総合トップ>SS一覧>SS No.4-032
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
あなたはすばらしい |
サボり魔氏 |
キール×アイラ |
2005/11/15 |
2005/11/20 |
シルエシカの基地の中。インフェリアとセレスティアの大晶霊の晶霊砲の製作は着々
と進められていた。アイラはキールの持つセレスティア人には無い物事の考え方や知性の
豊かさに強く惹かれていた。
「キール、やはりあなたの知性はすばらしい。」
技術部のメンバー1人1人に的確な指示を出していくキールにアイラは素直な賞賛の言葉を
述べた。リッドたちが雷晶霊を取りに行ってからというもののアイラはから出る言葉はそ
ればかりだった。
「いや、あなたの思慮も見事だ。それにインフェリアには無いこの晶霊科学の技術も本当
にすばらしいよ。」
キールも生き生きとした表情でそれに答える。実際黒点の拡大を発見してアカデミーを追
い出され、リッドたちに巻き込まれて果てにはインフェリアのお尋ね者になってセレステ
ィアに逃亡と眉間のしわが取れることが無かったのだが、久々の知性ある会話にかなり満
足していた。
「うまくいってるでしょうか…」
砲塔のほうを見上げながらアイラはつぶやいた。リッドたちのことを言っているのだろう。
「心配ないさ。リッドたちの実力は確認済みだろ?それになによりあなたたちのリーダー
が付いてる。」
リッドやファラが聞いたららしくないって言われそうだと苦笑しながらアイラへ慰めの言
葉を出す。フォッグの名前が出ると、アイラは複雑な表情をする。アイラがフォッグに惚
れていることは鈍いといわれるキールにもわかっている。しかしフォッグは今でも奥さん
を愛していることも知っているのだろう。そこから来る複雑な表情なのだ。なんと声をか
けていいかわからなくなったキールは再び指示に戻ろうとしたが、
「う…」
足を踏み出そうとした瞬間世界が回転した。正確には立ちくらみを起こし、キールはその
場に膝をついてしまったのだ。
「顔色が悪いですよ。ここは彼らに任せて少し休みましょう。」
言いながらアイラはキールに肩を貸し、軽々と立ち上がった。細い腕でか弱そうだがやは
り解放軍シルエシカの副官。体力もなかなかある。支えられたまましかしキールの立ちく
らみも収まらず、そのままキールは意識を失った。
「なさけないな。これじゃまたリッドたちに笑われる…」
意識を取り戻し、キールはつぶやいた。目から上にぬれたタオルが乗せられている。
「そんな事無いですよ。皆さんはあなたのことをとてもよく信頼しています。」
真上からアイラの声が聞こえる。それと先ほどから何やらやわらかいものが頭に当たって
いることがキールは気になっていた。
「心地よい暖かさの枕だな。難を言えば少し高いが…」
冷えた濡れタオルにうってかわって頭の下は心地よい人肌のぬくもりをしている。
「高いですか?」
アイラがそう尋ねるとキールの枕が一瞬持ち上がり、やや斜めにずれて下がっていく。
(こ…これはもしかして…)
枕の正体に気づいたキールは慌てて顔のタオルを外すと、目の前に自分を見下ろすアイラ
の顔があった。先ほどから頭に当たっていたのはどうやらアイラの胸であったようだ。
「な…何をしてるんだ!?」
驚き慌ててキールは立ち上がったが、まだ足元はふらつき、さらにそれがベッドの上であ
ったためにバランスを失い、転げ落ちた。
「だ…大丈夫ですか?」
受身を取れずに頭をぶつけてしまったことに心配してアイラが覗き込む。頭を抑えながら
も先ほどから触れていた胸をキールは意識してしまう。
「ゴク…」
思わず生唾を飲み込んでしまった。
「顔が赤いですね。熱は無いですか?」
そう言いながらアイラは自分の額をキールに引っ付けた。目の前には柔らかそうな唇。う
