総合トップSS一覧SS No.6-014
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 ハッサム氏 リッド×ファラ 2006/10/23 2006/10/23

 破壊神ネレイドと世界ぐるみの戦いは、世界の分断という形で幕を閉じた
 元々親交は無いに等しいものだから、一部の学者を残してはファロース山の頂上が崩れた程度を残念がっただけで済み、
 人々の暮らしにもそれほど影響は与えなかった。それが首都であろうと、秘境であろうと変わりはない
 いつもと同じ毎日が繰り返されていた
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「リッドー! ご飯できたよー!」
 今日もラシュアンに元気な声がこだました。その声に呼ばれ、それまで藁のベッドで寝ていた赤毛の少年―――リッドは腹を鳴らして起き上がった
「お〜、待ってたぜ!
さ〜てメシメシ〜♪」
 狩りに使う斧を担ぎ、リッドは声のした方―――自分の家へと向かっていった。
 先ほどまで「こんないい天気の日に昼寝をしねーんじゃ、セイファートに悪いってもんだな〜♪」と言って、
 働く人の横で寝ていたのに(自分の分の仕事はきっちりやり終えていた)
 腹が鳴るとすぐに動き出す辺りが彼の性分 だが、その日その日を悠々自適に生きている彼も、今や妻帯者となった。
 インフェリアに無事に戻った後、世界を救った勢いに任せて幼馴染であるファラへと求婚をした。
 返事はあっさりとしたものだった。最初からその返事を考えていたように彼女はすんなりと答え、
 はれて二人は夫婦として結ばれたのだが………身体は一度も結ばれていなかった

 それまでずっと居たからか、その状態で安定してしまい、二人はそれ以上の深い所にはなかなか進めなかった。
 幼馴染は難しいもの、なかなか機会が掴めずに現在に至る。
 夫婦となって一週間は経ったが、行為をすること以前に同じ布団で寝ることもない、
 平安時代のようにどちらかが相手の家を訪れて、寝るころになると自分の家に戻るといった状態だった。
 無論リッドもこれにはムラムラする。何とか機会を掴みたいと思い様々なことをした。
 ファラの家にわざと物を忘れて、夜になって取り戻しに行ったついでに事に及ぼうと考えたり(ファラは熟睡してて失敗)、
 「泊まりでどっかにでかけねーか?」と言ったり(「今は忙しいからまた後で」とはっきり断られた)彼なりにいろいろ考えたが、全て水泡に帰した
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 昼食に出されていたオムレツと、自家製のバターを塗ったパンを二人で食べながら、他愛も無い話をするいつもの昼食。
 だが、いつも通りなのはファラだけでリッドはファラに「それ」らしい視線を送っていた。
 (また勢いに任せてみるかな)と思い、それの了承を得ようと試みた
 のんきな性格とはいえ、彼も男だ。やるときはやる!「セイファートの試練に比べれば大したことねーじゃねーか」と自分の中で思うと、少し気が楽になった。
 リッドは口の周りに食べかすをつけながらファラに言った
「なあファラ………今日あたり、一緒に寝ないか?
俺たちは夫婦だろ? なのに距離を持ったようなのはお互いにいいものだとは思えねーし」
 と、直に言った。ファラの固く握られた拳が顔にめり込むかもしれないと思いながらも、
 やっぱり男として愛する女の裸体を見ることや、行為に及ぶことは夢にも似ること。
 一方、ファラの返事はとても冷血的だった。
 第一に、粘土を炊き上げて作ったコップが握力で握りつぶされた。
「………………」
 第二に沈黙が返ってきた。沈黙ということは、どっち着かず・・・ではなく、
 ファラのようにはきはき答えるタイプの沈黙=駄目、といった形式が確立している。
 十数年の付き合いで、それはリッドにも分かっていたことだ。
 ファラは無言のままでリッドの皿を取り上げた。何も言わないファラの後姿を、さびしく見送っていた。
 (まずったな。余計に警戒しちまうぜ………)口の周りの食べかすを舐め取るとごちそうさまといって、また先ほどの藁のベッドへと向かっていった
 さびしそうなリッドの後姿・・・に対して、ファラは手帳を見て何かを指で数えていた。


「はぁ、やめやめ! ファラもファラだけど俺も俺らしくねーぜ。寝よ寝よ。
ぐーたらしてる方が俺の性にはあってるぜ」
 太陽を眺めながら、リッドは気が抜けたようにぼーっとしていた。
 何かあると昔からこうやってぐーたらして、悩みなんぞ意識と共にどっかへと捨てる
 敷き詰められた藁が痒いが、無理に眠ろうとリッドは目を瞑った。
 瞑って、羊が一匹羊が二匹羊が………羊が五十匹ぐらい数えると、もう何を数えているのか分からないようになり、意識が薄らいでいった・・・

        どさっ!

