総合トップ>SS一覧>SS No.4-039
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
失礼な人違い |
サボり魔氏 |
セネル×クロエ |
2005/11/21 |
2005/11/25 |
「ふぅ…」
一息を付いてクロエはウェルテスの外に出た。時間はもう夜更け過ぎだ。洞窟の中である
はずの町の外もすっかり夜の帳に包まれている。しかし夜は魔の時間。町の中ではうる
さいぐらいに鳴いている虫の声は一切せず、その代わりにクロエを囲むように邪悪な気配
が漂っている。他のみんなはまだ広場で宴会をしているだろう。水の民の協力でなんとか
ヴァーツラフを打ち倒した今日はそのお祝いと、最後に身を挺してクロエの祖国を守った
セネルの恋人ステラを弔う会が開かれている。
「よし。」
気合を入れて顔を上げるとクロエは剣を抜き、構えた。
「グォォ!」
クロエの真横に現れたエッグベアが腕を振り上げる。しかしクロエはそれを避けるどころ
か一歩前に踏み出し、相手の背に回りこんでかわすと一閃を浴びせた。それを皮切りに邪
悪な気配が一気に爆発し、四方八方から一斉にクロエに襲い掛かってくる。
”ステラー!!”
頭の中にあの時のセネルの叫び声が響く。
ガギ!
フィンクスの爪を剣で受け止め横に払い、
「虎牙破斬!」
切り上げながら跳び上がり、なぎ払う。着地を狙うリザードマンに剣で牽制を入れながら
降り立つと相手をじろりとにらみつけた。
(私だってクーリッジのことが好きなのに…何もできなかった…)
自分の想いはシャーリィには負けていないつもりだった。しかしそれ以上にセネルのステ
ラへの想いは強く大きかったのを思い知らされた。ステラを失い哀しみに暮れるセネルに
声をかけることすらできなかった自分を悔いた。
「昇舞神風閃!」
ズン!…
最後のダンダルチュラを倒すと、残りのタコエッグたちは尻尾を巻いて逃げていった。修
行と気を紛らわすために出てきたのだが自分が感情に任せて剣を振るっていることに気づ
いている。これではまるで修行にはならない。
「クロエ?」
突然渦中の人間の声がしてクロエの心臓が飛び出しそうになった。入り口の橋が降りてい
るのを不審に思ったようだ。
「く…くくくクーリッジ!?」
声が裏返る。まさかセネルが来るなど思っても見なかったのだ。
「こんな時間に何やってんだ?」
近づきながら尋ねる。周りに転がるたくさんの魔物の亡骸には目もくれていない。
「しゅ…修行をな。騎士たるものどんなときでも鍛錬を欠かしてはならない…うん、そう
だ。ならないんだ。」
自分でいった言い訳に自分で納得するクロエ。あからさまに動揺しているクロエなのだが
別段セネルはそれを気にした様子が無い。
「クロエはいつもまじめだな。」
そう言って見せたセネルの笑顔にクロエは心臓を鷲掴みにされた気分になった。遺跡船を
一周する程の長い旅の中で彼のそんな顔は今まで見たことが無かった。ステラのことはも
う吹っ切れたのだろうか。
「ステラさん…残念だったな。」
魔物を蹴散らして少し落ち着いたクロエはあの時いえなかった言葉を口に出す。途端にセ
ネルの顔から笑顔が消えてしまった。
「しかし敵は取れたじゃないか。もうあのヴァーツラフは私たちが倒したんだ。ステラさ
んも報われるているはずだ。」
フォローを入れるがセネルの表情に明るさが戻らない。うつむいたままのセネルの表情を
覗き込もうとして近づいたクロエはセネルの異変に気づいた。
(なんだこの臭いは…アルコールか?)
セネルの体中からむせ返るほどのアルコールのにおいがする。
「あいつが悪いんだあいつのせいでマユが…」
よくわからないことをつぶやいている。
「ちくしょう!ちくしょぉぉぉぉぉ!」
「いやキャラが違うから!」
妙なことをつぶやくセネルにツッコミを入れつつも、
(キャラってなんだ?)
自分のいった言葉に疑問を持ってしまった。
「と…とりあえずだクーリッジ。ここにいてはまたいつ魔物が出てくるかわからん。町に
戻ろう。」
覗き込み声をかけるとセネルは微笑み、クロエを抱きしめた。
「クロエは優しいな。」
そのまま耳元で囁くものだからクロエは心臓が口から飛び出しそうになった。セネルから
湧き出るアルコールの臭いがなんとか彼女を冷静にさせている。
「い…いいから戻るぞ?」
高鳴る鼓動を抑えながら必死でセネルを引きずっていく。
(シャーリィならこうやって引きずるようなことはできないんだろうな)
普段剣を扱うことで手に入れた腕力。女性らしさを失っているのが悲しいことだがこうい
うときには役に立つと思う。門をくぐってクロエは重要なことに気づいた。
(クーリッジの下宿先はどこだ?)
