総合トップ>SS一覧>SS No.5-054
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
無題 |
700氏(20スレ目) |
スタン×ルーティ |
2006/02/27 |
2006/02/28 |
孤児院の物置・・・・ここには簡易なベッドとトイレがあるだけだった
それでも元は何もなかったのだ(大昔には大きな木が埋まっていたらしいが)、
孤児院を新しく立て直すためにスタンとルーティが休憩所として多少増築した場所だ
それがだんだんと生活スペースが多くなっていって、仕舞いにはスタンの部屋となってしまったわけだが・・・・
まだ孤児院は二階まで出来あがっていない、それでも元々は一階建てで今までやってきたので、十分孤児が暮らすことは出来るのだが・・・・
外郭が破壊された影響で多数の街が崩壊した・・・それに伴い戦災孤児が増えることとなった今、
やはり部屋は多い方がいいだろうということで二階を増築している最中だった
部屋を増築しているのはスタン・・・ときどきルーティが手伝うが、
朝から晩までスタンは必死に木材をあつめて釘を打ちつけて(これはもらい物)、そういうわけでいろいろと溜まる物は溜まる・・・・
ストレスもだし、疲れもだし、性欲もだ
スタンもいい歳だ、田舎の人にはそろそろ身を固めろといわれている・・・・そして、心に決めている女性もいる
その女性は、同じく孤児院に住んでいるルーティ・カトレットだ
最初に会ったときはサカサマになっていたというなんとも馬鹿みたいな出会いだったし、
ルーティの態度もとても恩人に対するものではなかったが・・・・一緒に旅をしているうちに距離は縮まらないがお互いに想い合うようになっていた
ソーディアンという尊い犠牲を払い、世界を救ったあともしばらくは別々に暮らしていた
終わってから一ヶ月ほどたってから、スタンの提案で(本人は忘れていたのだが)かつての仲間達は一同、リーネに集まった
そこで、ルーティがスタンに半分命令で「一番暇そうだから」という理由でクレスタにスタンを誘った
突然の申し出だが、スタンもまんざらではないしルーティと一緒にいられるなら・・・・ということで快くそれを了解した
そのまま一ヶ月以上たったのだが・・・・・・・ルーティと全く進展はない
むしろ子供という雰囲気を全く読まない存在がうじゃうじゃといるので鬱陶しい。
労働の疲れでヘトヘトになっていると、すぐに睡魔が襲ってくる
低血圧(?)のスタンは、眠気に勝つ確立はほとんどないため、
せっかく邪魔する子供が眠っても同じくらいスタン本人も早く寝るので、いい雰囲気にならない
そのうえ子供より遅く起きるので、ルーティと二人っきりになったときなど一日もない。
四日に一度のピクニックにもルーティが一人で行くため(スタンは工事)、二人の仲が深まる可能性は限りなく薄い
逆に二人の仲が縮まる障害となる壁は要塞のように難攻不落。ドーピングコンソメスープを注入しても壊せない
「はぁ・・・」
男であるスタンがルーティのことを考えると、どうしても身体を交える様子を考えてしまう・・・・
二十歳にして童貞、しかも隣の建物には自分の思いを寄せている女性がいるのだ。そこまで考えてもおかしくはない
生活リズムが驚くほど合わないため、現実はそんな状況にはまずならない
ルーティのことを想えど想えど、その欲求は溜まる一方だ。次第に、手段などどうでもよくなってくる・・・・
そんなとき、スタンが高熱に見舞われた
原因は誰でもわかる・・・・よりによって雨が降っている日に一日中作業をしていたからだ
「あんた馬鹿じゃないの!?」
当然、ルーティは激怒・・・・というよりもちょっと呆れ気味
いくらルーティとはいえ、雨が降っているのなら仕事はさせずに家事を手伝うなり子供をあやすなりそういったことを頼むのだが・・・・なぜかスタンはやるといってきかなかった
しょうがなしにルーティも合羽を出して置いたので多少なら大丈夫だろうが・・・・・・・・無理がたたってか、スタンは風邪を引いた
ついでに、それを治療するために身体が出した熱もあってか、とても作業が出来るような状態ではない
「ッキシ!!!!」
くしゃみをしているスタンを見ると、ついついルーティも「世話がやけるわ」という感じで看病をしてやった・・・・
ひょっとしたら、移る風邪かもしれないのでスタンを隔離していた・・・・といっても物置のスタンの部屋に「はいるな」と注意書きをして、一応警告しておく程度。
外はいまだに雨が降り続けているのんだから、わざわざここに来る理由は孤児たちにない
看病のために、ルーティだけが残った。
つまり、この部屋は完全にスタンとルーティ以外はいないという状況だ
普段の状態を考えれば、今あるこの状況は投手の失投のような間隙、打とうと力まなければ何とかなる・・・・反対に力むとスカすることもある
「・・ぐー」 といっても、スタンがすぐに寝ていたので、そんな甘いムードにはならなかった
「・・・せっかくなのにあんた何やってんのよ」
それでもルーティはスタンが早く熱を治すようにタオルを交換してやったり、
数時間ごとに体温を測ったり、御粥を作ってやったりといつもとは違って至れり尽くせり
「・・・・ん・・・」
スタンの寝顔を見ていると、次第にルーティにも眠気が襲ってきた・・・・・・・
「ルーティ?寝ているのか?」
逆に、スタンが目を覚ますときにはルーティはすっかり寝ていた。
スタンのベットに頭をもたれて、気持ちよさそうに。椅子に座ったまま、だ
ルーティの目の下に少しクマが出来ている・・寝てそんなに経っていないルーティを見ているとスタンも少し疲れが取れたが・・・・
「!!?」
少し目線を下ろすと、ルーティの服の襟の部分から胸が見えていた。
もう少し襟がずれれば、乳首まで見える、というぐらいにギリギリで見えなかった
スッ!
スッ!
スッ!
角度を変えて、どうにかしてルーティを刺激しないようにその隠されている部分を見ようと必死になるスタンだが・・・・そんなことをやっているうちに股間が反応してきた
「寝ているよな・・・・?」
こうなるとますます見たくなってくる、スタンは意を決してルーティの服を少しだけずらした・・・・
(おっ!)
ルーティに気付かれないほど少しだけズラすと、そこにはピンク色に近い乳首が見え隠れした
「すぅー すぅー すぅー すぅー すぅー ・ ・ ・ 」
呼吸と共に前後して、見えたり見えなくなったり・・・・ある意味ずっと見えているよりも興奮する
何日も禁欲生活をしているにも等しい股間の膨らみは爆発寸前で、見え隠れする乳首を見ているだけで精を放出してしまいそうだった
スゥッ!
ついにスタンは我慢できなくなり、ズボンという檻から自身を取り出した
そして、自分の手でそれを擦り始めた、ルーティの乳首を見ながら・・・・・・
シュ シュ シュッ シュッ シュッ!
次第に擦る動きも速くなってきた、性器はもうすぐ精を放出してしまいそうなぐらいに紅く染まっている
そんなとき、アクシデントが起きた・・・・
あまりにそのことに熱中しすぎて、ルーティの頭にスタンの手がぶつかってしまった
「・・・・ん」
まだ眠りの浅いルーティには、それは目覚ましになったのだが・・・・スタンは頭が真っ白になっていた
(やばい!!)
パニック状態になったスタンは、何を思ったかルーティの口に性器を捻りこんだ!と、同時に、ルーティの顔に布団をかぶせて見えなくした
「・・・・???」
視力が奪われたルーティは、一瞬おとなしくなったのだが・・・・すぐに口の中の異物に意識がいった
だが、まさかそれがスタンの性器だとは夢にも思っておらず、だからといってとても食べ物とは思えない
目が見えないこともあって、多少ぼーっとしていたのだが、すぐに新たな異物が入ってくるのが分かった
ピュッ・・・・ピュッ・・・ピュッ・・・・
(な・・・・何よこれ?)
口の中でスタンのナニが一瞬波うったかと思うと、精液が放たれた・・・・
無論まだスタンはルーティの頭を押さえつけているのでルーティは頭を後ろに下げることもできず、
ひたすら口の中に出される何かをぼーっとする頭で考えていた・・・・
ゴクン・・
何が自分の口の中にあったのか、それに気付く前にルーティは反射的に口の中に出されたスタンの精液を飲んでしまった
バッ・・・
「っぷはぁ!」
ふと、頭を掴んでいたスタンの手が離れるとルーティは布団から顔を出し、キョロキョロと辺りを見た
突然、スタンがルーティを押し倒した!あまりにいきなりのことでルーティはそれを拒む隙はなかった
「 ッ!!!・・・・な、何してんのよ田舎者!!
あんた自分が何をしているのか・・・・」
ばっ!
強引にスタンがルーティを組み敷いた!
「ルーティ・・」
「んぐ!!んん!!!!
スタン、やぁ・・やめて・・・・」
優しく問いかけるスタンの声とは逆にルーティからは何かを拒むような苦しそうな声が聞こえている
嫌がっているというのは誰にでもわかるが、スタンはもう止まれなかった
ぐにゅっ!
スタンの手が、ルーティの乳房を服の上から無理矢理掴んだ
「うぁ!!!」
(柔らかい・・・・)
片方の手で、衣服の上からでもその柔らかさは多少わかった。
揉んだというほど優しい表現ではなく、83センチのバストに第二関節が埋まるほど強烈に握り締めた
「やっ痛い!!」
ルーティが快感を得るには激しすぎた・・・・だが苦痛を得るには十分すぎる
「痛い!痛いってば!!」
昔冒険していたときでさえも感じたことがない痛み・・・・ルーティの頭の中に「これがエスカレートしていったら」ということが浮かんだ
「スタンちょ・・・・やめなさいよ!!!」
威嚇するようにルーティは大声を出したが、スタンはそんなことを気にする様子はなく、ルーティに顔を近づけて耳元にボソッと言った
「大声を出しても、ここは誰もいないから・・・・」
「!!!!」
ぺろ
「・・・・!!!」
ルーティが言い終わらないうちに、スタンはルーティの耳に舌を入れた
「あ・・」
こっちは未だに形を変えている乳房とは違い、そこそこの快感をルーティに与えた
それでも、胸を掴まれている痛みには及ばない・・・そして、ルーティの目には自分にはない、男だけが持つ物体が映っていた
ビン!
スタンは自らの性器をルーティの未だ未開通である乙女の場所へと添えた・・・・
「ひ・・・・あ・・」
ルーティの表情が凍りついた・・・・・
今まで、勃起した男のナニを見たことはない、あったとしてもそれはスタンとは比べ物にならないほどの小さな子供のだ
想像したものはあったが、これほどまでにグロテスクなものだとは全く思っていなかった
僅かに、そのモノから匂いは漂っていた。
「・・・・ま、まさか」
ルーティは感付いた。
さっきから口の中に感じる嫌な感じと、スタンのモノが出す匂いが似ていた・・・・
初めて、ルーティがスタンの性器を口の中に入れていたことに気付いた
キスよりも、こっちのほうが先だということに深い絶望を持った・・・・ぐしゃぐしゃにされている胸の痛みを感じないほどに。
「ルーティ、挿入るよ・・・・」
「嫌ァ・・・・お願いだから・・・・・・・・そこだけは・・・・」
あのルーティとは思えないほどしおらしい態度であった・・・・
目には涙が潤んでおり、それとは対照的にルーティの誰も受け入れたことのない処は通常の僅かな湿り以外は特にこれといってない
今、入れられたらルーティの痛みは想像できない
何より痛みよりも、スタンにレイプされるということ自体が嫌だ
ぐぐぐっ
「・・!!!!!!」
ルーティの懇願空しく、スタンの性器をルーティは頭でも身体でも拒みつつも、それ以上のスタンの力で身体に打ち込められていった・・
ぐにぃ
徐々に。ルーティの未開の肉壁を広げていく・・・強引にではあるが、ルーティの身体を少しずつ女の身体にしていった・・・・ルーティの意思とは無関係に。
「・・・・・・・・アっ!・・痛っ、痛ァ!!!
