総合トップSS一覧SS No.4-090
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 314氏(18スレ目) アッシュ×ナタリア 2006/01/01 2006/01/03

「あの、アッシュ、待って」
彼は振り向かないままシェリダンの出口へ向かう歩を止めた。
「・・・お願いがありますの。こちらにいらっしゃって」
アッシュは無言で踵を返し、町の奥の方へと向かうナタリアを追った。
ナタリアが立ち止まった場所は飛晃艇船渠がある区画。
周辺に船渠の関連工場が多くあり、民家が極端に少ないこの区画は早朝も相まって誰もいなかった。
ナタリアは辺りを見渡し、建物の影の人目につかない場所に入っていった。

「・・・頼みって何なんだ、しかもこんなところで」
少し遅れてアッシュがやってきた。彼は訝る様子も無く暫く辺りを見渡していたが、周囲は殺風景な壁ばかりで特に面白みは無く、
自ずと興味はナタリアの“お願い”に向いていた。
先に立ち止まった彼女をよく見て見ると、俯いて顔を赤くし、僅かに震えている。
「どうした、風邪でもひいたのか? ウイルスボトルならあるぞ」
間違ってポイズンボトルを差し出すアッシュ。
「違いますわよ!」
俯いたまま一喝。その勢いにアッシュが少したじろいだ。
「あ、ああ、これはポイズンボトルだったな。ウイルスボt」
「それではありません! そもそも風邪なんてひいていませんわ!」
じゃあ何なんだ? と言わんばかりの表情でポイズンボトルを懐に仕舞う。アニスの「アッシュはボケ担当」と言った意味がよく分かる。

暫く気まずい沈黙が流れていたが、彼女は何かを決心したように顔を上げると、アッシュに向き直った。
そして、沈黙を破る。
「あの・・・アッシュ・・・その・・・」
彼女の唇がキュッとしまる。
「・・・私を・・・抱いてくださいまし!」
「――――――――――は?」
恐らく、これが今までの彼の人生の中で一番間抜けで情けない声だっただろう。
訳も分からず呆けている彼に、ナタリアが詰め寄る。紅潮した顔を隠す事も無く。
「・・・お願いしますわ」
哀願するようにアッシュとの距離を縮めた。アッシュは当然、顔を真っ赤にして後退った。
「ばっ、何言ってやがるんだ!」
アッシュが怒鳴る。怒鳴るほか無かった。7年振りに再会した愛する女性から「抱いて欲しい」などと言われては、混乱するわ気恥ずかしいわ
何が何やら。とにかく昂ぶりに昂ぶった感情が大声となって出て行く。いや、出て行かさなければどうにかなってしまいそうなのだ。
「本気ですわ」
彼女はたじろぐ事無くそう言うと、金髪をさらりと後ろに流し、唇をアッシュのそれと重ねさせた。
「・・・ん・・・・・」
数秒間、二人の唇は重なり続けた。その後、どちらがでも無く離れていく。
また暫くの沈黙。
「・・・・何故だ」
今度はアッシュが落ち着きを払って、沈黙を破った。昂ぶった感情は先程の行為ですっかり流れてしまったらしい。
ナタリアは唇を指でなぞりながら、静かに口を開いた。

