総合トップ>SS一覧>SS No.6-003
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
目覚める夜 |
スケブ氏 |
ゼロス×コレット |
2006/08/24 |
2006/08/28 |
世界が闇に沈む中で、コレットは一人宿を抜け出して一人歩いていた。星すら輝かない夜は、不意に孤独と不安を加速させる。
暫く一人歩いたその先にはいくつもの花が咲いていた。
(花はまだ、ちゃんと咲いてるんだ)
だけどこの花はいつ失われるか分からない。コレットは知っている。世界は滅亡へと進みはじめている。
(だから私が……、世界を救う。神子として……)
ロイドと、みんなと、世界を救う。
そう心の中でつぶやくと、胸に不思議なほどの勇気と、希望と――少しだけ不安が広がっていくのを感じた。
コレットは信じている。絶対世界を救えると信じている。だけど少しの不安はぬぐえないのだ。
「はー、ダメだなあ〜……、私って」
「何がダメなのよ?」
きゃあっ、とコレットが澄んだ悲鳴をあげる。
「ゼロス……」
「どうもこんばんは〜、コレットちゃん♪」
いつの間にいたのか、その後ろには火の色髪をなびかせて、軽薄な笑みを浮かべるゼロスがいた。
「びっくりした〜……、ゼロスも眠れなかったの?」
「俺様はあんまり寝なくても生活できるように出来てんのよ。何てったって寝る時間も削んねえとハニーたちのアプローチに答えきれないからねぇ」
「え、だ、ダメだよ! ちゃんと寝ないと身体壊しちゃうよ?」
「ご心配どうも。で、コレットちゃんは眠れないんだ?」
「……」
ぴしゃりと図星をつかれて、コレットは黙ってしまう。
まるで叱られた子犬のようにうつむいてしまったコレットの頭をゼロスは軽く撫でる。
「コレットちゃんのことだから、これからのことが不安だったんだろ。
本当に何の犠牲のない世界はやってくるのか、とか、本当に世界を救えるのかとか。
そんでもって、そんなことで不安になったりする自分が神子として情けなくて仕方がない……ってな感じかい?」
「……うー」全て図星だ。
コレットの表情を返答として受け取ると、またゼロスが「ひゃひゃひゃ」と下品に笑った。
それでコレットの肩をぽんぽん叩いたあと、不意に真面目な表情になる。
「……俺様は、それは当然のことだと思うぜ。誰も犠牲にならない、理想の世界。それを実現する前に人は、色んな人を犠牲にし過ぎた」
コレットが神妙な顔でうなだれた。例えこれから誰も犠牲にならない世界が来たとしても、犠牲になった人は戻らない。だから――哀しい。
「でもな、悔いたって何も始まらねえさ」
よどんだ空気を掃き出すようにゼロスがぱっと笑顔になる。
「コレットちゃんはロイドくんが好きなんだろ?」
途端にコレットの頬がぼんっと音を立てて真っ赤に染まる。
訳の分からない言葉を喋りながら両手をでたらめに動かしても否定どころか肯定にしかならない。
「じゃーコレットちゃんはロイドくんを支えてあげるしかないでしょ〜よ! ……コレットちゃんがそんな顔してたら、ロイドくんの理想が折れちまうぜ?」
にっと笑いながらゼロスがコレットの額を軽くつつく。
なんとなく恥ずかしい気持ちになりながらも、ゼロスが自分を励ましてくれていることだけは分かって――コレットもにっこり笑った。
「うん、ありがと。ゼロス」
コレットの満面の笑みを見て、ゼロスも笑顔になった。そしてコレットの肩に手をやる。笑顔のままで、本当に無邪気な笑顔のままで。
コレットの身体を、押し倒した。
「……ゼロ、ス?」声が何だか震える。
「……駄目だよなあ、俺様は」
「どしたの、ゼロス」
「やっぱり俺様は、出来損ないの神子なんだよなあ」
「ねえ……、ゼロス? どうしたの……ふっ」
舌を差し入れられて、絡めとられる感触にコレットはふるっと身体を震わせた。
「ふぅ、んん……、んうぅ……」
呼吸すら許さないままゼロスの手が、指が、コレットが恥ずかしがる部分へと伸びていく。
「やっぱコレットちゃん、胸はちっちぇえけどちゃんとやわらけえな」
「や、触っちゃ駄目ッ!」
成熟していない、もしかしたらこれから成熟することなんてないんじゃないかと思うくらいささやかなコレットの胸を、
ゼロスの手のひらが柔らかく包みこみ、やさしく愛撫した。乳首をいたずらにつままれてコレットが流石に声をあげる。
コレットの意識が胸へと集中する間、ゼロスはコレットのタイツを器用に降ろして下着を剥がした。
ロイドすら触れたことのない清らかな部分を守ろうとするコレットの両足を押し開いて、蕾を手探りで探し当てる。
「んんっ!」
初めて味わう感触にコレットが戸惑う。
神子として育てられた故に、自慰の知識もないコレットの蕾をゼロスが容赦なくこりこりと刺激する。
「んっ、んぁっ、ゼロスッ! だめ、だめぇ! やめてッ、あっ」
乱れた服で、必死に嫌々するコレットだが、コレットのその仕草はゼロスの情欲をあおるものでしかない。
「ゼロス……、ねえ、何なんだろ、コレ……、なんでこんなこと、するの? ひぁっ!……」
「さあねえ……、俺様も自分でも分かってねえのよ」
「もうやめ、てぇ。ゼロス。ゼロス。あっ、あっ、んっ……」
あーっ! と悲鳴のような声と共に、コレットの身体にぞくりと悪寒のようなものが走った。