・・・やめ・・なさいよスケベ・・いっ!!!」
ぐぐ…
ゆっくりと、埋まっていく・・・・・・埋まるごとに、ルーティは苦痛の声をもらした
「やめてぇ・・やぁ・・」
ごそごそ ぱさっ
スタンの亀頭がまるまるとルーティの中に埋まったところで、下着以外のルーティの服を脱がし始めた
上着
ズボン
シャツ
「・・・・あっ!!」
股間の痛みに気を取られていたが、わずかに自由のきく腕でそれを阻止しようとしたが、すでに遅く胸元が完全に露出していた
そして、スタンの舌がルーティの上半身で最も敏感な場所をベロッと舐めた
ビリリ! 「ぅあ!」
電撃のような感覚がルーティの背中まで奔った 少し濡れているスタンの舌が触った瞬間、頭の中が真っ白になった
正直にこのときルーティが感じた感情を書くと、気持ちよかった。
挿入の方も、スタンも無意識の内に気を遣っているのだろうか?無理矢理ではあるが、
そのスピードはゆっくりとしていて、相当な激痛ではあるが歯を食いしばれば耐えられないほどの痛さではなかった
だから、ルーティも股間に感じる痛みよりもむしろ自分が犯されているということの方が嫌だと思っている
その気持ちよさと破瓜の痛み、そして拒絶感が入り混じったような状態で数分が過ぎると、ルーティは何もいわなくなった
「ルー・・ティ?」
「・・・・」
様子がおかしかった。驚いてスタンも自分のモノを挿入するのも止まった
「ルーティ、どうしたんだ!?」
「・・・・気分悪いのよ、さっさと離れなさいよ田舎者!」
涙交じりで、普段のルーティらしさを出そうとしているのがかえってスタンにはきつく感じた
ぬぽっ・・ ドン!
「イテっ!」
スタンが自身をルーティから抜くと、ルーティはスタンを押して無理矢理離した
「・・・・」
「・・・・」
二人は無言で服装を整えた・・・・スタンが謝ろうと何度か振り向いたが、ルーティの雰囲気がとてもそれを許さなかった
「じゃあ、あたしは孤児院に戻ってるから・・・・風邪をちゃんと治しなさいよ!
迷惑がかかるのはあんただけじゃないんだからね!」
涙をふき取り、気丈に振舞っているのが逆に辛そうな顔で部屋から出て行った・・・・残されたスタンは、最後に見せたルーティの顔が頭から離れなかった
あんな顔、今までの生活の中では一度も見られなかった
ドッ・・・
部屋を出て数歩歩くと、ルーティはその場に蹲った
「はぁ・痛っ・・・い・・・」
股間の鋭い痛みがひいていない・・・歩く度に擦れて痛みを出し、ルーティの口から荒い息を出させていた・・・・
まだ本当の意味では貫かれていないが、むしろ全くそういったことに知識がない子供のときよりも、
ついさっきまでの処女を大切にしていたときよりも、自分の身体の中に他人を受け入れることが怖くなった・・・・
「げほ・・・あのバカ!スカタン!!なんてことしたのよ・・・・」
喉の焼けるような精液の熱さは、なかなか消えることはなかった・・・・
数日が過ぎた・・・・
「ほらほら!あんたたちあんまり遅くならないうちに食べなさい!片付かないでしょ!!」
孤児院内にルーティのはきはきとした声が鳴り響いた。その声で今まで寝ていた子供も目を覚ました・・・・
次々とおきて、食欲のわかないであろう状態で食卓につく子供たち・・・・だが、そこにスタンの姿は無かった
珍しい光景ではない、スタンの起きの悪さは誰もが知っている。
「さ、あんな馬鹿は放っておいてさっさと食べましょう。」
「はい!いただきます」
そのあと、数時間するとスタンが物置から起きて、子供の昼食とほぼ同時に朝食を取る。
「・・・・・・ご飯はテーブルの上にあるから、勝手によそって食べて。」
「うん・・・」
あれ以来、このような冷え切った夫婦関係のような雰囲気で、それ以上会話が続いたりはしない
そんな日がここのところずっとだった・・
この日は台風が起きて、村にけっこうな被害が出た・・・・
荒れ狂う風で、村に立っていた木が何本か亀裂が入り、村の非常塔がベキベキと大きな音を立ててへし折れたほどだ・・・・
当然、スタンは雨漏りがないかなどその日は大忙し。本格的な修理はあとにしても、孤児院に帰ってきたときはすでに草木も眠るような時間だった
体中びしょびしょで、靴どころかパンツの中までびしょびしょだった
「こんな時間じゃ、誰も起きてないよな・・」
情けない声で呟いて、冷えた身体を温めるために中に入るとそこにはルーティが立っていた・・・・今の今まで起きていたようだ・・
「ルーティ?」
「・・・・・・・・」
ことっ
無言で温かいスープの入った皿をスタンのそばに置いた。続いて、スタンの金髪をタオルで覆った
ごし ごし ごし ごし
「お疲れ。」
そういうと、ルーティはあくびを一つして寝室へと向かった
残されたスタンはそばに置いてあったスープを夢中で飲み続けた。雨に濡れた冷たい身体が、スタンの体を中から温めていった・・・・
「わざわざ俺のために起きていてくれたのか・・?完璧に嫌われたわけじゃないかな
明日・・・・謝ろう。いつまでもこんな状態じゃあ、いき苦しいし・・」
そう決意すると、スタンはスープを残さず平らげて、床に着いた・・・・
その翌日、珍しく早起きをしたスタンが言った
「昨日の落雷で、倒れた木が水道管を壊したみたいだから・・・・少しの間、水道とか風呂が使えないと思う
直すのには三日ぐらいかかりそうだ・・・・そんなわけで、飲み水の確保もしなきゃいけない」
「じゃ、あたしが貰ってくるわよ」
「え?ルーティが?」
ちょっと意外そうな顔でスタンは言った。
「どうせ、今日はチビたちも昨日の嵐で危険だからって移動させておいたからいないしね。
あんたは頑張って修理しなさいよ。他にいないんだから!」
こういうと、すぐにこの田舎者はやる気を出すということをルーティは初めて会った日から知っていた
案の定、スタンはすぐに外に出て行った・・・・
「さてっと。水・・か。飲み水も無いんじゃしょうがないわね。
ちょっと遠いけど、ダリルシェイドしかないわね・・・廃墟状態のあそこからもらうのは気が引けるわ・・・・」
背に腹は変えられない、ルーティは最低限の準備をしてダリルシェイドへと向かうことにした
「相変わらず、酷い有様だわ・・・・」
かつてセインガルドの首都であったダイルシェイドは、ダイクロフトに近いこともあってか外郭の落下に伴い崩れきっていた・・
ゴミの山とほとんど変わらないその地を捨てたものもいれば、未だにそこにいて復興を思う人、ただ何もする気力のない人など様々だ
元はあった権威の象徴である城も崩れ落ち、暮らしていた人の墓標のように立っている・・・・
当時暮らしていた人がそこを自縛霊のように離れず当時の優雅さを懐かしむのが哀れだ。
「・・・・」
旧オベロン社の前を通る・・・・・ここも瓦礫で埋もれており、
自分の父親が住んでいた有様は全く残らず、地下水洞へと続く入り口が僅かに見えていた・・・
もし自分がヒューゴに捨てられていなかったら、オベロン社のお嬢様として育っていたら、
自分もここに埋もれていたのか?・・・・少なくとも、ヒューゴの理想(実はミクトラン)には賛成しなかったとは思うが・・・・
「・・・・・・・・」
数分間、ヒューゴ邸を見ていたルーティは、その場を離れた・・・・
「はぁっ。全く重いわね・・・」
水を三日分ほど買うと、けっこうな重さになる・・・・・そこで、一日分で三回にわけることにしたが、置き場所に困る
そこらへんに置いていたら盗まれる。かといってそれ防止に一度に運ぼうものなら相当な重さだ、ぎっくり腰になってもおかしくない
数百ガルドをケチってぎっくり腰になるのはあまりにもマヌケであるし、
この街の復興資金にして欲しいというのもあってか、宿屋に泊まる荷物として置くことにした
・・・・・そこで一息ついていると、何やらフロントでもめていた
「だから、オレたちの仲間がさっき来て払ったつってんだろ!!」
「聞いてんのかババア!?」
なにやら、そこらへんの荒くれが宿代をけちろうとしているようだ
相手は、いかにも気の弱そうな婆さんだ。多分、万引きされても何も言わず見送るであろうほどの・・・・
「ですから・・・・・」
「あ?何いってんの?もっとはっきり言ってくれないかな?
ここにいる俺たち4人聞こえるように!」
英雄である自分だって払っているのに、こいつらは・・・・そういう理由ではないが、ルーティは助け舟を入れた
「ちょっとそこのあんたたち!!年寄りをいじめて恥ずかしくないの??
さっさと宿代払っていきなさいよ!!!」
そういうと、当然そいつらは振り向く・・・・見ると、まだそんなに年端もいっていない奴らだ
一番いってそうなのでも二十代前半か。ルーティとそんなに変わらない
「引っ込んでろよ姉ちゃん。その貧弱な腕で俺たちとやろうっての?
貧相な胸・・・・」
「うっさいわね!!」
スチャ ドンッ!!
完全になめている態度に(特に最後)、ルーティは有無を言わずに剣を抜き、そいつらを叩き伏せた!
