作品名 | 作者名 | カップリング | 作品発表日 | 作品保管日 |
無題 | ハッサム氏 | イリア(自慰) ルカ×イリア|ハスタ×イリア |
2007/12/26 | 2007/12/28 |
「こんな甘い雰囲気に、忘れた頃に現れるオレ。」 イリアはビクッと身体を震わせ、謎の声がした方向へと視線を急がせた! が、その時既に自分がとんでもないミスを犯したことに気付かなかった。 案の定ハスタが居た。自慢の長い槍を、案山子のように肩に背負い、やる気無さそうな表情は昼夜を問わない。 「趣味悪いわね・・本当に趣味悪いわっ! せっかく人がいいムードに居たって言うのに」 「いいムードのときに現れるいりゅーじょにすと・あるていすと。」 「あ〜っ! もう聞きたくないーっ!」 イリアは腰にかけてある銃へと手を伸ばそうとしたが・・そのとき自分の格好があられもない下着姿だという事に気付いた。 銃はズボンと共に脱いでいたため、自分は完全な丸腰だった。 ハスタは、この暗闇の中でもそれに気付いているのか、余裕を持っていた。 へらへら笑ったかと思うと、チラリとイリアの裸体を眺めたり、 身体を左右にぶらぶら揺らしたりと余裕の割りには落ち着き無い。 イリアは隙を見計らって銃を拾いに行こうとしているが、ハスタはそれを感じる度に同じことを繰り返す。 「全国の歯医者さんの87%(当社比)が、完全な丸腰で居た方がいいとおもうよ」 一言一句同じ言葉を二度、三度と聞かされる。イリアは針が爪に刺さっているような鋭い恐怖を跳ね除け、抵抗する。 「余っ計なお世話よ!」 「人の忠告と、ワァーオは聞いた方がいいぴょろよ〜。」 軽く抵抗を嘲笑うと、ハスタは槍でイリアの脱ぎ捨てた服を一突きにした。 まるで力が入っていないような一撃なのに、それは硬い銃身を貫き、武器からガラクタへと格下げした。 (ア、アンジュ、早く来てよアンジュ!) 裸体を隠すことも忘れ、抵抗するように構えるが、全く意に介さないようにハスタは体の向きを大きく傾げる。 それが自分をどう料理するか、じっくりと眺める視線のように感じられ、気分が悪く感じられた。 「それ以上近づいたら、ぶっ飛ばすからね! こ、こう見えても乗馬で鍛えた力はあるんだから!」 「アンタ、人間ミタイナ事言ウネ」 一対一で直と向き合うと、この男がいかに嫌味な男かがよく分かる。 いつのときも第三者が居るように話し、しかもその第三者が無茶苦茶おかしい人間だ。 この余計なお喋りが続いてくれれば、(アンジュが来るまで時間が持つかも)と言う淡い期待は続いてくれたが、 ハスタが公園を散歩するようにノシノシと近づいてくると、淡い期待も花開くことなく、期待のまま終わってしまった。 イリアなりに精一杯抵抗したものの、力でも速さでもリーチの差でも勝るハスタに勝てるわけが無く、 あっさりと腕を掴まれ、壁に叩きつけられた。 逃げようともがくが、全体重をかけて押しつぶすように押さえられ、喉元に槍の矛先を突きつけられた。 「鬼ごっこの鬼はオレ、で、お前はその鬼に殴り殺される村人Aさん! さーてオレの体の中に住んでる紳士淑女の皆さんがお待ちかねですねー、いいですねー!」 あの嫌な顔が、声が、吐息がかかるほどに近づいている。 どれだけ気分を鎮めても、これは到底我慢できるものではない。 「いいわけないわよ! だ、れ、が、村人Aよ!」 ハスタはひょろ〜んとした表情でイリアの話を聞いていた。 威勢がいいのは口だけで、身体は磔にされた罪人のように身動きが取れない。が、それで十分。 何も知らず寝ているルカの身だけでも守ろうと、イリアはできる限りハスタの注意を引く。 アンジュが来る時間稼ぎも兼ねて、この男の下劣なショータイムに身を置いた。 それには、自分のプライドを質屋に預けるような止むを得なさを痛感させられた。 