「いてっ!」
 リッドの体が宙に舞い、勢いつけて地面に落ちた。すぐに起き上がり周りを見回すと、怒った顔のファラを見つけた
「こーらリッドぉ! 寝るのは構わないけどちゃんと布団に寝てよ
エサの上に寝るんだから、こっちも手荒な方法をするしかないじゃない!」
 そういいながらファラはスカートをひらりと靡かせ後ろを向いた。
 成程、ファラの手には家畜のエサの藁が大量に積まれていた。家畜の世話はファラの仕事、昔からの役割分担。
「ああ、エサなら好きなだけ持っていけ
俺はもうちょっと寝てるわ………」
 お節介めいた顔で「まったく、しょうがないね」というファラに対して、リッドはライオンのように大きな欠伸をして自分の家に帰って行った
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 リッドは「もうちょっと寝てるわ」と言いながら、見事にその日の夜まで寝ていた。
 ぐっすりと翌日まで寝るつもりだったが、起こされた。昼間と同じくファラに布団ごとひっくり返され、その拍子に頭から落ちた
「………ぃっ!!!」床は固いため、頭をうって悶絶していたが、再び顔を上げるとファラがにこにこ笑っていた。
 見たことがある表情。メルディが降って来て、その後キールに会いに行こうということになったときと同じ顔。自分の踊る心を抑えられないときの顔。
 嫌な予感がリッドの頭からつま先まで駆け抜け、ファラはそれに反せずに、リッドにとって嫌な行動に出た
 仰向けになっているリッドの手を掴んで起こして、ファラは顔を近づけた
「今ね、チャットはインフェリアに来ているの!
別世界に行けるように船を改造したから、セレスティアにも行けるって!」
「あー、よく分かんないけどすげーな。・・・おやすみ」
 といって目を瞑ろうとしたリッドだが、ファラの背中に大きな袋があったのを見ると、もう眠気は飛んでいた。
 「やけに張り切っている理由が分かったぜ…」と呟くと、目をこすって水を一杯飲んだ。水を飲むと眠気も少し飛び、頭も動き出した。
 リッドの頭が動いても大した機能は持っていないとはいえ、キールやメルディに会いに行けるということは分かる。
 絶対ファラは数日前からこのことを知っていたはずだ。そして今晩動こうと言うことも考えていたはずだ。
 昨日今日でえらい騒ぎだ。「もうこの際だからファラの言う通りにしておこう」と思うと、リッドはファラの後ろに着いていった。
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 港に船の船首だけを出しているバルエンティア号についたころには、既に翌日の昼になっていた。
 リッドは眠気を押しのけて艦内を眺めていた。途中でベッドルームを見つけると、「広くなったなこの船」と呟いていた。
 無駄に地下が広いので、チャットの隠れ家を思い出した。
 「チャットはどうして目に見える場所よりも下の方を重点的に置くんだよ」と思いながら、下へと降りていくとチャットがいた。
 やたらうるさいここはエンジンルームのようで、チャットは機械の手入れをしている。自分には全く気付いていないようだ
 (関わるとゆっくり眠れねーだろうな)野生の勘で彼はチャットには話しかけないで立ち去ろうとした。
「機械って崇高です。毛むくじゃらには分からんですよ」
(俺には機械の崇高なところがわからねーよ)
 一人呟くチャットに、リッドは心の中でつっこんだ。