「これぐらいで勘弁してやる・・・・」
財布から、四人分のガルドを勝手に奪うと、婆さんに渡した
そして、連中の顔を引っ張り上げると、全員を宿屋の謝らせた
「すいませんえひた・・・・」
「全く、こんなんだからあまりお金も集まらないのよ。復興したいんなら、もうちょっと頑張らないと・」
「ですが、こんな宿ですから数百ガルドも取るのが心苦しくて・・・・」
「どこまでお人よしなのよ」
ルーティがそういう会話をしている間に連中はルーティの後ろ姿をじろじろ見ていた
なめ回す様に見ていると、次第にルーティもその嫌な視線に気付いた
「まだ何か用あんの!?」
「いや、何もねーよ・・・・」
外を歩きながら、その連中は何やらひそひそ声で話していた
「あの男っぽい性格、よくね?」
「全く抵抗しない子じゃなさそうだしな。ああいう性格に限って意外と未体験だったりするんだよな」
「顔もけっこういいしな。でも、どっかで見たことあるんじゃね?」
「じゃあ、ちょっとあの子のこと、聞いて回ろうぜ!何か弱みを見つけたらそれをネタに脅せばいいし♪」
「ふわぁ〜・・・・ぁぁ」
大きな欠伸が出た
草木も眠るような時間にルーティはクレスタに着いた、旅の疲れを癒すシャワーを浴びたいところだが、断水中。
汗でベタベタするのを我慢して孤児院内に分かるように大声を出した
「はぁ〜〜〜もうクタクタだわぁ〜〜〜
スタン!?いるなら返事して!!」
・
・
返事が返ってこない。ルーティは腰の痛みを感じながらもクレスタを探し回った
すると、近くの木のところで大きな鼾を出して寝ていた。口から涎をたらしてぐっすりと。羨ましいほどの睡眠・・・・
きっとこの日も一日中働いていたのだろう。ところどころに湿布を貼っている、疲れがどっと溜まっているようだ。
「やれやれ。手間のかかる男よねあんたは・・・・」
ふわさ・・・・
ルーティは孤児院の中から大きな布団を持ってきてスタンの上に覆いかぶせた。風で飛ばないようにガッチリと四方を石で固めた。
誰もいない孤児院は、相当寂しいもの・・・
多くの部屋がガラーンとしていて、幽霊でも出そうだ。子供のおもちゃが辺りに散らばっていると、余計に不気味だ
「・・・・」
ルーティが幼いときも、このようにさびしいときがあった。レンズハンターになっても、寂しいときは幾度もあった。
今は、というとそのときよりも数倍マシだ。外でグータラ寝ている男のおかげで、寂しさも吹き飛ぶ
「・・・あんなことが無かったら、無理矢理にでも孤児院の中に引きずり込んでいるのに・・・」
・・・やはり、先日犯されかけたことがまだ頭の中には残っているようだ・・・・
無理も無い。あれがルーティの初めてだった。
マリーと二人旅になる前も何人かの男たちの囲まれて、強引に服を脱がされて乳房を弄ばれたことは一回だけあるが、そのときは大事には至らなかった。
先刻もまだ完璧にスタンのものを受け入れたわけではないため、一応は処女に分類されるだろうが、
ファーストキスよりもファーストフェラの方が先というのがそれ以上にルーティには嫌な記憶になっていた。
どうしたら、これが消えるか?消えなくてもいいが、せめて今よりも少しでもいいから薄くなってくれればいい・・・・そう思うようになっていた。
「・・・・ふわぁ・・・・」
明日の重労働を考えると、そろそろ休んだ方がいい・・・・ルーティは汗が染み込んだ服を床に脱ぎ捨てて、今日一日の疲労を取るように眠りに着いた・・・・
翌日・・・・
もそもそ
布団の中で、ルーティはだるそうに身体を起こした
「熱でもあるのかしら・・」
そう思い、体温計で測ってみた。
「37、8℃ね・・・・これぐらいなら、何とかなるわ」
昨日、大量に汗をかいて、そのまま寝たからかもしれないが、体調が悪い。
だが、動けないほどではなく、ちょっとの無理ならできるし、休むならダリルシェイドの宿屋もまだ料金を払っている。
「払いっぱなしじゃ、勿体無いわね・・・」
むくっと重たい身体を動かして、朝食を作った。
ふと、食器棚を見てみるが、特に減っている様子は無い。スタンはまだ寝ているのだ
じゅ〜〜〜〜〜〜ぅっ!
一人分よりも多めに料理を作った。ずきずきする頭で、
「残しておいてあげるか・・・」
と、わざと言い、クレスタから出ようとした・・・・だが、後ろから声が聞こえた
もちろん、スタンの声だ
「ルーティ!」
「あら?起きたのグータラ男。
朝ごはん作っておいてあげたから、ちゃんと洗っておきなさいよ。妹さんにばかり手間をかけさせてたんじゃないでしょ?」
「ルーティ、聞いてくれ!!」
いつにも増してスタンは真面目な態度だ。なんとなく、ルーティも思い当たることがある、というか、それであって欲しい
その場に立ちながら、黙ってルーティはスタンと目を合わせていた
・
・
僅かな沈黙が流れたが、スタンは意を決したように口を開いた
「・・・・この間、ごめん。
俺、ルーティのことあんなに乱暴に扱うとは、自分でも思ってなかったけど・・・・」
「思ってなくても、実際やったでしょ・・?
驚いたなんてものじゃなかったわよ。眠いのを我慢してあんたの看病をしてやったのに、起きてみたらあんなことされていたなんてね・・・・
むしろ、あれがされて起きたっていうほうが正しいわね・・・・20年生きていて、最低の目覚めだったわ!」
嘘は無い。
ルーティの言ったことに嘘はない。
口の中に出された日、何度も何度も嗽をして、それでも中々消えることはなく、喉の奥にこびり付いているような感じがいつまでもしていた
ここに来てから、スタンが相当長い間射精を我慢していたためかなりの濃さだった。
「でも・・・俺はルーティに謝らなきゃいけない!!
あのときしたことは本当に悪いと思ってる、だから・・・・俺、ルーティに」
「じゃあ、あたしの言うことを一つ聞きなさい!!」
「・・・・(まだ何もいってないよ)・・・・」
勝手にルーティが決めた。
だが、スタンもそういうつもりだったので、別に異論はない
そして、ルーティはスタンに近寄った・・・・二人の間が野球ボールが入るぐらいの大きさにまで縮むと、ルーティがいった
「今度は、あたしがあんなのを忘れるぐらい満足いくようにしなさい!
・・・そんなことであたしの気が晴れるかどうかは、別問題だけどね」
もちろん、消えるわけは無い。だが、ルーティがほんの少しの希望をかけてのことだ
明日には、子供たちを迎えにいかないといけないので、今日の夜しか時間は無い。
「・・・・わかった。俺、頑張ってみるから」
「言っとくけど、あたしまだ処女よ。痛みを感じさせたら、許さないからね・・・・」
遅かれ速かれ、そうなるのだ・・・・
なら、覚悟を決めたならいつでもいい。ルーティは処女を捧げる覚悟をしていた。
一度、自分を犯そうとした男だが・・・・ルーティはやはりこの男以外にはいないと思っている
再び、ルーティはダリルシェイドに着いた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・」
ますます風邪が悪化しているのか、喉が痛んできた。それに、風邪を引いたとき独特のあの嫌なにおいがルーティには感じられた
「明日、あの子たちが戻ってくるから、・・今日は家に帰られないと、不安にさせちゃうかしらね・・・・」
そんなことを思って、ルーティは宿屋に足を進めた・・・・。
「・・・・嫌な顔ぶれね」
宿屋には、またあの例の男たちがいた。
今度は、前より一人減っている・・・・大人しく客として来ているという感じだ。
ルーティは特にこの男たちとは顔を合わせたくなかったが、この男たちはルーティのことを捜していたようだ
バタン!
昨日から予約していた部屋に入ると、ふぅっと肩を下ろした・・
ここに長居する理由は無い、とっとと水を持ってクレスタの孤児院に戻ろうと思っていた。
「よいしょっと」
そこに置いてある水を取ろうと身体を向けたとき、後ろからあの男たちの声がした・・・・
「もしもし・・お宅、あの英雄のルーティカトレットで間違いないです・・・よねぇ?」
またこの声を聞くのかと思うと、ルーティは虫唾がはしる!
・・・・・と思ったが、改心したのか、一応聞いた
「そうだけど、何か用なの?
もしまたこの宿を脅そうとするなら、あたしもタダじゃおかないわよ」
スチャ
そういって、ものすごくダルイ感がある身体で、剣を抜いた
だが、そんな警戒するようすもなく、男たちはすぐにルーティに一回お辞儀して言った
「いやぁ、俺たちはあんたに用があるんだよ」
「あたしに用?・・・・何よ」
「それはここでは言いずらいからな。
場所を変えようぜ。オベロン社のところに行きましょう」
男たちはルーティの四方を歩いて、ルーティが逃げ出さないようにしたが、ルーティはそれでも余裕を持っている
あの程度の実力なら、例え剣を持っていなくても簡単に何とかできると思っていた。
(ま、もしかしたらお金をくれたりするかもしれないから、一応期待してみるか♪)
少しすると、オベロン社の跡地が見えた・・・
ルーティたちはその中に入り、そして、奥に奥に進んでいくと何か小さな部屋に着いた
ここまですると、ルーティも最初から思っていたこいつらに対する不信感が確信に変わった
(・・・・まさか、こんなに馬鹿な奴らだなんてね。
あのぐらいだったら許してやったのに。体調は悪いけど、これぐらいなら何とかなるわね)
グ・・!
そういうことを考えて、ルーティは剣に手を当てた
その部屋に着くと、男たちはルーティに言った
「あんたの家・・・・孤児院なんだって?
孤児院の子供たちは、あんたにとって大事な人なんだってね?」
その一言で。今にも斬りつけようと思っていたルーティの目の色が変わった・・
「今は、違う街に避難させているそうですね・・・そして、少しの間、あんたとその子供は音信不通なんだって?
つまり、彼らの身に何が起きても、分からないってことだ」
淡々と、自分の言葉を出し続ける男・・・・その言葉が出てくるたびに、ルーティには嫌な想像が進んでいった・・・・
「まさか・・・・」
「俺たち、前より一人減ったんですよ・・・・
もう一人は・・・その子達の方に行っていましてね。今から数時間後に、指定した場所で連絡を取り合わない場合は・・・・
子供を殺しちまえって言っているんですよ。」
ぐっ!
「っ!!!」
突然、ルーティの右側にいた男が、ルーティの肩を掴んだ
振りほどこうとするルーティに、とどめの一言だ・・・・
「俺らに、『いいこと』をされたら無事に子供を開放しますよ」
最低のゲスだ・・
子供を人質にとるなど、人間として最低だ。ましてや、身体を要求するなど・・・・
「・・・・けだもの」
そういって、ルーティは剣を抜こうとしたが・・・・
「なんですか?その拒否をしたそうな手は?嫌ならいいですよー。剣で俺たちを皆殺しにしてもいいですよー。
誰一人、待ち合わせ場所を言ったりはしないと言い切りますけどー。」
男は、そういって、ルーティに顔を近づけた・・・止まる気がないように、どんどんルーティとの距離を縮めてきた・・・
これが、何をしようとしているのかが分からない奴などいない、ルーティにも分かった・・・・
だが
迫ってくる男の顔に、ルーティは何も出来ない・・・・
持っている剣を、強く強く握り閉めた!!血が吹き出るぐらい・・爪が肉にめり込むぐらい強く握り締めて、この恐怖に耐えた・・・・
(スタン・・助けて!!)
・・・・キュ
男と、ルーティの距離がなくなった
その瞬間、ルーティの閉じられた瞳からは涙が零れ落ちた・・・・
カラァーーン・・
小さな部屋に、不釣合いなほど高い音が響いた・・・・
ルーティは、唇を奪われると同時に握力を抜いた。自分の体を差し出す契約の証のように、剣は床に落ちた・・・
(スタン・・スタン!!)
