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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
涙の新婚初夜 腹黒堕天使氏 おろち×しいな 2006/01/09 2006/01/16

「しいなキレイだよ」
「よく似合ってます」
「おめでと〜」
その日ミズホの里には祝福の声が上がっていた。
世界が再生され数年、頭領である藤林しいなが結婚することになった
「ありがと…」
しいなは白い花嫁衣裳に身を包み仲間達に囲まれ照れているのか頬を赤くし座っていた
しかし人生で最も幸せだと思われるこの瞬間にも関わらず、しいなの心の中には大きな穴が開いていた
『もしアイツがいたらなんて言ってくるんだろう?』
しいなは無意識にそこにいるはずのない人物を探していた。その人物のことを思うとしいなの顔から笑顔が消えていった
「皆、花婿さんの準備ができたわよ」
そこにもう一人の主役である花婿がやってきた
「このやろ〜しいなを泣かせたらただじゃ済まないぞ!」
「しいなのことよろしくね」
仲間達は花婿を取り囲みからかいながらも祝福していた。しいなはそのやりとりを眺めていた
『アイツが生きてたら私が結婚することどう思ったかな?』
人生の晴れ舞台にいながらも、しいなの胸は苦しくなり自然と涙が零れていた。
しかし周囲の人間はそれが嬉し泣きだと思い誰も気にも留めていなかった。

「ねぇあたし結婚したんだよ」
式が済み宴も終わり里の者は家に戻り客人も用意された部屋に向かった。
しいなは誰もいない新しい部屋でなにかに語りかけていた
「アンタあたしのこと自分のものにするんじゃなかったのかい?」
その声はどこか寂しく悲しげに聞こえた
「起きていたのか」
背後から男の声がした。入浴が済んだ花婿である
「あ・うん・・・」
慌ててしいなはそれを引き出しの中にしまった。だが花婿はそれを見逃さなかった
「今なにをしまったんだ?」
花婿が引き出しに手をかける
「なんでもないよ!」
しいなは腕を押さえつけた。その行動だけで見られたくないものだと察知するのは充分だった
「神子の輝石か?」
その一言にしいなの顔が強張った。図星のようだ
「お前と神子殿は・・・」
「そんなんじゃないよ」
花婿の問いかけをしいなは途中で遮った
「そんなんじゃない、あたしとアイツはそんな関係じゃなかった」
しいなは俯き震える声で答えた
「でも・・・あんなことになるんなら、意地なんか張るんじゃなかった・・・」
しいなと神子・・・つまりゼロスは別に特別な関係ではなかった。
しかし、しいなにとってゼロスは特別な存在ではあった。ただ素直になれず特別な関係に発展することはなかった
だからこそしいなは今だ後悔していた。素直にならなかった自分とゼロスを救ってやれず死なせてしまったことを
「俺が忘れさせてやる」
花婿はしいなを優しく抱き寄せた。しいなの鼓動が速くなっているのが伝わってきた
「ありがとう・・・おろち・・・」
しいなとおろちはこの日夫婦になった。しいなにとっておろちは幼馴染であり兄のような存在でしかなかった
だから好きだと言われたとき戸惑いはしたけど決して嫌ではなかった。おろちは今までどんな時でもしいなの味方をしてくれていた
自分のせいで両親を死なせてしまっても、おろちはしいなを恨まず側にいてくれた。それがしいなを救っていたのは事実だった
だからこそしいなは、おろちと結婚することを決めたハズだった・・・
「しいな・・・」
おろちは部屋の明かりを消し布団をめくった。二人は夫婦になったわけで、これからすることは一つしかなかった
「どうしたんだ」
緊張して動かないしいなを布団に運び横たえると優しく口付けてきた。
唇・首筋・胸元と徐々に下がり浴衣の帯が解かれ素肌が晒す。
「ダメ!」
しいいなは勢いよくおろちを突き飛ばした
「ゴメン・・・やっぱり無理・・・」
布団で体を隠し震えている。その姿から今もしいなの心の中にはゼロスがいるということを悟った

