総合トップSS一覧SS No.5-046
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
背徳レッスン 472氏(20スレ目) ルーク×ティア 2006/02/16 2006/02/16

 思ったより柔らかい赤毛が、胸元に擦りついてくる。
 くすぐったいような、それでいて嬉しいような曖昧な感覚と共に、雛のような髪型の頭
を抱き寄せた。
「ルーク……眠れない?」
 狭い宿の寝台で、素足を絡めるようにしてもつれ合い横たわる。
 まだ不器用な彼との情事が終わったのは、半時ほど前だ。
 疲れてしまったのか、うとうとと船を漕ぎ出した彼を抱き寄せ、眠りに付こうとしていた
のだが、枕元の電気を消そうとしたところて、緑色の眼がぱちりと開いている事に気がついた。
「う、うん…ごめん。起こし、ちまったか?」
 視線が定まらず、何度か瞬きをしてから目線が会う。と、照れたように眼が笑った。吐息
が敏感になった胸元を擦って、むずがゆい。
「大丈夫よ。それより…寒かったかしら」
 安宿のケットは薄い。バチカルは比較的温暖な地域だし、ルークも素裸だ。寝冷えでもし
たのではないかと、腕を背筋に滑らせると、密着した背筋がピクリと震え、胸元を押しつぶ
すようにして身を寄せてくる。
「バッ…違う、って。あんま、さわんな」
「何よ。寒かったかどうか確かめただけじゃない」
 気遣いにそっけない言葉を返されて、つい語尾がきつくなる。途端、至近距離にあった顔
が、眉を下げて黙り込む。

 ああ、又。
 やってしまった、と。僅かな後悔を感じながらも、何も言えずに此方も黙り込む。自分の
良くない癖だった。
 素裸で抱き合いながら、こんな事まで交わしても、どうしても自分達は何処までも自分達
の侭らしい。
 視線を下げれば、首筋を赤くした侭のルークは、所在なさげに胸元に頬を埋めた侭、視線
を逸らしている。
 先刻まで、あれだけ楽々と自分を揺さぶっていた男とは、やはりどうしても思えない。
 しかられて、しょげた様子はまるで、子供のようで……
 其処まで考えて、思考を停止する。

(まって。幾ら何でも子供だなんて。大体、本当の子供だったら、私がした事って…は、犯
罪じゃない)

 可愛いものがすきだからといって、可愛いと言うだけでコンナ事は許さない。
 許さない、と思うのに…ああ。
 どうしてこう、可愛いばかりの表情をするのだろう。
「ティア……?」
「え? あ。ごめんなさい。寒くない、なら良いの」
 沈黙に耐えかねたルークが、上目遣いにうかがってくる。途端跳ね上がった鼓動に、語尾
を思わず震わせながら、精一杯優しい(ように見えるだろう)笑みを浮かべて、赤い後ろ髪を
撫でてやった。
 と。違うとでも言うように、その頭がふるふると左右に揺れる。
「…え?」
 何、と。問いかけ掛けた体が、ぐるりと回転させられた。同時に、両の太股にがっしりと
した指が掛けられ、大きくより開かれる。

(えっ、ええっ、えええーっ!)

「る、ルークっ?」
 頭上から、膝の間に割り込む形で此方を見下ろしていたルークは、真っ赤になった目元
を潤ませて、何処か起こったような声で一言。
「だ、だから触るなって…言ったんだ。む、胸とか、脚とかくっつけたり。背中撫でたりと
か。されたら…!」
 ごり。
(……あ。)
 太股の内側へと押し付けられた、彼の自己主張に「あ」という形で口と目が開く。
 頭上には、泣き出しそうな、バツの悪そうなルークの顔。その顔がクシャリと歪むのを見
ながら、笑いを堪えきれずに両腕を差し伸べる。
「仕方が無いわね…ルーク?」
「…う」
 声をつめて、益々と体を硬くする青年を、手招くように引きずり寄せる。自然と重なる体
と腰を、膝を寄せて招きいれながら、首を逸らせて胸を揺らす。
 胸板の上で大きく胸が揺れると、息を呑む音。
 止まらないからな、と。
 宣言するように聞こえたかすれ声に、深く笑って腕を首筋へと掛けることで答えとした。


 一寸だけ、犯罪ちっくな、背徳感を楽しみながら。


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