自分の想い人を必死に心の中で叫んだ
だが、今自分の唇に触れているのは、愛するその人ではなく、自分の体を弄ぼうといろいろと手をうった男だ・
ルーティは決意した・・・
愛する男に自分の初めてを捧げることを捨て、子供たちの命を助ける道を選ぶことを・・・・
この男どもに、身を委ねることを。
口づけが終わると同時に、ルーティは膝からその場におれた・・・
(こんな・・・・こんなのが初めて・・)
ゴシ ゴシ・・・・
ルーティは、男どもが笑う中、唇を何度も何度も擦った
今までに感じたことがない不快感―――スタンに口内に性器を捻じ込まれたときでもこれほどの不快感はなかった
「・・・・下衆な男に唇を奪われるよりは、好きな男の性器を入れられた方がマシよ」
止まることのない涙を流しつつも、ルーティは強く相手を見た。
「体はいくらでも汚すがいいわ。
あたしはあんたたちに屈したんだから・・・・子供をとられたらお手上げよ。
でも、絶対に心は屈しないわ!!」
「じゃ、お言葉に甘えて、英雄様のお体をいただきます」
そういうと、男たちはルーティの体を組み敷いた
「暴れちゃ・・駄目ですよ、英雄様♪」
リーダー格であろう男が、服の上からルーティの胸に手を伸ばした
黒地の服で着痩せするのか、意外に大きい胸をゆっくりと掴んだ
「っ!!!」
覚悟しているが、やはり嫌悪感がルーティの体に溢れ、目をそらさせた・・・・
「感じてる感じてる♪」
「違うわよ!!!」
「おー怖っ♪」
笑いながら、ルーティの叫び声を楽しんだ・・・・徐々に、胸に指が押し込められていく
いっそのこととっとと終わってほしいが、相手はわざとそうすることはなかった。
こうやってルーティをじっくりといたぶって、自分から体を求めるようにしようとしていた。
抵抗しようと手足を動かすが、それも体を押さえつけられているためろくに動けず、その必死なところがかえって男たちの欲望をそそった
「お前だけ楽しむってのはねーだろ?」
「じゃあ、他のところで遊んでいろよ。ただし、赤ちゃん産むためのたーーいせつな場所だけは触れるなよ?」
「楽しみだからな。」
他の男の指がルーティの体の上・・・・最初から露出している部分をベタベタと触り始めるとルーティにますます悪寒がはしった・・・・
先ほどとは別の男に、唇を相手の唇でふさがれたときなど、先ほどの倍も嫌だった。
舌が口内に入り、ルーティの舌と絡み始めると涙まで流した・・・
「ん!!んんん!!!」
閉じらされた口で必死に何かを叫ぶが、舌を絡め取られている状態では声になるはずもなく、そのときの舌の振動が相手の舌に心地好い快感を与えていった・・・
先ほど始めてのキスを奪われたのち、すぐに別の男にディープキスをされた。
本当なら、今夜スタンとするはずであったことを、この男たちにされているのだ・・・・考えただけで、ルーティは身の毛もよだつ思いだ。
ちゅるう ぶちゅるるる
(んん!!!!)
ルーティの口内に舌を絡めている男の唾液が大量に口移しされると、男はルーティの口から唇を離し、今度は耳に舌を這わせて言った
「飲めよ」
・・・逆らえない。ルーティはいいなりになるしかない
何かご機嫌を損ねたら、彼らは子供のことをどうするか分からない・・・・男の出した大量の唾液を飲まざるを得ない・・・
ごく ごく ごくん
一度では飲みきれず、数回に渡ってやっと飲み終えた・・・・
「ルーティ遅いな・・・」
今夜、ルーティとHをするときのことを考え、スタンは珍しく日付が変わったのに起きていた。
コンサートのチケットを手に入れた少女マンガ家のように、信じられない速度で仕事を終わらせた。
本来なら3日はかかるであろう仕事を。帰って来たルーティの驚く顔が目に浮かぶ
もちろん普段の仕事もきちんとしている。
慣れない手つきで簡単な料理を作り、孤児達にも絵本を読んでやったり、
普段はルーティがやっていることを代わりにやっていると、何故か目が覚めた。
炊事洗濯で普段使っていない部分を使い、腰が痛かったりしたがそれでも何とか起き続けていられたのはやはり彼も男だからだ・・・・
この間、無理矢理やったときは彼自身も心の準備が出来ていなかったし、ルーティの合意を得ていなかったから気まずいことになった。
今夜はあんなに酷いことはしまいと、心に誓った
コンドームも近所のガゼルさんから貰い、ぐずる子供も全員寝せた。
あと不安があるとすれば、自分がルーティを満足できるかどうか、痛くしないように心がけること等。
愛する女性の「初めて」が自分だというのは男冥利に尽きる。
あの金のためなら何でもやりそうなルーティが20歳前後なのにまだ処女というのは、マリーが人妻だということ以上に驚きだった。
だから、彼はルーティを満足させるために必死に話を聞きまわった。多分明日にはそこら中の主婦の噂話は「若いお二人さん」に統一されるだろう
いつルーティが来ても大丈夫! それだけのことを彼は学習した(知識だけでは虫も満足しないが)
あのプライドの高いルーティといえどまだ処女、他の男の変な癖はついていないから、色はついていない。自分色に染め上げれる。
何度か頭の中でシミュレーションした。もう完璧、実践でちゃんと動くか分からないが、とりあえず彼の頭の中では完璧だった。
だが・・・・・ルーティはまだ帰ってこなかった。
ようやく彼女が帰ってきたときには、スタンもテーブルの上で涎を垂らして寝ていたときだった
相変わらず外は真っ暗だ、スタンに限らず鶏も山羊も草木もまだ寝ているはずだ。
シャーーーー!
この時間、クレスタにある光はただ一つ、孤児院のバスルームの光だけだ。
その光が、テーブルで寝ているスタンに瞼の上から降り注ぎ、その重い睡眠を妨げた。
「うぉ・・・まぶし」
目が覚めると、スタンはバスルームにいるのはルーティだと思った。
バスルームの近くには、ルーティの服が脱ぎ散らかされていた。
余程急いでいたのか、ズボンと下着を一度に脱いでいた。
靴下もそこら辺に散らかり、スタンは一瞬迷ったがそれを拾ってカゴに入れた
(こんな姿見られたら、今夜の話は流れそうだな)
情けないことを考えながら、ズボン+下着を同じくカゴの中に入れて、上に着ていたであろう服とブラジャーも拾って、それをうるかしていた。
だが、入れ終わってから、バスタオルが置かれていないことに気付いた。
湯船に入れるわけが無い。バスタオルを忘れるなんて、どれだけ慌てていたのだろうか?
「そんなに早く身体を洗いたいものかな?」 と思いつつも、スタンはバスタオルを運んできた。
「ルーティ、バスタオルここに置くよー!」
シャワーの音の中で、聞こえるかどうか分からないがスタンは教えた―――すぐにバスルームの扉が開いた
「ぎゃわ!」
スタンの視界に飛び込んできたのは、全裸のルーティだった。
シャワーは勿体無く出続けているが、スタンの目に飛び込んできた光景から目を離す方がよっぽど勿体ない
(い、いい身体してるなぁ・・・)
その端々で水が滴る黒髪
美人以外の言葉が見つからない顔
形よく整った綺麗な胸
うっそうとしげる毛によって守られている秘所
湯によって、ほんのりと赤くなった裸体は普段以上に色気を放っていた
ばさっ
あまりの衝撃に、スタンは持っていたバスタオルを足元に落とした。
目の前にある光景が本物なのか? 夢なのか? それとも幻なのか?
だが、目の前にいるルーティはとても自分が知っているルーティとはかけ離れていた
「ルーティ?」
「・・・・・・」
下を向いて、泣いているかのような表情だ。スタンの顔を見ることもなく、自分の体を見ているわけでもない。
地面に落ちたバスタオルに向けられているようだったが身体はすんとも動かない
「お湯・・・出たままだけど、水道直ったからといっても荒い扱いは」
「・・・スタン」
「え・・・?」
「・・・めん」
異性の目に入っている裸を隠さず、ルーティはもごもごと口を動かした。
シャワーの音でスタンには聞き取れなかったが・・・なぜだか、ルーティがとても愛おしくなった
バスタオルを拾い上げ、ルーティの身体を覆わせた
ゴシ ゴシ ゴシ ゴシ
母親が子供の身体を拭くように、優しく彼女の身体の水滴を拭き取った。
最初は髪や肩だったが、次第に背中にまで手が回った。
ルーティの髪は、さっきまで使っていたシャンプーのいい香りがした。
拭き取るときに身体の敏感な部分に触れても嫌がらないルーティの姿は・・・なんだかとてもいたいけだった
彼女の身体は温まったというのに、小さく震えていた。
そんな彼女がとても愛おしい・・・スタンはバスタオル越しに、彼女の身体を自分の腕の中に埋めた
タオルの奥にある彼女は、変わらず弱々しかった。
「スタン・・・ごめん・・」
顔を近づけられたため、ルーティが何を言っているのか聞き取れた。
いきなり謝られても、スタンには何のことだか分からない。
昨日からルーティの行動はわけが分からないことだらけだ。
夜になったらHしなさい!と言ったくせに自分から帰ってくるのが遅れていた。
帰ってきたら服を子供のように脱ぎ散らかした。
まだ直っているかどうかも分かっていない風呂に入るし・・・そして、今度は謝りだした。
「ごめんって何だよ・・・いや、今はなんでもいいよ」
「・・・・・」
「どうしてルーティが遅れたのとか、何か悪いことをしたのか、そんなの・・・今はいい
………今は、休んだ方がいいよ」
スタンは、そういうとルーティの身体を抱きかかえてベッドに運んでいった。彼の腕の中で、彼女はじっとしていた。
ベッドの上に降ろされると、今まで纏っていたタオルがぽろりと落ちて、再びその裸体がスタンの目に入った。
相変わらずルーティは胸も秘所も隠さないで、スタンとも顔を合わせなかった
ごし ごし ・・・
抵抗なく、体の上をタオルは滑っていく。
厚い布一枚の距離でスタンはその柔肌の感触、目で彼女の裸体を見れたのだから、股間はやっぱり反応してくる。
(うぅぅ・・・・だ、ダメだ!
今のルーティは抵抗とかしそうにない。この状態のルーティとやるなんて、この前と同じだ!)
ずぶぬれだった胸やお尻等、濡れていた場所をあらかた拭き終えると、スタンは膨らんでいる股間の気持ちを抑え、布団を彼女の身体の上に被せた。
タオル越しとはいえ胸を触った感触が手に残り、もっと触っていたかったとはいえ、「今日はこれで満足しよう」と心で決心した
「スタ・・ン?いいの?」
「な、何が?」
「あたしと・・・しなくて・・・」
「いいからいいから、早く寝た方がいいって!」
(そりゃ、残念だけど)と心の中で思ったのは確かだが、ルーティの身を案じたのも確か。ルーティも余程疲れていたのか、
「・・・・・すぅ…」
布団に入るとすぐに寝息を立て、眠りに入った・・・スタンは夜がオジャンになったことを後悔したが、今のルーティを見ているとそんな気になれなかった
スタンは、シャワーの蛇口を閉めると、大きな欠伸をして孤児院の物置にある自分の部屋へと歩いていった。
「はぁ・・・・・」
眠気とため息が混ざった息を吐いた
セックスできなくなったことは、正直言って残念だったがスタンだったからしょうがない。
彼女が落ち込んでいるときにHをして、気を取り戻すなんていうことは彼に出来る芸当ではない
布団をかぶって、「多分、一日経ったら近所の人に聞いたHの知識も全てなくなるんだろうな・・・」と思ったときにはもう寝ていた
一方、ルーティもバスタオル一枚でその身体を隠して寝ていた。
父の家だった廃墟で、四人がかりで輪姦されたことは、彼女の肉体にも精神にも計り知れない打撃を与えた
男達に胸を触られても、強制フェラをさせられても、
20年一緒にあった処女を散らされても、表面上では強がった・・・・だが、彼女は心の中では泣き叫び続けた。
本来であったら、スタンに捧げる筈だった大切な処女を奪われ、
将来カイルを産むことになる子宮内に複数の男の精液を受け入れた汚れた身体は、シャワーで洗ってもその汚れが落ちることはなかった。
考えてみると、スタンが耐えてくれたのはよかったかもしれない。
湯でほんのり赤くなった身体では、身体の至るところにつけられたキスマークは目立たなかったが、あのままだったらやがて色はさめ、目立っていただろう
股間を広げたら、洗ってもなお子宮に残る精液がとろり・・・スタンがいくら鈍くても気付く。
いつまでも隠し通せるわけが無い。
隠す気もない。いつかスタンに打ち明けるつもりではある。
ただ、今日はダメだった。そんな気を起こすことが出来ないほど、ルーティは弱っていた。
風邪を引いた彼女の身体は、精神的な弱りもあってか、一日程度の睡眠では治ることはなかった・・・
スタンの気の周りも中途半端で着替えを着せてから寝せればよいものを、体を温めるのはバスタオルと布団のみ。
そのバスタオルも数回の寝返りでベッドから落ちそうなぐらい隅に追いやられ、
体を温めるのは毛布と掛け布団のみ・・・こんなんで風邪が治ったら風邪薬なぞ作っても抵抗力の低い子供か年寄り専用で、賞などくれもしないだろう。
呼吸は荒く、風邪は一日経ってもまだ酷いままだった。
ほぼ徹夜をしていたスタンが目を覚ます時間になっても布団の中でもそもそ寝ており、
「ルーティ、そろそろ起きたら?」
という言葉をスタンによって言われるまでずっと寝ていた。
いつも彼を起こしている彼女が、風邪を引いているとはいえ彼に起こされるというのは、
弟子に説教喰らうような屈辱・・・と普段の彼女なら感じるだろうが、そんな気持ちも出なかった
熱を計ってみたら、39度。多分スカタンがバスタオル一枚でベッドに寝せたせいで1度上がったんだろうが、
あのまま放っておいたら、今頃は孤児院全体が浸水していたかもしれない。
ルーティの体のダルさは半端じゃない。
とはいえ・・・どうしても気になっていたことがあった。
「スタン、子供たち全員いるの?
