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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
名も無き草原で、仲間という境界線を超えたくて 放浪する猫氏 クラトス×リフィル 2007/03/07 2007/03/09

ここはテセアラの大した名も無き草原。
深夜のその草原において、リフィル・セイジは篝火(かがりび)の灯りを頼りに、何やら分厚い本を読み耽っていた。
実はロイド達一行はこの草原において、自分達の実力を更に精進させるために、モンスター達と戦いを重ねていた。
しかしそこまでなら良かったのだが、ロイド達は戦いに必死になってしまい、いつの間にか日も暮れてレアバードを見失ってしまったのである。
それ故に、何も無い草原にもしもの時の為にクラトスが持ってきていたテントを作り、彼らはこうして野宿をしているのだった。
そして今まさしく、リフィルが寝ずの番をしているのだ。
「…………寝ないのか?」
「!……あら、クラトス。起きていたのね」
そんな中、不意にリフィルの背後から聞きなれたハスキーボイスが響いた。
少しだけ驚いてリフィルが振り向いた先には、そこには見慣れた仲間の姿があった。
「ふっ……私ならいつも起きている」
「あら、それもそうね」
他愛も無い会話を交わしながら、リフィルは先程まで読んでいた分厚い本を閉じてクラトスの方へと意識を集中させた。
「読書の邪魔だったか?」
「いいえ、読書はいつでもできるでしょ?」
「いつもすまないな……」
「構わないと言っているでしょ。私達は仲間なんだから」
クラトスの謝罪に対してリフィルはそう言いながら、屈託の無い微笑みを返した。
リフィルの言った仲間という言葉にクラトスが少しだけ寂しげな表情をしたのも気付かずに。


二人は篝火を間にして座る形で向き合った。
実は、こうして二人が夜中に話し合いをするのはこの長い旅が始まった当初からよく行われていた事なのだ。
それはロイドの事だったりコレットの事だったりと内容は様々だが、主に他の仲間達の事についてだ。
この旅のメンバーは二人と比べて非常に若年層が多い。しかも、まだ自己の理性を抑えたりするのがしづらい不安定な年代の子供である。
だからこそ、この年上二人が仲間達、いわゆる年下の事について話し合うのは至極当然と言える事である。
そしてこの話し合いの始まりというのが、クラトスがリフィルに「寝ないのか?」と話しかける事である。
別に二人で決めた事では無いのだが、深夜の時間帯で大抵の場合はこうして話しかけるので、これを一種の合図として利用しているといったところだろう。
「……そういえば、この話し合いも久しぶりね」
「それもそうだな」
何気無しに呟いたリフィルの言葉にクラトスも肯定を返す。
そう、それこそ旅の始まったばかりの頃では子供過ぎた仲間達の為かほぼ毎晩のように行われていた話し合いもここ最近では行われていなかったのだ。
理由として、やはりこうして旅を重ねていくにつれて仲間達も成長し、
更にゼロスやリーガルといった自分達と同じような立場の仲間が加わった事による余裕が出来たという事も挙げられる。
「それで、何について話しましょうか?」
「…………」

リフィルが話題を探りつつ、クラトスの方に言葉を掛ける。
ここで本来ならクラトスが今の問題点やら何やらを即座に話し始めるのだが、リフィルに返ってきたのはただの沈黙だった。
「……クラトス?」
ふと、沈黙が流れた事を訝しんだリフィルが彼の名を呼ぶ。
久しぶりとはいえ、いつもの問いに何も返って来なかった事に多少の不安を感じているのだろう。
「いや、その……」
その追求に返ってきたのは彼らしくない少し戸惑った曖昧な返事だった。
今しがた感じた不安を膨らませながら、その不安を膨らませた主の表情をリフィルは再確認する。
その表情からは、いつもの威厳は無い。そして、明らかに視線を自分から逸らしている。
「ねぇ、クラトス。本当に何があったの?」
重大な事があるというのをその雰囲気から察知したリフィルは、すっと立ち上がりゆっくりと歩き、そっとクラトスの横へと座ってそう呼びかける。
「べ、別に何でもない……」
だが、その行為からまるで逃げるようにクラトスはリフィルと反対側の方に身体を傾けながらそう返事をする。その声には、相変わらずいつもの威厳は無い。
「何でも無い訳ないでしょう?ゆっくりで良いから話してみて」
正直言って、リフィルは驚いていた。普段から彼は滅多に自分の弱みを見せる事はない。それはこうして行われる夜間の話し合いでも同じ事だ。
ところが、今の彼は普段の彼からは想像できないぐらい弱々しい。
これは、相当の事があったに違いない。
「……大丈夫よ。他の誰にも言わないから、私にだけ話してみて……ね?」
「リフィル……」
リフィルは、まるで泣いてしまった子供に囁きかけるように優しく言葉を掛けた。
これは、普段から話し合いを重ねているリフィルからしてみれば、仲間達の間でクラトスと一番交流が深いのは自分であると自負できる自信があったからだ。