が、勘か推理か、ハスタはイリアのその切ない思想を見切っていた。 「そういえばオレー、なーにしに来たんだっけ? ふわふわのぽっちゃりさんを殺しにきたんだっけ?同根のできそこないデュランダ・・・何とか君と遊びに来たんだっけ? あれ〜? イブラ・イリア・ヒモビッチさんとお肉の競売しに来たんだっけ? おお〜〜〜、思い出したっぷー。ファッションセンスがイマイチな青い服君を殺しに来たんだった。」 惚けた言葉とズレたアクセントであっても、ハスタの言葉はイリアに世界が終わったような表情をさせた。 「こっのっ・・・!」 ハスタの拘束からの脱出を試みて、イリアは身体を前後に力任せに動かした。 だが、後ろから押さえられた状態で、どれほどの力が出せるものやら。 一瞬の開放すらなく、あっという間に力尽き再びハスタの身体に押さえつけられた形に戻った。 唯一違う点は、もうイリアには暴れるような激しい抵抗をする力がなかった。 「いやん。そんなに暴れたら脂肪が取れちゃう」 ハスタはそういうと、イリアの下半身へと手を伸ばした。 暴れたため、薄っすらと汗ばんでいた下着は、肌にびっちりと張り付きそのボディラインをくっきりと表していた。 15歳にもなれば、男を誘惑する体はとうに出来ている。 「ひィ…!」 尻部にハスタの指が触れると、イリアは背筋に寒いものが走った。 嫌悪感から身を捩って逃れようとするが、ハスタが「どーん」と体当たりをすると、 その体力もつき、壁掛けカレンダーよろしく押さえつけていないと倒れる状態にあった。 「痛・・痛いっての!」 「現代っ子は我慢が足りんな。俺が子供の頃は、たいざんめーどーしてネズミいっぴきぐらい、何かあった気がする」 意味が分からない会話を繰り出しながらも、ハスタの行動は誰にでも分かりやすいものであった。 イリアも耳だけで十分わかった。ハスタがジッパーを下ろし、彼のモノを外に露出していることに。 身体が動かない分、頭は働いていた。イリアのあそこは先ほどの自慰行為の直後で、 すでに男を受け入れるために十分に濡れそぼっていたことをすぐに思い出してしまった。 こんな男のために濡らしたのではないのに、秘部はひくひくと波打ち、男を受け入れる準備が整っていた。 抵抗する力は使い果たしたし、この男に説得は通じない。 「アンジュ・・アン・・ジュ! 助け…て・・・」 壊れたレコードのように何度も途切れ途切れに仲間の名前を呼ぶが、返事は無い。 ハスタの指が、イリアの蟻の門渡りにある下着をずらすと、そこに勃起しきったモノを押し付けた。 「食欲と海水浴と殺人欲・・・俺の一時的欲求、先の火山じゃ満たせなかったから、ここで満たしてイイよね。イイデスネ?? 行っくぴょん♪」 「や・・い!!」 ぶちっと音を立てるように、勢いよく処女膜が千切れていった。 十分に濡れていたはずなのに、ハスタのモノを受け入れるときのイリアは、身体が裂かれるような苦痛を感じた。 「ひ…!! ……いた…………うあんぅ!」 一度も貫かれたことの無い処に、猛ったように肥大化した剛直を奥深く挿れられ、痛みと無縁のワケが無い。 涙が枯れることなく零れ、それと呼応するように秘部からも愛液に混じった破瓜の血が流れた。 ハスタは純潔の証である破瓜の血を指で拭き取り、ぺろりと舐め、そのままイリアに口移しした。 苦味に顔を顰め、泣き声と共に咽た。 押し込むだけ押し込むと、後は興味が無くなったようにイリアの中からモノを引き抜き、彼女の身体からも離れた。 射精が目的ではなく、ただ挿れたいだけという変わった願望を果たすと、 後は彼のモノもすっかりその大きさを縮めていた。 「ハスタさんはとんでもないものを盗んで行きました。貴方の何か? です(驚異的あやふや)。 いやん、疲れた。俺は自分の家に帰る。」 