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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
TALES OF THE ABYSSAPPORO 札幌氏 ルーク×ティア 2005/11/21 2005/11/25


イオン「ルークさん、少し残って頂けますか」

ルーク「あぁ?何だよ」


星の空地、寒暖、明暗といった、存在の全てを生成する音素。
加えて、星を巡る”時”を司る第七音素。
そして、音素を生成し、”星の存在"の始まりから終わりまでを記した星の記憶。
星の記憶から生じる音素の集合体は自我を持ち、精霊、または、魔物となる。
存在の生成を成す事の無い亜端音素を用いてあらゆる現象を引き起こす、譜術。

今から2000年前、星の記憶の発見によって引き起こされた戦乱の最中に生じた障気は、
"星の存在"を守る為に一度世界を始まりに戻そうという、星の記憶の意志によるものだった。

人々の力では障気を消滅させる事は不可能だった。世界が存在し続けるほど、増して瘴気は溢れていく。
人々は生き延びるために、障気を星の記憶ごと封印しようとした。

人々は星の記憶を読み取る事の出来る音律士ユリアの力を伝に星の記憶と対峙した。
しかし、力量の差は圧倒的であり、人々の生存は絶望的と思われた。

しかし、ユリアの夫である神官ローレライが
力で勝てないなら、頭を使えばいい、と、自身を音素化して星の記憶と融合し、
その意志を以って星の記憶を操り、地上に出た瘴気を包むようにして覆った。
ユリアはそれを地底奥底に封印し、自らも音素化して地上に還らないように封じる栓となった。

それがローレライ教団の中枢部にあるユリアの墓であり、
地底には未だローレライの自我を持つ星の記憶が障気ごと封印されている。

やがてユリアの自我は死に絶えたが、
星の記憶と融合したローレライの自我は星の記憶から次々と生まれる新しい自我を取り込んでいき、
絶えることなく、延々と生き続けた。

長い年月を経て、ローレライの自我は共に封印されていた障気に汚染されていった。
やがて、無数に発生した星の記憶の自我が障気に侵食し尽くされ、ローレライの自我も完全に消滅した。


そして、現在。ローレライ教団が実質世界を統べる時代。
"ローレライの力を継ぐ者、キムラスカに誕生す。其は王族に連なる赤い髪の男児なり。”

そして、キムラスカに生まれた赤髪の男児、ルーク。

立場を危ぶみ、同時にローレライの力を欲した教団はルークを6歳の時に拉致し、

第七音素を用いてルークの身体を音素化し、ローレライの力を分離させようとしたが、
精神と共に身体自体もローレライの力で作られており、分離は失敗。
その時、ルークの身体が2つに分離した。

マルクトを疑ったキムラスカが戦争準備に入ったという情報が入る。
教団とて両国の戦争は望んでおらず、
まして人々から絶大な信頼を得る教団が"キムラスカの子供を誘拐した"という事を周囲に知られる訳にもいかないので
取り合えずルーク本体の方を教団内に隠し、分離したもう一方をキムラスカに帰す事にした。
ヴァン(当時16歳)の手によって、ルーク本体では無い方のルークがキムラスカに護送され、事態は無事収束した。

教団はルークに"アッシュ"という新しい名前を与えた。


この時、キムラスカ側のルークにはそれ以前の記憶は無く、精神はローレライ(人間)、身体は音素の集合体(精霊)という状態。
教団側のルーク、もといアッシュにはそれ以前の記憶が有り、身体はローレライ(人間)、精神は音素の集合体(精霊)という状態である。

そして、10年余りの月日が流れ、ティアとの接触により外の世界に出たルーク。
旅先で仲間達との出会い、アッシュと出会った。

歪んだ星の記憶が教団地下から溢れかえり、その黒く淀んだ自我が導師イオンに憑依した。
操られた導師の命により、教団は静かに暴走を始める。

世界を滅ぼそうとする教団の手下であるアッシュは最初はルークと対峙するも、
騒乱の原因を突き止めると共に2人は力を合わせ、2人のローレライの力を持って操られた導師と戦い
戦闘に勝利するもアッシュの命を失う事となった。

アッシュの死と共に分離したローレライの力がルークに融合。
ルークは6歳以前の記憶を取り戻すと共に、自分の使命を認識する。

自我を取り戻したイオンの先導と共に、ルーク達は最終決戦へと向かう。


暴走した星の記憶が地上に溢れ、自身の書き換えによって"世界の存在”自体を無かった事にしようとしている。

星の記憶の暴走を止めるには、やはり2000年前と同じように、俺の、ローレライの力が必要だった。
そして、ティアの力。自分と同じように、ユリアの力を受け継いだ者の力。

