総合トップSS一覧SS No.6-079
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 445氏(25スレ目) ルカ×イリア 2008/01/12 2008/10/16

 ルカ・ミルダは、猛勉強の末にようやく医者になった。
 普段は厳格を絵に描いたような父親も、そのときばかりは喜びを顔に表し、柄ではない涙を流していた。
 家業を継ぐわけでもないのに、父親がこういうことをするとは、ルカも驚いたが、父親の愛をしかと感じた。
 無論、父親に限らず、友達の皆も各々の祝福と祝儀を渡してきた。
「それで、お前は医者になってまずどうするんだよ?」
 喧嘩の傷も癒えないスパーダが言った。ルカは頭に手をあてて、にぱーっとはにかむ。
「えへへ・・イリアと約束してるんだ。『まずキミの学校で診断するよ』って。」
「けっ! お熱いこった!
目の前の怪我人はいいのかよ!?」
 と、自分の傷をアピールしながら言うが、スパーダには目もくれず、ルカは時計を見ていた。
「時間みたいだから、もう行くね。」
「今日かよっ!」
 驚くべき手際のよさ、試験に落ちることなんか全く考えていなかったかのような行動の速さに、
 ただただスパーダは閉口した。ただ、ルカの行動の原動力は分かる。
 ルカに親しみを覚えて近づいてくる子供達、そして、何よりもイリアだろう。

「はい、次の人いいよ」
 ルカがその子から聴診器を離すと、また別の子の胸部につけた。
「えーと、健康だね。でも、外で動き回っているからかな? ちょっと擦り傷があるね。薬塗ってあげるよ。」
 そうやって、もうすぐ二十歳になるとは思えない満面の笑みを生徒に返した。
 そして、次の生徒にルカは度肝を抜かれた。学校の生徒の中で、最も知っている顔であった。
「ルカ兄ちゃんもおっきなったな〜」
 独特の地方訛りを響かせながらルカの前に座ったのは、エルマーナだった。
「エ、エル・・・キミもここの生徒になったの?」
「グレゴリの村で、給食が出るなら、ここに行くゆうてたやろ?
さ、ウチ脱ぐから、ルカ兄ちゃんはとっとと診察して」
 言うが早いか、エルマーナは服をばっと脱ぎ、その胸の膨らみを恥ずかしげもなくルカの眼前に晒した。
 同い年の人と比べればかなり貧困な胸であったが、ルカはかつての仲間というよしみから、顔を赤らめてしまう。
 何とか聴診器を当てるが、自分の心臓の音が邪魔をして、詳しくは分からなかった。
「ルカ兄ちゃん、ウチの胸どんなもん?」
 エルマーナは、「ベリーメロンやろ」という言葉と、羨望の眼差しを向ける
 ・・・ルカは聴診器の先から感じる僅かな感触で確信した。
「それはないね。」
 一瞬のためらいも、僅かな淀みもない。完璧に真実を貫いた感想であった。
「あちゃ〜、傷つくわ・・・」
 失恋したような、とぼとぼとした足取りで、エルマーナはルカから離れていった。
 知っている顔の診察とは、中々どうして恥ずかしいものであった。
 クラスメイトを道端でナンパするようなものだろう。
(女の人の裸だって慣れないのに・・)
 さすがに子供は圏外だが。
 よりによってこれから先は高学年、中学生以上の子が来るのだから、
 彼の今後はモトクロスの洗濯板よりも険しいものだった。