セネルは自分と同じく元々遺跡船の外から来た人間だ。しかも上陸してすぐにシャーリィ
がさらわれ、それを追跡したのだから当然家が無い。
(レイナードの家か?しかしこの状態でレイナードの家に連れて行くと…)
セネルは意識を朦朧とさせた状態なもののなぜかしっかりクロエに抱きついている。この
まま連れて行けば余計な誤解を招いてしまうかもしれない。
「仕方ない。宿を取るか。」
幸い宿屋は入り口の近くだ。そのまま引きずって宿屋のドアを開ける。
「すいません。部屋は空いてますか?」
店主は彼女にしがみつくセネルをいぶかしげに見ながらも宿帳を確認し始めた。
「空いていることは空いてるんだが…ダブルの部屋しかないんだ。」
今回の戦いで総動員させた舞台の人間でシングルの部屋が埋まっているのだと店主は説明
した。クロエは病院に下宿しているのだが、放ってはいけない。
(仕方ない。私は椅子か床に寝よう。)
他に選択肢が無いので頷き、宿帳にサインした。
「お連れさん酔ってるのかい?部屋を汚さないでくれよ。」
抱きついたまま動かないセネルを見ながらそう言うと店主は奥に入っていった。
「ほらクーリッジ。宿に着いたからそろそろ離れてくれ。」
はじめはセネルに抱きつかれているというドキドキ感があったのだが、既にそんな気持ち
はさめている。
「ほらクーリッ…うわ!」
動こうとしないセネルを持ち上げ、布団の上にクロエは下ろそうとしたがさすがにそこま
での腕力は足りなかった。バランスを崩し、セネルの下敷きになる形でベッドに倒れこん
でしまった。
「う…」
衝撃でセネルがようやく目を覚ましたようだ。
「く…クーリッジ?こ…これはだな?」
思わずしがみついたためお互いを抱きしめあう形になっていたのに驚き、クロエは慌てて
手を離した。
「わかってるよ。おれもステラが好きだ。」
セネルの目はまだ虚ろのままだった。虚ろな瞳で微笑みそう言うとそのままクロエの首筋
に口付けをする。
(す…ステラさんと勘違いしている!?)
「クーリッジ!ちょっとま…ひゃう!」
セネルの行為を止めようとするが首筋を舐め上げられ背筋に電流が走る。
「クーリッジなんて他人行儀な呼び方するなよ。いつものようにセネルって呼んでくれ。」
言葉は聞こえているようだただ相変わらず自分をステラだと思い込んでいる。囁きながら
セネルはクロエの耳たぶをあまがみし始めた。
「だから私は…セネル…」
自分はクロエだと否定しようとしたがその瞬間再びステラが死に、哀しみに暮れていたセ
ネルの表情がクロエの頭によぎり言葉を詰まらせた。今彼を現実に呼び戻すのは簡単だ。
しかしこれで少しでもセネルの気が紛れるのならステラの不利をするのも悪くないかもし
れない。
「ステラ…」
何度も何度も他の女の名前を囁きながらセネルはクロエにくちづけをした。それはクロエ
にとってファーストキスだったのだが、悠長に感慨ぶる暇もなくセカンド、サードと次々
にセネルに奪われていく。はじめは舌を入れられ驚いたが、回数をこなすごとにクロエも
それになれ、自らもセネルの舌に身分の舌を絡ませ始めた。
「ステラの胸…少し縮んだか?」
キスをしながら胸を弄っていたセネルが耳元でそう囁いた。
「な!」
これには思わずクロエも素の自分に戻ってしまう。確かに死ぬ間際に見たステラは自分な
んかと比べ物にならないくらいスタイルが良かったが…
「いっぱい辛い思いをしたんだな。」
そう言いながら優しく揉まれると怒るに怒れない。
「けどそうなるともうこれを挟むことはできないな。」
そう言うといつの間にやら服を脱いでいたセネルはクロエの顔に既にギンギンになったモ
ノを近づけた。
(な…なんだこの太さは…それに挟む!?)