だが、2000年前に倣って封印を繰り返すようでは何も解決しない。

余り小難しい事はよく分からなかったが、要は、暴走した星の記憶を倒せば良いという事だった。

星の記憶が消滅するという事は、新しい音素が生まれないという事。

”星の存在”、つまり、生物を含む現存する物質や、新しく生まれ来る命なんかは
地上に溢れている音素の生死の輪廻により維持出来るらしいが、
言わば"リサイクル不可能"である亜端音素は完全に消滅してしまう。
つまり、譜術の消滅。
惜しい気もするが、世界が滅ぶとなれば仕方の無い話だ。


決戦は明日。
最後の会合が解散を迎えた時、俺一人だけが導師に居残りを命じられた。

ルーク「で、何だよ」

イライラしながら、導師を睨みつける。

イオン「すいません。明日を迎える前に、どうしても伝えておきたいことがありまして」
ルーク「何だよ、今更」
イオン「恐らく貴方にとって嫌な話になると思います」
ルーク「いいから、さっさと言えよ。」

―相変わらずトロいな、こいつは

イオン「・・・」

天井を見つめ、目を瞑る導師。

イオン「音素が自我を持つ事があるのは、ご存知ですか」
ルーク「・・・あぁ、いつかアニスが、そんな事言ってたっけな。精霊だろ?」
イオン「そう、精霊と呼ばれる者達です。」
ルーク「・・・ははん、分かったぞ」
ルーク「星の記憶を倒せば、亜端音素が消滅するから」
ルーク「それから生まれた精霊らも消えちまうって話か」
イオン「・・・そうです」
イオン「音素から生じた精霊達は、音素を継げ変える事で存在を維持し、成長させていきます」
イオン「それが出来なくなった途端、彼らは存在出来なくなり、消滅してしまうでしょう。」
ルーク「・・・でも、仕方無いだろ。世界が滅べばそいつらだって終わりなんだ。それなら・・・」
イオン「ええ、多少の犠牲が出るのには、目を瞑らなければならないと思います。」
イオン「ただ、貴方には知っておいて欲しいんです」
ルーク「あんだよ、まだ何かあるのか?」

イオン「・・・これは、私がまだ1歳か2歳の頃の話だそうです」
イオン「ローレライの力を継ぐ者がキムラスカに現れて、騒然としていた教団内で、ある事件が起きました」
ルーク「事件?」
イオン「歌です」

イオン「教団内全土に、どこからともなく、譜歌が響いてきたのです」
イオン「透き通るような、母親が子供に聴かせる子守唄のような感じだったそうです」
イオン「教団兵達は次々と眠りに堕ち、倒れていきました。」
イオン「当時まだ14歳だったヴァンさんは、ユリアの墓周辺の雑務を任されていました」
イオン「そして、歌が流れ出すと同時に、突如ユリアの墓の前に現れたのは」
ルーク「魔王か!?」

イオン「小さな少女でした」
ルーク「・・・」

イオン「ヴァンさんは、眠気を堪えて赤ん坊に近付き、宥めました」
イオン「すると途端に歌が止み、赤ん坊は眠りについたそうです」

イオン「教団はその赤ん坊が事の原因と見定め、その類稀なる力を当てに兵として育てる事にしました」
イオン「指南役として、発見者であるヴァンさんが指名されました」

ルーク「・・・まさか、それが」
イオン「そう、ティアです」

ルーク「じゃあ、ティアは、人間じゃないってのか」
イオン「・・・」

心外だった。
ティアが人間じゃない何かである事に、
いや、よりも、それに対して落胆する自分に腹が立った。
最近まで、自分こそがそうであったのに―

イオン「ご存知の通り、ローレライを追って転生を果たしたユリアと考えて間違い無いでしょう。」
ルーク「でも何で、俺みたいに人間の子としてちゃんと生まれて来なかったんだ?」
イオン「ユリアにはローレライほどの力が無かったのです。半身を転生する事で精一杯だったのでしょう」
イオン「だからユリアは、自身も使い手であった第七音素を集めて精霊化し、そこに自己の精神を融合させたのです」
イオン「つまり、ティアの精神はユリア、つまり人間の物。そして身体は第七音素で構築されています」
イオン「そう、アッシュと融合する以前の貴方と同じです」

ルーク「・・・」

ルーク「でも、それが何だってんだ?第七音素なら、星の記憶を倒したところで―」
イオン「第七音素が成すものは"時”です」
ルーク「・・・!!」
イオン「時は存在を成すものでは無いのです」