誰か一人足りなかったりしてない?」
ベッドの中の自分の体は全裸なので、恥ずかしい気持ちもあってか起きてもベッドに入ったままだった。起きる気にもなれない。
「えーと・・・全員いると思うよ。
一人だけ遅れてきたけど、それも1時間ぐらい探したら見つかったから」
「誰かに誘拐されたとか・・・そういう話は?」
「さあ?とにかく俺も忙しくてそれどころじゃなかったし」
「ふーん。まあ無事だったらそれに越したことは無いわね
・・・スタン、もう一つ頼んでいい?」
「一つといわず、好きなだけ頼んでいい。リーネだったら、家族の一人が風邪引いたときは近所で助け合ったからさ」
「・・・・近所の人はどうでもいいわ、あんただけでいいから子供たちに朝ご飯作ってやって。
情けないけど、今日はあたしあんまり動けないと思うから」
そういうと、スタンは腕組みしたままクスクス笑い出した。
その笑いが彼女には怒りをさそうものだった。
「何がおかしいのよ!?」
鉛でも背負っているような体の重さをものともせず、ルーティは布団から上半身を出してスタンに詰め寄った。
突然裸のルーティが出たことは驚いたが、すぐに布団を彼女の身体にかけると
「どこから言えばいいかな」
と再び腕組みした。
「人が風邪ひいて声を出すのも辛いってのに、ずいぶんとからかうわね!」
徐々に意識もはっきりしてきたのか、声も大きくなってきた。
こっちの方がルーティらしいが、これ以上怒らせるといつ血を見ることになるか分からないのでスタンは部屋のカーテンを開けた。
そこには日光などなく、代わりにすでに一日の役目を終え、沈もうとしている夕陽が見えた
紅い柔らかな光がルーティの体を照らし、スタンの金髪も赤く染めた。
「俺が目を覚ましたときには、もうあいつらは自分で料理を作って食べてたよ」
窓の外に見えた風景の中で、子供達が忙しなく遊び動いていた。
驚いた・・・全然子供だと思っていたが、もう料理を作ることぐらいできるし、着替えもちゃんとしている。
そう思った瞬間、気が楽になった
もそっ
ルーティはまた布団に潜り込んだ。今度は頭まですっぽりとかぶり、
「スタン、カーテン閉めて。あと水一杯持ってきて。今日のあたしは病人だから、言うことを聞きなさい」
と、姿は見えないがあくまで高飛車な態度。スタンは「病人じゃなくてもいつもそういう態度だろ?」と言いながら台所へと走っていった
つべこべ言っても、自分の我がままを聞いてくれるとんでもないお人好し。
対して、自分は守銭奴で意地っ張りで割りと人をこき使う、「・・・嫌な女」と自分でも思う。
バン!
「ルーティ、水持って来たよ!」
「ん、ありがと・・」
ごく・・
一口飲むと、コップをテーブルの上に置いた。
「あれ?もう要らないの?」
「スタン、ちょっとあっち向いてて。服着たいから。
いい?絶対にこっち見るんじゃないわよ!」
「わ、分かってるよ!」と言うと、スタンはルーティとは反対の方を向いた。
全裸のルーティがいるということを考えると、心の中でちょっぴり振り向いたら・・・・という考えは、持ち前の正義感からかみ殺した。
変なことに考えがいかないように、羊を一匹二匹数えていた。
多分そのうち寝てしまうだろうが、振り向いてルーティの怒りをかうよりはマシだろう。
「スタン・・・あのね」
羊を数えていたら、ルーティが話しかけてきた。もういいのかと思って振り向こうとしたら
「振り向くんじゃないわよ!」
という声が耳を通ったので、すぐに中断。
前を振り向いたとき、股間が立っていたら「変態!」と叫ばれそうだったので、
後ろでルーティがどういう姿をしているのかを想像するのも我慢して前を向いていた。
「……………スタン、あたしがこれから何を言っても、笑ったりしないわよね??」
「え?…あ、うん」
「誰にも話したりしないって約束できる?」
「うーん、どんな話か知らないけど、ルーティが秘密にしたいなら」
確認を取ると、ルーティは深呼吸をし、消えそうなぐらいか弱い声で「ごめん」と言った。
スタンからは見えないが、涙が目尻に僅かにたまっていた
「・・・え?」
「あたしね、昨日ダリルシェイドに行ったのよ。あんたが『水が足りない』って言うから買いにね
そしたら、変な奴らに捕まっちゃって・・・……暴行されたの」
「ま、待てよルーティ!それって」
「キスもされて、胸も弄ばれて―――本当なら、あんたに捧げるはずだった処女も、全部奪われたわ
笑っちゃうわよね。世界を救った英雄のあたしが、あんなどうでもいい連中のいいなりになっちゃうなんてね」
「・・・・・・・」
「一番悔しいのは、犯されているっていうのに感じちゃったことよ。
乱暴で、あたしのことなんかどうでもいいってばかりの扱い方をされたっていうのに、あたしの身体はいつの間にか感じてた。
ま、プライドは渡さなかったけどね」
「……………」
「もう振り向いてもいいわよ」
許可がおり、スタンが振り向くと、ルーティはバスタオル一枚を纏って立っていた
39度という高熱で今にも倒れそうな身体を必死に支えているからか、
それとも犯されたことの悔しさが今更になって思い出してきたのか、ルーティはつらそうだ。
「ルーティ…っ!」
居ても立ってもいられず、スタンは彼女の身体を抱き締めた。
…ギュっと強く、抱き締めた!
「ルーティ…涙が出てるんじゃ?」
「で、出てないわよ。汗よ汗!あたしは病人なんだから汗ぐらい出るわよ!」
自分の腕の中で、目に涙を浮かべながらも泣いていないように振る舞った―――それがかえって、弱く見えた。
「俺さ・・・ルーティに何かできないか?
なんでもいい。ルーティの気が少しでも晴れたり、楽になったりできるなら何でもしてみるから!」
「何でも?
だったらアトワイト持って来て。
リオンとお父さんをゾンビじゃない人間で生き返らせて。
あたしを処女の身体に戻して。汚される前の身体に。全部できるなら、やってみせなさいよ」
どれもこれも、無理難題だった。スタンにどうのこうの出来ることではない、全部できるとしたら神以外の何者でもない
当然、スタンはルーティの耳元で「ごめん・・できない」と言った。
「――そうでしょうね。出来もしないのに、何でもできるなんて言うんじゃないわよ」
「だけど俺」
頭の中に何も言葉は無いが、スタンがどうにかして何か言って元気付けようとしたとき・・・ルーティは顔を上げた
「あんたの子供・・生みたい
だからさ、協力してくれるわよね?これぐらいなら出来るでしょ?」
「え? ・・・・あ!」
スタンは一瞬呆然とし、すぐに言葉の意味することが分かった
「俺の子供?それって」
「き、昨日あんたにさ、一つ命令したわよね!
強姦しようとしたことを忘れるぐらいしなさいって!!
あんたなんか、今を逃すとあたしみたいな美人とは一生できないわよ!?だから・・」
ルーティの話は終わっていなかったが、
どさっ
スタンはルーティを抱えたままベッドに倒れこんだ
衝撃でバスタオルもはだけ、スタンの目の前にルーティの裸が広がり、女の人独特のいい香りがした。
「ちょ…乱暴にするんじゃないってば!」
「大丈夫・・・記憶は薄れたけど精一杯頑張るから(コンドーム、せっかくもらったけどいらないかな)」
「記憶が薄れたって何のことよ!?」
説明したら、なんとなくだがいい結果にならないと思い、スタンは黙ってルーティの胸の谷間に顔を埋めた。
スレンダーな身体であり、実は埋めるほど大きくは無いといっても、熱で高まった体温と柔らかな感触がスタンには天国にいるにも等しかった
「うわぁぁー、ルーティのおっぱい柔らかいなぁ!」
「声に出すんじゃない!」
褒められているのに、とんでもなく恥ずかしく感じた。
胸の感触が両頬に伝わり、スタンの股間は徐々に膨らみ出した。十秒ほどでぱんぱんに膨らみ、外から触っても分かるぐらいに大きくなっていた
「あ…?」
ルーティは自分の太ももに何かかたい物が当たっていることに気付いた。
スタンは胸の温かく柔らかい感触の中でずっといたかった、それほど心地良かった。
しかし、自分が寄せているルーティの胸に唇大の痣が見えると、気分は一転・・・ルーティの身に起きたことを自分なりに考えてみた。
(ルーティの性格だから、最後まで強気だったんだろうな。でも、やっぱり痛くて・・・
痛くて、悔しくて、泣き叫びたかったのも堪えて・・・堪えた果てに、処女失ったんだろうな)
乳首も秘所もピンクで一見綺麗なこの身体は、既に汚されたもの・・・・あのときに
無理にでも襲っておけばよかったという後悔と、顔も知らない男達に向けて強い殺意を抱いた
(くそっ!)
チュゥ!
犯した男がつけたキスマークの側に、自分の唇を添え強く吸った!
「ちょっ・・・痛ぃ!あんた何やってんの!?」
ルーティが声を出すぐらい強く吸ったため、そこに唇大の痣が残った。
元からあったキスマークに張り合うように付けられたため、スタンは子供のように勝った気になった。
張り合うのはここまで。スタンは服を脱ぐとこれから先のことを考え、深呼吸をした
再度ルーティの胸に目をやり、手で優しく揉み始めた。前日の男とは違い、優しい手付きはルーティに程よい快感を与えた
「んぅ!」
声を我慢することもない。感じたままに声を出し、身体をくねらせた。
「は・・・あ・・」
筋肉とは明らかに違うぷにゃっとした膨らみが動かされる度に、小さく声をあげさせた。
スタンはルーティの胸を何度も揉み続けた。捏ねるようにとか、強弱をつけてとか、振動をつけてなどの工夫は何もない、ただ揉むだけ。
前日に、好き勝手乱暴にされたルーティにとっては、乱暴に揉まれるよりもずっと安心できてちょうどよかった。
「ふぁ・・」
程よい力で触られルーティも甘い声をあげた。
「ルーティ、ひょっとして胸弱いの?」
つん
胸の頂点にまで指が触れ、ルーティが一瞬ビクっと震えた、スタンはそのまま指ですりすり擦り始めた
「やぅ・・・う・・あぁ…」
胸で最も敏感なところに伝わる刺激は止むことなく続き、艶かしい柔らかな声が何度も漏れた
甘い声と香りの誘惑、スタンは導かれるようにその突起を口に含み、舌でぺろぺろ舐めだし、強く吸った
「ひゃ!こ、こらスタン!ちょっと痛いって!」
快感と共に痛みも発したため、ルーティは弱い力でスタンの頭を遠ざけようとしてぐいっと押した。
(わわ、ちょっと強かったかな!?)スタンは、少し弱い力で吸い、舐め始めた。
「はあぁ・・・んん、」
ルーティの声が大きくなり、目に快感の涙が浮かび出した。丁度よかった快感のようだった
「っぷは」
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・」
吸い付いていた乳首から口を離した。乳首の周りがスタンの涎でつやつやになっていた。
快感と高熱でルーティは息荒く、何も考えれずに天井を向いていた。その状態のルーティの髪を、スタンは優しく撫でた・・・・
子供をあやすように何度も撫でると、ルーティは安心したように微笑んだ
「そろそろいいかな?俺、もう…」
「ええ・・・」
スタンはルーティの返事と同時に、膝頭を掴み、左右に広げて彼女の秘所を見た。
今までじっと見たことはなかった女性のそこは、僅かに開き内部をほんの少し見せていた。
「くぅ…」
見られるだけで苦しいのか、ルーティは小さく声を漏らした。
スタンも女性の性器をしっかり見たのは初めて・・・彼の心臓の高鳴りは、外に聞こえるのではないかと思うほど高鳴った
緊張によってぶるぶる震えるスタンの手が、自分の頭から離れた。代わりに股に移動し、膣の入り口をすりすり・・・・
いよいよ入れようとしたその時―――スタンの血の気が引いた
「あれ?」
「・・・・?
