総合トップSS一覧SS No.007-056
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 64(30スレ目)氏 ユーリ×ジュディス 2009/02/21 2009/05/14

お互い初な子供ではないのだけれど、それなりのムードは必要なんじゃないかとユーリは思う。
 
柔らかな乳房を撫でながらチラリと視線を上げれば、ジュディスはいつものように笑っていた。
しかし、静かな快楽を楽しんでいるのか、自分に尽くす男を笑っているのか、ユーリには判断が出来ない。
「何を考えているの?」
「……特に何も」
「ふふっ。嘘つきは泥棒の始まりよ?」
ジュディスの指がユーリの首筋を辿り、鎖骨を撫でる。
ユーリがくすぐったそうに肩をピクリと動かしたのを見て、ジュディスは笑みを深くしながら口付けた。
舌を絡ませながら丁寧に胸を愛撫して、ユーリはそっと秘部に指を伸ばす。
濡れ始めていたそこをゆっくりと撫でて、唇を離すと同時に指を入れた。
「んっ…」
「痛かったか?」
「大丈夫よ。貴方、毎回聞くわよね」
ユーリの鼻先を人差し指で軽く突き、ジュディスは目を細める。
淡泊な印象はあるが、存外ユーリは労る男だった。
つまりはそれだけ経験があるのだろう。
ニコニコと笑うジュディスを訝りながら、ユーリは指を動かした。
きつくはないが、決して緩くはない。
慎重に指を増やしながら戯れに唇を啄んで、気怠いようなしっとりとした雰囲気に浸った。
「…もう良いわよ」
「そうか?まだ慣らした方が……」
「そうね。自分を心配して頂戴?」
「…ジュディ?」
何かを含む笑いに、一瞬ユーリの思考が止まる。
ついでに止まった指を引き抜いて、ジュディスはグイッとユーリの肩を押した。
ぽすん、と間抜けな音と共にシーツに沈んだユーリを見下ろしながら、ジュディスはチロリと赤い舌で唇を舐める。
獲物を狙う獣のようなそれに、ユーリは若干げんなりしながら溜め息を吐いた。
「攻められる趣味はねぇんだけど……」
「あら、良いじゃない。たまには」
いつの間にやらしっかり握られている雄の証は、言わば人質だろうか。
なんとなく力が籠る指に喉を鳴らしながら、ユーリは白旗を上げた。
「お手柔らかに頼むぜ?」
「ふふっ。任せて…」

ゆっくりと腰を落として行く様を見ながら、確かにたまには良いかもしれないな、とユーリは半ば感心していた。
やがて全てを収めたジュディスは一息吐いて、つつ、とユーリの胸板を指先で撫でた。
「どう?興奮しちゃう?」
「なかなか新鮮だな」
「意外だわ。てっきり何処かのお姉様に…んっ!」
不意の突き上げに眉を寄せたジュディスに、ユーリは口端を上げた。
「詮索は野暮、だろ?」
「…そうね、ごめんなさい。お詫びに頑張るわ」
ユーリの長い黒髪の一房に口付けて、ジュディスはゆっくりと腰を上げる。
それから緩く昇降の動きを繰り返した。
時折粘着質な音を聞きながら、少しずつ熱を追う。
恋人同士が持つような情愛はないが、それが逆に良いと互いに思っていた。
「ん…ぁっ…!」
「辛く、ないか?」
上り詰めるのと平行して荒くなるジュディスの息遣いを聞いて、ユーリは労るように腰を撫でる。
薄らと汗ばみながらジュディスは微笑んだ。
「大丈夫よ」
「……じゃあ、交替な?」
「ちょっと待っ…!」
流石に最後まで攻められては我慢ならない。
小さく謝りながらジュディスの膝を持ち上げて、ユーリは苦笑してみせた。
「酷い人…」
「ちゃんと気持ち良かったぜ?」
豊満な乳房の頂点を舌で転がしながら奥を突く。
やはりこちらの方が性に合うな、とユーリは納得しながら弱く歯を立てた。
ビクン、とジュディスの背が震える。
「ん、ぁんっ…!」
「そろそろ…限界、か?」
「そぅ…ねっ」
ジュディスが意識したのか、膣がキュッと締まる。
ともすれば果ててしまいそうな快楽に、ユーリは小さく呻いた。
不敵に笑いながらユーリの首に腕を絡めて、ジュディスは耳元で囁く。
「油断大敵、ね?」
「…全くだ」
どちらからともなく舌を絡めて、押し寄せる快楽の波に身を委ねた。
くぐもったジュディスの声を聞いて、膣内から引き抜こうとしたユーリの腰を長い脚が絡めとる。
「ん、ぁ…ぁあっ!」
「くっ……!」
吐き出された精は重力に従って、子宮に流れ込んだ。
唇を離すなりユーリは無理矢理ジュディスの脚を解いて体を引き剥がす。
「ジュディっ!」
「うふふっ。私の勝ち、ね?」
息を整えながら満足そうに笑うジュディスに、ユーリは脱力した。
相変わらず食えない。
体は喰えるが。


「勝ち負けとかじゃないだろ……」
「大丈夫よ。今日は、ね」
慌てた年上の男にクスクスと笑いながら、ジュディスは起き上がった。
結合部から溢れる白濁を掬って、口に含む。
「…苦くないのか?」
「苦いわよ?」
けれど嫌いではなかった。
そのままユーリに口移しながら舌を絡めて、胸板に乳房を押しつける。
呆れたような、満更でもなさそうな笑みを浮かべ、ユーリはそっとジュディスの髪を梳いた。
 
―了―


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