―まさか

イオン「そう、第七音素は”亜端音素”」
ルーク「ふざけるな!!」

ルーク「それじゃあ、ティアは! あいつは!!」

イオン「ルークさん!!」

導師の一喝に、取り乱した身が一発で竦んだ。

イオン「世界が滅びれば、ティアも死んでしまいます」
イオン「どうあっても、彼女に未来は無いのです」
イオン「彼女も、理解している事です」


ルーク「・・・」
ルーク「・・・”時”が無くなるってのは、ヤバイんじゃないのか」
イオン「第七音素の司る”時”は、宇宙を統べる”時間”ではなく、星の”経過”です」
イオン「つまり、”進化”も”退化”も無い、現状維持という状態が続く事になります」
イオン「表面的には聞こえが悪いですが、人々が過度なまでに進歩し尽くした現在となっては、実質的な問題は起こらないと思います」
ルーク「・・・」

ルーク「・・・あいつは、知ってるのか」

イオン「ええ、自分の事については、貴方に会う以前から知っているはずです。」
イオン「星の記憶を倒す、という話になった時から、ティアは自身の消滅を覚悟しているはずです」

イオン「私に対してなら、どんなに憎悪を抱いてもかまいません」
イオン「どうか、ティアの決意を、思いを、無駄にはしないであげて下さい」

ルーク「・・・他の奴等は?」
イオン「話していません。貴方が知らなかった以上、ティアも恐らく喋ってないと思います」
ルーク「・・・そうか。話は終わりか?」
イオン「はい。・・・ルークさん」
ルーク「ああ、分かってる。ちゃんとやるよ。」

虚無感に浸る身体を引きずるように、自分の部屋へと向かう。

ルーク「クソッ!!」

思い切り力を込めて今まで居た部屋のドアを閉める。大きな音が響いた。

通路を少し歩いた先でガイ、アニス、ティアの3人が何か話しながら自分を待っていた。

ガイ「何の話してたんだ?ルーク」
ルーク「るせぇ!!」
ガイ( ゚д゚)
アニス「あらら、何だかご機嫌斜め?」

ティア「ルーク・・・?」

つい足を止めてしまった。

吐き出す言葉が浮かばない。
振り返る事も出来ない。

ルーク「・・・・っ」

懸命な思いで込み上げる憤りを飲み込んで、そのまま自分の部屋に戻った。

ガイ「俺、何かしたっけ・・・ orz」
アニス「お気に入りのアレを壊したのがバレたんじゃないですかー?」
ガイ「なッ・・・なんでお前がそれをッ・・・!? まさかお前がルークに!!」
アニス「ち、違いますよー私はただ偶然あの時・・・」

ティア「・・・」


―ティアもそれを受け入れている。それで世界が救われる。それで良いはずだ。
―ここでティアを庇ったところで、世界が無くなれば意味が無い。
―どちらにしろ、彼女に未来は無い。
―それなら・・・

ベッドに伏せ、ぐるぐる回る頭の中を懸命に落ち着かせようとする。
が、どうにも上手く行かない。

― 頭冷やして来るかな

入ったばかりの自分の部屋から出て、今度はそっとドアを閉め、フラフラと甲板へ向かう。

誰かの部屋からテレビの音が漏れている。
微かにシャワーの音も聴こえる。

地味なもんだな。コレが世界を救おうとせん勇者様ご一行の姿か。
皆、人間なんだな。
皆、生きてるんだな。
誰がどれだけ強くなっても、普通の、一人の人間として、誰とも変わらず生きている。
他人の見えない所で、喜んだり、泣いたり、そうやって、生きている。
ティアも、それと同じはず―
何が、違うと言うのだろう。

どうして、彼女が。


深夜の停止したタルタロスの甲板は、普段の尊大さを微塵とも感じさせないほど静まり返っている。
むしろ満月の夜の闇と吹き抜けていく冷たい風が薄気味悪さを醸し出していた。