「待って!お願い止めて!」
「どうしてだ、俺じゃダメなのか」
おろちは強引に布団を剥ぎ取りしいなを押し倒した
両手首をつかみ押さえつけ逃げられないようにする
「俺じゃ代わりにもなれないのか」
そして帯で腕を縛り自らも浴衣を脱ぐとしいなに覆い被さった
「あ・・・」
胸の間に顔を埋め両手で挟むように揉み解すとしいなは抵抗を止めた
拒絶したいという気持ちと受け入れようとする気持ちがぶつかり、それが体の自由を奪った
「やぁん・・・」
おろちの手が下着の中に入ってきた。そこはいつの間にか潤っていて疼いていた
「あぁ・・・」
指が潤っているそこに入り込み中を掻きまわしている
その度にしいなの体には刺激が走り潤いが増してきた
「脱がすぞ」
最後の一枚が脱がされ体を隠す物がなくなり羞恥心から体が硬直する
その間にも足が広げられ秘部に顔が近づいていく
「あ!あぁ!ひゃあん!」
誰にも見せたことのないそこに今まで感じたことのない刺激が走る
逃げたくても体に力が入らず起き上がることすらできない
「あぁーっ!」
しいなの体の中でなにかが弾け刺激を与えられていたそこから熱い物がが溢れてきた
全身が熱く火照っていて息が乱れていた。目も虚ろで焦点があっていない
「もう少しで終わらすからな」
おろちはしいなの両膝を曲げると固くなっていた自分のモノを押し当てた
「あぁ・・・イヤ・・・あ!あぁーっ!」
入り口を見つけると最初はゆっくり、徐々に勢いを増し一気に中に侵入してきた
今まで侵入を許したことのなかったそこは無理矢理道を広げられ壁を破壊され血が流れ出した
両手を拘束していた帯を解き腕を自分の背中に回す。しいなの頬に自分の頬を当てると涙が伝ってきた
「愛してるぞ」
「あぁん!あ!あぁぁぁ!」
耳元で優しく囁きしいなの息が整うのを待つとゆっくりを腰を動かし始めた
左右に腰を振ると動きに合わせてしいなの口から艶やかな声が零れる
「ふあぁん!あっあっあっ!」
しいなの腰を押さえつけ自分のモノをギリギリまで引き抜くと激しく何度も打ち付ける
「あぁ!あんっあんっあんっ!」
部屋にはしいなの喘ぎ声と淫らな摩擦音が響いている。それがますますおろちに火をつけていった
「し、しいな・・・出すぞ」
「あぁ・・・はあぁぁぁん!」
おろちの中から熱い物がしいなの中に放たれた。全てを出し尽くすと、おろちはゆっくりとモノを抜いた
自分としいなに布団を掛けグッタリとしているしいなを抱き寄せる
「バカ・・・待ってって言ったのに・・・」
耳元でしいなの声が聞こえた
「すまん」
「ゴメン・・・」
「どうしたんだ?」
「あたしまだゼロスのことが忘れられない・・・」
「そうか・・・」
それ以上おろちはなにも言わなかった。黙ってしいなを抱きしめたままなにも言わなかった


「しいな、おい起きろ」
誰かがしいなを起こす声がする。いつの間にか眠っていたようだった
「誰?」
そっとおろちの腕をどかし布団から出るとしいなは目を疑った
「ゼロス・・・」
そこには数年前に死んだはずの男が立っていた
「随分と熱々じゃないの〜♪俺様見てて興奮しちゃったよ、でひゃひゃひゃひゃ!」
「なんで?どうなってるの?」
しいなは何度も目を擦った。これは夢のなのか?しかし夢にしては意識がハッキリとしている
「今からそいつに取り憑いて犯っちゃっていい?」
「なにバカなこと言ってるんだい!ほ・本当にゼロスなの・・・?」
「そうよ〜こんなイケメン俺様以外の誰だっていうのさ〜」
ゼロスは陽気に笑っていた。これが夢ではないのなら幻か?だが幻にしてはおしゃべりだ
「なにしに来たんだい!」
「なにしにって・・・まぁちょいと話しを・・・」
「話し?」
「あぁ、どうしても言っておきたいことがあってな」
ゼロスは気まずそうな表情でしいなの前に座った
「俺さぁ・・・お前に惚れてたんだ・・・」
「はぁ?」
「どうしてもそれ言えなくて輝石にずっと宿ってたんだ」
「・・・・・・・・」
しいなはなにも言えず部屋には静寂が残された。夢や幻でもゼロスに好きだと言われたことに顔が熱くなってきた
「今更なに言ってんだい!あたしはもう・・・」
「そうだな、遅かったな・・・わりぃ」
「でも・・・嬉しい・・・ありがとう・・・」
大粒の涙が零れた。遅かったがやっと素直になれたことに胸のつかえが取れた気がした
「なぁ一つワガママ言っていいかい?」
「なんだい?」
「俺様さぁ・・・お前らの子供に生まれ変わってもいいか?」
「え・・・」
「お前のこと次は必ず側で守ってやりたいんだ」
「本当に・・・?」
「形は違ってもお前のこと幸せにしてやりたいんだ」
「本当に側にいてくれるの?」
「あぁ約束する。だから・・・いいだろ?」
「うん、絶対だよ。絶対あたしの子供に・・・」
「じゃあまたな」
「ゼロス・・・」


「んん?しいな、どうした?」
おろちが目を覚ますとしいなは縁側に腰掛けていた。しいなの周りが妙に輝いている
「ゼロスの輝石を壊したんだ」
空を見上げたまましいなは答えた
「いいのか?」
「うん、でないといつまで立ってもあたしらの所にこれないから」
「俺達の所?」
「こっちの話しだよ」
しいなは立ち上がり襖を閉めるとおろちの横に座った
「おはよう、これからよろしくね」
そして唇にそっと自分の唇を重ね抱きついた
「しいな・・・」
「もう大丈夫だから」
「そうか・・・」
その後二人は何度も口付けを交わし互いの愛を確かめ合ったのだった




