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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 309氏(26スレ目) デクス×アリス 2008/07/03 2008/10/16

ギンヌンガ・ガップ。この世のものとは思えないそこに、アリスとデクスはリヒターに連れられて来た。
着いてすぐにリヒターは奥に行ってしまい、ここにいるのはアリスとデクスの二人だけ。

 ……そう、二人きり。これは大事だ。
 もちろん敵――マルタに俺ファンの少年――を倒すためにここにいるわけだから、
 そんなに浮かれてはいられないのだけど。
 ああでも、それでもアリスちゃんがかわいい。隣に立つだけで胸がどきどきして止まらない。
 でもずっと沈黙ってのもまずいよなぁ。かわいいアリスちゃんを退屈させるなんて男が廃る。
 どうしよう、何を話そう?どうしたら喜んでくれるんだろう。
 そんなことを考えていたせいで、俺は服のすそを引っ張られているのにも気付けなかった。
「ちょっと、ねえ。デクス、聞いてる?」
「ふぁいっ!?え、え、あ、アリスちゃんっ!ええっと……な、なに?」
 鈴を転がすような綺麗な声に、必要以上に動揺してしまう。
 なんとか取り繕おうと、少女の視線に合うように腰を折る。
「もー、やっぱりアリスちゃんの話聞いてなかったでしょう」
「あ……ご、ごめんよアリスちゃん」
 彼女の言葉を無視するなんて、言語道断だ。
 激反省、俺。ああでも、怒ったアリスちゃんもかわいいなあ。
「いいわよ、別に。もう一回言えばいいことだし」
 なんて優しいんだ。さすが俺の女神。今度は聞き逃さないように必死に耳を傾ける。
「デクス」
「うん」
「……あのね。デクス、もう。もう、いいから」
「え?」
 何がいいのだろう。主語のない言葉に首を傾げると、アリスちゃんは少し困った顔をした。
「……ヴァンガードもなくなったし……私を守ってくれなくて、いいから」
 その時の衝撃をどう表現すればいいか分からなかった。
 悲しい?寂しいのか?いや、ただ分からないんだ、ほんとに。だって。
「何言ってるの、アリスちゃん」
「だから、あんたがいなくったって私は大丈夫だから。マルタちゃんとペットちゃんなんて、大したことないんだし」
「そんなの関係ないよ」
 ――だって、当たり前のことなんだから。俺が君を守るのは。
「関係ないって……」

「俺がアリスちゃんを守る。アリスちゃんは自分のやりたいことを自由にする。それが俺の全部だよ」
 さすがにちょおっと恥ずかしい。
 なにしろこんなに近くで見つめ合って話すのなんて、久々……初めて?じゃないよな、うん、多分。
 きっとそうだ……といい、な。うん。
「なんで、そこまで私のためにするの。馬鹿みたい」
「そりゃ、だって俺はアリスちゃんの……」
 そこで言葉が途切れる。
 だって、さっきまで目の前にいたアリスちゃんが見えなくなって、
 目に入ってくるのはあの子の髪と同じ白金色だけで。
 そんでなんかすごいいい匂いがして、あったかい。え、これって、これってまさか……。
「私の……何?」
 さっきよりも小さいはずの囁き声が、さっきより近くから聞こえてくる。具体的に言うと俺の胸の中から。
「ぇ、あ、あり、アリスちゃ」
「答えて」
 目前の金色が揺れて、愛しい彼女の顔と出会う。
 そこでようやくアリスちゃんに抱きつかれてることに気付く。え、これ夢?
「……夢じゃないわよ、アホデクス」
 口に出してたらしい。どうやら現実らしい。やべ、分かっちゃうとなんか緊張してきた。
 えーとえーと、あ、そうだ。アリスちゃんの質問に答えないと。
「俺は、アリスちゃんの……えと、その」
 上手く口が回らない。今まで何度だって言ってきたってのに。
 ああもう、こんなんじゃアリスちゃんに呆れられる。
「……王子様」
「うぇっ!?」
 やっと言えたと思ったら、それは自分の声じゃなかった。驚きのあまり珍妙な悲鳴を上げてしまう。
 なんでこんなときに限ってかっこ悪いことしかできないんだちくしょう。
 でもアリスちゃんは笑ってる。いつものどこか寂しそうなのじゃなくて、嬉しそうに。
「……いつもいつも、馬鹿の一つ覚えみたいに言われてるんだからいい加減覚えるわよ」
 そう言いながらも、アリスちゃんは楽しそうだった。
「覚えててくれてて嬉しいよ、アリスちゃん」
 俺も笑う。自分の言葉を彼女が気に留めていてくれたのが、どうしようもなく嬉しかった。
 それからしばらくは静かに時間が過ぎていった。
 俺もアリスちゃんも何も言わず、奥からも入り口からも誰も来ない。
 ただ胸の中の温もりに、言いようのない幸福感に包まれて、言葉が出てこなかった。
「……ね」