どうしたのよ?あんまり待たせないで…」
挿れられる直前に、自分を犯した男達の顔が浮かび、ルーティは苦しみを味わっていた。
少しでもいいからスタンが自分に挿れてくれるのを待っていたが・・・
「た・・・・勃たないんだ、さっきまで大丈夫だったのに」
彼の言葉通り、肉棒は極度の緊張ですっかり力を失っていた
何度も扱くが、勃つ気は見せない。電池でも切れたようにぐったりと。
おろおろする彼を待つルーティ、気分は穏やかではない。彼を回復させる方法が頭にあったが、嫌なことだったからだ。
男達に犯されたとき、当然セックスは一度だけではすまなかった
一度射精を終えて萎えた肉棒を再び使うため、男達は破瓜の血がついたそれをルーティの口の中に押し込んできた
嫌々ながら、それに奉仕させられるとすぐに男の肉棒は膨れ上がり、再びルーティを犯した。中には口内射精をし、飲ませる男もいた。
・・・それを繰り返させられると、ルーティもこの行為が肉棒を再び大きくするには、腹立たしいことに最適だと思い出した
そのときは最悪以外の何物でもなかった行為が、今のスタンには何よりも効きそうだ。
スタンの肉棒はルーティにとってキスよりも先にフェラを経験させたものであり、
処女を半分奪ったものでもあった。同時に二人の肉体関係の最初のものだ。
記憶に焼きついていた物置での恐怖と苦しみが思い出された・・・同じことは男達にもさせられた。そちらの場合は処女をも奪いさった。
今は小さいが、これが大きくなるとグロテスクな形状になり、血管がビクビク動く様は決して見ていて気持ちのいいものではない
・・・・それでもルーティはしてあげたいことのために、顔を近くに寄せた。
「うわぁっ!」
「………」
ルーティは黙って、スタンの肉棒を見ている。ずっと見つめられていると、スタンも恥ずかしくなってきた。
「ルーティ?」
「はぁ…、なんだかこれが全部悪い気がしてきたわ。変な奴らに犯されたこととか何の関係もないのに。
・・・・驚くんじゃないわよ」
スタンの前で、ルーティは指先で軽く握りながらそれを口に含んだ。苦い味がした。
「うわっ・・!」
ルーティが小さな口で自分の肉棒を咥えている、その光景だけでスタンの肉棒は少し大きくなった。
舌でちろちろと舐めてきた。
普段のルーティからは想像も出来ないほど繊細な舌使いと、口外の部分を優しくしごく指付きは、長い間溜めていたスタンの精を誘惑するような感触・・・
薄く被っていた皮をのばすように舐め、カリの所も痛みが出ないように弱く、しかし舌の動きは激しく刺激的に舐めていた。
「こんなことを絶対にしてくれない」と思っていたスタンは、熱くとろけるような口内と、絡みつくルーティの舌付きによって小さく声を漏らしていた。
お世辞でもルーティのフェラは上手とはいえないのに、彼はこれがとんでもなく気持ちよく感じた
スタンとは逆に、ルーティには苦しみ以外の何でもない。
物置でさせられた際の恐怖は今でも健在だったし、舌で舐めたときの感触は身震いするほど気持ち悪い。
スタンが快感を得ている代わりに苦しむ役を与えられているかのようだ
「ルー・・ティ……気持ち・・・いい」
スタンは率直な感想をもらした。
(あたしは気持ちよくないわよ・・)
にがい味に苦しい思い出の二つによって、ルーティだってしたくない。
ビクッ!
少しすると、口に含んでいるものが大きく震えた!ただ緊張で萎えてしまったスタンの肉棒を、大きくするだけのつもりだったのに最後までいかせてしまった
「…………!!! (にが・・い)」
快感の絶頂で精液が出されると、ルーティはスタンの肉棒を外に出した。ごぶざただったからか、精液は糸を引いており、口の端に痕跡を残した
スタンに背を向け、ルーティは手で口を押さえた。
(ど、どうしたらいいのかしら。あいつらは飲まないと殺すって言ってきたけど・・・スタンは?)
本心は飲みたくないが、どうも男というのは精液を飲ませるのが好きだということを知ると、どうしようか悩んできた。
スタンのためを思ってやったのなら飲めばいいが、踏ん切りがつかない。
せっかく高まった興奮も冷めるのは嫌だからとっとと決めたいのだが、何の強制もないと決心がつかなかった
「ルーティ、どうかしたの?」
後ろから聞こえた彼の声が急かすように感じ、ルーティは(あ〜もうっ!女の気持ちも考えなさいよっ!)と心の中で叫び、飲み干した
喉越し最悪な感触に、涙が出てきた。
「けほっ、けほ!な、何でもないわ。ただちょっとね・・・けほっ!
あんたこそ手が止まっているみたいだけど、どうかしたの?」
喉に精液がこびりついているのか、なかなか喉の咽と熱が取れない。
(…気持ち悪い感触!)と考えながら、口の端に垂れた精液を取り除き、振り向くとスタンは腕を組んで考え事をしていた。
「なーにしてんの?考え事なんて、あんたらしくないじゃない」
「…………物置で俺が無理にやったときのこと、昨日謝ったけど、もう一度謝りたいんだ。
だけど、それとHの続きをするのどっちが先にしたらいいかなって・・・」
彼にとっては真剣な悩み、ルーティにとっては風邪以外の頭痛の種
「はぁ・・・あんたってとことん馬鹿ね。あたしがあの夜のことをいつまでも根に持っていたらこんなことするわけないでしょ?
変に悩んでいないでさっさと続きをしてよ!」
「……そういうものかな!?」
と、彼らしくぱっと考えを変えてルーティの身体を後ろから抱き締めた!
「あ、あんた何でいきなりやる気出してるのよ!」
そんな問いを無視し、スタンはルーティのうなじに顔をあててぼーっとしていた。
スタンの手はルーティの胸と腰に周っており、強く抱き締めると彼女の体の感触が伝わってきて快い。
ほっそりとしたスレンダーだが、抱きしめるとちゃんと丸みを帯びていて、女の人らしい体つきをしているのがはっきりと感じ取れた。
それでも、その体の感触よりもスタンは嗅覚に集中していた。その顔は子供のように安心しきっていた。
「ルーティって、いい匂いがする。なんていうかさ、安心できるっていうか、大きいっていうか・・・とにかくいい匂い」
「何よそれ!大きいって言われてもわかんないわよ!」
褒め言葉でも、嬉しいのかどうか分からない。顔を赤くした理由は、怒っているのか照れているのか微妙なところだった。
だが、その顔色はすぐに照れと快感によるものに変わった
つ…
「きゃあぁ!!!」
腰に周っていたスタンの左手が、するっと下に滑っていき、ルーティの大事な処に触れていた。
薄く生えたほわほわの毛より更に下に滑り落ちていき、一本の指がルーティの中へと入っていった。
相変わらずスタンは眠ったようにぼーっとしており、ルーティを抱き枕のように抱えていたが、指はルーティの中に入ると別の個体のように動き出した
「ルーティの中、上の方ざらざらしてる」
「な、なにいってんの!?や、あぁん!」
寝ているように黙っているスタンが口を開いたかと思えばそんなこと。その指使いは優しく、気持ちいいというよりもくすぐったいといった感じだった。
それでも膣からは液が滲み、スタンの指を濡らした・・・指を出し入れするたびにそれは出てきた
まめだらけの手とは思えないほど優しい触り方に、素直にその快感を受け入れた。男たちに犯されたときとは違う。
スタンの右手も乳房をしっかりと掴んでむにむにと扱っていた。乳首を中心に胸をいじくりまわしている
風邪を引いてぼーっとしている頭に加え、胸と膣の両方の優しい刺激……徐々にルーティは夢心地のような心地よさになっていった。
つんっ
偶然にも、スタンの手がルーティのクリトリスに軽く触れて快感を流した
「ひゃあぁ!!」
「え!ここダメなの!?」
今までとは違う苦痛にも似た大きな声、スタンの意識も真面目な状態に戻りかけ、クリトリスから指を離した・・・
恥ずかしさに逃げたかったが、ルーティは一瞬だけの快感では勿体無くなって
「・・・そこ、気持ちいい・・」と呟いた。
ほっとしたスタン、(痛くさせていなかったんだ、よかったぁ)と思い、安堵の息を吐いた
「ゃん!」
その息がルーティのうなじを刺激して、ルーティは可愛い悲鳴をあげた。
ルーティはうなじが弱いことに気付いていないスタンは、ルーティのクリトリスに手をあて、
「じゃあ、もうちょっと強くしてみる。痛かったら言ってくれ」
と言った。
スタンは、自分の言葉通りに皮の上からクリトリスをちょっと強めに刺激した。
それでもくすぐるように弱いが、しつこく何度も刺激した。
薄く被っているだけのクリトリスは、勃起するとすぐに皮がむけ空気に出た
「ふ…ぅ」
ルーティは小さく声を漏らして顔を隠した
晒されたクリトリスをすかさずスタンの指が触れた
「ひゃあんんっっ!!」
大きく声を上げ、悲鳴にも似た快感の声を出しルーティはスタンの腕の中にがっくりと落ちた。
普通の状態だったら到底満足できなかった程度の刺激だったのに、快感の高まりが助けた。ルーティは涙で潤んだ瞳でスタンの顔を見ていた
彼女の耳を弱〜く噛んでいたスタンだったが、その瞳に気付くと口を耳から離して、見つめ合った。急に彼女のことを独り占めしたくなった。
「ルーティ、もう・・・いい?」
スタンの問いに、ルーティは何も言わず。もう一度たずねた。
「俺もう我慢できないよ・・ルーティの中に入れたいんだ」
「・・・・・・」
「ルーティ、いいよな?」
「・・・・・・」
頷きすらなかった。
物置での嫌な思い出があるのはルーティだけではない、無理やり犯しかけたというのは、純愛主義のスタンにとって自業自得だが、嫌な思い出なのだ。
「了解くれないとできないだろ!
