総合トップSS一覧SS No.4-054
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 *氏 ゼロス×しいな 2005/12/01 2005/12/03

そう、それは突然に…前触れも無く。

フラノールで、アルテスタの容体の経過の報告を待っていた夜。
「い…っ、今…何て…!?」
しいなは、目の前に立つ人物の言葉に驚き、後退りする。
「だから〜…しいな、エッチしよ?」
ふわり、と紅い髪を揺らしながら、しいなの前で不敵に微笑むのはゼロス。
「っ…嫌だよ!何だってあんたなんかとっ!!」
包むかのように、壁に手を当ててしいなの逃げ場を塞ぐゼロスは、僅かな間を置いて言った。
「………ロイドくんとなら良いの?」
「ッ!!…そ、ういう訳じゃ…」

「…じゃ、どういう訳?」
「っ…!!」
するりと両手の指をしいなの指に絡め、壁に押さえ付ける。
いつものしいななら、正拳や蹴りの一つや二つかましているのだけれど。
ゼロスの顔は笑っていたけど…目が、笑っていなかったから。…怖かったのだ。
「ゼロ…ス…離して…!!」
声が震える。抵抗するにも、力が入らない。
「……」
ゼロスは何も答えない。俯いて、黙っている。
「…ゼロス……ッ!?」
しいなが声を掛けようとした、その時。
一瞬の隙にゼロスはしいなに口付けてきた。触れるだけの唇は、感触だけを残してすぐに離れる。

「……最後くらい、好きにしたっていいだろ…?」
「…え…っ…どういう、意味…ひゃッ!?」
質問の答えは返される事無く、ゼロスはしいなの喉元に紅い痕を付けた。続けて二、三箇所。
「…っ…!!」
腕を押さえ付ける力は思ったよりも強く、振りほどけない。
そうこうしてる間に帯を解かれ、ベッドに押し倒された。
「ッ…ゃめ…ゼロ、ス……ふぅっ」
必死に声を出して、止めるように願おうとすれば…またもゼロスは、しいなに口付けた。しかも、今度は深く…。

「んぅ…ッ、んん…」
舌を絡め取りながら、奥へと進入する。
ゼロスは口付けながらも、しいなの腕を頭に巻いていたバンダナで縛った。やがて、唇が離れる。
「……温和しくしてろよ?」
「は、ぁ…っ……ッ!?」
ゼロスは、タイツも下着も一気に脱がすと、しいなの身体の上で指を嘗めるように滑らせた。
「…先に腕縛ったの…失敗。上着脱がせられなかったな…」
「ゃ…ぁ、んっ…!!」
顔を胸に埋め、舌で突起を弄る。
驚きとその感覚に声を上げそうになると、ゼロスは指を唇に置き、しいなの声を遮った。

「…声、聞こえちゃうんじゃないか…?ロイドくん…とかに」
「ッ!!」
しいなが肩をびくつかせると、ゼロスは喉を鳴らして低く笑う。
「……そんなに固くなるなよ…」
「ひぁっ!?」
手が下の方へ伸ばされたかと思うと、ゼロスの指が秘部を撫でた。
「…もう濡れてる…」
「や、はぁ……っふ…ぅ…──ッ!!」
しいなは必死に声を出さないように口を塞ぐ。
ゼロスは片手で愛撫をしながら、自分も服を脱いでいく。
全てをに脱ぐと、もう片方の手で、自らの陰茎を扱き出した。

「んンっ…ぁ、ふぁ…っ!!」
「…っ…」
…しいなは与えられる快感に、度々身体を跳ねさせる。
ゼロスは自身を扱き終えると、しいなの秘部の方へ顔を近づけた。
「ゼロ、ス…?」
「…もうちょい、慣らすか…」
「きゃぅッ!!」
ぴちゃ…と、厭らしい音を立てて、ゼロスはしいなの秘部を嘗めだした。しいなは突然の事に嬌声を上げる。
「ぁ…っ…はンっ!!あッ、ぁ…あぁっ!!」
必死の我慢も、無駄に終わる。甲高い声が室内に響く。
「………可愛い、しいな…」
「ン…ぁ、はぁっ…」
ゼロスは愛撫を止め、再び覆いかぶさると、しいなの耳元で囁いた。