―寒い。風に当たるとかいうレベルじゃないな

部屋に戻ろう、と、そう思った時、
一人、深夜の黒い海を眺めている少女を見つけた。

―ティア。

声を掛けるのを躊躇する。
気付かれないうちに部屋に戻ろうとも思った。

だが、そんな事では、何も解決しない。

普段の自分ならどういう風に声を掛けただろうか。
煩雑する頭の中を懸命に整え、意を決して”何も知らない俺”を演じる。


ルーク「何してんだ、こんなところで」


ティア「!」


彼女は2、3度眼を擦るような仕草をして振り返った。

―・・・ 泣いてた・・・のか。

自分の中に動揺が走る。
そして、それは恐らく彼女にも共通していた。

ティア「る、ルーク、どうかしたの?こんな時間なのに」

ルーク「・・・あぁ、別に。なんか、眠れなくてな」

ティア「そう。・・・私もよ。」


―怖いんじゃねぇか

悲しみにも苛立ちにも思える感情が込み上げるが、
掛ける言葉が見つからない。

―情けない

沈黙が続く。
吹き付ける弱弱しくも冷たい風が、彼女の髪を靡かせる。
ティアは彼女なりに何か言おうと考えているようだったが
こちらから適当に話を切り出す事にした。

ルーク「いつだったっけな。」
ティア「え?」
ルーク「お前が、師匠を狙って侵入してきた日」
ティア「・・・あぁ、えっと、もう1年くらいになるのかしら」
ルーク「・・・そうか。早いもんだな」

ティアの隣に立って、柵にもたれて海を眺める。
風が冷たい。

ルーク「楽しかった」
ティア「・・・?」
ルーク「色々あったけどさ、俺は十分楽しめたと思うぜ。この旅。」
ティア「・・・ええ、そうね」

そう言うと彼女はまた海の方を見て、寂しげな笑みを浮かべた。
あらかさまな作り笑いだった。

―下手糞。

ルーク「・・・お前さ」


ルーク「お前、これが全部片付いたら、どうするんだ?」
ティア「・・・!」

一瞬強張った顔が、直ぐに辛そうな表情に変わった。

ティア「・・・」
ルーク「音素が存在しなくなるんだろ?」
ルーク「お前ただの人間になっちまうな。はっはっは」

―下手糞だな。俺も

ティア「・・・」
ルーク「教団の連中も、この先やっていけるのかねぇ」


ティア「・・・そうね。全然考えて無かったわ・・・」

そういうと彼女は、少し俯いたまま、再び作り笑いを浮かべて見せた。



ルーク「俺は、そのまま旅を続けようと思ってるんだ」
ティア「・・・」
ルーク「お前が、師匠を殺しに侵入してきたあの日から、俺は毎日が楽しくてしょうがないんだ」
ティア「・・・ルーク」
ルーク「キムラスカには帰らねぇ」
ルーク「またあんな檻の中に放り込まれるような事になっちゃたまんねぇからな」
ティア「でも、心配は掛けないようにしなきゃ」
ルーク「ナタリアが大方喋ってくれるだろ。大丈夫だって」

ティア「・・・そう。良いと思うわ」
ルーク「そうか?」
ティア「ええ、だって」
ティア「最近の貴方は、本当に、楽しそうだもの」


ティア「これが、世界を担う勇者様だなんて、信じられないくらい。」

ルーク「・・・お前の、お陰だよ」
ティア「・・・え?」

ルーク「理由はどうあれ、偶然であれ何であれ、あの日お前が来なかったら、俺は一生外に出られなかったかも知れない」
ルーク「お前が先導してくれなかったら、何も知らない俺は、路頭に迷うばっかで、さっさとジェイドに殺されちまってたかもしれない」
ルーク「お前がいてくれなかったら、俺は、立ち直れなかったかもしれない」

