総合トップ>SS一覧>SS No.5-095
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
無題 |
556氏(22スレ目) |
エロ無し |
2006/07/23 |
2006/08/07 |
正直言って、不安になる。
自慢じゃないが自分はそれなりに我慢強い方だと思うし、理性だってちゃんと聞く。
そもそも度胸もなければ勇気も無い。は?自分で言ってて悲しくないかだと?……ウインドカッター。
まぁ、つまり何がいいたいかというとだ。
――少々、無防備すぎやしないか、とだな。
いや、彼女は彼女なりに色々あるのだろう。それは分かる。
そもそも男だの女だの考える暇があればこれからの事を考えなくてはならないような人生を歩んできたのだ。
過去のトラウマからか、精神面が多少実年齢より下にあるという事は僕だって分かっている。
男が女性に対し――つまり、自分に対しどういう感情を抱くのか。
分かっていないし想像もつかないのだろう。いや、だから分かってるってば。
しかし、しかしだな。年頃の女の子がお風呂あがりに異性に抱きついたり、くっついたまま熟睡したりするのはどうなんだ!?
あ、いや、これはあくまで例だ。別にその所為で眠れなくなったとかそんなのは一切無い。
だから無い!いや、ちがっ、あーもううるさい!無いといってるだろう!フリーズランサーをあびたいのか!?
…そう、分かればいい。で、どこまで話したんだ?あぁ、そうそう。
あいつは警戒心というものが無さ過ぎるんだ。まず第一に家族でもない異性と二人きりで同居するというのも僕は考えものだ。
そりゃもちろん一人暮らしはそれはそれで心配だし、変な奴に襲われるぐらいなら僕が…って、違う違う!!
僕が敵をひきつけてる間にあいつは逃げられるかもしれない!
……うるさいな、僕じゃ頼り無い事ぐらい分かってるさ!だから倒すとは言わなかったじゃないか!
あぁ!もう!なんで僕とあいつが同じ布団なんだ!いくら僕でもしまいには襲うぞ!?
いっつもいっつも薄っぺらいネグリジェだかなんだかしらないけど妙な布っきれ一枚で!
風邪をひくだろう風邪を!一緒に寝たいならせめてクイッキーを真ん中に入れるとか何か出来ないのか!
しかもあいつ、妙にひっついてくるんだよ!以外と大きい胸がしっかりと僕の腕に……ってだから違う!!
僕が言いたいのはそういう事じゃなくて…!!
「もういいって…聞いてるこっちが泣けてきたぜ」
ぽんぽん、と親友兼ライバルの肩に手をあて、目頭を押さえるリッドに思わず殺意を覚える。
――口元が笑ってるんだよ口元が!
そもそも何故自分はこいつにこんな話をしているのだろう、と不思議に思うが、話題を振り返るほど頭が回転しない。
「っていうかお前、そこまでやられてよく我慢してんな」
目じりに涙をため(泣き笑いだ)リッドが問いかける。
実際眠れないので研究と偽って書斎(自分専用の部屋)に一晩中こもる事も何度かあったが、わざわざそれを話そうとも思わない。
下手すれば深夜に抜け出してトイレにこもり、自分で抜く事も一度や二度ではない。
「まぁ、でもそこで襲わねぇキールだからこそ安心してるんだろーけどな」
あぁ、そうだ。それが問題だ。
出来れば彼女にはいつでも笑っていてほしい。
特に、自分の所為で泣く彼女なんて見たくも無い。
もしこの先「そーいう事」をする時がきても、必ずお互い合意の上でがいい。
その方が僕だって精神的に快楽が大きい…と思う。したことが無いので実際よく分からないが。
「ま、今度ファラの方からそれとなーく言っとくよう仕向けとくぜ。それでいいんだろ?」
「あぁ、すまない。恩に着る」
やはり同性から言ってもらうのが一番だ。ファラだってそこはさすがに協力してくれるだろう。
ほっと安堵の溜息が出る。それと同時に彼女の――メルディの笑顔が脳裏に浮かんだ。
「でもよ、メルディってどんな顔で喘ぐのか見てみてぇよなぁ〜。特にあぁいうタイプは調教のしがいがあるっていうか…」
……浮かんだメルディの笑顔は、男の欲望を満たす女の顔に一瞬で変化した。
「リッドォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
おまけ
「嘘ーー!?!?キールってば、もしかして不能なわけ!?」
「フノウ?…って何か?」
「あ、いや、多分違うと思うから気にしないで。きっとキールは根性無しだから、その所為だと思う…」
「もしかしたらメルディ、嫌われてるかもしれないな…」
「それは無い!絶対大丈夫!キールの愛、確かめたいでしょ?」
「はいな!早くファラの言う『好きな人と一つになる』、体験したいよぅ!」
「よーし、次は『キールの愛を確認!初めては痛いけど、痛さの分だけ愛があるプロジェクト 第17章 裸エプロン編』だよ!
うん、イケるイケる!!」
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