だからこそ、これほどまでに悩んだ彼がこうして自分に相談を持ちかけてきたのだろう。ならば、彼の信頼に自分も応えなければならない。
「私は、あなたの……仲間でしょう?」
「っ。…………仲間、か……」
仲間、という言葉にクラトスが反応を示す。 それは、とても。 とても、とても、悲しそうだった。
「……所詮、私はリフィルの仲間でしかないのだな」
「クラトス……?」
彼はフッと自嘲するような笑みを浮かべながら、
急に口元を強く結び先程までの情けなかった自分を心の奥に封印したかのように凛々しい表情でリフィルの顔を見つめる。
「私はもう、リフィルの仲間では満足できないのだ」
「えっ……?」
腹を括ったかのようにリフィルと目線を合わせながら、数分前までの弱さを微塵も感じさせないクラトスの表情。
突然真顔でそんな事を言われたリフィルは、時の流れに思考が追いつかなくなって呆けた表情で彼の真剣な顔を眺めるしかできない。

頬が、いや。
自分の身体の全てが、熱い。
これは恐らく、緊張なのだろう。
これほどまでに緊張しているから、まるで思考が働かないのだろうか?

もはや亀の歩みと化してしまった思考速度をできる限りフル回転させて、自分が緊張しているという答えをリフィルは自分の頭の中で弾き出した。

じゃあ、なぜ、緊張しているのか?

その答えを弾き出したことで新たに生まれた疑問。だが、その疑問の答えを探す前に、どうやら彼の理性の方が限界らしい。
「仲間という境界線を……越えたいんだ」
「ちょっ……クラ、と……ん」
タイムアップの合図として、クラトスの唇がリフィルのそれを奪ったことで、その回答権も奪っていったのだった。

「んっ……ふっ……」
「……ふ、……リフィル」
甘くとろけるような口付けを何度も重ねられて、いつの間にか押し倒された事も忘れて、リフィルはすっかりそれに酔わされていた。
そうして、キスを終えたクラトスが今度はリフィルの身体に愛撫を始める。
キスの間に脱がされたリフィルの白い肌に、同じくキスの間で器用に服を脱いだクラトスの骨ばった手が始めて触れる。
腕、わき腹、太腿と順に擦るように流れていくクラトスの手に、始めて露となった無垢な身体は確実に反応を示していた。
「……あっ!ん……」
クラトスの手が自分の身体を伝っていく度にピクッと小さく肩が揺れて、それと同時に甘い声が星空の下に響く。
篝火のパチパチという火花の音をバックコーラスに、その甘い声はゆっくりと糖度を増していった。
「あっ、あぁ……やっ……!」
自分の目の前で発せられる嬌声に、自然と笑みを零していたクラトスが、愛らしく艶かしいその声の元へと再び己のそれを重ねる。
「んっ…………」
再び重なった唇によって、クラトスが自分の舌をリフィルの口の中へと進入させる。
歯や歯茎をなぞる様に舌を這わせ、そしてゆっくりと奥へ、また奥へと侵入していく。やがて、リフィルの舌がクラトスの舌に捕まった。
激しく交じり合う事を望むクラトスの舌は、一度捕まえたそれを決して逃そうとせず、でも傷つけてしまわぬようにも配慮しながら、少し優しげに擦る。
それと同時に、リフィルは全体から僅かに抵抗していた力も抜けきってしまうような感覚に浸り、全てをクラトスに委ねる形となってしまった。

だが、決してそれは嫌な事ではない。と、リフィルは心の中で密かに思っていた。さっきも考えたが、彼とは一番交流が深いと思っているのだ。
当然、彼の良いところも一番理解できているし、納得もできる。
ある意味、自分は彼に少なからず好意を抱いていたのだろう。先程の緊張はその為だろうと、彼に犯され始めてようやく理解した。
なら、自分も応えなければならない。 だから、抵抗はしない。 全て、自分の感情も、彼の感情も、全てを受け止めよう。
「んっ……ふぅん……」
「っ!…………ん」
彼の舌の動きに少しずつ自分の舌を合わせ始める。それに少し驚いたようにクラトスは目を瞠ったが、すぐにそれは喜びへと変わった。
「…………はっ!」
長いディープキスの終わりと共に、リフィルの唇の端から飴色の雫が散った。
同時に彼女の微笑みもこぼれ、よほど嬉しく気持ち良かったことが覗える。
そして、止まる事無く動かしていたクラトスの手が、そっとリフィルの秘所で動きを止めた。
「んっ!く、クラトス……そこはっ、んぁっ!」
「……リフィルの声が、聞きたくなった」
最高の笑顔を浮かべたまま、耳元でそうリフィルに囁くと、クラトスの指がリフィルのナカを犯しはじめた。

