総合トップSS一覧SS No.6-096
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 458氏(26スレ目) リヒター×アクア 2008/07/13 2008/10/16

赤銅色に彩られた空間に鎮座する、複雑な文様を組み込んだアーチ。
リヒターとアクアは、その前に佇んでいた。
連れて来たアリスとデクスは打ち合わせ通り中腹あたりで別れ、
リヒターとアクアだけがここまでたどり着いた。
「いよいよ、か」
ぽつり、とリヒターが誰にともなく呟いた。
当初、リヒターが組んでいた計画とは大幅にずれてしまい、
まさに突貫工事のように事を進めてしまった。
これはリヒターにとって大きな痛手となったが、どのみち、敵はここに来る。
仇敵たるラタトスク、そしてクルシスの輝石を持つ神子二人。
異界の扉を見据えるリヒターの眼光は、いつにもまして鋭い。
アクアは、ふわふわとリヒターの背後に漂っていたが、ふわりと彼の隣に舞い降り、地面に足をつける。
ぎゅ、とリヒターの服の裾を握りしめると、それがリヒターに気付かれたのか、緑色の瞳がこちらを見る。
「心配ない。俺は絶対に成功させて見せる」
ふ、と笑ったような気がした。それはアクアの幻想かもしれなかったが。
「あ、あの……リヒター、さま」
「なんだ?」
リヒターはアクアと向き合い、アクアを見下ろす。もじもじするアクアは、そのまま黙り込んでしまい、
不自然な沈黙が流れる。
「その……あ、アタシ……リヒターさまが魔族と契約するまでの間、時間を稼いできます」
(こんなこと言いたいわけじゃなかったのに!)
言おうとしたことと全く違う発言をしてしまったアクアは、内心で自分を責めた。
しかし、アクアは意を決したように、
「リヒターさまっ」
 と、目の前にいる赤毛の青年の名を呼んで、彼の唇に、アクアの唇が触れた。
触れていたのは一瞬だけだったが、リヒターの思考は停止していた。
「リヒターさま……」
 頬を紅潮させたアクアのかわいらしい顔が、リヒターの目の前に迫っていた。
「アタシを、抱いてください」
もう一度、唇が触れ合う。今度は、先ほどよりも深く強いキスだった。

アクアの手が震えていた。不安だったのだろう。
おそらく、リヒターの敗北とは彼の死を意味するかもしれないからだ。
お互い、そこから先は、ほとんど感情の動くままに任せた。

リヒターは、アクアを床に押し倒した。
胸を隠している布をめくり、青白い素肌に口づけを施し、痕を何個も残していく。
「あ……っ! う……」
精霊といえどもやはり感度はあるらしく、アクアは小さく喘ぎ、身をよじらせる。
今度は、リヒターの手がアクアの小さな胸のふくらみを揉む。まるで壊れ物を扱うように、ゆっくりと。
「ん……ふっ……あぁっ!」
ぴんと立っている胸の突起をつまむと、アクアのあえぐ声がさっきよりも大きくなった。
目を潤ませてリヒターを上目使いに見るアクアが視界に入り、リヒターはさらに顔が赤くなった。
さらにリヒターは、胸から腰へと愛撫を施しながら、手を下へと下ろしていく。

這いずる手は、アクアの内股で動きを止めた。
「入れるぞ」
低い声に、アクアの肩が一度小さく跳ねた。
「は……はい……」
普段の騒がしい態度が跡形もない、気弱な声でアクアは了承した。
「う……あっ……んくうぅ!」
アクアの膣内に、ゆっくりと指がくちゅ、と濡れた音ともに挿入される。
「う、あぅ……んっ! あんっ!」
中で指を動かすたびに、淫らな蜜が指に絡む。卑猥な音と、アクアの嬌声が
リヒターを刺激する。
ズボンの中で熱を持っているリヒターのそれは、布を押し上げて自己主張している。
理性で抑えようとしても、本能にはかなわないようだ。
荒い吐息が二つ重なる中、リヒターは指を引き抜いて、ベルトを外してズボンを少し下ろし、そそり立つ陰茎を
アクアの秘所にあてがい、ゆっくりと奥まで挿入する。やわらかい内壁がリヒターのそれを強く締め付けた。
「う、んぐぅ……」
アクアが圧迫感を感じて小さく呻く。
リヒターは、アクアの細い腰を抱き、挿入していた陰茎を抜いたかと思うと間髪をいれずもう一度中に押し込む。
それを何度も繰り返し、腰を動かす。
「ひっ、やあぁぁぁあぁ! あぁっ! リヒタぁさまぁっ!」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音と、あられもない叫ぶような嬌声が室内に響く。
「あぁぁぁあぁぁぁあぁ! だめ! もう、だめええええ!」
「くっ……あ、アクア……!」
締め付けられる感覚に、理性が一気に消し飛ばされていきそうになる。それをつなぎとめるかのように、
リヒターはアクアに貪るように口づけをする。
そのまま、リヒターもアクアも、お互いが与える快楽に身を委ねた。


どのくらいの時間がたったか。
ようやく疲弊感のとれたアクアは、衣服の乱れを整えていたリヒターを見上げた。
「リヒターさま」
恐る恐る声をかけると、なんだとリヒターがいつもの調子で返事をする。
「その、ごめんなさい」
アクアの謝罪に、意味が分からないという顔でリヒターは沈黙する。
「なんでもありませんっ! それじゃ、私行きますね」
くるりと後ろを向き、出入り口へと空中を泳ぐ。
「アクア」
リヒターに呼び止められ、アクアはその場で立ち止まる。
「死ぬな」
センチュリオンは力尽きても死ぬことはない。ただコアに還るだけだが……アクアは、その言葉に
微笑みを返した。

終


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