総合トップ>SS一覧>SS No.5-083
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
Half-elf |
332氏(21スレ目) |
アーチェ×ジーニアス |
2006/04/18 |
2006/04/30 |
「はぁーあ、退屈…」
木漏れ日が差し込むユミルの森の入り口で、アーチェはため息混じりの独り言を呟いた。
クレス達は、この先のエルフの集落に行ってしまっている。
しかし、ハーフエルフであるアーチェは集落に入る事が許されないので、ここで仲間達が帰ってくるのをただ待っているしかないのだ。
「どうして入っちゃいけないのよー…」
薄紅色の髪をかき上げ、ハーフエルフの証である中途半端に尖った耳を指でいじる。
一度、強引に進入を試みたこともあった。しかし、すぐにばれてしまった。
「あぁーあ、つまんないの…」
再びため息をつく。アーチェは、一人でいるのが余り好きではない。だから、ここに来るのも余り好きではなかった。
普段の自分に似合わず、暗いことばかり考えてしまうから…。
不意に、そよ風が吹き、アーチェの髪を揺らした。
思わず顔を上げるアーチェ。すると、そこには一人の少年が立っていた。
やや青みがかった銀髪が風に揺れる度に、ちらちらと尖った耳が覗く。
それを見て、アーチェは少年が自分と同じ存在である事に気付いた。
「キミ、どうしたの?迷子?」
話し相手になりそうな人物を見つけ、アーチェは嬉しそうに笑って話しかける。
「迷子…じゃないよ。ちょっと散歩しにきただけ。お姉さんこそ、こんなとこで何やってるの?」
子供扱いされた事が面白くなかったのか、少年はやや口を尖らせながらアーチェに問い返してきた。
「あたしはねー、連れを待ってるの。」
「連れ?」
「うん、この先のエルフの集落に行ってんの。あたしはハーフエルフだから入れないんだー。」
あっけらかんと言うアーチェに、少年の顔が一瞬曇る。
しかし、アーチェの話に興味を持ったのか、少年はアーチェの隣に座って、その大きな瞳でアーチェの顔をじっと見つめて話しかけてきた。
「連れって?」
「あ、うん。旅の仲間。人間の子達なんだけどね…」
「人間!?」
「少年の瞳が、また大きく見開かれる。しかし、その声色には嫌悪感は無い。
鋭いアーチェはすぐにわかった。
「ひょっとして、キミも人間の友達がいるの?」
「あ、うん!」
「へぇ〜、そうなんだ。あははっ、一緒だね。あたし、アーチェっていうの。キミは?」
「ジーニアスだよ。よろしく、アーチェ。」
自己紹介しあった二人は、それから様々なことを話した。
仲間のこと。旅のこと。そして、自分自身のこと…
話しているうちに、ジーニアスがいつしかとても嬉しそうな、それでいてどこか切なげな微笑みを浮かべている事に、アーチェは気付いた。
「…ねぇ、どうしてそんな顔をしてるの?」
アーチェが問うと、、ジーニアスは一瞬ハッとしたように顔を上げ、そのまま俯き口を噤んでしまった。
「…ジーニアス?」
まずい事を言ってしまったかと、アーチェはおずおずとジーニアスの顔を覗き込んだ。
すると、ジーニアスはアーチェの瞳をじっと見つめて話し始めた。
「…実は…実は僕、過去の世界から来たんだ!」
ジーニアスの話は、突拍子もないものだった。しかし、いつしかアーチェはその話に聞き入っていた。
何より、ジーニアスがいた世界のハーフエルフは、今以上にひどい差別を受けていたという話に…。
「ある時、ふっと未来はどうなっているのかなって、思って…そう思って空を見上げたら、頭がぼーっとなって、気がついたらここにいたんだ。そして、君と逢った」
ジーニアスの瞳が、真っ直ぐにアーチェを見据える。
年齢よりも随分大人びたジーニアスの表情に、アーチェの心臓が思わず高鳴る。