前回みたいなことにしたくないんだから・・・」
「・・・・・・」
三回目の沈黙のとき、ようやくルーティの様子にスタンは気付いた。
「泣いてるの?」
彼女の顔は、手に隠されていてよく見えないが、涙らしき液体が頬を伝っていた。
「・・・・・・」
「また沈黙か…」と思った矢先―――ルーティは顔をスタンのほうに向けてきた。
スタンが優しい手付きで手の隠しを取ると、やはり泣いていた。
先ほどとは違い、汗だと否定しなかった。
スタンはルーティとしっかり向き合うと、「大丈夫か?」と声をかけた
「ルーティ、正直に言ってくれ・・・恐いか?嫌か?
どっちかだけでいい、お願いだから言ってくれ…」
「・・・・・・・・恐いけど、嫌じゃないわ」
ようやく出た声はいつもより少し低い声であった
「さっきもだけど、中に挿れられそうになったときに、あいつらの顔が浮かんだの
それが恐くて・・・はぁ、ダメねあたしは。どれだけ気丈に振舞っていても、肝心なときは我慢できなくて」
話の途中で、スタンはティッシュを手にとった。
真珠のように綺麗な涙を優しく拭き取った。
恥ずかしそうに「ありがとう」と言いたそうなルーティ・・・その唇に、自分の唇を添えた
「/////」
「/////」
ただ添えるだけのキス、それだけ。それだけで二人は口を離したあと、顔を真っ赤にしていた
「バっ・・バカね!あんた、さっきあたしがあんたのアレを咥えたの、見てなかったの!?
あんたには失礼だけど…汚れてんのよ」
「関係ないだろ?ルーティはルーティ、汚れていてもいなくてもルーティだよ
それにルーティは汚れているなんて思っても、俺はそうは思わないよ。綺麗だよ」
「『綺麗』ですって?あたしはそんな考えはできないわよ!」
ルーティは声を荒くして言った
「あんたは男だからいいわよね!女の人の痛みとか苦しみとか、全っ然知らなくてすむんだから!
無責任なこと言ってんじゃないわよ!」
「ルーティ・・・」
「どれだけ恥ずかしかったとか、恐かったとか、痛かったとか、悔しかったとか、何から何まで説明してもあんたは分からないでしょ!?
男を何人も何人も、受け入れさせられたっていうのに、どこが汚れてないっていうのよ!!
まだ体の中に男たちの精液が残っているかもしれないのよ……綺麗なわけ、ないじゃない…」
荒かった声は、話が進むにつれて小さくなっていき、最後は聞き取りにくかった。
一度拭き取った涙は再び溢れ、スタンはもう一枚ティッシュを取ると、また優しく拭い、もう一度キスをした。
「綺麗だよ」
恥ずかし気もなく、スタンは見惚れるような表情で言った。
ぎゅっ!
ルーティの身体を強く抱き締め、顔を頬と頬が合うぐらい近づいた状態で、子供を宥めるように優しく言った
「俺にはさ、(誰かを受け入れたときの)苦しみも、(犯された)悔しさも、(処女を失った)悲しみも、何も分からないんだ…
でもさ、俺にとってルーティは、前と変わらない綺麗なままだよ
気にしないでいい、どうしても気になるなら、俺がなんとかして消すから!」
恥ずかしげだけでなく、照れもない。こういうところが彼の性で、ルーティもこの前向きなところに惹かれていたのは分かっていた。
その理屈は納得できないが、彼の中で自己完結してしまった以上は何を言っても無駄になりそうだ
「はぁー」ルーティは大きなため息をして、もう少し加えた
「あんたね、一番最初にあたしのことを汚したのはあんたでしょ!?棚にあげてるんじゃないわよね?
中途半端だったのが、一番腹が立つのよ!!」
「棚になんかあげていないよ!」
スタンは必死に否定する、実際彼にはごまかすつもりなど無いだろう・・・しかし、それきり黙ってしまった。
小さな部屋全てに沈黙が広がると、ルーティはある考え事をしていた。
それは、もし物置での際、スタンと最後までいっていたら、ということだった。
さっきは悩んでいるスタンに「気にしてない」といっていたが、内面は自分の将来以上に気にしていた。
物置でのことは、今更咎める気は無い。唯一咎めることがあるとすれば、それは途中でスタンがやめたことだ。
あのとき自分は、スタンを受け入れることを覚悟したから、抵抗をやめた・・・それなのに、スタンは抵抗がなくなると途端にやめた。
処女は守れたので、そのときはそれでよかったと思っていた。
しかし、経験が全くない状態よりも受け入れるのが恐くなったことや、
日を連ねるごとにスタンとの中が冷えていったことなどは、あれが原因なのは間違いない。
何よりも、そのときに最後までしていれば、初めての相手が強姦とはいえスタンになっていた。
名も知らぬ男達ではなく、仲間であり想いをよせるスタンが初めての相手だったのなら、ルーティの気もいくらか楽になるだろう。
仮定はどれだけ述べても仮定であり、決して現実にはなりえない。
ルーティは非処女のまま、膣内に精液は残っているし、犯されたことに変わりは無い・・・
とはいえ、想像してしまうものだった。スタンとのセックスを何度も何度も
……犯されている最中や、股間の痛みを耐えて孤児院に戻ったとき、シャワーを浴びている最中にも・・・
身体は、元の綺麗な身体にはどうやっても戻らない。仮に処女膜が元に戻ったとしても、一度は破られた事実は拭い去れない。
在りもしない想像をどれだけ繰り返しても、事実は変わらない。
それでも、想像している最中だけならその苦しみも和らぐがゆえ、何度も何度も想像をしていた。
スタンとの性行為という点では、今回は想像ではなく現実だ。
無論、想像したときと大分違う・・・場所は物置ではなく彼女の部屋で、彼女の布団の上。
しかし、前日に約束したときとはまた違う。体は処女ではない、大分汚れてしまった。
膣内に出された精液は、洗ってももう取ることのできない場所にまでいってしまい、卵子をもとめて疾走している。
ひょっとしたら一夜でルーティの卵子に受精させてしまったかもしれない。
気丈に振る舞う彼女の内には、苦しみが色濃く残っている。
「スタン…」
小さく言うと、スタンはすぐに「何?」と顔を向けてくれた
「昨日、処女あげるっていったのに・・・守れなくてごめんなさい
その約束自体やぶっちゃって…………嫌な女よね、あたしは」
「全然。俺だって、最近約束破ったよ」
「何回も言うけどね、汚れてるのよ?犯されたのに、あたし・・・少し感じちゃったのよ……
ひょっとしたら、淫乱なのかもしれないのよ?」
「『どんなのでもルーティだ』って、俺はさっきから何回も言ってるよ
それに、『綺麗だ』っても何回も言ってる」
ルーティの顔を見ると、もう一枚ティッシュが必要なぐらい涙が出ていた。
残念ながらティッシュは既に在庫切れ。
「そろそろ俺からも、一つだけ言っていいかな?」
そういうと、スタンは大きく深呼吸した。終わると、真剣な表情で彼女を見た
「俺にもさ、『家族を幸せにしたい』っていう夢があるんだ。英雄にしちゃ小さい夢かな?
だけどまだ子供もいないし、お嫁さんもいないんだ。できれば、俺が一生をかけて愛する人に、子供産んで欲しいんだけどさ……」
表情は真剣なまま、ルーティを見続けていた。
ルーティも、スタンの眼を見続けていた。
二人とも、このときの心臓の速さが今までの比ではないということに気がつくこともなく、お互いの表情を見続けていた………
永遠とも思われる一呼吸の時間をおいて、スタンははっきり声に出した。
「ルーティは、俺の子供を産むの………嫌?」
「あ・・・・あた・・・あたしは…」
質問の答えはとうに出ているが、声は出なかった。
スタンが言っていることは、さっき自分から言ったことなのに、他人から言われるとどうしてこんなに返事をしにくいものなのか・・・
汚れたと何度も言っているのに、スタンは全く気にしない。プロポーズともとれる告白をしてくれた。
「・・・・・ぅ・・うぅ・・・ひぐっ・・」
スタンの優しさに、ルーティは我慢できなくなって大声で泣き始めた・・・
質問に答えたくても泣き声で答えられない彼女の身体を、スタンは広い懐の中で優しく抱いて、髪を優しくさすった。
「つらいんだろ・・・泣いていいよ。声が外に漏れないように、俺の胸貸してあげるよ」
ひたすら泣き続ける彼女を、ずっとスタンは子供をあやすようになだめた
ルーティはむせび泣く中で、小さく喋った。
「……あんたの子供ね、一人でも・・・たった一人でもいいから……………生みたいっ」
何とか聞き取れた彼女の声は、そういっていた。
ルーティは泣き止むと、それまで身体を預けていたスタンから急に離れて前に出た。
「………スタン、あたしにいれて」
スタンに背を向け、四つん這いになったその状態は、スタンからは大切な処が完全に丸見えで、愛液が僅かに垂れている
・・・ごくんと喉を鳴らして、彼女の腰に自分の腰を近づけ、肉棒を掴んだ
今度は、ちゃんと大きなままだ。
(あれ?)
スタンは初めてだったからか、中々うまく入る場所にあわない。
物置でピンポイントに入れたのは、今思えば本能の成した技だろうか?本能が引っ込んだ今では、童貞らしい行動をしていた。
(え、えーと…)あくせくしながら探した。
これ以上焦らされるのはルーティもお断りであった
「ここよ・・・」
手をのばし、スタンの肉棒を自分の秘所へと誘導した。
「いれるよ…」
スタンの言葉に、ルーティは小さく頷いた
亀頭を、ルーティに誘導されたところへゆっくりと押し出した
・・・ちゅぷ
「い…たっ」
ルーティの顔が歪み、苦しそうな声が出た。昨日開通式を迎えたばかりで、まだ身体は受け入れることを慣れていないために感じた痛みだ。
肉棒は、四つん這いになって小さく開いている彼女の中にすんなりと入っていった・・・物置で感じた抵抗が今回はなかった
(は・・・入った!!)
ルーティがたった今、自分を受け入れてくれた
彼女の中に入ったと感じた瞬間、スタンは嬉しくて涙が出た
「ルーティ、俺・・・ルーティの中に入ってるよ!あったかくて、みずみずしくて、すっごい気持ちいい!!」
スタンの下で、ルーティも涙を汗だとごまかせないほど流していた。
「うん・・・あんたが入ってる。他の誰でもないあんたが、あたしの中に入ってる」
しばらく、二人とも動かなかった。
うつ伏せのルーティの上にスタンが乗った状態では、スタンの重みがルーティにかかっていたため、膣も圧迫される。
想像以上によく締まるルーティの膣内で、少しでも動くと射精してしまいそうだ。
射精を我慢していたため、スタンの神経はほぼ全て肉棒に集中していた。
(ん!?)
ルーティの中に入っている先端の部分が、何かに触れた・・・・液体のようだ、ぬるりとして気持ち悪かった
それがルーティを犯した男達が残した精液だということに気付くのには、それほど時間はいらなかった
(…………………)
スタンは黙って、自分の下にいるルーティに目をやった。その横顔は、苦しみの表情だった。
形や大きさが違うとはいえ、男の肉棒を受け入れたことが、先日の輪姦されたことを思い出させたからだった。
それが分かった途端、スタンに敗北感が出た
(くそっ!よくもルーティを・・っ!)
