総合トップSS一覧SS No.4-031
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
お兄ちゃんのナイショ サボり魔氏 シャーリィ 2005/11/14 2005/11/14

ギー…
ゆっくりとセネルの家の扉が開かれた。家主はいない。今日はウィルと一緒に遺跡船各所
をパトロールに行っているはずだ。
「誰も…いないよね。うん。」
そんなセネルの家に空き巣に入っているのは本人の妹・シャーリィだった。ここ数日、こ
の兄妹はすれ違いが続いている。シャーリィの外交官の仕事が立て込み、3日ほど水の民
の里にこもりきりになったりセネルがノーマに引きづられて遺跡探索に家を空けてたりセ
ネルがクロエに強引に3日ほど修行の手伝いをさせられたり…
「よくよく考えたらお兄ちゃんの用事ばっかりだし…」
しかし今日のパトロールはゲートを使っているはずだ。そんなに時間はかからない。
「お部屋ピカピカにして、おいしいご飯作って…お兄ちゃんをびっくりさせるんだ♪」
意気揚々と独り言をつぶやき、シャーリィは早速掃除を始めた。

30分後。元々セネルがマリントルーパーとして海に出ている間シャーリィが部屋の掃除や
食事の準備を担当していたのでさすがに手際よく1階部分の掃除は完了した。
「さて、後は2階だね。」
少し気合を入れてシャーリィは階段を上り始めた。朝の苦手な兄のこと。家を出るのはい
つも大慌てで寝巻きなどを脱ぎ散らかしているに違いないからだ。案の定、1階はそれほ
ど散らかっていないのに2階は嵐が去った後のようになっている。
「はぁ…相変わらずだなぁ…」
予想通りの光景にため息をつきつつ、シャーリィはまず脱ぎ捨てられている衣類を拾い集
め始めた。
パサ
ベッド近くの衣類を持ち上げると、その下から何やら本が顔を出した。
「お兄ちゃん本なんて読むの嫌いなはずなのになぁ…」
首をかしげながらも床に落ちていては踏んですべると危険なので拾い上げ、おもむろにタ
イトルに目が行く。
『禁断の愛』
バサ!
あまりにもストレートなタイトルに驚きシャーリィは手に持っていた洗濯物をすべて足元
に落としてしまった。
(もしかしなくても…そうよね!?…)
タイトルからしてきっといやらしい内容な事はシャーリィにもわかる。そういえばくずか
ごの中には大量のちり紙が捨てられていた。見ちゃダメだと思いながらもそのタイトルの
内容に興味が止められなくなっている。
「お…お兄ちゃんの普段のせ…性!?…ごほん。生活は?妹の私がしっかり把握するぎ…義
務があるよね!うん!」
大きな独り言で自分を言い聞かせ、気合を入れて恐る恐る本を開いた。内容は水の民と陸
の民の男女が恋に落ち、長に見つからないように色々な場所で隠れて愛し合うといったも
のだ。あらすじだけを聞けば純愛物っぽいのだがそこはそれ。実質この男女は恋愛という

より行為のために会い、その行為もどんどんと激しいものやより淫猥な物にエスカレート
していく。
「お…お兄ちゃんも男の子なんだし、こ…こういうのもってて当然だよね。」
言いながら動揺を隠せていないがとりあえず顔を真っ赤にしたまま落とした洗濯物を拾い
上げ、一旦下に下りる。そして入り口の前に一旦その洗濯物を置き、ついでに布団を干そ
うとめくり上げ…
「はぁ…」
ベッドの下の光景にシャーリィは思わずため息をついた。ベッド一面に敷き詰められたエ
ッチ本。そのどれもが兄妹物や陸の民水の民の禁断物ばかりだ。
(お兄ちゃんもやっぱり年頃だったんだ…)
母親が持つ切ないような成長を実感したような感情を感じながらも同じく自分が持つ興味
心がそれらすべての本の内容に興味を惹かせる。1冊読んだんだからと開き直ったシャー
リィはタイトルを吟味しながら片っ端から本を開き始めた。

「お…お兄ちゃん…いつもこんなの読んでるのかな…」
数冊読み終え、シャーリィの顔は恥ずかしさを通り越してやや火照りを帯びていた。セネ
ルの隠し財産はまだまだ大量にある。次の1冊に手を伸ばしつつ反対の手が無意識に自分
の秘部に向かっていく。
「ひゃぅ!」
触れた瞬間思わず声を上げてしまった。シャーリィの秘部はすでにかなり潤っている。
「んあ…」
今まで自慰もしたことはない。しかしちょうど手に取った本の中に女性が相手の前で自慰
するシーンがあったため、読みながらその内容どおり無意識に自分の手が動き出す。
「んうん!」
そのうちこつを掴んだのかシャーリィは本を床に置き、両手で自分の胸や秘部を弄り始め
た。
「おにい…ちゃん…」
目をつぶり、妄想の世界に落ち込む。
(この手はお兄ちゃんの手…)
「はぅん!」
妄想しながらシャーリィはすでに全裸になっていた。初めての快感に喘ぎ声を上げながら、
ふと先ほど取り出した本の下に何か箱があることに気づいた。シャーリィの探究心はもう
躊躇なくその箱を開かせた。中から出てきたのは錠剤のような形をした何かとそれをブレ
ス系の爪術で操作するリモコンのようなもので、
「これって…」
さっきまで読んでいた本に似たようなものが書かれていた。
「お兄ちゃん…こんなものまで?」
本の中でピンクローターと書かれていたそれを手で触れる。箱は完全に封されていたのだ
から未使用だろう。兄は一体誰にこれを使おうと思っていたのだろうか。しかしそんな興
味よりも使い心地に興味がむいたシャーリィはためらうことなくいきなり自分の秘部の中