「・・・私、やっぱり怖いんですの。どれだけ強がっても、またお父様に拒絶されるのではないかと思うと」
あれだけ大切にしてくれた父に急に掌を返された彼女にとっては、心の大きな支えがへし折られたようなものだった。
あの父の目。信じたくないと言う目の中に、一点だけ見えた疑いの眼差し。どれだけ辛かった事か。
「だからアッシュ・・・貴方に、・・・愛してもらえたなら、私、たとえ再びお父様に拒絶されても・・・」
「・・・お前にはあいつが・・・ルークがいるだろう・・・ファブレ家の、婚約者が」
アッシュは半分投げやりに話を遮った。存在を奪われた自分に出る幕は無い。そう思いながら。
「違いますわ」
ナタリアの穏かな、それでいて力強い否定。
「確かに彼は大切な友人の一人です。けれど」
彼女は再び顔を紅潮させて、改心の笑顔を見せた。
「私が愛しているのはファブレ家のルークではありません。あの日、あの時、プロポーズの言葉を下さったルークなのです」
・・・ああ、なんて。
なんて健気なのだろう。なんて嬉しい言葉をくれるのだろう。この娘は。
アッシュは心の中でそう呟いた。
「・・・俺も、俺もお前を愛する気持ちはあの日から一つも変わっていないんだ・・・」
これが彼の素直な気持ちだった。何も隠す物無く、オブラートを取り払った、本音。
「だったら、今だけでもいいですわ。あの7年前貴方に、ルークに戻って、私を抱いて下さい、愛している証を下さい・・・!」
彼は、もう彼女を愛しく思う気持ちに歯止めをかける術を持たなかった。思い切り抱きしめて、唇同士を触れ合わせる。
今度はアッシュの舌がナタリアの口の中に滑り込んだ。
彼女は最初は驚いて、口内を蹂躙されるがままになっていたが、おずおずと舌を差し出すと、それを待っていたようにアッシュのそれが絡み付く。

「・・・ん・・ふぅ・・・チュ・・ゥ・・・」
唾液が絡み合い、舌の柔らかい感触をお互いに感じあう。
しかし、それも長く続かず、先に苦しくなったナタリアが口を離した。
放心したように火照った顔を虚空に向けて余韻を味わっていると、アッシュが休む事無く服越しに胸を触れてきた。
「・・・ッ・・・!」
恥ずかしさと不思議な快感に息を詰まらせて身をよじる。
決して小さくはない胸が鷲掴みされて揉みしだかれている。微かに漏れる甘い息がアッシュの鼻腔をくすぐった。
「あの時は・・・胸なんて気にも留めなかったのに」
両手で包み込むように。何度も何度も愛撫する。
「・・・今は、こんなにも惹きつけられるなんてな」
「・・・やぁ、言わないで下さいまし! ・・・恥ずかしい・・・!」
されるがままになっているが、目を逸らして気恥ずかしさを隠すための無意味な努力をする。
またそれが堪らなく愛しかった。
後ろに回りこむと、再び右手で胸を掴むと、左手で髪を掃い、うなじに舌を這わせると同時に、先端を強く摘まんだ。
「ひぁあ!」
ナタリアは嬌声と共に体を震わすと、腰の力が抜けたらしく、力なくその場にへたり込んでしまった。
呆ける彼女にお構いなく、アッシュは後ろから座り込んで彼女のストッキングに手をかけた。
「きゃ、ちょ、ちょっと! アッシュ!・・・何か今の貴方、エッチですわよ!」
「そういう行為をしているんだ。当たり前だろう」
全く悪びれる様子も無くブーツが当たる所までスルリとずらす。一緒に下着もずらされ、秘部が露わになってしまった。
手早くグローブを脱ぎ捨てると、早速人差し指が肉壁をかき分けて進入していった。
「やぁ!・・・あ、ふぁあ!」
彼女は急な快感に身をよじらせて喘ぐ。既に内部は大変な量の愛液が分泌され、
きつく締め付ける肉壁の中での人差し指の動きが幾分滑らかになっていた。
上下左右色々な方向に強引に動く指を伝って、愛液が手の甲から滴り落ちた。