つむけば彼女の胸のふくらみが見える。キールの顔はさらに赤くなり、もう耳まで真っ赤
だ。キール自身の好みから言うとアイラはかなり理想どおりの人間である。知性的で且つ
強い母性を感じ、聡明で美しい顔立ちに鍛えられて引き締まったスタイル。彼女とならば
お互いの知性を刺激し合い、いい関係をもてそうだと思っている。難を言えば未だにキー
ルの中にはセレスティア人とインフェリア人という種族さを気にする性格があるくらいだ。
しかしそれも実際セレスティアに降り立ち、様々なセレスティア人との出会いから徐々に
薄れていっている。
「熱は…無いようですね。」
そう言って離れていくアイラの額に、覚悟を決めたキールは彼女の両肩を掴み立ち上がっ
た。
「アイラさん、あなたが彼を愛していることはわかっているつもりだ。」
キールが勢いよく立ち上がり、突然フォッグのことを話し出したため驚き顔を上げた。
「しかしそれでも僕はあなたにこれを言わなければ気がすまない。」
頭の中で言いたいことがまとまらない。これではまるで論文ではないかと思いながらも一
度話し始めたのだからもう後には引けない。
「あなたは知性的で魅力的だ。どれだけ待っても彼への思いは伝わることが無いと分かっ
ているなら他の相手を探すべきだ。たとえば…ぼ…くと…か…」
勢いよく話し始めたわりに最後は尻すぼみになってしまった。遠まわしな告白だがアイラ
には伝わっているだろう。恥ずかしくなったキールはそのまま力なく向かいのベッドに座
り込んだ。
「あなたの気持ちはすごくうれしいです。あなたのような人と恋に落ちたら…それはもの
すごく充実的になると思います。」
あっさりと振られることは覚悟していた。それだけ彼女の思いが大きいことを知っている
からだ。しかし今のところ彼女の返答はキールが予想していたものと大きく異なっている。
「でも…それでも私はあの方の傍にいて差し上げたいんです。いつかセレスティアが…い
え、エターニアすべてが平和となり、奥様が帰っていらっしゃるまであの方のお傍にいて
差し上げたいんです。」
切なそうな優しい微笑の拒絶。予想していたことだがそれでもやはりきつい。
「僕なら…あなたにそんな顔をさせないのに…」
ほとんど捨て台詞のようにうつむき、キールは吐き捨てた。
「あなたにはメルディさんがいらっしゃるじゃないですか。」
彼女の表情に切なさが消え、かわりに母親のような優しさを帯びた物へと変化した。
「僕はバカが嫌いだ。メルディなんてなんとも思ってなんかいない。」
駄々をこねる子供のように彼女の言葉を否定する。
「彼女は聡明な方ですよ。アイメンがあんなことになったというのに変わらず明るく振舞
っていらっしゃる。それを1番心配なさってるのはあなただと思ったんですが?…」
メルディの話になるとキールのいじけた表情も優しいものへと変化した。
「だから…バカだって言うんだ。」
やや微笑を帯びたその慈愛の表情にアイラは小さく頷いた。
「納得した。余計なことを考えさせて悪かったな。」
そう言って立ち上がったキールはアイラのほうに顔を向けず仮眠室から出ようとする。
「待ってください。私は…やはりあなたの思いに答えることはできません。」
アイラも立ち上がり、そう切り出した。
「しかしそこまで思ってくれたあなたの気持ちをこのままむげにすることもできません。」
アイラの言葉に何を言ってるんだとキールは振り返った。するとアイラは自らの服に手を
かけ、豪快にシャツを脱ぎ捨てた。下着はつけていない。シャツは防護服となっているた
め、蒸れるからだ。形のよい豊満な乳房に再びキールの顔は真っ赤となる。思えば女性の
裸を見るのはこれが初めてだった。
「な…何をしてるんだ!?」
後ずさろうとするも、それで扉が開いたとき、外に誰かがいたら言い訳がつかない。
「そ…そういうことはインフェリアでは愛し合ったものだけがするべきことなんだ。」
