総合トップ>SS一覧>SS No.4-082
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作品発表日 |
作品保管日 |
無題 |
887 ◆P0IfHjzAm.氏 |
イオン×アニス |
2005/12/27 |
2005/12/30 |
全知全能であることが求められる地位とは言え、女体や性についての知識までは修めていない。
図書館にある本で学べるのは精々花の受粉の仕組みだとか、おしべとめしべの断面図程度だ。
興味が高じて一度だけ大詠師モースに尋ねたこともあるが、
「イオン様にはまだお早い話ですな」
と子供扱いされただけで終わってしまった。
確かに自分は子供だが、しかし同時に一人の男でもあるのだ。
年頃になって女体に興味を持つのは性というものであろう。
「うぅ、イオン様も大変なんですね。…でもどうして今、こんな体勢になる必要が…」
病弱であっても男であるイオンにはそれなりに力があり、押さえつけられると身動きが取れない。
早朝。寝起きが悪いイオンをアニスが叩き起こす。それはいつも通りの光景──の筈だった。
ベッドから伸びた白い手に腕を掴まれて、その中に引き込まれるまでは。
「うん。だからアニスに、色々と教えてもらおうと思って」
無邪気に言う顔には、邪な思惑が一切見当たらない。
規則だ何だと言いつつ、夜になればその手の場所で性欲を撒き散らす教団員たちとは違う。
イオンにしてみればこれは、本を読み知識を吸収することと何ら変わりない行為なのだろう。
つまり学習の一環。現に今、イオンの瞳は好奇心をいっぱいに湛えてアニスを見つめている。
(…押しのけるわけにもいかないしなぁ……)
イオンの事は決して嫌いではない。
むしろ密かに親近感以上のそれを抱いている。
しかし物事には順序というものがある。大人の階段は、一段飛ばしで上ってはいけないものだ。
「あっ、あのー…待って下さい、イオン様」
「どうしました?」
「えーと、あの…ほら、私まだ子供ですからぁ、勉強にはならないと思います!」
「大丈夫ですよ。それに…」
「そ、れに?」
そっちが大丈夫だとしても、こっちはとてもじゃないが大丈夫ではない。
だがその無垢な笑顔を至近距離で見せられると、不思議と抵抗する気が失せてゆく。
「僕はアニスが良いんです」
その行為は無意識の殺し文句を皮切りに始まる。
イオンは遠慮がちに、しかし楽しそうにアニスの衣服を剥がしにかかった。
「だ、ダメ…ですってばぁ…」
着衣を鎖骨の位置までずり上げても、指が沈みこむ女特有の膨らみはまだない。
申し訳程度に膨らんだそこ、未成熟な体は未だ発展途上といった所だ。
しかしイオンは震えるそれに興味をそそられたのか、おずおずと顔を近付けてぱくりと口に含む。
「ひゃっ!」
「?!アニス、痛いんですか?」
「そ、そうじゃ、ないんですけど…」
「そう言えばさっきより固くなってますね。本当に痛くないですか…?」
「…い、痛くないから、そのままで喋んないでください!」
唾液で濡れたそこに息がかかると、何とも言えない気分になる。
口では言えない場所、体の奥深い所がじんじんと熱をもち潤みだすのだ。
「は、ふ…」
「気持ち良いですか?アニス」
「…はぅ」
二つの頂きを一つの口で行き来するのは効率が悪いと考えたのか、イオンは指も使い始めた。
口では母乳を吸うようにしゃぶり、指ではくりくりと乳輪をなぞっては摘み上げる。
するとアニスの唇から、熱っぽい吐息と短い喘ぎが零れる。
「ィ、イオン様っ…やめ…」
夢中になっているイオンの耳に、弱々しい制止の言葉は届かない。
「アニスは、ここをこうされるのが好きみたいですね」
独り言のように呟くと、いよいよ下半身の方にイオンの手が伸びる。
恍惚とした表情のアニスは、その様子をただ黙って眺めるだけだ。
「ぁ…」
「すごい…!」
感嘆の声に思わず身をよじろうとするが、殆ど力の入っていない体は思うように動かない。
子供向けの白い下着はしっとりと濡れて張りつき、小さな割れ目を浮かび上がらせている。
イオンは初めて目にする女体の神秘に、心底驚いているようだった。
「脱がせても大丈夫ですか?」
「…!!」
無言の訴えを了承と判断したのか、下着を膝下まで下ろされる。
イオンはそのまま性急な手つきで、アニスの秘部に指を這わせ始めた。
「ひゃう!」
「どうです?」
「ゃ、やだぁ…」
つたなく緩い指の動きがもどかしく、腰が自然と揺れ出す。
恥じらう心は残っているが、一度火の点いた体は言う事を聞かない。
真っ赤になったアニスを見下ろしながら、イオンが楽しくて仕方ないといった風に口を開いた。
「…女の子はやっぱり不思議な存在ですね。こうするだけで子供ができるなんて」
純真な二歳児は、やはり無邪気にさらりと言ってのける。
「……は?」
衝撃的な一言で正気に戻ったアニスは固まり、素っ頓狂な声を上げた。
「イ、イオン様?今なんて…」
「おしべがめしべに触れると子供ができるのでしょう?この前本で読んだんですよ」
「………」
間違ってはいない。
いや間違ってる。種類にもよるがめしべに触れるのはおしべ自身ではなく花粉で
──ってそこではなく!