 冷たいジュースを飲みながらリッドは先ほどのベッドルームへと戻り、上下左右を一面見渡せる大きなガラスから街を見渡した。
 人混みがいたるところに見られるが、一際目立つのは大きな袋を持ったファラだろう。
 ラシュアン染めに身の丈半分以上の袋、更にはそれを引き摺ることなくばんばん運ぶ行動力、満場一致するに違いない。
 購買部で何を買っているのかは知らないが、どうせキールとメルディに対してのお土産だ(アナ………フォッグもいるけど)。
 女の買い物は長い。選ぶ時間も長い、以前セルシウスと契約を結ぶため雪山に行ったとき、
 雪服をいつまで経っても決めないからこっちで決めてやったぐらい長い。
「ふわぁ〜〜〜〜〜あ」
 眠気を押していたが、もう限界―――大きな欠伸をすると、リッドは仰向けになって寝始めた。
 目を覚ます頃にはファラも買い物を終えていることを祈り・・・

 目を覚ますと、まだ空は青いままだった。ぼーっとする頭で「一日寝ちまったか?」と呟いたがそんなわけはない、
 一日経っているのならガラスの外は空の青ではなく、宇宙の黒だ。
 何度も寝ているうちに、彼の睡眠が浅くなっていた。
 「なんてことだよオイ…」寝ているときと食事をしているときが大好きな彼にとっては、今の自分が信じられなかった。
「そうだ、ファラは!?」
 窓から下を見ると、居た。リッドが一目見るだけでファラはすぐにわかった。
 買い物を続けていたため袋が更に膨れて、人がまるまる一人入っていてもおかしくはないボリュームになっていた。
 これほどだと、呆れるのが一回りして感心する。
 ファラは楽しそうにその袋を背負って、バルエンティア号へ歩いてきた
「お待たせ!」
 出迎えに出てきたリッドは、間近で見るともっと大きかった袋に対して、やっぱり呆れながらリッドは言った
「・・・なんだその大荷物?」リッドが聞くと、ファラは「お土産選んでいたら、こーんなに大きくなっちゃって」と言う側から軽々と背負っていた。
 「船が沈んだらどうすんだよ」というリッドの問いにも何度も聞いた「イケる、イケる」の一言で一蹴された。リッドは何とも複雑な表情だった

 チャットが船の先からちょこんと顔を出して「準備は出来ましたか? 長い旅になりますよ、万全を期して」といった
「問題ねーと思うぜ」リッドの言葉と同時に、ファラが袋を前に出した。
 ギョッと目を開いて驚いたチャットは「だ、大丈夫そうですね」といって船内へと戻っていく、リッドとファラもそれに続いて船内へ乗り込んだ


 ベッドルームに着くと、リッドはファラに視線を向けた。
「とりあえず、その重そうな荷物置いていけよ」
「そうだね! ずっと背負っていたから疲れてきたし」
 リッドが寝ていた隣のベッドに自分の荷物を置き、リッドの後ろについていった。
 特にすることはないが、出発の際に起きる揺れは運転席のシートベルト付きの椅子でなければ耐えれない、
 することもないのでとっとと二人はチャットのいる運転室へと走った