部屋の角に後ずさりしながら必死に言い訳をするキールに構わずアイラは下の服も躊躇無
く脱ぎ捨てる。古風に見えてやはり彼女もセレスティア人独特の豪快さを持ち合わせてい
るのだ。彼女の裸体はやはり美しく、無駄が無い。思わず見とれたようにキールは眺めて
しまった。
「セレスティアもそうです。ですがセレスティアには一夜限りのという言葉も存在するん
です。」
インフェリアでもその言葉は存在する。存在するからこそオージェのピアスを通して翻訳
されるのだ。キールもその言葉の意味を知っている。それで余計に顔を赤くしていた。
「し…しかし!」
そこまで言ったもののそこから先の言葉が思いつかない。
「お互いの気持ちに決着をつけましょう。それでその後はまた元の関係に戻るんです。」
逃げ場は無い。いや、キール自身アイラのような美しい人に言い寄られるのは悪い気分じ
ゃない。どちらかといえばうれしいのだが、その反面最初の相手は愛している者と決めて
いたキールにはその一夜限りという関係にやや抵抗があった。
「す…据え膳食わぬは男の恥だ…」
覚悟を決めたキールの言葉にアイラは首をかしげたセレスティアでは表現がやや違うのだ
ろう。覚悟を決めたキールも勢いよく服を脱ぎ捨てる。セレスティア人の褐色の肌とは違
い陶器のような色白な肌にアイラは感嘆の声を漏らした。キールの場合は白いというより
不健康で青白いのだがそんなことはセレスティア人のアイラには分からない。
「恥ずべきことだから先に言っておく。正直なことを言えば僕には経験が無い」
目の前までやってきたアイラにキールはややうつむいて告白した。
「なら私がすべて教えて差し上げます。」
そんなキールにアイラはやさしく微笑み、抱きしめて唇を合わせた。服という壁が無く密
着する彼女の素肌の感触にキールは凍り付いてしまった。
「今度は舌を入れますね。」
1度唇を離してそう言うとアイラは返事を待たずにキールの口を再び塞ぎ舌を彼の口の中
にもぐりこませた。
「ふむ…チュル!」
吸い上げる音と舌同士を絡ませあうときに漏れる声が静かな仮眠室の中に響いた。はじめ
は硬直して動けなかったキールだが、アイラの舌に導かれるように絡みつき、初めての感
触を楽しみ始めた。
「そのまま私の胸に触れてください…そう。優しく…」
舌を絡ませたまま仰向けにベッドに倒れこむと、耳元でささやき、彼の手を導いた。キー
ルも様々なところから寄せ集めた情報を屈指しながら彼女を快感に導こうと努力した。
「ん!」
手で刺激しているのと反対側の乳首を口に含んでみた。反応がいい。
「痛っ…かまないで…飴玉を転がすように…」
少し歯を立てたのは失敗だったようだ。アイラに言われたようにキールは彼女の乳首を飴
玉のように舌で転がした。手で触っているほうもその動きを真似て、乳首を中心に愛撫す
る。
「ん…はぅ…」
アイラの口から快感の声が漏れる。自分の行動で相手が快感を得ているということがうれ
しくなったキールはそのまま彼女の下腹部のほうに手を伸ばす。しかし、
「そちらはもう少し後で。それよりも先に…」
そこまで言うとアイラはキールを自分の横に仰向けにさせ、体を起こして彼の体の上で四
つんばいにまたがった。そしてそのままさっきまでキールにされていたことのお返しとい
わんばかりに彼の細い体に舌を這わせ始めた。
「ん…くぅ…」
熟練したその舌技に思わず女のような声をキールは漏らした。インフェリアでは男が女を
奉仕することはあっても逆はあまり無い。セレスティアは平等関係の社会。これが彼らに
は当たり前の事なのであろう。
「うぁ!そこは…」
左右の胸をじっくり攻め上げた舌はそのまま下降して行き、彼のモノまでたどり着いた。
怯えたような期待するような。そんなキールの表情に少し微笑んだアイラはそのまま口を
開きモノを飲み込むように咥え込んだ。
ジュル…チュルチュル!