何故だかよく口が回った。
思いついた事を次々と吐き出していった。

ティアは顔を伏せて、黙って聴いていた。


ルーク「変な顔すんなよ。これでも、感謝してるんだぜ」
ティア「・・・今日は、随分素直なのね」
ルーク「俺はいつも素直だ」
ティア「・・・ふふ」


ルーク「・・・でな、まぁ、その、なんだ。」
ルーク「予定が無いなら、どうだ」

ルーク「一緒に」


―何言ってんだ、俺


ティア「・・・」
ルーク「・・・」
ティア「・・・」
ルーク「・・・」
ティア「・・・うん。」

ルーク「・・・え?」
ティア「嬉しい」
ルーク「・・・」

―また、こいつは・・・

ルーク「・・・そ、そうか、良かった」


ティアは俯いたままだった。
顔を隠すようにして、海を見ていた。

ルーク「・・・」
ティア「・・・」

ルーク「約束」
ティア「・・・?」

振り向いたティアの髪が風で靡く。


ルーク「約束、出来るか?」
ティア「・・・!」

腕を差し出し、小指を突き立てる。

ルーク「この前アニスが言ってたんだ。約束する時はこうするんだって。意味分かんねぇけど」

ティア「・・・」
ルーク「・・・」
ティア「・・・」
ルーク「・・・」
ティア「うん 約束する」

そっと小指が折り重なる。
寒さの所為か、ティアの指はとても冷たかった。

特に何を考えてたという訳でも無かった。
そのままティアの腕を引っ張り、身体を抱き寄せる。

ティア「・・・!」

体温が伝わる。
微かに彼女の息遣いが聞こえてくる。
ティアの両手が行き場を求め間誤付いている事から、困惑している様子が伺える。


ティア「・・・ル、」
ルーク「またかよ」
ティア「・・・?」
ルーク「また、そうやって、俺を騙すのか」
ティア「・・・!」

歯止めが利かない。
抑えておくべき言葉が、ボロボロと毀れていく

ルーク「自我を持った音素って、何だよ」
ティア「!!」

驚いたようにして、抵抗し離れようとするのを力ずくで抑える。

ティア「ルーク・・・」
ルーク「イオンから全部聞いたよ」
ティア「!」
ルーク「もう、全部知ってんだよ」
ルーク「どうして、黙ってたんだよ」
ルーク「何で、言ってくれないんだよ」
ルーク「平気な顔して、約束なんてすんなよ・・・」
ルーク「少しは、頼りにしてくれよ・・・」

ティア「・・・ごめんなさい」

愚痴愚痴と吐き出される言葉を黙って聞いていた彼女は、
途切れ途切れに何度もそう繰り返していた。

ティア「ごめんなさい・・・」

途端に、俺に身を預けて、糸が切れたように泣き出してしまった。


―俺は、何をしてやれるんだ

―いや、
―もう、何もしてやる事が出来ないのか・・・


いつのまにか嗚咽が止み、気まずい空気が流れる。
何と声を掛けようか考えていると、今度はティアが沈黙を割いた。

ティア「・・・酷い」

ルーク「・・・え?」
ティア「全部知ってて、この先どうするのかなんて聞いたのね」
ルーク「・・・それは」

グイと腕に力を込めて身体を離すティア。

ティア「バカ」
ルーク「・・・な」

ティア「バーカ!」

―カッチーン

ルーク「お前なぁ!俺だって色々考えて」
ティア「私だって!」

ティア「私だって、旅がしたい」

ルーク「・・・」

ティア「私だって、もっと生きたい」
ティア「消えたくない」
ティア「消えるのは、怖い」

背中を向け、一歩、二歩と前へ進み、空を見上げる。

ティア「どうして私は、人間じゃないの」
ティア「どうして私が、こんな目に」
ティア「私は、こんなに頑張ってるのに

ティア「人間に生まれたかった」

また、海を見つめる

ティア「こんな人生、まっぴら」
ティア「死にたいと何度も思った」
ティア「でも、教団はそれを許してくれない」

ティア「私は、ロボットだった」
ティア「教団の命令の通りに動く、0と1を組み合わせて作られたロボット」
ティア「感情なんて抱いてても、そんな風に、マイナスにしかならない」
ティア「だから、不満も、苦痛も全部、誰かへの憎悪へと変えて、自分を誤魔化してた」
ティア「そうやって、いつか、戦いの中で死んでいける日を、待っていた。」