「会えるかな!?」
「もちろんだ」
 リッドが当たり前のように返すと、ファラもにこにこ笑って「そだね! うん、絶対会える!」といっていた
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 バルエンティア号は(チャットには失礼だが)思ったより無事に出発し、宇宙へ出るのも問題はなかった。
 宇宙に出るときは緊張するほど楽しみにしていたが、それが終わると案外寂しいものだ。
 二人はまだシートベルトを外せないため、その場でチャットとネレイドとの戦いの後の話をし始めた
「お二人はもう結婚したんですか!?」
「まーな、ファラもあっさりするほど簡単に返事するもんだから未だに実感ねーけど」
「リッドのことだからいつか言ってくると思ってた、だから私だっていつでも返事できる用意をしていたのよ
他にもいろいろと準備はしてたし、覚悟もしていたんだよ」
 ファラがいつもと変わらぬ口調で言うと、リッドは「よく言うぜ」と呟いた。
 彼の頭の中にはこの一週間でファラとした行動があったが、何一つ旅に出る前と変わりは無い。
 所謂「夫婦の時間」というものは全く経験していない
 我ながら、押しの弱さにも苛立つ。
 リッドはファラの鉄拳を食らうのは怖いという恐れと(ヘタレ)、
 「毎日会えるんだからどーせそのうちできんだろ」という後回し論によって機会を逃し続ける(ヘターレ)。
 寝ているところを無理矢理にでも襲ってやろうか! という考えも浮かばない(チャーラー、ヘッタレー)。
「リッドさんも責任重いですね〜いつの日かファラさんに子供が出来たら今みたいにぐーたらしていられませんよ」
(ガキが出来る以前だよ)
「早く二人の赤ちゃん見てみたいですね! 3年以内に見せてくださいよ!?」
(ガキが出来るできねー以前に、子作りができねーんだっつーの)
「まあ、リッドさんが子供を背負っている姿なんて、全然想像が出来ませんけどね」
(わざと言ってんのか?)
 チャットにどれほどの性知識があるのか分からないが、そういう無邪気な一言はリッドの心を抉る
 ちらっとファラの方を向いたが、ファラはそっぽを向いていた。
 表情は分からないのだが全身から岩をも砕きそうな闘気が出され、怒っていることは分かった。
(なんだか分かんねーが今は話しかけない方がいいな)
 シートベルト着用のサインが消えると、リッドは席を立った。
 チャットの「どこに行くんですか?」に対し「眠てーからふっかふかのベッドで寝る」とぶっきらぼうに言うと、振り返らずに出ていった、
 口から出たでまかせに近い「眠りたい」発言だった。
 しかし他にすることもない、ウィスを一人でやるわけにもいかないし頭を使うゲームを彼が得意なわけが無い。
 「寝てばっかだから寝れるか!」と心の中で叫びながらベッドルームへ戻った。
「もー、しょうがないなぁリッドは」
後姿さびしく帰っていったリッドをファラは見送っていたが、すぐに後を追った。チャットがポツンと残された。
 ファラが「コレ面白いよ!」といって渡したインフェリアの週間雑誌(先週号)を手に取ると、ちょっと読むだけのつもりだったのに見事に食いついた
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 ベッドルームの前に立って、ファラは大きく深呼吸をした。
「リッド、………起きてる?」
 言いながら中に入り、すぐにベッドの上で干し肉を食べているリッドを見つけた。今は夕刻、リッドなら空腹に身を捩っている時間だ。
「あんまり一人で食べると、私達の分の食糧がなくなっちゃうよ」
「大丈夫だろ。チャットは長旅に備えて蓄えているっていってたし、ファラだってあんなに買ってただろ」
「あれはお土産! リッドに食べさせたらすぐになくなっちゃうんだから!」
「ま、確かに生卵とかとろろとかあんまり長持ちしねーな」
「それはリッドのために買ってきたんだから食べていいよ」
 他愛も無い話をしていた。いつもしている会話であって新鮮味も何も無いが心地よい、
 何度かキールとも同じような会話をしているがファラとしているときとでは月とスッポン、象と蟻、ゼクンドュスとウンディーネ、エンヤ婆とトリッシュ・ウナ

 話に気をとられてたが、気がついたらファラはリッドの乗っているベッドに同じく乗って、ツガイの鳥のように肩を寄せていた。
「ファラ・・・どうした?」 いつもと違い顔が赤くなっている幼馴染の額に手を当て、熱を確かめた。
「………」無言で、ファラは自分の額に置かれているリッドの手を掴み、力任せに離した。離して・・・自分の胸にあてた。
トクン―――心臓が高鳴った
「ファ・・ラ?」幼馴染の心臓の高まりは、手の平を伝わってリッドにも分かった。自分の鼓動がそれに追いつくように早まっていくこともわかった。
 気がついたら、リッドはファラを自分の腕の中に抱き締めていた