〜その後の夫婦生活〜

しいなとおろちが結婚してから10年の月日が経った
2人の間には3人の息子と先日待望の娘が生まれ、とても賑やかな生活を送っている
「お母様・・・」
昼食の準備をしているしいなに甘えん坊の三男が抱きついてきた
「なんだい?今ご飯の準備をしてるんだから父ちゃんと遊んでな」
「嫌だ、お父様嫌い」
この三男は何故か生まれた時から父親には懐かないでいた
父親が近づけば泣き出し、どんなに父親があやしても泣き止むことはなかった
そして今も無意味に父親を敵視し近づこうとしなかった
その為2人は前世でなにかしらの因縁があるのではと里中から思われている
「父上!母上!大変です!」
そこにしっかり者の次男が現れた、なにか慌ててる様子だ
「どうしたんだい?」
「兄上がまた女の子達を泣かせております!」
「なんだって!!」
この次男は里の子供達の中でも誰よりも真面目で勉学も修行も家の手伝いも自ら進んで行っていた
そして3兄弟の中でも一番の妹想いで両親が手が離せないときは次男が妹の世話をしていた
「まったくアイツは性懲りもなく」
騒ぎを聞いて父親も出てきた
「おぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
だがタイミング悪く妹が泣き出してしまった
「妹は僕が見ていますので早く兄上を止めに行って下さい」
「頼んだよ!」
夫婦は娘と三男と鍋を次男に任し一目散に長男の元へと向かった

「こらー!今度はなにやってんだバカ息子!」
駆けつける長男の周囲では女の子達が泣いたり怒ったり怯えたりしている
「私達にイヤラシイことしたの」
「やはりそうか・・・」
実はこの長男は夫婦、いや里の悩みの種だった
長男は誰に似たのか毎日のように女の子を泣かせたりしていたのだ
「なんだよ〜お前ら全員俺の嫁になるんだから将来巨乳になるように揉んでやっただけだろ!」
「お前は本当に俺の息子か・・・」
父親は呆れ涙を流している。一体この夫婦はどんな躾をしてるんだ?
「アンタなんか絶対に嫌!」
「またまた照れるなよな〜」
この長男はとにかく無類の女好きだった。そして巨乳が好みだった
そのせいで父親は里中の人間から人格が疑われているくらいだった
「まったく!アンタには時期頭領としての自覚はないのかい!」
「それくらいあるっつ〜の。だから今からこいつ等が巨乳になるようにしてんだよ」
「んなことしなくていいんだよ!!」
今度は両親揃って鉄拳が飛んだ。一体誰に似たんだ長男は・・・
「だいたい里の娘全員を嫁にするなど無理だと言ってるだろ!」
「そんなの俺が頭領になったら掟を変えるからいいんだ」
「このバカ息子!なんで娘全員と結婚したいんだい」
「だ〜って皆好きなんだもん♪誰か1人になんて絞れね〜よ」
「・・・・・・・・・・・」
夫婦は返す言葉が見つからず、その場に崩れるように倒れた。これが将来里を背負うのかと思うと頭痛がする
「せ・せめて女の子が嫌がることはもうするな・・・女は胸じゃないんだぞ」
どうやら怒る気力がなくなったようです
「え〜俺も母ちゃん級の巨乳と結婚して父ちゃんみたいに毎晩“ピーッ!”とか“ガーッ!”とか“ギャーッ!”とかグァーッ!とかして“ザーッ”してもらいたいんだよ!」
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
あまりにも過激な発言の為女の子達は完全に引いてしまった
「バカ!声がデカイ!」
「意味分かって言ってんのか!」
夫婦は慌てて長男の口を封じたがもう遅い。すでに娘を迎えに来た親達に聞かれてしまっていた
「あらあら奥さん聞きました」
「まぁ2人ともまだ若いからね〜」
「でも子供の前で仲良くしすぎるのも考えものね〜」
「そういや2人とも子供の頃から仲が良かったけど頭領の胸が大きいのも・・・」
プライバシーを暴露された夫婦は恥ずかしさのあまり顔が燃えている。しかもすでに尾ひれ背びれがつき始めていた
一体明日にはどんな情報が里中を支配するのだろうか?だが息子はそんな両親など気にもせず再び女の子にちょっかい出している

「も〜やだ!一体誰に似たんだい!」
「俺はあんな子供じゃなかったぞ!」
その夜、頭領の屋敷から言い争う夫婦の声が聞こえた
「今すぐ里を出ていきたいよ!」
「気持ちは分かるが耐えろ。お前は頭領なんだぞ!」
「あんな子供生むんじゃなかったよ!」
「諦めろアイツは紛れもなく俺達の息子なんだ・・・」
こうして今日もミズホの夜は更けていくのであった

女好きの長男・妹思いの次男・父親嫌いの三男・先日生まれた長女、果たしてこの中にゼロスの生まれ変わりはいるのだろうか?

〜お終い〜


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