「…イイコト、教えたげよっか…?」
「っ…?」
しいなは朦朧とする意識を必死に保っている。
ゼロスはしいなの腕を縛っていたバンダナを解き、身体を起こして自分の身体を跨ぐように座らせた。
「…ロイドくん、外に居るから…声なんか聞こえてないからな…?」
「っえ…?──ッ!!!!」
しいなは息つく間もなく、身体に痺れが走った。
腰を勢い良く降ろされ、ねじ込むようにゼロスの陰茎がしいなの中に進入してきたのだ。
「痛ぅッ…ぃ、ぁあ…っ…んンッ!!」
「…っ…」
僅かに突き上げれば、しいなはゼロス自身をキツく締め付ける。

「ッ…はぁっ…ゃ、くぅ…ぜろ…す……痛いぃ…っ!!」
「…っ…我慢、しろよ…」
ゼロスもしいなの内壁のあまりのキツさに、眉を顰める。
それでもゆっくり出し入れを繰り返せば、痛みも快感へと変わっていく。
「っあ…ぁ…はぁ、んッ…!!」
「…しいな…」
ふと、ゼロスが動きを止める。しいなは脚をがくがくと震わせながら、困ったようにゼロスを見る。
「っぁ…」
「……」
しいなは、イキそうなのに直前で止められ、もどかしそうにしている。
…かと思えば、それに耐え切れず自ら腰を動かし始めた。

「…しいなってば淫乱…そんなに欲しかった…?」
「ぁ…だって、ぇ……ンぁっ!」
「…騎乗位じゃ、俺様イケねーや…」
それでも弱々しく腰を振るしいなに痺れを切らしたゼロスは、再びしいなを押し倒す。
「…な、に…っ?」
身体を強張らせるしいな。ゼロスはにこりと笑う。
「…壊れんなよ?」
「ぇ……ひぁ…ッ!!」
ゼロスはしいなの腰を掴み、激しく突く。
「ぁ…あ、はぅ……っん…ぁぁン!」
「ッ…」
奥へ奥へと、敏感な所を何度も突かれ…しいなは感じきった甘い声を漏らす。
「んァ…ゃ…め……ぜろ、す…ッ!!」

「っ…しいな…!!」
しいなに名前を呼ばれ、ゼロスは糸が切れたように更に激しく突いた。飛びそうな意識の中、しいなは思う。

(なん…で……何であんたは、そんなに…悲しそうな顔をしてるんだい…?)

ただ強く、しいなを抱いている訳じゃない。
大事なモノを扱うかのように、ゼロスはしいなの髪を撫で、名前を呼ぶ。──…悲しい表情を浮かべながら。
「ん…はぁッ、ゃぁぁあぁ…!!」
「…く、ぁ……しいな…もぅ、俺…──っ!!」
「ひぃあッ!?」
ゼロスは全てをしいなの中へと吐き出し、絶頂を迎えた。しいなも同じく絶頂する。

「ぁ…ン……はぁっ…」
「っ…」
お互い、肩で息をする。しいなは意識を保つのでやっと、と言った感じだ。寒い筈のフラノール。
激しい行為のせいか、汗で額に髪の毛が張り付いている。
ゼロスはしいなの髪を指で優しく抄くと、触れるだけのキスをした。
「ん…っ…ゼロス…」
「………な…………きだ…」
「ぇ……なに…?」
小さく呟いた言葉が上手く聞き取れず、しいなは聞き返す。
「…何でもない…」
「……」
ゼロスは首を横に振り、しいなの頬を指で撫でた。しいなはそのまま目を閉じる。

(…何だか、眠い…よ…)

薄れていく意識。受け入れ、眠りにつく。途切れる直前、最後に聞こえた言葉。

「しいな…ごめんな…」

そして、しいなはゆっくりと意識を手放した…。


(…どうして…こうなったの…?)

「馬鹿野郎…ッ!!」
「俺様、本当に馬鹿野郎なんでな………行くぞ!閃空衝裂破ッ!!」
ゼロスとロイドが剣を交える。

(…どうして…あたし達、戦ってるんだい…?)

「くそ…っ!魔神剣ッ!!」
「ロイド、援護するわ!フィールドバリアー!!」
「ファイアボールッ!!…しいな!何してるんだよっ!!」
立ち尽くすしいなに気付いたジーニアスが叫ぶ。

「今のゼロスくんは、危険です…戦うしか、ありません…!!」
「戦わねば、先に進む事はできん!即ち、世界が滅びる事になるのだぞ、しいな!!」
プレセアとリーガルも続けて叫んだ。
「…ゎ…かってるよ、そんな…こと…っ!!」
しいなは札を握り締める。

(ゼロスは…神子の立場にずっと苦しんでた…)

ゼロスは、ミトスの『協力すれば、神子の立場から解放する』と言う条件で、しいな達を裏切った。
「っ…風雷神剣!!」
今、ゼロスは随分ダメージを受け、弱ってきている。

(この…ままじゃ…っ!!)

