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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
the seed becomes the rose
〜実践的性教育のススメ -アーヴィング殿編-〜
【序章】
523氏(20スレ目) ロイド×コレット 2006/02/19 2006/02/19

世界再生が終わって、俺はアルタミラのビーチに来ていた。 
みんながそれぞれの道に行ってしまう前に、慰労会をやろうとリフィル先生が提案したからだ。 
慰労会という言い回しがいかにも先生らしいが、きっとそれはただの名目で、
信頼していた男に裏切られ、そのショックを引きずったまま沈み込んでいた俺に気を使ってくれたんだろう。 

アルタミラのホテルに着くと、みんなで以前もらった水着に着替え、ビーチに向かった。 
はしゃぐ皆を横目に、俺は泳ぐ気にも遊ぶ気にもなれずに、一人で浜辺に座り込んでいた。
しいなやkコレットの水着姿がやけに眩しかったのを覚えている。 
「どうしたの、ロイド。せっかく海に着たんだから泳がないと。」 
水が苦手なくせに無理して俺を誘う先生の言葉にも、俺の気持ちを動かす手助けにはならなかった。 

「もしゼロスがいたら、無理矢理にでも引っ張っていくんだろうな・・・。」 
一人でじっとしていると、想いが無駄に巡り、消える事もせずに俺を苦しめる。 
こんな時でも正直な身体が憎い。 
「ロイド。」 
いつの間にかクラトスが隣に腰を下ろしていた。 
「お前は、他人に気を使うことも覚えなくてはいかんな。」 
そんな事は言われなくても分かってる。分かってるけど、身体が言うことを聞いてくれない。 
「いくら落ち込んでるからって、楽しむフリくらいは出来るだろう。それともフリすら出来ない理由でもあるのか?」 
「・・・・・。」 
「無いのか?だったらいつまでも座り込んでいないでさっさと立て!」 
クラトスは俺に怒鳴るように言うと、理由を言うに言えずに黙って座ったままの俺の腕を掴み、
無理矢理立たせよう引き上げた。そして、見られてしまった。 

いくら血の繋がった親だからといって、あんな状態になった下半身を見られて平気な奴なんているだろうか。 
「・・・悪かった。すまん。その・・・なんだ、いつまでもこうしていても仕方なかろう。」 
謝られても、俺にはどうしようもない。必死に取り繕おうとする彼の姿が、今の俺には滑稽にさえ映る。 
「どうしたらいいんだよ。」 
髪一重の希望すら含まぬ、無気力に近い声で俺は答えた。するとクラトスは、妙に落着いた声でとんでもない事を口に出した。 
「抜いてきたらどうだ?少しは治まるだろう。」 
「抜く?何をだよ。」 
咄嗟のこんな質問にも関わらず、俺は冷静にそう答えた。 
もちろん意味は分かっていたが、親とそんな話が出来るわけが無く、恥ずかしさも手伝って、つい知らないフリをしてしまったらしい。 
「まさか、まだ知らないのか?」 
俺の答えを聞き、驚きと不安の交じったような難しい顔をして俺の顔を見つめる。息子の性教育に不安でも覚えたのだろうか。 
俺が知らないというポーズを取ると、ふいに立ち上がり 
「少し待っていろ。みんなにはお前の体調が悪いとでも言って来るから、その後部屋に戻るぞ。」 
と言い、みんなの所へ歩いていった。 

戻ってきたクラトスは、コレットを連れていた。非常に嫌な予感がする。 


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