ティア「でも」

振り返り、今度は自分の方へ一歩ずつ歩みを寄せ、元の位置に戻る。

ティア「この世界を旅して、分かった」
ティア「貴方と出会って、分かった」

ティア「人生って、この世界って、こんなに楽しいんだ、って」
ティア「生きてて良かった、って」

ティア「貴方の、お陰よ」

ティア「有難う、ルーク」

ティアはそう言って、とびきりの自然な笑顔を見せた。


水平線の向こうを見つめ、話を続ける。

ティア「この世界は、消させない。」
ティア「皆は、死なせない。」

ティア「私は、ユリアの力はその為に生まれてきた」
ティア「私は、その為に生きてきた」

ルーク「ティア・・・俺は」
ティア「でも、それだけじゃない」

ティア「これは、ユリアじゃない、私の意志」
ティア「この世界を守りたいという、私の願い」
ルーク「・・・!」


ティア「怖いけど、迷いは無いわ」
ティア「私は、星の記憶を倒す」

ティア「だから、貴方も、迷わないで」

ルーク「・・・」

ティア「・・・ね」


自分の頭の中で、もやが晴れた気がした。
それが”諦め”であったとしても、もはや不満ではなかった。

俺は、もう一度、今度は優しく抱き寄せて、
何も言わないまま、そっと唇を重ねた。

彼女は一瞬驚いたようだが、抵抗は無かった。

じっと視線を合わせると、今度はティアから、唇を重ねる。

ティア「ルーク、お願い」

ティア「今日だけ、一緒に居て・・・」


一人、ベッドに座り、物思いに耽る。


―それにしても、遅いな。何やってんだ

と思った時、ようやくシャワールームから彼女が出てきた。
いつもとは違う、サイズがやたら大きめのラフな服装に、違和感を感じた。

ルーク「長かったなぁ。女ってこんなもんなのか」
ティア「ご、御免なさい」

ルーク「・・・」
ティア「・・・」

恥じらっているのか、ティアはその場から動こうとしない。

―こういうのも、アリか

俺は立ち上がり、ティアに歩み寄って手を取った。

ティア「・・・」

そのまま、ベッドの傍までエスコートする。
風呂上りで火照った彼女の手は温かかった。

ベッドの傍まで辿り付くと、一度目を会わせ、頭を撫でるようにしながら、抱きしめる。
師匠直伝の、奥義だ。
先刻とは様子が違い、彼女が弱弱しく身体を震わしているのが、可愛らしかった。
ゆっくりと、軽く彼女の顎を取って、軽く口付けを交わす。

顔を赤くして、おどおどともどかしそうにしている彼女に、もう一度、こんどは深く。
萎縮した舌を少し強引に絡ませ、歯の裏を擽るように這わせ、唾液を汲み取る。
彼女は苦しそうに都度都度息を漏らしながら、崩れそうになる身体を俺にしがみ付くようにして堪えていた。
三、四度繰り返し、キリの付いたところで"お姫様だっこ"で持ち上げる

ティア「・・・ぅ」

そのままティアをそっとベッドに寝かし、ゆっくり覆い被さった。


彼女の少し荒くなった息遣いが聴こえる。
懸命に殺そうとしているのが目に見えるようで可愛かった。
ティアは視線を俺に合わせようとせず、左右に行ったり来たりさせていた。
彼女の両手が行き場を求めて彷徨い、枕カバーの端を掴んで止まった。

顔を近づけると、彼女はきゅっと瞳を閉じて歯を食いしばった。

軽く唇を重ねて、喉元から首筋に掛けてつーと舌先を這わせる。
強張っていた彼女の身体から力が一瞬緩み、また直ぐに戻った。
耳元の近くまで這わせると、耳朶を甘噛み、そのまま反対側へと回る。

ティア「・・・っ」

右耳の裏の、少し下あたりを舌が通った時、びく、と目立って反応を見せた。

―ここ、弱点か

しめしめと言わんばかりに、ティアの頭を抱えるようにして固定し、そこを集中して責める。

ティア「ぁ、うっっ」

彼女は必死に抵抗するも敵わず、徐々にその力が弱まっていく。
あんまりやると可哀想なので、弱りきり抵抗が収まった所で、中断した。

息を殺す事も忘れて、ぐったりとするティア。
肌が滲んだ汗が、少しずつ空気を湿らしていく。

俺は乱れたティアの髪を軽く纏めて、
ゆっくり両手の平をティアの胸へと被せた。

ティア「あっ ―」

彼女は驚いたように声をあげ、そのままグッと息を堪えた
鼓動が伝わる。速くも弱弱しい、人間の鼓動。

―生きてるんだ。こいつも・・・


最初はあまり刺激しないように、ゆっくり、左右に解すようにして揉む。

ルーク「やっぱ胸でかいなーお前」
ティア「・・・ 」

やたら苦しそうにする彼女を見て、
気を紛らわさせようと話かけてみるも、反応は無い。

早く糸を切ってしまおうと、

ルーク「服、脱がすからな」
ティア「・・・・ぅ」

下着を除けば、上下一枚。剥がすのは早いものだった。
ついでに下着もさっさと脱がしてやった。

ティア「・・・」

目に溜まった涙が今にも毀れそうだ。
俺はそっと彼女の手の平に自分のそれを重ね、毀れそうな涙を舌で拭い、そのままもう一度キスをした。
汗ばんで少しベタベタした彼女の手は、握っては緩み、また握っては緩んだ。

じっと、彼女の身体に目をやる。
彼女の身体の各所には、自分にも劣らない程、古い物から新しい物まで、無数の生々しい傷跡があった。
驚きはあったが、それ以上に、虚しかった。


―こんな細い身体で、どれだけ背負ってきたって言うんだ


喉から胸元にかけて舌を這わせ、
続いて胸の先端にある突起を緩く噛んで、そのまましゃぶるようにして口に含んだ。

ティア「あ・・・ はっ・・・」

重ねた両手にグッと力が入る。
ひくひくと痙攣を起こしたようにしてティアの上体が左に反れ、それに会わせるように顔を傾げる。

口を離し、重ねた両手も離して、今度は両手で、先端を指で弄りながら、胸を揉み解す。

ティア「く・・・っ ・・・   うぅ・・・」

ティアの両手が、俺の肘元を掴む。
俺はそのままティアに唇を重ね、舌を絡ませる。

息が出来ず、もがく様に抵抗するティアに執拗に迫る。

気が付けば、
ティアは力なく、汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を拭うこともせずに
ただただ荒い息を整えようと必死になっていた。