セネルの言っている意味はクロエも十分耳年増だったため理解している。しかしセネルの
モノの大きさは彼女が想像していたモノ以上に太く長かった。
「代わりに舐めてくれよ。俺ステラに舐められるの好きなんだ。」
またステラ。仕方が無いことなのだがどうも面白くない。
「いやだ。何で私がそのようなことを…」
ついそう言ってセネルとの距離を置いてしまった。
「え…」
ステラに拒否されたと勘違いしたセネルは予想外でショックだったのか子犬のような顔を
している。その表情にクロエは何かぞくっとするものを感じた。
「…セネル。」
次の行動に悩むセネルにクロエは呼びかけると体をびくつかせてこちらを見てきた。その
表情にさらにクロエの体を電流が走り抜ける。
「セネル、私がこっちで見ててあげるから一人でしてごらん。」
少し優しめな言い方で言う。しかしまだセネルは躊躇している。
「ホラ、しなきゃ続き話だよ。いっぱい気持ちいい顔見世てくれたらご褒美を上げる。」
自分の口から出たとは思えない言葉だが、ご褒美という言葉に期待をしたのかセネルはク
ロエに言われたとおり自分のモノをしごき始めた。
(すごい…祖国で見た本の通りだ…)
クロエはセネルの自慰行為をまじまじと見つめた。見られる恥辱間が興奮を呼んだかセネ
ルの動きが徐々に加速していく。いつの間にやらクロエも自分の秘部を弄り始めていた。
「す…ステラ…」
クロエの自慰行為にさらに興奮したのか我慢の限界だとセネルがにじり寄ってくる。しか
し、
「ダメだ。私は自分でしろって言ってるんだ。近づいていいとは言ってない。」
そう突っぱね、止まらなくなっている手を動かし続ける。
「ステラ…俺…もう…」
「わ…私もだ…もう…もう…」
既に服は脱ぎ捨てている。2人とも全裸で向かい合わせになり、お互い体を反らせ、
「ぐあぁ!」
「ああぁん!」
シンクロするように声を合わせて絶頂に達した。セネルのモノから噴出した精液は弧を描
きクロエの胸の上に落ちていった。
「はぁ…はぁ…すっきりしたか?クーリッジ。」
息を整えながら尋ねてみる。すると、
「あ…あぁ…はぁはぁ…まだ少し頭が痛いけどな。」
セネルはそう言って顔を上げた。そしてようやく事の重大さに気づいた。
「な…なんで…え?…どういうことなんだ?!」
絶頂で酔いがさめたようだが、今までの記憶が飛んでいるらしい。
「そこまで酔っ払うなんてどうしたんだ?大体クーリッジはまだ未成年だろう。」
慌てふためくセネルが面白いのか裸のままクロエ尋ねた。
「えーっと…フェロボンの奴らとモーゼスに無理やりに飲まされたまでは憶えているんだ
が…」
(なるほど。あいつらが原因か。)
セネルの言葉に元凶を認識したクロエは次の内容を切り出す。
「クーリッジ、お前は私をステラさんと間違えて強姦しようとした。これが証拠だ。」
自分の姿と胸にかかったセネルの精液を指差し説明する。クロエの言葉にセネルの顔色は
蒼白になった。
「言っておくが私はいわゆる未通だ。もちろんキスもしたことは無かった。だから…」
クロエはそこまで言うとセネルの顔を確認する。先ほどと同じく捨てられた子犬のような
顔をしている。
「だから…今日は最後まで責任を取れ。」
言ってる途中で恥ずかしくなったクロエは、そう言いながらベッドに大の字になった。
(卑怯だな、私は。)
今回のことでクロエは自分にけじめをつけようとしている。確かに自分をステラと間違え
たセネルにも責任はあるが、自分が今しようとしているのは弱みにつけこんだ騎士として
恥ずべきことだということもわかっていた。
(それでも…そうでもしないと私は…クーリッジを諦めきれそうもない。)
自嘲気味に小さく笑うとセネルの行動を待った。
(す…ステラと間違えた?!)
そんなセネルは自分の行動の浅はかさをかなり後悔していた。なんて自分は愚かなのだ。
(どうすればいいんだ…)
クロエは最後まで責任を取れという。しかし本当にそれでいいのかとセネルは悩んだ。
(据え膳食わぬがって言うけど本当におれはこれでいいのか?)