それはゼロスに愛撫され始めてから膨れ始めたものが、一気にはじけた開放感。
そこで初めてコレットはゼロスの責めから解放される。蕾は溢れんばかりの蜜で濡れ、その奥はまだどくんどくんと熱持っていた。
暫くコレットは荒れた息を整える。服を直す気力も起きない。
「……ゴメンな、コレットちゃん」
初めての性的快感とその絶頂を迎えたコレットは、ゼロスの謝罪に答えを返すことが出来なかった。
「俺様はやっぱり、出来損ないの神子だな。世界を救うことで真剣に悩んで、好きな奴に一途に恋してたキレーなコレットちゃんを、……汚しちまうなんて」
ぽたっと、その目から一筋涙がこぼれたのを、コレットは見逃さなかった。
「今夜のことはお互いなかったことのしようや。明日から俺様とコレットちゃんは今までとは変わりない、仲間だ。それがお互い一番いいと思うぜ」
そう言ってゼロスは闇に落ちた道を振り返り、立ち上がろうとする。
しかしその身体をコレットの手に止められた。
「……コレットちゃん。マジで勘弁してくんない? 俺様自分抑えらんなくなるからさ」
「だって、ゼロスが、何だか淋しそうなんだもん……」
「気のせいだよ。俺様も男だからさ〜? そ〜んな淫らな格好で攻め寄せれたら動揺しちゃうって……ってそんな姿にしたのは俺様なんだけど」
自嘲気味にゼロスがつぶやく。コレットの中で、何かがはじけた。
するりと自分の纏っていた服を脱ぎ捨て、裸のままゼロスの背中に抱きつく。ゼロスの体が分かりやすいほどに硬直するのが分かった。
「ちょ……、ま、マジでやめてくんないかな。俺様コレットちゃんにもっとひどいことしちゃうかも……」
「だいじょぶだよ」
「へ?」
「私は世界を救いたい。それと同じくらいの気持ちで、今のゼロスを救いたいよ。……私が全部受け止めてあげる」
「う、受け止めるって」
「あ、も、勿論犠牲になるわけじゃないんだよ? その、えっと、さっきゼロスが私にえっちなことした時ね、私初めてだからすごーくびっくりしたけど、ちょっと痛かったんだけど……きもちよかったの」
「…………」
顔を赤らめながらもじもじと目を逸らすコレットを見て、ゼロスはあんぐりと口をあけて黙ってしまった。
「あの、でも私初めてだから……痛くて泣いちゃうかも知れないけど、ごめんね!」
言い終わると同時に、コレットの身体にもう一度ゼロスの身体が覆い被さった。
しかし愛撫は先ほどよりも優しい。充分に潤ったコレットの秘部から、くちゅ……と時折水音が零れた。
「……んん……」
もう一度、コレットの女の部分が膨れ始める。へその下が熱い。
暫くコレットの秘部を愛撫し続けたあと、ゼロスはいきり立つ自分のものを抜き出した。
薄暗い視界の中でもはっきりと見えてしまった始めて見る男性器から、コレットの目は釘付けになってもう視線を逸らせない。
「……おっきぃ」
思わずつぶやきが漏れていた。コレットに性の知識はない。
自慰を知らなければ、セックスも知らない。だけどコレットは本能で、ゼロスの性器を見た瞬間理解した。
自分の今一番熱くて切ない部分に――あれが入ろうとしているのだ。
だいじょぶなのかな、とか、あんなおっきぃの入るのかな、と不安になっている間に、その先がコレットの秘部へとあてがわれる。
「コレットちゃん、痛いだろうけど――力抜いてな?」
ゆっくりとコレットを労わるように、ゼロスがコレットの胎内へと進む。
「ひ……ぃ、たッ」
しかし初々しいそこは狭く、コレットは痛みに身をよじらせた。
はー、はー、と息を吐きながらなんとか力を抜いて痛みを軽減しようとする。
「い……あ゛ぁっ!」
裂けたと思った。
あまりの痛みに思わず零れた涙を、ゼロスの舌が舐める。
「ほら、……挿入ったぜ?」
思わず閉じてしまった両目を開けると、ゼロスの顔が間近にあった。
足の間に確かに挿入感を感じる。熱いものが挿入ってる。そう考えると、コレットの女が一気に高まった。
「ゼロス。動いて?」
「でも、痛いんじゃねぇの? コレットちゃん」
「だいじょぶだよ♪ だから、ね? 早くうぅ……」
恐る恐るゼロスが腰を動かす。初めはゆっくりだったスピードが、どんどん速度を増すのが分かる。
「んっ、んっ、あっ、あんっ! んぁあっ!」
初めこそ痛がっていたコレットも、気がつけば自らも腰を動かし、最も気持ちよくなれる部分を無意識に探していた。
抑えきれない声は高らかに響き、結合部から溢れる「ぐちゅっくちゅっ」と言う淫らな音と混じりあう。
「コレットちゃんの中、凄くいいッ。俺様もう、」
「あん、いいよ、だいじょぶ! あっ、私が、全部受け止めてあげるッ!」
性器を抜き出そうとするゼロスの腰にしがみつき、コレットは自分の胎内にゼロスを一層深く突き入れたその時だった。
ゼロスのものがびくんと脈打ったのは。熱い液体が注がれる感触にコレットの子宮が耐えられる筈がない。
「あぁァーーーー!」
長い金髪を振り乱し、コレットの身体を稲妻のような快感が走る。
叫びは夜にとけ、エコーすらかからずに消えた。
それから二人は眠れない夜を迎えるたび、身体を重ねあっている。
あれからコレットはいつもの彼女とは想像もつかないほどの淫らな姿を見せていた。
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