「あぁ、あっ!ん、やぁ……あっ!!」
まるで与えあられた餌に貪る飢えた獣のように、クラトスの指は勢いよくリフィルのナカで動かす。
それに呼応するように、初めて獣の進入を許したリフィルの秘所は、ゆっくりと甘い蜜を溢しだした。
粘着性のある、その甘い蜜は、じゅくじゅくと卑猥な水音を立てながら、ゆっくりとナカから外へと流れ出た。
「ん、あっ、あっ!あぁっ……」
聞きたかった嬌声を満足気に聞きながら、次にクラトスの注意を惹いたのはハーフエルフ独特の耳であった。
普通の人間とは違う、その特徴的な耳は、まるで自分を誘っているかのようにクラトスは感じられ、その形の良い耳の耳たぶを弱く噛む。
「ひゃぁん!?く、らとす……み、ミミ…ぁ、ん……」
特徴的な耳を噛まれ、少し大きめの声を発したリフィル。その声を聞いたクラトスは、また嬉しそうな表情でリフィルに囁く。
「そうか、弱点は耳か……」
本当に嬉しそうに、そう囁くとクラトスは自分の舌でゆったりとリフィルの耳を舐め上げた。それを合図に、飛び跳ねたような嬌声がまた上がる。
「ふぁっあ!ミ、ミミ……ふぁ、あぁ……だ、めぇ……み、み、ミミは…だめ……!!」
その耳の愛撫を一つの定位置にして、そこからは積み木崩しのように事は運んだ。
乳房を弄んで、乳房の頂を弄んで、やがてリフィルのナカを弄んでいた指も本数を増やし、本格的にリフィルを喰らうクラトス。
「あぁん、やぁっ、あっ、あぁぁっ!ん、ふぁ……」
ずっと響く嬌声を聞き続けたクラトスは、やがて攻め続けていた指の動きを止めて、十分に堪能したものの、まだまだ名残惜しそうに指先を引き抜く。
リフィルの愛液でぐしゅぐしゅに濡れてしまった指先を、楽しそうにリフィルへかざした後、ゆっくりと自分の舌でそれを味わう。

音を立てながら舐め上げれば、その音を聞いたリフィルが恥ずかしそうに頬を染める。
その表情の可愛らしさに、愛しさが体中から込み上げてきて、クラトスは自分の分身を、彼女の秘所へと埋めていった。
「んっ……あっあ……」
先程よりも少し小さめの嬌声を軽く聞き流しながら、クラトスは目の前の愛しき人が痛がらぬように、ゆっくりと奥へと自分自身を深く沈める。
やがて、クラトスのそういった配慮のお陰で、ほとんど傷つく事無くリフィルのナカへとクラトスは入っていった。
そうして、短かかったとはいえ、
今のクラトスにとっては永遠と呼ぶに近い時間を我慢してゆっくりと入れきった自分の分身を、まるで猛獣を放つかのように一気に動かし始めた。
「ふ、あぁ!ふぁっ、あっ、あぁん!!ふぅぁ、あぁ……!」
その動きは激しく、一段と色を増したリフィルの声が、二人だけの世界に響き渡る。与えられる快感に、正直に、悦びを声で表す。
「ふぁん、あっ、ふっ……ぁぅん!!」
クラトスの動きの激しさと比例するように、リフィルもクラトスの下で舞い踊る。
今宵、白い肌を始めて見せた妖蝶は、その艶やかさを一片も隠さずに、ただ一人の愛する人の為に舞う。
「ぅん!あん!くらとす……くら、とすっ!!」
「リフィ、ル……!!」
お互いの名前を呼び、その思いを一つにする。

激しい呼吸。 響く嬌声。 揺れる銀髪。
だがそれも、やがて終わりを告げる。 絶頂という名の、階(きざはし)を飛び越える事によって。
「――――あっ、あっ!あっあああああああぁぁぁっっ!!!」
最も奥を貫かれて、最も感じる場所へとリフィルはイった。
「――――うっ……あっ!」
それを追うようにして、クラトスもリフィルと同じ所に到着し果てるのだった……。



「…………」
「…………」
静かに燃ゆる篝火が、二人の沈黙の間に確かな存在感を持っていた。
無言の二人は、暗黙の了解という意味だろうか。
月下に居るクラトスとリフィルの二人は寄り添い、遠目で見ればその影は確実に一つにしか見えない。
この名も無き草原で、二人は一つとなったのだった。   Fin


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