 胸の柔らかな感触は服の上でも伝わり、リッドは無意識に指に力が入る。 「んっ」小さく声をあげファラはリッドから目を離し、俯いた
 リッドは絶えることなく手を動かし続けた。何度も触っているうちに中指の付け根で固いものがあるのが分かった。
 (よく分からねーけど、いいんだよな!?)触りたくなった・・・リッドは服の紐の繋ぎ目の中に手を強引にねじ込み、裸の胸に触れた。
 温かく、指で触ると服の上よりも更に柔らかい。指先で小さな乳首に触れた
「ん!」
 リッドの腕の中で小さく震えるファラ、反応が可愛くてリッドはその小さな乳首を何度も何度も触った
 乳房に指を置き、爪で軽く側部を引っかいたり、親指と人差し指でつまんだ。服の上から赤ん坊のように口で吸ったり、舐めあげた
「はぁ・・・はぁ・・・」
 小さく快感の声をあげはじめた。その後もリッドは乳首だけでなく、胸全体を激しく愛撫した
 ファラが小刻みに震え始めるころには、小さかった乳首は元の倍ほどの大きさになり、固く上を向いていた。
 服の上でも乳首が膨らんでいるのが分かると、リッドは愛撫を止めた。その代わり、服を脱がし始めた。
 リッドが手をねじ込んだために綻んだ紐を解いた。念のためファラの顔を見たが、恥ずかしがっているだけで嫌がる素振りは無い。
 リッドはファラの服を下から襟元まで捲し上げた
 露出したファラの肌は鍛えているためかキュッと引き締まり、無駄な肉は一切無かった。
 腰も胸も贅肉らしいものはない、男を魅力するには十分なものだった
 視界一杯にずっと一緒だった幼馴染の裸体・・・リッドは拝むようにじろじろ見始めた。
「いい身体してるよな、引き締まっていてよ」
「………ア、アレンデ姫様の方が綺麗じゃないの?」
 謙遜するファラ、確かにアレンデ姫の方がファラよりもウエストは細く、悩める乙女のファラはコンプレックスも持っていた。
「私なんてこーんなに」「ばーか」リッドはそんな考えを一蹴し、「俺はファラぐらいで丁度いいって」というと、ウエストに手をかけた
 腰やヘソの周りに数回キスをして、舌でちろちろ舐めながら徐々に上へと上がっていった・・・
「あ………」
 思わぬ不意打ちに、ファラも快楽の声が漏れた。それがリッドのイタズラ心を刺激させ、少し強引に舐め始めた。
 一度声を漏らしたファラは「今度は出さない!」と決意し、それはもっとリッドのイタズラ心に火をつけた
 数秒後にはリッドの舌は胸にまであがってきた。乳首を、リッドは舌でなく歯で軽く噛んだ。
 ファラも「きゃァ!」と、先ほどの決意をあっさりと打ち消す驚きの声を上げた。
 自分の体の上を這いずり回るリッドの舌のざらざらした感触がくすぐったく、気持ちよい。
 顔から火が出るほど恥ずかしいのに、やめてほしくなかった。
 リッドの手が胸を鷲掴みにし、形を変えるほどに揉み始める―――
 「ひゃぁあん!」 舌で乳房や乳首を舐め上げられ、出ない母乳を吸おうとばかりに強く吸い付かれるとファラも大声を出した!
 腕の部分に残っている服も取り払い、ファラの上半身は全て露になった。どれだけ力が強くてもファラは女、恥ずかしさからリッドの顔を見れなかった
 リッドは満足するまで胸をしゃぶり、丁寧に扱ったあとは、顔をあげてファラの顔を見た。
 「………」 ファラは両手で顔を隠し、無言だった。あの元気が取り得のファラが、目に涙を浮かべて耐えている姿はギャップが強く新鮮だった


「ファ〜ラ、そう緊張すんなよ」
 さらっとしたファラの髪をかきあげ、瞼に軽いキスをした
「リッドぉ…・・・おかしいの・・・
 触れられると変な感じがして・・・」
 息荒く、振り絞るような声がリッドのイタズラ心を再び刺激した。
 「触れるってどこにだよ?」といいながら、リッドはスカートをめくり、下着の中に手を触れた
「!!!」
 下半身にリッドの指が触れると、ファラの身体が大きく震えた!
 直に触れると僅かな湿り気がある・・・上半身を弄られ上辺だけでなくきちんと感じていた。
 リッドはファラが顔を隠したままなのを確認すると、ロングスカートを脱がし始めた。
 スカートが脱げていく量と比例してファラの手も狭まっていった。