「感じやすいんだな。もうグチョグチョだ」
ナタリアは、「そういう卑猥な言葉はやめて欲しい」と制止をかけようとするが、
口からはだらしなく涎が垂れ、声は声にならず、可愛らしい喘ぎ声となって空中を舞う。
ぬるぬるする肉壁をなぞるように擦られると、背筋がぞくぞくするような寒気と、脳が蕩けそうな快感に襲われて堪らない。
「キュウキュウ締め付けてきやがる。指の血が止まりそうだな」
卑猥な言葉をやめる事無く平気で連発するアッシュ。これには堪えきれずに、とうとうナタリアが怒った。
「そ・・んな・・・エッチ・・・な言葉ば・・かり言って・・・! 恥ずか・・・しくありません・・・の・・!?」
彼は瞳を潤ませ、憤慨する彼女の手を掴み自分の左胸にあてがった。
・・・ドクン!ドクン!ドクン!
彼の鼓動の音は、下手をするとナタリアより大きいかもしれない。よく見ると、頬が真っ赤になっている。
「お前、羞恥心を煽ると感じやすくなるタイプだろう。よく濡らしておかなければ後々が痛いだけだ」
これも彼なりの気遣いだった。ナタリアに、愛する女性に、できるだけ痛くさせずに処女を奪う。
これが愛する初めての女性を相手する男性の義務なのだろう。少なくとも、アッシュはそう考えている。
だから、恥ずかしい科白も大声で言おう。
「ありがとう、アッシュ」
ナタリアはそう言って口付けを・・・せずに頬をつねった。
「痛てぇ!」
「私は断じてそんなタイプではないですわ! よろしいですわね!」
「・・・・・・・・・事実だろうが」
ぎゅうぅぅぅ〜!
「痛てぇッ! いて! わ、分かった! スマン!」

・・・ややあって。
「・・・んあ! ひゃあ! ア、アッシュ! ダメですわ! おかしく・・・おかしくなりそう!」
ナタリアは興奮していた。今までどんな殿方にも見せた事の無い秘部を、愛する彼が、舌で舐めているのだから。
「・・・全然止まらんな。次々に溢れてくる」
奥に滑り込ませようとするが、狭すぎて柔らかい舌先ではとてもではないが入らなかった。
それでも、彼女は酷く興奮しているので、それ以上の快感を必要としてはいないことを溢れ出る愛液が物語っていた。
試しに指を2本滑り込ませてみた。肉壁は指を動かすのに、さしたる抵抗をしなくなっている。ほぐれてきている証拠である。
これならば、と指でナカを荒々しく掻き回した。考えられる範囲全体に指が暴れまわる。ナタリアは訳の分からないほど
次々に襲い掛かる快感に、頭の中は真っ白になっていた。
最後の止めにと、淫核を摘ままれ、津波に飲まれるように大きなオーガズムに意識が流されたようだった。
「ふああ!? ひああああーー!」
彼女の嬌声が一際高くあがったかと思うと、
愛液が指の間からピュクピュクと吹き出てきた。
「・・・イったか・・・」
体が痙攣を起こして、周期的に大きく震えている。
「ぁ・・・あうぅぁ・・・は・・・ぁ・・・あの・・・ア・・ッシュ・・・そろそ・・ろ・・・」
肩で息をしながら、地面に横たわってうわ言のように呟く。そう、いよいよ、である。
「ああ、そうだな・・・」
思いもしなかった。もう二度と触れ合う事も無いと思っていた、あのナタリアと、こうして繋がる事ができるなんて。
アッシュはズボンを下ろし、目の前の愛しい人の乱れように、すっかり興奮してしまった陰茎をさらす。
彼女は「大きい・・・」とだけ呟いたが、特に恐怖は感じていないようだった。
「・・・いくぞ・・・」
ずり下ろしたストッキングが少し伸びる位、足を広げさせ、男を受け入れた事の無い秘部の入り口にあてがう。

少しずつ、纏わりつく肉壁を押し広げて進んでいく。
まだ子宮でも無いのに、柔らかな壁にぶつかった。これがこの行為に及ぶ事が初めてである事を示している。
まだ少しためらうアッシュにナタリアが微笑んだ。
「・・・来てください、アッシュ・・・」
その艶っぽい笑みと、潤んだ瞳に、アッシュの躊躇いは雲散霧消してしまった。
「あうっ!」
一突き、先程より確実に奥に進んだ。同時に、何かが弾けたような音が微かにしたかと思うと、
アッシュの男根は全て、ナタリアの秘部に収まっていた。
「・・・ナタリア・・・?」
アッシュが心配そうに名前を呼ぶが、彼女は気丈そうに涙の滲んだ瞳で、無理な笑顔を作って見せた。
「大丈夫ですわ。アッシュ、動いてください。そのままだと辛いのでしょう?」
ところが、彼はまるで聞こえていないように動こうとしない。
「アッシュ・・・?」
訝るようにナタリアが問い掛けると、アッシュが急に彼女を抱きしめた。
「きゃ・・・」
「大丈夫な訳が無いだろう。痛みが引くまではこうしていろ」
暫くの間呆然としていたナタリアだったが、抱き返し、「ありがとう」と嬉しそうに呟いた。