「ん?何、アリスちゃん」
 小さな声だったが、今度は逃がさない。トパーズのようにきらきらした瞳を覗き込む。
「デクスは私のこと、守るのよね?」
「うん。当然だよ!」
「誓える?」
「いくらでも!!」
 今更な問いかけ。そのために生きているって言ったって過言じゃないんだ、俺は。
「なら、契約……して?」
 契約?耳慣れない単語。けどアリスちゃんの言葉は絶対なのだ。
「いいよ」
「……ありがと」
 その言葉を残して、彼女が離れていく。名残惜しい、なんて思っていたら世界が反転した。
「わ、わっ?っん、む」
 それと同時に口が塞がれて、柔らかいもので満たされる。
視界はさっき見た白金色。そして腕の中には温もり。
「っ……ん、んん」
 しっとりした、それは彼女の唇だった。
これは、もしかしなくてもちゅーってやつですか?絡み付いてくるのは、舌……かな?
気持ちいい。それに合わせようと、自分の舌を必死になって絡め付ける。
くちゅり、くちゃっと二人分の唾液が交じり合う。
唇が離れるとそれが濁った水の橋を作った。それを見てると……なんか、やばい。身体が、熱くなってくる。
「は……ふ、ん……もうやる気になっちゃったの……くす、いけない子ね。デクス」
「え、あ……わ、あ、アリスちゃんっ」
 一番熱いそこを、ズボン越しに撫でられる。背中に稲妻が走るよう。ぞくぞくする。
「もっと触って欲しい?」
 頷きそうになるのを耐え、首をぶんぶん横に振る。女の子に触らせるようなものじゃないし……。
「ガマンしないの。お馬鹿」
「ひゃうっ」
 俺の頑張りはさっくりスルーして、アリスちゃんは俺のズボンのチャックを下ろしてしまわれた。
 かくして、好きな女の子の前に晒されたマイ・ディア・サン。
 いや、まずいって。理性はそう訴えるのに、本能に直結した愚息は元気一杯に自己主張。
 それをなんでか興味深げに見るアリスちゃん。
 そそり立つそれは、どうにもグロテスクなのに、彼女は気にする様子もなくするすると指を這わせた。

「ぅ、くうぅっ、っふぁ……」
 布越しの愛撫とは比べようにならないくらいの快感。
触れる先からぐんぐん血が昇っていく。
「気持ちいい?」
 今度は頷く余裕もなく、自分の衝動を抑えるのに手一杯。
でも、アリスちゃんのお気には召さなかったらしい。
かわいらしく頬を膨らませている。
「なによ……いやだったの?」
「そ、そんなっ、わけないよ!その、き、気持ちよすぎて……」
 恥ずかしいけど、本音を漏らす。それでも彼女のご機嫌は直らない。
「そんなによかった?一人だけ気持ちよくなったの?」
「え、う、うん!最高だよアリスちゃんはっ」
 ここぞとばかりに褒めちぎった、つもりだがそれでもしかめっ面をやめてくれない。
「……ずるい」
「えっ?」
「こういうのは、二人とも気持ちよくならないとダメなんだから。そんなことも知らないなんてね」
 参った。
勉強しておけばこの子にこんな顔をさせずに済んだのかと思うと申し訳なくなる。
「ごめん……アリスちゃん」
「謝ってほしいんじゃないわよ。分からないの、にぶちん」
 うん、分かんない。とは、さすがに言えなくて押し黙る。
すると、彼女は俺の耳元に唇を寄せてくる。
甘い甘い匂いでとろけてしまう気がした。
「……私も、触ってほしいの。デクスのばか」
 くらくらする。こんなお願いなんて範疇外だ。
対策なんて立ててないし立てられるはずもない。
やっぱ夢……ってことはないよな。
「私にさわるの、いや?」
「そんなことあるわけないっ!!……ほんとに、いいの?」
「空気読めないわね。よくなかったら言わないわよ」
 もう、とこぼしながらアリスちゃんはケープの前を開き、足元へ落とした。
そしてその下に着ているピンクのビスチェに手を……って。
「お、おおおおっ?」
「デクスうるさい」
「や、でもアリスちゃん、服、服っ」
 こっちの奇声お構いなしに彼女はさくさく脱いでいく。