―――ちゅぴっ
 下着の中に指を入れ、あの部分へ指は侵入した。熱く、狭い。いきなり入れずにゆっくりと上下に摩り始めた
「………ん!」
 あそこを触られたファラは、リッドの腕の中で一度大きく震えたが、その後は荒い呼吸をしながらも猫のように大人しくしていた。
 「気持ちいいのか?」 リッドの問いに何も言わず、強くリッドにしがみ付いた。
「怖いのか? 震えてんぜ・・・
 安心しろって、俺が優しくしてやっから」
「………………」
 文章の最初の方のように、再び無言―――今度は拒否ではない。リッドにしがみ付く力は強い、そして小さく震えていた。
 指は、ファラの奥へと入っていく・・・中に進めば進むほど強い圧迫がリッドの指にかかった。
 今まで一指し指一本だけだったが、中指も中へと入れてみた
 二本だと、一本のときとは違った。締め付け、濡れ具合、ファラの反応、全てが一本のときよりも強い。
 あそこはヌルヌルする液体に包まれているというのに、リッドの指は力を入れてもなかなか奥へと入らなかった
 (このっ)力をこめて多少強引に指を中へと侵入させた! ファラはビクンッと震え、同時にあそこからは透明な液体がぴゅっと出てきた
 知識が乏しいリッドにはそれが何なのか分からなかったが、今まで自分にしがみ付いていたファラは
 力が抜けて自分によっかかったことから「力が抜けるほど気持ちよかったんだろーな」と一人で納得した。

「リッ………ド」
 小さく声をあげるファラとリッドは、目が合った。
「あ………」
「………」
「………」
 お互いに声が出ない。ただ、言いたいことは伝わった。
 ファラに軽いキスをして、ファラをベッドに横たわらせた。先ほどまで僅かな湿りだった場所は、今は下着の上からでも場所が分かるほど濡れていた。
 リッドも衣服を脱ぎ、今までずっときつそうにしていた自分のナニを空気に触れさせた
 目を見開いて驚いていたファラだが、視線はそれに釘付け・・・反り返っているアレが「自分の中に入るんだ」ということでも考えていたのかもしれない
・
・
・
 リッドはファラの足を開き、下着を抜き取った。
 愛液に濡れてしおれたように整っている毛や、皮に包まれて姿を隠しているクリトリスはリッドに
 「まだ弄っておけばよかったな」と後悔せしめたものの、ファラはリッドのように冷静ではない。
 時間にして十数分前、リッドの手を自分の胸に誘導したときから鳴り続けていたファラの心臓の鼓動は、
 このときになって最高潮の高鳴り。リッドの方は一週間ほど前からこのときを待ち望んでいたにも関わらず、割と落ち着いていた。

「優しくするから、ファラもそんなに力を入れんなよ」土壇場に強い彼らしく、ファラを気遣うこともした。
 ヘソまで反り返っていそうな自分のナニの好きな通りにさせるといったこともなく、いたって冷静。
 既にナニをあそこへ添えているが、ファラが頷くのを待っていた。
 永遠とも思える時間、ファラは沈黙・・・・リッドは、決心つかない彼女の手を握った。
 安心したのか、ファラはその手を強く握り返し・・・小さく頷いた
(去らば童貞………)
 リッドは心の中で黙祷し、ファラの中へと推し進めた・・・

「うっ」
 ファラの表情が歪んだ! その顔は痛みではなく、
 他人が自分の中に入ってきたということを事実として受け止めた苦しさ―――と同時に、すぐにリッドに向かって微笑んだ
 運動している女はあまり苦痛を感じないという格言の通りか、リッドはファラの中にすんなりと入った。
 ファラの中は、自分が今まで知らない感触でいっぱいだった。強い締め付けや熱い膣内だけでない、別の何か―――達成感に満たされた
「う………動くぞ」
 本当の夫婦になれた気がして感動に震えていたリッドは、ゆっくりとファラの膣内の自分を動かし始めた
 数日間オナニーしていない彼の精巣は満タン状態、出す前にファラの中をゆっくり味わいたかった
「―っあ!」
 脈が打つようにリッドを離さない
 柔らかな感触はお互いの身体を一つにしているかのように包み込む
 リッドの腰は徐々に早くなっていく・・・中に入れて数分間で、二人の理性は消えそうなほど薄くなっていた

「ぁアアーーー!!!」
 ファラは部屋の外にもれそうな大声で喘いだ! 普段の元気なファラではなく、
 女としてのファラの声はリッドには届かなかった、リッドも同じように理性が飛びそうだった!