もし犯人を見つけたら、全員殺してやりたい・・そんな気分のスタンだったが、下にいるルーティの方が大事で重要だった
首筋に軽いキスをしたらルーティは「ひゃっ」と言いながら身体を仰け反らせた
「なあルーティ・・さっきみたいに、気持ちいいところ教えてくれないかな?」
「ちょ・・あんた、レディに対してなんてこと聞くのよ!」
「こことかどう?」
ぺろっ
「キャッ!」
耳の裏を弱く舐めると、ルーティは大きく反応した。
「ここ弱いんだな?」
その反応を見て、スタンはルーティの耳を執拗に舐るように舐め始めた
「あ・・ダメ!やぁん!ちょ・・・気持ちいいけどやめて!」
「気持ちいいならいいだろ?」
といって、ルーティの頼みを無視してぺろぺろ続けた。耳たぶを軽く噛み、舌で優しく扱う。
次第に声をあげなくなったが、息は肩でするほど荒々しかった。
まだ腰は動かさず、スタンはルーティの感じるツボを探していた。
うなじも弱く、軽く指でなぞるだけで震えていた。スタンが「全身が性感帯なのか?」と思い始めたとき、ルーティから注文が入った
「スタ・・ン、あの・・・・」
もごもごしていてはっきり聞こえない、「もうちょっと大きい声で」と頼むと、今度は大きな声で
「胸が冷えたから、あっためなさい!」と言った。
乱暴な口調と、ちょっと物欲しそうな顔は全く一致しなかった。
手をルーティの前にまわし、手の平で包みこんだ・・・つんと立つ乳首は、手に出来た固いまめで擦ってあげると、すぐに固くなった
「くぅぅ・・・」
固くなった部分を指先でちょんっとつまんで、さらに固くさせるためにねじったり、つねったり・・・
触ると分かったが、言葉とは違って、胸は冷えてはいなかった。
ルーティは風邪をひいて高熱だから、むしろ熱くて熱くて・・・ただ、スタンは気持ちいい。
(うわぁ〜柔らかいなぁ〜)
手の平にくる、熱くてふにゃふにゃのルーティの身体の気持ちよさは、密着していると何者にも例えられない気持ちよさだ
それでいて、少し頭も働いてくるから不思議だった。
あんまり痛いと気持ちよくなると同じように、あんまり興奮すると逆に冷静になるようにでもなっているのか(いや、絶対にならない)?
(こうやって触ってみると、仰向けの胸とうつ伏せの胸だと、
ちょっと違うな・・・仰向けだとちょっと固いけど、うつ伏せになってるとあんまりそういうのないし
欲を言えば、触るだけじゃなくて見たいんだけど・・しょうがないか)
それはさすがに無理、両の手でルーティの胸を温めるように揉みながら体の至るところを密着させていた
高熱の身体に触れていると、自分がお湯になったような錯覚まで起こしてしまう。特に股間の熱さは格別。
いつしか自分の肉棒が触れた他人の精液の存在を忘れ、自分がルーティの中に入っていることも当たり前のことのようで、意識しなくなっていた
「スタン、そろそろ動いて・・・」
思わぬ注文が入った―――ルーティの声はどこか苦しそうだ
また、輪姦されたときの苦しみでも思い出したのかもしれない、スタンは彼女を思いやると、自分の手をルーティの手の横においた。
「あのさルーティ、俺の手をとか握っていれば少し安心すると思うから、握ってくれないかな?」
「・・・ええ、一応そうさせてもらうわ」
少し遠慮がちな口調だが、ルーティはスタンの手をしっかりと握った。
握っている力は強くて、汗ばんでいたことから、ルーティが実は恐がり、今は強がっているのは明白だが、スタンはあえて口に出さなかった
スタンは一度ルーティのうなじにキスをした。
ヌル…
そして、ゆっくりと腰を引き、ゆっくりと戻した・・・動きは遅いが、ルーティは慣れていないのでこれぐらいの遅さでも痛みが出ていた
小さな痛みで、ルーティが我慢できるため、スタンは気付かなかった。膣内の心地よい感覚に混じって、スタンが気になることは別にあった
「ルーティ、顔見せてくれないか?」
スタンからはルーティの顔が見えないので、どんな表情をしているのか分からない。痛がっているのか、気持ちいいのか、横顔すら見せなくて分からない。
少し時間が空いて、その間スタンは徐々に腰を動かす速度をあげていた。その最中、ルーティはゆっくりと、顔を向けてくれた
ルーティの気分は横顔だけで判断できた。その顔からは快感に溺れているのがはっきりと見て取れる。
「ちょっと、強く動いていい?」
「え?」
返事を待たず、スタンは少し強めに腰を受け付けた
「ひゃうん!んッ・・・あぁあ!!」
大声でルーティが喘いだ!
隠すことなく、柔らかな声が部屋に響いた・・・その反応に気をよくしたスタンは、もっと早く強く打ちつけるように動かした!
肉棒を押し付ける膣の締め付けは、前後させることによって更に強い刺激を与え、スタンの頭が真っ白になっていくような感覚になっていく
熱く滾った肉棒が前後する度に、ルーティは快感が雷のように身体を駆け巡る気がした
「きゃぅっ!ひっ! ひぁっ!!」
猫のように可愛い声で、体の感じるままにルーティは喘ぎ声を出した
男達に犯されたときには、どれだけ感じても絶対に出さなかった声を、スタンにはこころいくまで聞かせていた
自分の中を動きまわるスタンの肉棒の動きは単純だったが、前夜に犯されたときの何倍も気持ちよい
ルーティのほうからも弱くだが腰を動かし、快感を求めた
「う、やば・・・もう、限か・・い・・・」
その腰の動かしがスタンには最高の刺激となり、絶頂に達した
「ルーティ!ルーティ!!で、出る!!!」
「出して・・・中で、あんたの子供・・・欲しいから」
スタンの右の手がルーティに強く握られ、もう片方の手はしなやかな腰にまわり、自分の方へ引き寄せた!
「う、うわぁあ!!!」
声と同時、スタンは腰をルーティの奥深くに打ち付けた!
そして、スタンの身体が一度大きく震え、ルーティも大きく仰け反り、二人は共に叫んだ!
・・・ルーティの膣内にスタンの精子が注がれ、二人の身体から力が抜けていった
射精を終えても、スタンは抜こうとしなかった。
ルーティも同じく、スタンをどけようとせず、彼の手を弱く掴んでいた。
意識が朦朧としているのは、風邪のせいだけではないだろう。
「スタン・・・何とかして、あんたのアレを抜かずにあたしと向き合えないかしら?」
頭がうまく働かない中、ルーティはなんとか声に出した。
「う、うん!ちょっと待ってくれ」
というと、スタンはルーティと上半身を離し、自分とルーティのつながっている下半身を見た
自分のものを、ルーティがずっぽりと受け入れている様子をずっと見ていたいという気持ちはありながらも、
なんとかしてルーティの身体を自分の方へ向けられないかと考えた
ぐっ
ルーティの太股を抱え、強引にこちらの方へ向けた。こんなことは初めてで、なかなか上手くいかないのでルーティには股関節に弱い痛みが発した。
それでも何とか二人は向き合えた。膣からは、白い液体が少しもれていた、その光景でスタンは満足感と充足感に胸がいっぱいになった。
ピク!
膣内で自分の肉棒が少し捻れ、再び固くなってきた・・・ルーティの中でだらりとしていたが、固さを取り戻した途端に再び快感を与えた!
「あっ!」
「きゃっ!」
二人の声がハモった。快感というよりは、驚きの声だった。ようやく向かい合って見れたルーティの顔は、やっぱり気持ちよさそうだ・・・
スタンは顔を近づけてもう一度キスをすると、ルーティにのし掛かった。二人は繋がったままだったが、これ以上行為をすることはなかった。
「このまま、居ていい?」
「好きにしなさい」
というと、ルーティは布団を取って、スタンと自分の上にかけた。
ふにゃ・・・
二人とも急に眠気が襲ってきた。体のダルさが極限に達したというか・・・
「気持ちいい」とか「幸せ」とかそんな気分ではなかった。ただ夢心地で・・・・・・・・・……――- 気付いたら、二人とも寝ていた。
目が覚めたら、外は明るかった。夕焼け空は一回りして朝になっていた。
先に起きたのはルーティ、全裸のスタンを見て、今更ながら裸の自分が恥ずかしくなった
「はぁ・・・あたしまでスタンと同じくらいよく寝るようになっちゃったのかしら?」
と呟くが、そのスタンはまだ完全に熟睡中。夜中に一度起きてルーティから抜いた後、また眠りに入ったようだ。
ズキン!
「痛っ!」頭が痛んだ!風邪はまだ治っていない。二日連続、裸で寝て風邪が治るわけがない。・・・が、体温は37度8分と、かなり下がっていた。
隣で寝ている男に熱をとられたのだろうか?とにかく、動くことぐらいは出来そうだった
自分に覆いかぶさって寝ているこの男をどけるのは簡単だったが、それも今はいいか、と思っていた。
「ダリルシェイドの宿屋においてきたままの水が勿体無い〜!」と思ったりもしたが、それもどうでもいいかと思った。
子供達の食事も―――それはよくない。子供だけで食っているといっても、
何を食っているのかよく分からない以上は自分がしっかりと面倒をみてやらねばならない!
さっさとスタンを起こすか、どけることにした。この寝起き悪い男を・・・・・
何度も頬を叩いても、残っていたコップの水を背中にたらしても、起きる気配は見せない。本当に寝起き悪い。
「はぁ・・我ながらどうかしてるわ。こーんな奴の子供を欲しいだなんて。
もしかしたら、同じくらい寝ぼすけの子かもしれないじゃない。冗談じゃないわ。
ちゃんといいところも受け継いでくれればいいんだけどね・・・」
そういって、スタンの顔を見た。20歳とは思えないほど、子供っぽい寝顔だ
彼のさらっとした長い金髪をさすって、ルーティはスタンの唇にそっと自分の唇を重ねた。
反応なし、スタンは寝たままだった(これで起きたらおとぎ話だ)。
頬を抓ってみたら、なぜかにこにこ微笑み、髪の毛を引っ張ると寝息が止まった(起きてはいない)
どこをどうしたらどんな反応が返ってくるのか、もうちょっと楽しみたいルーティだった。
だが、子供たちが腹をすかせているだろうと思って、手っ取り早くスタンをベッドから落とした!
ギャス!
「・・・ん・・ぁあ?」
墜落音とともに、スタンはようやく目を覚ましたようだった。
寝ぼけた状態であり、昨日何をしたのかも頭にないようだった。
腰が痛むことから、どういうわけか腰が異常に疲れていることだけが頭にあるようだ。
ただ、バスタオル一枚を纏ってベッドの上で自分を睨んでいるルーティを見ると、「あ、そうか!」と思い出した。
「ほらほら、あんたはさっさと服を着て仕事に取り掛かんなさい。あたしはその間にご飯作ってあげるから。
働かざるもの食うべからずっていうでしょ!?」
スタンが目を覚ますと、急にいつものルーティらしくなった。
輪姦された恐怖はまだどこかに残っているだろうが、それ以前のルーティに戻ったように見えた。
そんな彼女に安心すると、スタンは急に畏まって彼女を見た。
「ルーティ………これからも、ずっと一緒にいよう!」
一瞬、ルーティはきょとんとしていた。それが正式なプロポーズだと気付くのには、時間はいらなかった。
しかし、スタン本人はそれがプロポーズの言葉だったと気付くのには時間がかかった。
「あんたの子供を欲しいって言ってるんだから、あんたがいないとどうにもならないでしょ!?当たり前のことじゃない、一緒にいるなんて
あんただって、夢の実現のためには子供を産む人が必要でしょ?あたしがいないとダメじゃない!」
というと、スタンの着替えを投げつけて、部屋を出て行った。
やや乱暴な言葉だったが、部屋の外に出たルーティは笑顔だった。
それから一年ほどたってからか、ルーティは無事に子供を出産した。
その赤子は金髪と蒼い瞳を持っていた、まぎれも無くスタンとルーティの間にできた子供だった。
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