした。
「…キス、上手になってきたな、エルザ」

「うん。…九郎、えっちなこと、エルザにいっぱいいっぱい教えて欲しいロボ」
そう言って、
純真無垢な戦天使は、ひどく赤面した。

 〜 了 〜
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