―もう、いいか

ティアの太股を裏から掴み、持ち上げるようにして足を広げる。

ティア「―――っ!?」

突然の動作に驚き、足をジタバタと動かして抵抗するティアに蹴られそうになるも、
何とか力で抑え、そのまま彼女の秘部に顔を埋める。

ティア「あ あっっ」

思いっきり太股で顔を挟まれる。結構痛い。

ティア「や・・ やっ  あっ・・・」

両腕を伸ばして俺の頭をどかせようとするも敵わず、
逃げるように身体を更に反らそうとするので、
俺も股の裏を通してティアの両胸を掴み、そのまま動けないように固定する。

ティア「あ・・っ あ、 あぁっ」

ティアは俺の両腕を掴み、爪を立てる。
混乱したように右を向き左を向き、首を傾げては、また反対方向へ傾げる。


俺は、たまにティアの表情を伺いながら、
今度は先刻と同じように、大きくなった豆状の突起を舐め、しゃぶる。

ティア「ひぁッ ― 」

びくっ、と身体を揺らし、悶える。
口を離すと、また、もはや我を失ってしまったかのように喘ぎ始める。

―そろそろ、か

そろそろ限界そうなので、
胸を掴んでいた両腕を彼女の腰に回し、
しっかり固定して、舌を、更に、深くまで抉りこませる。

ティア「や、ルぅ・・・ッ ぅああっ」

嫌だ嫌だと言う彼女からの合図を無視して、動作を続ける。

ティア「あ、やっ、ああっっ」

そのままティアは簡単に絶頂を迎えさせられ、ガクンと脱力する。


―これで終わらせる訳にはいかない

グッタリとするティアがそのまま眠ってしまう前に、
ベッドに座った状態でティアを抱き起こして、落ち着かせる。

ルーク「大丈夫か?続けても」
ティア「・・・ う、うん」


ルーク「じゃあ、俺も脱ぐかな っと」

ティア「・・・」

ゴソゴソ

ティア「・・・」

―さて、どういう反応をするのか

ティア「・・・」

ルーク「・・・」

ティア「・・・」

俺が全部脱ぎ終わっても、ティアからの反応は無かった。
じっと俺の下を凝視して、固まったまま動かなかった。

ルーク「・・・オーイ」

呼びかけにようやくハッとして、一瞬目を合わせると、直ぐに下でもない別の場所に視線を反らした。

ルーク「じゃあ、お前も、先刻俺がしたみたいにやってみ」
ティア「・・・ う・・・」
ニ、三度ちら見をした後、また、俺の下をじっと睨むティア」
ティア「・・・」
ルーク「・・・」
ティア「・・・」