 鼻血が出そうになる辛さを乗り越え、全校生徒の診断を終えると、ルカはベッドの上に座り、一息ついた。
 緊張から開放され、東部の名産物に舌鼓を打っていると、また知っている顔が部屋に入ってきた。
「イ、イリア!?……校長先生…」
 これほど校長先生という肩書きが合わない女性も珍しいだろうが、
 経営的な才能は抜きにして紛れも無くイリアは校長だ。
 久し振りに見る彼女は、手の中にすやすやと眠る子供を抱いていて、まるで聖母のようだった。
「お疲れ」
 と一言言うと、子供を揺りかごに乗せて、ルカの隣に座る。
 距離は近く、望めば彼女の頬にキスをすることができそうな距離だ。
 近いだけで特に肌や衣類が触れ合うこともないのだが、
 それだけで、ルカの心臓はガタが来たバイクよりもうるさかった。
(やっぱり・・かわいいっ!)
 久し振りに見ても、彼女の美貌には些かの色あせもなく、
 むしろ、歳相応の色気を併せ持って更に増したかのようであった。
 ルカもお年頃、彼女とは既に何度も身体を結びつけたが、まだまだしたい。
 医者になった祝いに両親から時計を貰ったが、イリアからは何も貰っていないのだから、
 少しぐらいは・・・という悪巧みが彼の頭をきゅぴーんとよぎる。
「イリア・・・あのさ、キミのことも診察していいかな?」
「はぁ!?」
 驚いたというよりも、怒りや呆れの方が強い顔。
 彼女の表情を見るのが怖いルカは、何も言わず服の上から聴診器をそれっぽく当て、ふむふむと納得顔をした。
 聴診器が身体に触れることを嫌がって、イリアは身をよじって逃れようとする。
 ルカは大した追跡もなく、すんなりと彼女の身体から聴診器を離した。が、表情は俯いて悲しそうだった。
 子犬が親から離れたようなシュンとした顔に、イリアも懸念を抱く。
「一応聞くけど、ど、どうなの?」
「うん・・・詳しく調べてみないと分からないけど・・・
 ・・・・・・・・」
 あやふやな回答と、内容のない沈黙は、下手な宣告よりもイリアを不安にさせた。
 勿論ブラフなのだが、ルカの演技がそれとなく本当っぽかったことで、イリアも同じように不安顔。
「じゃあルカ、あたしの事も診察して!
せっかく念願の学校を建てたんだから、早死になんてまっぴらごめんよ!」
 まんまと引っ掛かった。保健室の生徒用の椅子に座りなおすと、ルカを「早く早く!」とせかす。
 ルカは「計画通り」と月のような笑みを浮かべることを我慢して、イリアの裾を捲くった。
 衣服から徐々に現れてくる肌に、エルマーナのときとは逆にルカは食いついた。
「診察するから、イリアが服を抑えていて」
 といって、彼女に捲らせる。間もなく、しっかりと実った二つの膨らみが外部に晒された。
「し、診察するよ・・・」
 ルカは、直接手を触れたい衝動を押さえ込み、
 聴診器を下乳に当てると、膨らみをひしゃげながら、少しずつ上に登らせてきた。
 本来の使用用途と違い、聴診器を単に物としてイリアの乳首をちょんちょんと軽く押す、
 物理的な刺激に、間もなく彼女の乳首はかたくなり、膨らんできた。
「〜〜〜」
 恥ずかしさが込み上げ、彼女は耳まで赤く染める。
 その彼女の可愛らしさに、ルカの悪戯心が更に増していた。

「う〜ん・・」
 首を傾げると、「直接触ってみないとわからないや」と、イリアの胸を両手で鷲掴み。
 髪の毛を逆立てて、イリアはルカの頬をグーで殴りたい衝動に駆られるが、ぐっと堪える。
(ぷにゃぷにゃ・・だなぁ…)
 彼女の胸をしっかりと捏ねて、パン生地を作るように扱う。
 目の前がくらくらする柔らかさに、ルカの意識がどんどん黒い方向へと進んでいった。
 手をぱっと離すと、イリアは既に泣きそうな表情をしていた。
 肌蹴ていた胸を服で隠し、ルカを問いた。
「ど・・どうだった?」
「おっぱいがやわらかいよ・・」
 手に残る感触に、すっかり顔がにやけていた。思わずルカは本音を漏らしていた。
 凡ミスに気付いたルカは、ゆっくりと彼女を見た。鬼のような表情を浮かべていた。
「ル〜〜〜カ〜〜〜〜」
 熊も逃げ出す迫力で立ち上がり、ホルスターに手を伸ばす彼女。身の危険どころか、命の危険すら感じる。
 当然、慌てて弁解した。
「ま、待ってよイリア! あ、あの・・・医学の世界では、やわらかいっていうのは・・・その、隠語なんだよ!
 他のどこかと繋がって悪くなっているって言う隠語で、語源は・・・関節が他のところと比べて柔らかいから!」
 必死のルカの(勿論嘘の)弁解。
 イリアはイラついた顔を崩さないが、「あ〜らそう!」と言って、乱暴に椅子に座った。
「もしあんたの診断が嘘だったら、あたし本気で怒るからね!」
 罪人に向けているような強い口調であった。
 だが、それでもルカの高調は冷え切らなかった。
「続きをするから・・・下半身も脱いで。」
「・・・ど〜も腑に落ちないんだけど」
 文句をいいつつ、素直にズボンを脱ぐ。
「それじゃ、そこに寝てて。」
 ルカの指示に従い、うつ伏せになって枕に顔を埋めた。
「ちょっとびっくりするかもしれないけど、いくよ」
 真っ先に彼女の隠部へと手を伸ばすと、大切な所を下着の上からぐりっと刺激し始めた。
 ビク! と身体を震わせるが、それを気にすることなく続ける。
 下着の上という制約があるものの、彼女の膣口の温かさと柔らかさが手を通じてよく分かる。
 未だかつてこれほど「医者をやっていて万歳!」と思ったことはなかった。