「繋がってますわね・・・私たち・・・」
「ああ・・・」
朝日がまだ眩しくないような時間に、二人は最も幸せな時を迎えていた。
二人の鼓動が重なり合って、速く脈打っているような感覚に襲われる。
「・・・もう大丈夫ですわ。動いてもよろしくてよ」
ようやくナタリアが抱きしめた腕を放す。すると、アッシュもゆっくり腕を解いた。

「・・・名残惜しいな」
「え、何か仰いまして?」
「い、いや、何でもない。・・・動くぞ」
ゆっくり、アッシュが腰を引いていく。そしてもう一度突き入れる。
これを段々と速い動作へと変えていった。
アッシュは半ば生殺しだったので、優しいピストンでも十分に気持ちよかった。
初めての異物挿入を受けた膣内の奥側が激しく責め立てるように愛液を絡ませ、締め付けた。
彼女も、最初は痛みが強かったものが、徐々に快感の種が発芽してくる。
「あ、あぅ! 気持ち・・いい・・・!」
熱い肉棒が膣内を擦り、ジュプジュプと卑猥な音が結合部から漏れ、目の前では愛する人が快感に悶えている。
これほど性的刺激が強い物が揃っていては、初めてのナタリアも興奮せざるをえない。
一端、陰茎を抜くと、アッシュはナタリアを四つん這いにさせようとした。
しかし、彼女はこの体勢に羞恥を感じるらしく、
散々渋ったが最後には何とか挿入まで持っていく事が出来た。
「・・・少し激しくいくぞ」
腰に手を当てて、激しくピストン運動を始める。一撃一撃が激しく、荒々しいので、
先程とは違った遠慮のない趣向がまた心地よい。
「あ!あ!ああ! アッシュ! はげしッ!いぁ!」
定まった狙いも無く、ただ獣のように突き立てる。子宮の入り口を突付いたり、
時にはナタリアのGスポットに偶然あたってしまい、
嬌声が響き渡り、思いっきりアッシュのモノを締め付けたり。
しかし、そんな快感の連続はいつまでも続く事は無かった。
突き上げるたびに二人に訪れる快楽は二人を絶頂へと突き飛ばすように向かわせた。

「ナ、ナタリア・・・! 俺・・・もうイきそうだ!」
もう限界だということを伝え、ピストンのスピードを限界まであげる。
「わ、わたく・・しも、もう・・・!ダメェ!あああああああ!」
激しく突き立てられ、「一緒にイこう」と伝えることは出来なかった。
「くぅ・・ああ!」
「アッシュ! アッシュ! アッシュゥ!!」
結果として二人は同時に絶頂を迎え、熱い精液がナタリアのナカに注がれた。
ズルリと萎縮した陰茎が滑り落ちた。
後を追うように精液と愛液と血が混じった混濁液が地面に垂れた。
「アッシュ・・・愛してますわ」
「ナタリア・・・ありがとう。俺もだ」

明るみを帯びだした日の一端が口付けを交わす二人を照らした。

「気をつけてくださいね、アッシュ」
「ああ。・・・そうだ」
アッシュが微笑んだ。
「伯父上は―――お前の父はきっと大丈夫だ。お前を受け入れてくれる。信じろ」
ナタリアも微笑んだ。
「貴方がいう事は、何故だか信じられてしまいますわね。不思議ですわ」
彼は朝日が射す街の門をくぐって行った。


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