下着も外して、あっという間に生まれたての姿になってしまった。
「さ、これでいいでしょ」
「い、いいいいいってあの」
 焦れたのか、アリスちゃんは無言で俺の手を取り、胸元の膨らみに押し当てた。
「っわ……やわらかい……」
「デクスは硬いのね」
 反対の手で俺の胸板を撫でるアリスちゃん。いやそりゃ男ですから。
女の子ってほんとに柔らかいなーと感心する俺なのでした。
と、そこで彼女の『お願い』を思い出す。
そろーっと指を膨らみに沿って這わせてみる。嫌われたり、しないよな……?
「……あ」
 微かな声に、拒絶は感じられない……はず。少しずつ少しずつ、揉んでみる。
「んぅ……あ、ふ」
 さっきよりも艶やかな声にかっと頭が熱くなる。
彼女の胸を弄るのに夢中になってしまう。
無心に触れていると、先端が妙に硬くなっているのに気付く。
俺はそれを、揉み解してみた。
「っあ!あ、ひぁあんっ」
 彼女の声が一段階高くなる。
ぴくんと身体を震わせたかと思うと、肩口に流れ落ちていた髪をひっぱられた。
「って」
「デクスのすけべ……。そこ感じやすいんだから。もっと優しくしなさい」
 アリスちゃんは俺の髪をくるくる指に絡めながら、拗ねたようにそう言った。
謝ったら、「内緒だからね」と言われた。
そんなの俺だけの秘密の心の日記帳に刻み込むに決まってる。
メロメロだよアリスちゃん。
そして、かわいいこの子に下半身の俺もメロメロらしい。
アリスちゃんも気付いたみたいで、こちらをちらっと見てくる。
「……そろそろいい、みたいね」
 んしょ、と膝の上に彼女が乗ってくる。
全裸なので綺麗な素肌が余すところなく目に入ってくる。
嬉しいけどなぜか辛くもなる。
「デクス。ちゃんと……できる?」
 つぶらな瞳で見つめてくる。
ここまでお膳立てしてもらってできないなんて言えない。
っていうかもうガマンできません。男の子だもん。

「う、うん……アリスちゃん、いい、かな」
「だーかーらあ。同じこと何度も」
 アリスちゃんの言葉を遮る。返事の代わりにこうした方がいいと思ったから。
……二度目のキスも、やっぱり甘かった。
「……ん、もう。デクスのくせに。生意気……」
 ぽかりと胸を叩かれたけど、全然痛くなかった。
俺は緩みそうになる顔を必死で引き伸ばしながら、彼女の肩に置いた手を、腰の辺りまで下ろした。
「じゃ……いくよ?」
「……うん」
 腰を引き寄せると、女の子の秘密って言うのかな?そこがよく見える。
しっとり濡れて、ひくひくと誘うように震えている。
ごくり、と唾を飲んだ。
 徐々に近づく、俺とアリスちゃんの距離。
俺の男の勲章は大いに張り切っているらしく、さわってもらった時よりも更に太く、赤黒くなっていた。
 アリスちゃんに少しでも受け入れやすくしてもらおうと、硬くなった相方の根元を握り、角度調整。
あ、先走りしてるし。まあ潤滑油にはいいよな。
 ぬめったそれを、襞に隠された奥へ滑り込ませる。
と言っても、それほどスマートにことは運んでくれないんだけど。
「ッつ……ん、おっき……」
 彼女の小さな身体に収めるには少し元気に成り過ぎてて。中々目的地点には辿り着けない。
「ん……はっ……はやくぅ、早く、ちゃんと入れなさいよお……愚図……っああん」
 彼女の言葉に答えるように、ずるり、突き抜けるような快感が襲う。
到着したらしい。
ようやくスタートラインってのが情けないけど。
すぐにきゅうきゅうとアリスちゃんが俺のブツを締め上げてくる。
そこに痛みはなく、あるのはただ快楽だけ。今はそれに身を任せよう。
「っ、あ、あ、ふぁっ!ん、やだ、そんなにいきなり動かないで……ひゃああっ」
 ただ本能の赴くまま、中を掻き乱し、貫いていく。
その度にアリスちゃんの腰が揺れ、離れ、そしてまた引き寄せられていく。
まるで波のように。
 口ほどに嫌がってない……むしろ喜んでくれてるのが分かる。
だからもっと喜ばせたい。俺ももっとこうしたい。