ひたすらに自分と葛藤する。しかしなかなか結論が出ない。そのままセネルは5分間悩ん
だ後、
「わかった。」
覚悟を決めそう言うと大の字になって待つクロエに近づいていった。
そっと、クロエの薄く茂った秘部に触れてみる。
「あ…」
触っただけでクロエの口から甘いと息が漏れた。目の前で愛しい人の射精を見せられたク
ロエの秘部は溢れんばかりの愛液で潤い、セネルの指に絡み付いてくる。
(これならもう入れて大丈夫だな。)
クロエの愛液を自身のモノに塗りつけ、セネルはクロエの秘部にモノをあてがった。
「いくよ?」
そのままクロエに覆いかぶさり、耳元で囁く。緊張にクロエは少し震えているが、小さく
頷いたのを確認し、ゆっくりとモノを秘部の中に埋めていった。
(思った以上に…膣内が塗れてない…)
あれだけ溢れんばかりに出ていた愛液が膣内にはほとんど無い。しかしセネルのモノに絡
み付いている愛液のおかげで今のところ難なくモノは入り込んでいる。
(ん?)
しかしある程度入れたところで壁のようなものにぶつかった。
(これは…)
その壁の正体に気づいてセネルはクロエの表情を見る。今のところはそれほど辛そうでは
ない。
「クロエ…まさか…んむ!」
言い終わる前にクロエはキスでセネルの口を塞ぎ、セネルが躊躇してモノを抜かないよう
内腿でセネルの腰を挟む。
ミシ…
「ひぅ!…」
その反動にモノが少し奥に入り、少し膜の裂ける痛みがクロエの体を襲う。
「クロエ…やっぱりお前…!」
膜の裂ける感触はセネルにも伝わっている。すっかり酔いも醒めたセネルは慌ててクロエ
の秘部からモノを引き抜こうとするが、クロエはセネルの体を挟み込んだ両足の力を緩め
ずセネルが動くたびに徐々に裂けていく処女膜の痛みに目に涙を浮かべた。
「お願い…クーリッジ、やめないで…」
予想以上の痛さにいつもの気取ったような口調ではなく人前には隠していた本来の女の子
らしい口調でクロエは求めた。これ以上躊躇すればクロエはもっと辛い。それを理解した
セネルは抜こうとするのを止め、じっとクロエを見つめる。痛みで目には涙が溢れていた
が、強い意志の光は消えていない。
「わかった。けど辛そうだったらすぐにやめるからな。」
セネルがそう言うとようやくクロエは足の力を緩め、頷いた。それを確認してセネルはク
ロエの腰を掴むと、今度は一気に奥までモノを突き入れた。
「ひぐぅ!」
膜が一気に破れる激しい痛みがクロエを襲う。しかし痛みを必死に堪え、クロエはセネル
を見つめた。奥まで入れきってからはセネルはまた焦らすようなゆっくりのスピードでモ
ノを出し入れさせた。はじめは傷をこするような激痛がクロエを襲ったが徐々にそれは収
まり、代わりにアルコールのような浮遊感を催す感覚が彼女を包み込んでいく。
「ぅん…」
気づいたらクロエの口から控えめな喘ぎ声が漏れ始めていた。
(気持ちいい…セネルの優しさのようなものが私に流れ込んでくるみたいだ…)
快感を得ているのを確認しながらセネルは徐々に出し入れのスピードを早めていった。
「ん…あぅ…んあぁ!」
スピードが速くなるにつれてクロエに襲い掛かる快感も大きさを増していく。無意識に彼
女の腰はより強い快感を得るために上下に動いている。
「くぅぅ!んあぁぁ!」
ひときわ大きな声を出してクロエは上体を反り返した。
「クロエ!クロエ!」
セネルももう限界に達していた。しかし何とか理性は保っている。膣内に出してはまずい
とセネルはモノを引き抜こうとした。
「抜かないで!!」
しかしクロエは叫んでそれを拒み再び内腿でセネルの腰を思い切り挟んだ。声に驚いてし
まったセネルはそのまま大量の精液をクロエの膣内に噴出す。
びゅるるぅ!
(ああ…私の中がセネルで満たされていく…)
最後の1滴が出尽くすまでクロエの足の力は緩められなかった。
数ヵ月後。あれからいろいろあった。静の蒼我・光跡翼・シュバルツ…すべての事件は解
決し、遺跡船にようやく平和が訪れた。いや、まだ平和ではないかもしれない。陸の民と
水の民はまだ完全には打ち溶け合っていない。他国との外交もまだ先が見えない状態だ。
かくいうクロエは、セネルに思いをぶつけ、玉砕してしまった。新しい恋をする気力はま
だ無い。それにクロエには最近気になることがあった。
「う…!」
うめき声を上げ、クロエは茂みに入り込んだ。
「ごほ!ごほ!」
昼に食べたフレンチトーストをすべて吐き出してしまった。最近あっさりとしたもの以外
の食べ物を体が受け付けない。
(私は一体どうしたんだろうか…)
このときクロエはまだ気づいていなかった。あの日以降、自分に生理が来ていないという
ことを…
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