にローターを埋め、リモコンを手に取った。
「ひゃうん!」
加減がわからないため極微弱に爪術をこめたのだがそんな微弱の振動でもかなりの快感が
襲い掛かる。
「はうん!ひゃうぅ!」
しかし気持ちが昂りすぎたシャーリィにはそれで力を緩めることができず、逆にどんどん
と爪術を強めていく。それに答えてローターの振動もどんどんと激しさを増し、
「お兄ちゃん…お兄ちゃん!ああぁ!」
ついには絶頂に達してしまった。背を激しく反り返し、糸の切れた操り人形のようにシャ
ーリィはその場に崩れ落ちてしまう。
「はぁ…はぁ…ん?」
朦朧とした意識の中ベッドに並べられた本の中でわりと新しめな状態の本に目が行った。
『いけないお姉さん』
内容はいわゆる巨乳物だ。よく見れば大半は禁断物なのだがそれに混じって違うジャンル
のもいくつかあった。『つるぺたやんちゃガール』『騎士になるもん』等など…どうやら
かなり欲求不満らしい。しかし兄妹物や禁断物なら自分か姉のことを想像しているだろう
ということで見逃せるがそれ以外のにかんしてはやや殺意に近い感情が芽生える。証拠に
それらを発見したぐらいからシャーリィの髪が蒼く輝いていたりした。しかしそれと同時
に不安も芽生える。兄の興味が自分以外に向き始めているんじゃないのか…
「そんなの嫌!」
離れかけている兄の気持ちを繋ぎ止めるためにシャーリィは意気込み立ち上がった。

数十分後。
「ただいま」
セネルが帰ってきた。部屋の明かりが漏れていたのでシャーリィがいることに気づいてい
たのだが、
「せ…セの字、わい今日は先帰るわ。」
「どうしたんだよモーゼス。」
部屋に入ろうとしたモーゼスが慌てて出て行こうとする。
「そ…そうだ!私もエルザに剣を教える約束が…」
「クロエもそれは明日だっていって…」
引きとめながらセネルの視線がようやく家の中に向き、絶句させた。
「あ、おかえり!お兄ちゃん。」
エプロンを…いや、エプロンだけをつけて食事の準備をするシャーリィにセネルは口をパ
クパクさせるしかできなかった。
「りっちゃんとセの字…いつの間にこんな関係進んだんや?」
「僕のところにもそんな情報は来てません。」
「けど裸エプロンって…あ〜あ、くぅ、今日は自棄のみだね。」
「の…ノーマ!」
「しかし…セネルにああいう趣味があったとは…」

「うんうん。しかも気づいた?リっちゃんなぜか白のガーターベルトと編みタイツだけつ
けててなんかピンク色のリモコン見たいのが挟み込まれてるんだよ?」
『え!?』
固まっているセネルをよそに残りのメンバーが円陣を組む。ノーマの指摘に驚き顔を上げ
たが、すぐにそれが事実だと知りさらにかがみこんだ。
「ほ…ほんまやー!」
「く…クーリッジ…」
「これはビッグニュースですね…」
「ハリエットをつれてこなくて正解だったな…」
「で、どうする?正直あたしは今すぐにでも逃げ出したいんだけど…」
再びノーマの質問に一同は一瞬動きを止める。
「同感だ。」
「クーリッジ…」
「馬にけられるんはごめんや。」
「珍しいですね、今回は僕もモーゼスさんと同意権です。」
「ならせーので行くぞ。せー…の!」
「せ…セネル、今日は遅いからやはりミーティングは明日の朝にしよう。お…遅れるなよ」
「セネセネごめん、じじいに呼び出されてるの忘れてたよ」
「わ…わいもちょっとギートの様子見に行くわ…」
「エ…エルザが…」
「ちょ…お前ら…」
「では解散!」
ウィルの一言で蜘蛛の子を散らすかのように一同は走り去って言った。
「どうしたの?お兄ちゃん」
呆然とするセネルにシャーリィが尋ねる。平然としたような口調だが顔にはやや火照りが
あり、秘部からは微弱な振動音が聞こえ、表情も虚ろになっている。
「ご飯にする?それとも背中流そうか?それとも…疲れたから一緒に寝る?」
(一人になるて選択肢は無いのか?)
「じゃ…じゃあ飯…」
かっこうについては触れられない。いや、触れるのが怖い。
「わかった♪ちょっと待ってね」
一番安全そうな選択肢を選んだセネルだったが、それとは裏腹に準備と称してシャーリィ
はエプロンを脱ぎ始めた。
「しゃ…シャーリィ?」
泡立てた生クリームを自分の体にデコレーションし始めたシャーリィにセネルは逃げ出し
たい気持ちでいっぱいになっていた。

夜は更けていく…
「セネルさん、この情報いくらで買ってくれるかな?」
一部始終を観察しながらジェイだけはほくそえんでいた。


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