 目に着いたのはすぐそばで身体の動きに合わせて揺れるもの。
「ひうっ!?あんっ、やだっ。む、むねさわっちゃだめえ、や、はぅうっ」
 手は開いてなかったので、唇を寄せて、吸い上げる。
舌の上で転がして、唾液で乳房を汚しながら満遍なく舐めていく。
「あ、ああ……も、ば、かぁ……あん、あ、そこ、ひゃぁっ」
 腰の動きは相変わらず一定ペースで突き動かす。
2方向からの攻めは、どうやら彼女に受け入れてもらえたらしい。
 制止の声はなくなり、後はひたすらに抽迭を続けた。
交じり合った箇所から蜜が溢れて零れ落ちていく。
それを見るとますます興奮して、動きもどんどん早くなる。
「……は、あ、あああっ、で、くす……んっ、わ、た、わたしも……」
 がくがくと震えるアリスちゃん。締め上げもぎゅっときつくなる。
やばい。こっちも限界かも。
「ん、あ、いい、からっ、だしてっ。ぜんぶ、だしてぇ……」
 縋り付くようにそう言って、また唇を重ねてくれる。
ああ、しあわせだ、そう思いながら。
俺はアリスちゃんに全てをぶちまけた。
「っく……あ、アリスちゃん……っ!」
「あ、あああっ、デクスっ!!ひ、あ、でて、るぅ……いっぱ、い……んはぁっ」

 こんな幸せがあっていいのかな、なんて思ったけど。
胸の中にはやっぱり愛しいあの子がいて。
未だに二人がつながってて。
もう、このまま時間が止まっちゃえばいいのに、なんて思った。

「早く皆を助けなきゃ……」
 ギンヌンガ・ガップに乗り込んだエミル達は、予想外の罠によりロイドらと分断されてしまった。
何があってもおかしくない場所だ、急いで合流しなくては。
そう、エミルは思っていた。

そう、ここは何があってもおかしくない場所だったのです……。

「……っ……」
 前方より、小さな声が響いた。
「これ……アリス?」
「ってことは、デクスも一緒……かな」
 ヴァンガードの幹部2人は、リヒターと共に撤退していた。
ここに陣取っている可能性も否定できない。
「まだ気づかれてないみたい」
「できれば戦いたくないけどね……」
「あのアリス嬢の性格を考えますと、難しいのでは?」
 とは、テネブラエ。
エミルとマルタは顔を見合わせると、お互いの武器を構えた。
彼らはこの先の、広場のような開けたところにいるらしい。
奇襲は不可。ならば……。
「しょーめんと……っにゃあああ!?」
 最初に駆けだしたマルタが急ブレーキを掛け、エミルはそれに正面衝突。
おかげで彼に彼女の顔は見えないが、どうやら信じられないものを見たらしい。
べりっとマルタの背中から顔を剥がし、前を見た。
「え……え、えええ……っ!?」
 そこには、確かに信じがたい光景があった。
いや、あの2人がいたという点は予想通りだった、のだが。
「えと、こ、これって……」
「ふむ。まぐわっておられますな」
「ま……っ」
 冷静なテネブラエと、しどろもどろのエミル。
ぽかんと口を開けっ放しのマルタ。

そしてそんな彼らを無視して大盛り上がりのお2人さん。
「あ、もう、やだあ……はやく、だしなさい、よぉ……いじわるぅ」 
 甘えるようにアリスがデクスの首筋に縋り付く。
かつて見たドSっぷりはなりを潜め、愛おしげに3K男に跨り腰を振っている。
「え、中にだしちゃって」
「いいから……っ!も、もう、わたし……いっちゃう、から……」
 そこで言葉が途切れたが、デクスにだけは聞こえたらしい。
彼は腕を伸ばすと、アリスの頭を優しくなでた。
「そうだね。一緒がいいよね、アリスちゃん」
 そう告げると、腰の動きが目に見えて早くなり、そして……。
「う、わっ?」
 つい目の前の光景に夢中になっていたため、マルタが自分を押し倒したことにも気付かなかったのだ。
「ま、マルタ?」
 どうしたの?とエミルは驚きながらも少女を見上げる。
逆行のせいではっきり見えない彼女の目には情欲が滾っていた。
「私だって……」
「え?」
「私達だって、負けないんだからあ!」
 そう叫ぶと、マルタはエミルの服を引き裂いた。
「きゃあああああ!?ま、マルタ何す」
「私達の方がラブラブなの!アリスなんかに負けて、たまるかーー!!」
「い、いやあぁぁぁぁぁーっ」
 絹を裂くような少年の悲鳴が、木霊して、やがて消えた……。


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