「アーチェは、ずっと笑ってた。僕が思ってたより、ずっと幸せそうに生きてる。だから…嬉しかったんだ。僕、アーチェと出会えてよかったよ」
そう言うジーニアスを、アーチェは思わず抱きしめていた。
「あたしも!…あたしも、ジーニアスと会えてよかったよ…話が出来て、よかったよ…」
「アーチェ…」
目の前に、ジーニアスの顔がある。アーチェは吸い寄せられるように、ジーニアスの唇に自分の唇を重ねていた。
「あ…んっ、ふ…」
もっと柔らかな唇の感触を味わいたい…そんな思いで、アーチェはジーニアスの口内に舌を差し入れ、彼の舌と自分の舌を絡め合わせた。
「ふ…はぁ…」
唇を離して口の端から流れる唾液を拭ってやると、ジーニアスは真っ赤になって俯いてしまった。
「ん?どうしちゃったの?」
「…あ、あの、その、僕、もっと…」
しどろもどろに言うジーニアスを見て、アーチェはクスッと笑う。
「いいよ、私も。ジーニアスのこと、もっと感じたい…」
アーチェは、自ら服のボタンを外し、やや小ぶりな胸を露にした。
「触って…いいよ」
アーチェの言葉に、ジーニアスは頷いてその胸に手を伸ばす。ややぎこちなくも、優しくゆっくりと胸を揉んでいくジーニアス。
「あ…ん…気持ちいいよ…」
アーチェの甘さを含んだ声を聞き、ジーニアスはおもむろにアーチェの胸の突起を口に含み、吸ってみた。
「ひぁんっ!」
アーチェの身体がビクン、と跳ねる。
「こうしたら、気持ちいい?アーチェ。」
「うん。…ねぇ、こっちも…」
アーチェはそういってズボンと下着を脱ぎ捨て、ジーニアスの手を秘められた部分に導いた。
「ココに、入れて…ジーニアスのを…。」
「う、うん…」
ジーニアスは、自らもズボンと下着を脱ぎ、幼いながらも屹立した自分のモノを、アーチェの秘所に埋め込んでいった。
「あっ…ああっ…!!」
二人のあげる快楽の声が重なる。
「あっ、はあっ、アーチェの中、すごく熱くて…気持ちいいよ…」
ジーニアスは、夢中で腰を動かし、アーチェの中を突いた。
アーチェも、ジーニアスの動きに合わせて腰を振りながら、絶頂へと昇りつめていく。
「あぁ!…僕、イッちゃう…ふぁぁっ!!」
ジーニアスのモノが大きくビクンと跳ね、大量の白濁がアーチェの膣内に注がれた。
「あっ…あぁぁんっ…!!」
アーチェも身体を震わせながら絶頂を迎える。
ぼんやりとした意識の中で、アーチェはジーニアスの声を聞いた。
「…僕、もう行かなくちゃいけないみたい…元の世界へ…仲間が待ってる…」
ジーニアスの唇が、そっとアーチェの額に触れた…気がした、
「アーチェ…仲間のみんなと、仲良く…幸せにね…」
その言葉を聞き終わるか終わらないかのうちに、アーチェの意識は途切れた。
「…チェ、アーチェ!」
聞き慣れた声に、アーチェはゆっくりと目を開く。
そこには、クレスら仲間達の姿があった。
「あー、戻って来たんだ?みんな。」
「ああ。全く、のん気に寝てるなよなー。」
「みんなが遅いからだよー。」
チェスターの言葉に、アーチェはむくれて言い返す。
改めて自分の姿を見てみると、服もちゃんと着ているし、周りに人がいた形跡もない。
『あれは、夢だったのかなぁ…?』
その時。アーチェは、自分の傍らに置いてある剣玉に目をとめた。
『これ…!!』
それは、紛れもなく、ジーニアスが手にしていた、剣玉。
アーチェはそれを拾い上げ、しっかりと胸に抱きしめた。
「ん?どうしたんだそれ。アーチェのか?そのおもちゃ。」
チェスターが不思議そうに問いかける。
「これは、お守り。」
「…お守り?」
「そっ!」
アーチェは、剣玉を大事そうにしまい込むと、笑顔で答えた。
降り注ぐ木漏れ日が、自分の未来を祝福しているかのように思えた。
Fin
前のページへ戻る