支える力無く床に倒れこんだイリアに興味を示さず、ご機嫌に鼻歌を混ぜながらルカに近寄った。 何とか身体を動かそうと必死になるイリアだが、声すら出せず、ハスタを視界に捉えることも出来ない。 股間の裂けた痛みばかりが頭で繰り返され、無情にもルカを守る力は出てこなかった。 「マイホーム、それはこの子の胸の中だってばよーーー」 ハスタは狂人そのままの台詞と形相をして、槍を勢いよくルカへと落とした! 次の瞬間、ライフルの銃弾がハスタの槍の柄に当たり、槍と彼を大きくずらした。 「おろ〜ん?」 惚けた声を出したままぐるっとその場で一回転。 元に戻ったとき、再度銃弾がハスタの持つ槍へと当たり、 そのまま勢い余り窓硝子へと叩きつけられたところで、 遠めに硝煙の匂いを嗅ぎ、次弾を装填するリカルドがいるのを確認した。 同時に、その後ろから闘牛のような勢いと鯱のような速さで突っ走ってくるスパーダも。 「ゲイボルグッ!」 「…………何だこの展開?」 お決まりの負け台詞を言うと、ハスタはスパーダの体当たりを受け、 窓硝子を突き破って外に出た後、背を見せ敗走していた。 「キーン」 スパーダが窓から身を乗り出して後を追うが、すでにハスタは海のど真ん中。 ざんぶらこざんぶらこと、剣も銃も届かない距離へと逃げていくのを、スパーダは歯軋りして見届けるしかなかった。 「また逃げやがった! 次会ったときは」 「ベルフォルマ、迷惑だ、静かにしろ。」 リカルドが小声ながらも一喝すると、すぐに静かになり、帽子で目を隠した。 それは面目ないという意味もありながら、床に伏して泣いているイリアを見つけたからでもあった。 イリアがハスタに何をされたのかは一目瞭然、推して知る必要も無い。 被害はそれだけに留まらず、アンジュも部屋の外で同じ目に遭わされていた。 たわわに実った乳房にはハスタの手形が残されるほど強く握られ、乱暴に犯されていた。 事前にルカのことを思って自慰行為をしていたイリアと違い、アンジュはまったくの不意打ちであった。 神に仕える清らかな身であることを義務付けられた彼女は、 犯された衝撃で、痛みを訴える声も、助けを呼ぶ声も出なかったようだ。 「婦人に任せていたのが悪かったか・・・いや、別々行動していたお前らに非があったのか?」 冷静に考えをまとめるリカルドの言葉も入らない、 二人は操り糸が切れたように体の露出を隠すタオルを纏い、はだけないように必死の力で握っていた。 スパーダがリカルドの胸倉を掴み、隣の部屋へと投げ飛ばした。 しっかりと受け身を取るリカルドに、スパーダが詰め寄る。 「リカルド! 冷静に対策を考えるのはいいけどよ、時と場を考えろ! 二人がハスタに何をされたか、アンタだって想像がつくだろ!」 「ああ、失敗したためセレーナとアニーミはハスタに犯された。 だからこそ、次回同じようなことがないように至急に対策を考えるのだ。 もし一人ではなく、二人以上いたならば、ハスタに片方が犯されたとしても、もう片方は俺かお前に助けを呼ぶことは出来た。 そうなっていれば、それ以上ハスタは手出しが出来なかっただろう。」 「そうやって正論言えば話がまとまると思ってんのか!?」 「怒るのは勝手だ、お前がどう俺の考えに反論しようと勝手だ。 だが、俺達がこうやって花も実も作らぬ喧嘩をしているうちにハスタがまたやって来て、あいつらをまた襲ってきたらどうする? 俺達は彼女らと同室にいないことで、一手ミスしているぞ。」 諭すように言われると、スパーダは怒りの表情のままリカルドから手を離した。 返す言葉も無い。あえて言うなら「馬鹿野郎」と言う謂れもない罵声だろうか。 ここにずっと居ると、ハスタが来た時にまずいことは一理ある。 かといって、犯されて身も心も傷ついた二人の居る部屋に行くわけにもいかず、 せめて同性のエルマーナを・・と思い、夜のガラムを歩いた。