そしてそのまま舌を口の中で暴れさせ、彼のモノを吸い上げ刺激する。すごい動きにしか
し初体験の彼には刺激が強すぎた。
「くぅ…うわぁ!」
声を漏らして思わず彼女の口の中に精液を噴出してしまう。
「んん!」
少し驚きの声をあげたアイラだが、そのままキールの射精が収まるのを待ち、チュプとい
う音を立ててモノから口を離した。顔をあげたアイラはキールに優しい微笑を向けると口
の中の精液を喉を鳴らして飲み干した。
「まだ…続けられますか?」
自分の精液を飲み込むアイラをぼんやり見ていたキールだが、
「む…無論だ」
そう答えるとアイラはキールにまたがって立ち上がった。キールからアイラの秘部が丸見
えになっている。アイラの秘部はキールが触らずとも既に潤っており、このまま挿入して
もまったく問題なさそうだ。
「今回のことは私の晶霊砲に対するお礼の意味も含めています。だから…」
そこまで言ったアイラは腰をやや沈めてキールのものを掴むと自らの秘部にあてがい、そ
のまま徐々に膣内へと埋めこんでいった。
「くぅ…」
全体から締め付ける膣の感触に先ほどいったばかりだというのにキールは激しい射精感に
襲われた。しかし必死にそれを堪える。
「我慢せずとも結構です。今日妊娠する可能性は1%にも満ちていません。」
我慢を気遣ったアイラの言葉に力が抜けたキールはそのまま精液を彼女の膣内に噴出して
しまった。
「す…すまない…」
自分を情けないと悔やむキールにアイラはいえと微笑んだ。そして何事も無かったかのよ
うにそのまま腰を前後に揺さぶり始める。
「うく…ぐぁ…」
「ん…ふ…」
2人の小さな喘ぎ声と水っぽい音だけが仮眠室に響く。
「くぅ…また…」
夢精以外の射精をしたことが無かったキール。その精液はかなりの量が溜まっていたのだ
ろうか。もう何度も射精しているというのにぜんぜん衰えを見せない。しかしさすがにア
イラもそろそろ限界が近づいている。そろそろかとアイラは動きを止めるとそのままモノ
を引き抜き横に仰向けになった。
「キール、最後はあなたの動きでお願いします。」
そう言って自らの秘部を指で広げる。何度も発射された精液と彼女の愛液が混ざった液体
がそこから溢れ出てくるのを栓するかのごとくモノをあてがうと、キールは一気に奥へと
突き入れた。
「んん!」
本能に任せてキールは腰を振り続ける。その姿は知恵の無い猿そのものだが、今の彼には
そんな事どうでもよかった。ただ自分の惚れた相手の体内に自分の体液を大量に吐き出し
ている、それだけで満足なのだ。
「キール…そろそろ私…」
今までで1番長いピストンにアイラは訴えかける。
「ああ…僕もそろそろ…」
自分に大きな波が襲ってくる気配を感じながらキールもそれに答える。
「くぅぅん!ああぁ!……たい…ちょう…」
大きな声を張り上げ、そして最後に小さくフォッグの名前を読んでアイラは崩れ落ちた。
それと同時にキールも思い切り腰を突き出し、大量の精液を彼女の中に吐き出した。
数日後、そんなことなど無かったかのように2人は作業に戻っていた。
「帰ってきたぞ〜!」
上のほうが騒がしい。どうやらリッドたちが帰ってきたのだろう。晶霊砲も今完成し
たばかりだ。
「よぉ、キール。」
リッドが降りてきた。特に大きな怪我もしていないようだ。
「雷晶霊は?」
キールの問いに親指を立ててリッドは答えた。
「キール、やはりあなたはすばらしい。」
リッドに遊ばれるキールに向かってアイラは独り言のように言った。
「あなたも…いい経験になったよ。」
その言葉に振り返ると、微笑みキールはそう答え再び彼の仲間たちに視線を戻した。
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