ティア「これを・・・どうすれば、、、いいの?」

ルーク「好きにして?」

ティア「・・・」

真剣に困っている御様子。
手を出そうとしては引っ込めてを都度都度繰り返した。

ルーク「あー・・・じゃあ、咥えて」

ティア「・・・ぇ」

驚いた顔をして、じっと棒を睨みつける。

ティア「・・・ ぅ・・・」

今度は泣きそうな顔になった。

ルーク「別に、無理しなくていいぞ」
ティア「・・・だいじょう、ぶ」

意を決したのか、ゴクリと息を呑んで、ゆっくり口に含める。

―ああ、至福の時

ルーク「そうそう、そのまま、舌で」
ティア「・・・・ ぷは  ん・・・・」

絶え間絶え間の息継ぎがまたそそる。

あまりの快感に、ついつい、力がはいってしまう。

びくんっ
ティア「ッっ!?」

突然大きく上に振れた棒に驚き、顔を離すティア。
泣きそうな目つきで俺を睨む。

ルーク「わ、悪い」
ティア「うー」

ティアは震える手でたじたじと棒を掴み、もう一度咥えなおそうとする。

ルーク「あー、じゃあ、次は、胸で」
ティア「・・・」

これも、まずは俺がティアに近寄らせて、どうやるのかを説明する
胸で挟み、交互に、上から下に、下から上に。

―うわ、凄ぇ

先刻の唾液がクチュクチュと音をたてる。
これはヤバイ。あんまり気持ち良すぎるので、早めに中断する事にした。
ルーク「よし、もういいぞ」
ティア「・・・」

大人しく俺の言いなりになるティア。

ルーク「それじゃ、本番といきますか」
ティア「!」

ルーク「えーっと、コンドームはどこ置いたかな・・・」

―何にしても、こればっかりは気持ちの問題・・・

突然、ティアが俺に抱きついてきた。
ティア「いいの」
ルーク「・・・ティア?」
ティア「お願い」
ティア「だって、どの道私は・・・」

ルーク「・・・分かった」

頭を撫でるようにして髪を掻き分け、優しくキスを交わし、そのままゆっくりと寝かせる。


ルーク「じゃあ、いくぜ」

ニ三度表面を滑らせた後、入口に標準を合わせて、ゆっくり、ティアの中に入っていく。

ティア「―っ く・・・ 」

痛みで歪んだ顔から、また涙が毀れる。
侵入者を拒むように、内側の壁がギュウと引き締まる。

ティア「うぁ、あ ぁっ・・・」

苦痛と、それとは別の、両方の感覚に悶えるティア。

ようやく限界まで奥に入った。先端が奥の壁に触れたり離れたりしている。
ティアは口を大きく開いて賢明に呼吸をしようとするも、上手くする事が出来ずに度々咳き込んだ。

極力痛みを与えないように、慎重に引き抜き、
先端が抜けきる寸前で、再び挿入させていく。

ティア「あっ あ・・・っ  あっ・・・」

繰り返される甘い感覚に、我を失ったように声を漏らすティア。

俺も夢中で、動作を繰り返す。


ティア「ルー ク・・・」


ティア「ルーク・・・」


喘ぎに紛れて、途切れ途切れながら、懸命に、俺の名前を呼ぶティア。


ティア「私も、ルークと・・・っ」


ティア「一緒に・・・」

―俺は

ティア「お願い・・・ッ」

―俺は・・・

ルーク「ティア・・・・!」


繋がったままティアを抱え上げて、自分の膝の上に乗せるようにして、動きを加速させる。
何度もキスを繰り返し、繰り返し、求め合う。

ティア「あっ! あ! あぁっ!」

ルーク「ティア・・・・っ!」

ぐっと力を込め、彼女の中に、溜め込んでおいた全てを吐き出す。

ティア「ぅああっ! あ、あぁっ」


びくっ、びくっ、と、射精に合わせて反応した後、ティアはそのまま、ガクリと気を失ってしまった。
俺自身も、ティアを抱いたまま、数十分に渡り寝顔を眺めた後、
自然と眠りに就いてしまった。



呆気なく、朝はやってきた。
彼女にとっての、最後の朝。

まだ夢の中に居る彼女の髪をそっと整え、寝顔を観察する。

―もう少し、眠らせておこう。

ティア「・・・ぅ ん・・・・」

―お、起きた

ティア「・・・・」

ボーッと景色を見回したあと、俺の顔を見て、彼女はハッと顔を赤めた。

ティア「・・・ ぁ・・・」

ルーク「おはよう」
ティア「・・・ うん」

ティアはそう反応して、鼓動を聞くように俺の胸の上に頭を置いた。
目を閉じて、じっとしたまま、ティアは動こうとしなかった。

また眠ったのかと思い声を掛けなかったが、
時間が時間となったので、そろそろ起こそうとしたその時、
彼女は何か閃いたように起き上がった。


ティア「私、もう、戻るわね」
ルーク「シャワー浴びてくか?」
ティア「自分の部屋で浴びるわ。早く戻らないと、誰かに見つかると気まずいから」

そういうと、自分の服をサッと身につけ、寝癖のついたの頭のままティアは部屋を出ようとした。

―何も、言わないのか。お前はもう・・・

ルーク「・・・ティア
ティア「ルーク」

ドアの前で立ち止まり、ティアは振り返らずに言った

ティア「私は、幸せだったわ」


ルーク「・・・」

バタンという、単調にドアの閉まる音が虚しく耳に残った。



適当な身支度を整え、仲間が集合している場所へと向かう。
ティアは俺より大分後に、何食わぬ顔で現れ、普段通り話に参加して、
俺たちはそのまま、決戦の地へと向かった。

ティアは、二度と弱音を見せる事は無かった。

決戦を迎え、俺たちは死闘の末、無事、世界を救う事が出来た。
無事に、彼女の旅は終わった。


長期に渡り続いた二国の戦乱は、
世界を救った勇士ジェイドが王の座に就いた事で、両国が調停を結び、いとも簡単に終焉を迎えた

ナタリアとガイはようやくくっついたらしい。何だかんだ言って、あの二人なら上手くやっていけると思っている。

俺はまだ一人、旅を続けている。

彼女が旅を終えた今でも、俺は彼女と一緒に、旅を続けている。


                          完


エンディングテーマ  supernova    song by BUMP OF CHICKEN


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