 もっとも、彼の医者になっての初仕事がこれなのだが。
「ルカ・・それホントに診察してん…の?」
 感じているのか、少し曇った声でイリアは聞く。ルカはうんと機械的に答え、指の動きを更に早くした。
 イリアは枕に顔を強く押し付けて、漏れる声を我慢していた。
 やがて、膣口から溢れた愛液が下着まで滲み、ルカの手についた。
「イリア・・・」
「なによ・・・!」
 枕から顔を離し、彼の方を見る。既に昂った気持ちが静まらず、ルカを見ると変な気分になった。
「イリアの病名教えてあげるよ。『欲求不満』って言うんだ。」
 ルカはすっかり膨らんだ自分のモノを取り出した。
 イリアはルカの行動に驚いている様子だったが、特に抵抗はしない。
 逆に、擽られたように小さく笑った。
「じゃ、特効薬紹介してくんないかしら? あたしは貧乏だから、タダだといいんだけど」
「それなら、僕で!」
 ルカがモノを秘所にあて、腰を押し付けると、イリアの体がビクッと震えた!
 中に感じるルカのモノが忙しなく動いている。
 彼女は桃色の吐息をはぁと漏らし、背面から自分を突くルカに言った。
「馬鹿馬鹿・・・おたんこルカ! したいなら・・・んぅ、最初に言ってってば・・・ぁ」
 涙ぐみ、喘ぐ。ルカと繋がり、火のように熱い股間から愛液が溢れ出て、ベッドのシーツを濡らす。
 性感の高まりが一秒ごとに増していく。
「これは、僕が医者になった合格記念・・・ってことにしたいんだけど、ダメかな?」
「い、いいけど…な・・にもこんな・・形で欲しがらなくて・・・も・・」
 ルカの手が胸へと伸びてきて、ぐにゅり、と掴む。
 腰の動きと合わせてリズミカルに震わせると、イリアには天に上るように感じた。
 耳を甘噛みして、快感の声を漏らす彼女にそっと問いかける。
「中に出していい?」
「ん・・・どうしよ、今日は危ない日なんだけど・・・。ルカ・・・あんた、責任持つ?」
「責任って、子供が出来たら? もう出来てるよ。」
 腰を後ろに下げ、傘の部分がかろうじて埋まっているまで引き抜くと、もう一度、強く打ちつけた。
 奥へ行けば行くほど狭まってくる膣内、その最奥へと入り込むと、ルカのモノの動きが止まった。
 間もなく、ルカは小さく声をあげると、射精へと達した。

 身体を離すと、二人は向かい合ってキスを交わした。
 起き上がってみると、イリアの愛液とルカの精液が混ざり合い、シーツを汚していた。
 部屋には二人の情愛の香りが立ち込め、身体を繋げた余韻に浸る。
「ルカ、遅れたけど医者おめでとう。」
「あ、ありがとう!」
 遅い祝儀を受け取ると、二人とも一度黙った。
 えもいえぬ緊張感と、眠りたくなるほどの安心感。
「イリア、もう一回していい?」
 返事の変わりに、イリアはルカの服に手をかけた。
「ルカ、今度はあんたも脱ぎなさいよ。
あたしばっか裸なんて、不公平ってもんよ」
「ぁ・・」
 ルカは、イリアに脱がされている現状に照れ、顔を背け、出入り口の方を見た。
「あっ!」
 そむけた先で、ルカはゾッとするものを見た。
 ガラス越しに、生徒の一人と目が合った。よりによって、エルマーナ。
 にぃ、と笑みを浮かべるエルマーナ。
 二人は赤く染めていた頬を、青く染め直した。

 同時に、揺りかごの中の子供が泣き声をあげて起き出した。
 あれこれと暗転する状況に、二人も泣きたくなった。


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