「ファラ、ファラー!!」
「・・リッド! リッド!!」
 二人はお互いの腕に相手を包み込んだ。力のある限り強く抱き抱える、痛いほどに抱き締める!
 リッドはファラの唇に自分の唇を押し付け、中に舌を押し込んだ! ファラは拒まず、同じように舌を絡めた!
 二人の口の端からは、どちらのものとも分からない涎が零れ落ち、シーツを濡らした
「ファラ………出る! 出ちまう!!」
「リッド、きて・・きて・・!!」
 最後にリッドが強く腰を打ちつけた! その瞬間、リッドもファラも頭が真っ白になり・・・その後の記憶は無かった


 ただ、挿入するときに繋いだ二人の手は何回やり終えても、常に繋がれていた・・・
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・
 リッドは、ファラを腕の中に包み込んで天井を見ていた。ぼーっとする意識の中にファラの体の中に入れた余韻があった。
 胸を触ったときの吸い付くような手触り、あそこに指を入れたときの温かさ、その二つも忘れていない。ただ何回身体を重ねたのかは覚えていない。
 自分の腕の中で意識があるんだか無いんだか、虚ろな表情をしているファラ・・・その股の付け根を見てみると、リッドが出した精液が大量にこびり付いていた。
 ベッドのシーツにも既に精液が乾いたあとがあり、今ファラの膣内からあふれ出てきたのはけっこう後になって出したものだと思われる(んなことはどうでもいい)。
 先ほどのチャットとのやり取りを思い出した。「今のようにぐーたらしていられない」、「三年以内には見せて」、
 「子供背負っている姿なんて、全然想像できません」、三つのうち最初の二つが現実のものとなってしまうかもしれない。
「やっべぇ、こりゃ孕っちまうかも」
「ん・・・うん…」
 ファラの意識もはっきりしてきた、こちらも先ほどリッドとしたことは覚えているようだ
 リッドを受け入れた部分が火のように熱い、視線をそちらへ泳がせると・・・ファラはくすっと笑った
「凄いいっぱい出たね………
ひょっとして最近全然そーゆーことしてなかったの?」
「ま、まあな。確か一週間ぐらい一度もしてねー気がする」

 ただ、ファラには男のリッドには分からないもう一つの事があった。
「リッド………実はね、今日から超危険日なの」
「え!?」
「子供作ろっ! ね!」
にっこりと、笑顔で近寄る幼馴染にリッドは「いや、ファラお前落ち着け。子供を持つっていうけどな俺はまだ親父になるつもr」と言っててベッドから滑り落ちた!
「痛っっ〜! 昨日と同じ場所打ったっ!」
「ちょっとリッドふざけないでよ、私は真剣なんだから!」
「俺だって真剣だっつーの!」


 頭をおさえているリッドに、ファラは睫毛が触れあいそうな距離まで近づき、とろーんとしそうな表情で言った
「赤ちゃん欲しいよね。もう夫婦でしょ?
リッドは午前中で仕事を終えるぐらい余裕なんだから、子育ても手伝ってくれるよね!?」
「ファ〜ラ? 俺の話を聞いてるか?」
「じゃあ、セレスティアに着くまで毎日Hして
それで私が妊娠しなかったら無理強いはしないから」

    バンッ!

「ファラさん、この雑誌の今週号はどこにありますか!?
 ・・・・・・・…………!!!」
 不意にベッドルームの扉が開いた・・・その先には、二人の裸の姿を見て、徐々に黒い地肌以上に顔を真っ赤になっていくチャットの姿
 チャットの手には先週号の雑誌、ファラの荷物の中には今週号の雑誌、三人の間には奇妙な沈黙
「ごごごごごごごゆっくり!!!!!」
 チャットは帽子を残し、逃げるように飛び出した!
「あーーー! 大変!
私ちょっとチャットに事情を説明してくる!」
 何をどう説明する気なんだか分からないが、ファラは服を着るとベッドルームから出て行った。
 が、三秒後に顔だけ出し、「さっきの約束、処女あげたんだから守ってね」と言うと、再びチャットを追っていった


 残ったリッドは、窓の外を眺めていた・・・暗闇の中、インフェリアが青く美しく光っていた。
 左側にセレスティアがあるが、米粒ほどの大きさにしか見えない。着くとしたら何日かかるのであろう? このときばかりはキールの知恵が欲しかった。
「おいおい………毎日こんな感じでやっていたら干からびて死ぬっつーの
ったく、胸触らせてきた誘い受けなきゃよかったぜ
最初に危ない日だって言えよ・・・」
 リッドは小さくため息をついた。そして、精力つきそうなもの(生卵やとろろ)をファラの荷物から取り出して食べると横になって、寝始めた

 何だかんだで、幸せそうな顔だった。


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