「…あのねイオン様。それは花の場合でしょ?」
「人の場合は違うんですか?」
「全然違うよ!触るだけじゃなくて挿れない、と…」
そこまで言って自分が相当大胆な発言をしていることに気づき、アニスは口をつぐむ。
しかしイオンはお構いなしにストレートな疑問をぶつけた。
「いれるって…どこに?」
「ど、どこって聞かれても」
「ここですか?」
イオンが指差したのは、とろとろと愛液が溢れているそこの下にある孔だ。
「ち、違うんですってば!挿れるのはこっち──」
そして自分の体勢に気づいたアニスが再び凍りつく。
秘部全体をイオンにさらけ出す格好のままそこに指を差しているのだ。
反射的に脚を閉じようとするが、イオンの体が間に入っているためそれは叶わない。
「ここに指を?」
「その…指じゃなくて、えと……」
「こう、かな」
「あ…!」
アニスの上半身がびくりと震えた。
拓かれたことのないアニスのそこは固く、指を一本入れるのにも難儀する。
ぎゅうぎゅうと容赦のない締め付けに、流石のイオンも顔をしかめた。
「い、痛っ!」
「アニス、力を抜いて」
「無…理で…すよぉっ!」
アニス自身はイオンに従おうと必死だが、未発達の器官と不慣れな感覚がそれを許さない。
薄く汗ばむ顔と体全体を震わせながら、忙しなく細い肩を上下させる。
するといつしか爪先が白くなる程きつくシーツを握りしめる手に、柔らかな手が重ねられた。
「イオ…」
目を開けてイオンを見上げると、彼は何とも複雑な表情を浮かべている。
「そんなに、痛い?」
「う…」
「辛い思いをさせてごめんなさい、アニス。でも僕…」
とても悲しそうな、今にも泣き出すのではないかと思わせる表情。
「…何でだろう。アニスが辛い思いをするのは嫌なのに、止めたくない」
これではどちらが責められているのか分からない。
切実な告白を聞いたアニスは一つ息を吐くと、下半身の鈍痛をぐっとこらえて笑ってみせる。
「…や、やだなぁイオン様。確かにちょっとだけ痛いですけど…でも気持ちいいから平気です!」
「アニス…」
「女の子は初めてのとき、痛くて当たり前って聞きましたもん。へっちゃらですよぅ」
青ざめた笑顔で言う台詞に説得力はない。
だがアニスの気持ちだけは痛い程伝わってくる。
イオンは一旦引きかけた身を戻し、埋め込む指を二本に増やした。
「ぁ、あ…」
「辛かったら、言ってね」
出来る限り優しく、じっとりと熱くぬめる内部を探る。
最初の内は息を詰めて苦しげに身悶えるばかりのアニスだったが、次第に変化が起き始める。
「ぁ…んんっ」
くぐもり声が嬌声へと昇華する。
イオンもその変化を感じ取ったのか、安心したように頬をほころばせた。
そのまま緩急をつけて、胎内の指を上下左右に蠢かせる。
先程見つけた上部にある肉芽を、玩具か何かのようにコリコリと弄りながら。
「イ、オン、さまぁっ…」
「アニス…」
「ダメっぁ…ぁああっ…!!」
一際大きな声が上がり、アニスが背中を弓なりにしならせる。
初めての絶頂は呆気なく訪れた。
濃い愛液が、イオンの指と媚肉の間からぴゅくっと飛び散る。
「気持ちいい…?」
「は…ぃ…」
「良かった」
イオンが満足げに笑んで指を抜くと、栓を失ったそこからとろりと愛液が零れた。
アニスは急な喪失感に身を震わせながら次に備えて身構えるが、イオンはそれ以上何もしようとはしない。
驚いたように熱に蕩けた目を見開く。
「…イオン様」
「何?」
「もしかしてこれで終わり…ですか?」
「まだ他に、何かあるの?」
アニスは頭を抱えた。
そもそも本人が言っていたことだが、知識がないにも程がある。
前戯を済ませたこれからが本来の『お楽しみ』というものではないのか。
実際に覗き見たことが有るのは父親と母親の営みのみであるから、世間の事情は知らないが。
「あのですねぇ、イオン様」
「何?アニス」
「…私と場所変わってください」
「え…わっ?!」
腕を伸ばしてイオンの胸倉をつかむと、渾身の力で逆に押し倒す。
この際自分があられもない姿であることなど気にしていられない。
突然のことに驚くイオンを無視してその細い腰を跨ぎ、マウントポジションをとった。
「ア、アニス?」
「ご希望通り私が教えてあげますから、イオン様は黙って見ててください!」
そうして白い導師服の下で存在を主張する、雄の証に手が伸ばされる。
自分でもろくに弄った例しのないそこに触れられるのは、些かどころかかなりの抵抗がある。
だがすっかり本気になったアニスの気迫に押されると、もはやイオンには何も言えない。
その日栄えあるローレライ教団の導師イオンとその守護役は、初めて朝食の席に遅刻したのだった。
…世の中には学ばずとも良い事柄も存在する。
アニスの本性とその教訓を否応無しに思い知らされたイオンが、以来性に関する勉強に手を出すことは無かった。
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