しいなはゼロスを見る。…昨日と同じ、悲しげな瞳。

「やめろ、ゼロスッ!!」
「…っ…魔神閃空破ァッ!!」
ゼロスの剣先が荒くなってきた。ロイドは、必死になってゼロスを説得しようとする。
「…ッ、シャープネス!!しいな!何をしてるの!?このままでは、ロイドが押し負けてしまうわ!!援護してっ!!」
リフィルはしいなの前で術を放ち、言った。
「……」
しいなは顔を上げる。ロイドとゼロス…二人の方を見た。
「…!!」
ふと、ゼロスと目が合う。ゼロスはしいなを見るなり、また悲しげに笑い…口を開いた。

『好きだ』

「ッ!!」
胸が痛む。この痛みが何なのか、理解するまで時間は掛からなかった。

「……解ってたんじゃないか…」
瞼が熱くなる。涙が出そうになる。
「…初めから、死ぬ…って…解ってたんじゃないか…ッ!!」
あの悲しげな表情も、しいなを抱き、『ごめんな』と謝っていた事も。
「…全部…初めから…っ…!!」
頬を涙が伝う。えも言えない感情が溢れる。再びゼロスへと視線を移せば、しいなに気付いたゼロスは叫んだ。
「そんなんじゃ…俺様は死なねぇぞ!もっと…もっと、本気で来いやぁーッ!!」
「…ゼロ…ス…!!」
ゼロスの視線はしいなを向いていた。しいなは札を握り締め、走り出す。


あんな形で、愛されても…。

お互い、辛いだけなのに…。

どうして、今まで言ってくれなかったの?

あたしに遠慮してた?

あたしの好きな人が、ロイドだから?

もしかして、重荷になってた?

本当は…本当なら。

ごめん、って言わなきゃいけないのはあたしなのに。


目に浮かべた涙で、目の前がぼやけて映る。
「ごめ…ん……ごめんね、ゼロス…──ッ!!」
ゼロスの近くに到達し、札を振り翳して叫ぶ。
「破魔涛符…ッ!!」
「ッ…うぁぁ…っ!!」
途端、ゼロスは声を上げて倒れこんだ。

「「ゼロス!!」」
「ッ…派手に…やってくれちゃったな…」
傷口を押さえ、苦笑いを浮かべるゼロス。ロイドとジーニアスが駆け寄り、しゃがみこむ。
完全に弱り切ったゼロスは必死に言葉を紡いでいく。
「……ロイド…」
「…っ…」
しいなの脳裏に、今までの出来事が流れゆく。覚束ない、曖昧な記憶。
そうしている間にも、ゼロスの血の気は引いていく。
「かは…ッ!!」
「っ!ゼロス!!」
「!!」
ゼロスの掠れた弱々しい声を聞き、現実に引き戻される。しいなは、ゼロスを見る。
「ゼロス…」

すると、ゼロスは目に涙を浮かべ…微笑んだ。
「──…ッ!!」
「…ちゃんと…俺様のクルシスの輝石……こわせ…よ…」
そう言うと、ゼロスはゆっくりと目を閉じた。目からは一筋の涙を零して。
「ゼロス…ッ!!」
「…目を開けてよぉ…っ!!」
「…ジーニアス……ゼロスくんは、もう…」
「神子…いえ、彼が死ぬ程守りたかったのは…なんだったのかしらね…」
「他に道を開いてあげられなかった我々にも非はある。今は…彼の意志を無駄にせぬよう、進むしかない…」
仲間達がゼロスを囲み、悲しんでいる。

「…あたし……あんたに、言ってない事沢山あるのに…ごめん、って…ありがとう、って…」
その呟きは誰にも届く事無く、空の風に消えて行った。動かなくなったゼロス。涙が止まらなくて、手で何度も拭った。
「っ……この、馬鹿…!!」

…この涙は誰に届くだろう?

ただ…零れる涙。

きっと、この胸の痛みは…誰にも語らない。

それが、彼への想いの証でありたい。

もう、逢う事がなくても…。


END...


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