総合トップ>SS一覧>SS No.4-019
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作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
無題 |
鳥氏 |
プレセア×ユージーン |
2005/10/29 |
2005/10/29 |
昼でも闇に包まれている怪しげな森を、一人のガジュマ族の男が歩いている。
この男、最初から一人だったわけではない。他に数人、仲間がいて共に森越えをしていた。
“迷いの森”と言われるその森を旅仲間と歩いていた筈だったのだが…いつの間にかはぐれ、
独りぼっちになっていた。当の本人は未だ自分が仲間達からはぐれた事に気付いていない。
ただただ、足場の悪い道を黙々と歩いているのだ。
惰性なのか無意識なのか森の中を歩き続けていた男だったが、突然、自分の置かれた状況に
気付くときがきた。森の中に、今までとは違う音が響いたからだ。
“迷いの森”に入ってから聞こえる音と言ったら、獣や怪物らしきものの鳴き声、木々の葉擦れ
の音、そういった自然の音だけだった。しかし、今、ヒューマ族よりも良く聞こえるこのガジュマ
族の男の耳は自然のものではない、人工的な音を捉えたのだ。その音で目が覚めるように男は自分が
仲間とはぐれ、一人“迷いの森”を彷徨い続けていることに初めて気がついた。
気がついて、辺りを見回すと自分が今いるのは“迷いの森”の筈なのに、同じようでいて全く違う
“森”にいるような感覚に襲われた。
その様なことある筈がないと男は頭を軽く振り、もう一度、目を凝らし辺りを良く見回す。自分が
歩いていた筈の“迷いの森”と、今現在、自分が立っているこの“森”の違いを探した。
すると、確かに違うことに気がついた。今いる、この森は“迷いの森”よりずっと暗く、獣の気配は
全く感じられない。ただ、人ならざる者の気配だけは、そこ彼処から感じられた。
「…ここは…“迷いの森”ではないな。ここは、より危険な気配に満ちている」
男は冷静に森の様子を分析し、自分の置かれた状況を把握した。
では、これからどうすればよいのか…。なんとか、ここを抜け出てはぐれてしまった仲間達と合流
しなければならない。男はその方法を思案した。
すると再び、先程の人工的な“音”が聞こえてきた。音は森の奥から響いてくるようだ。男は何の音
であるのか三度聞こえてきたその“音”に聞き覚えがあることに気がつき、記憶の糸を手繰り寄せた。
結果、それは木を切り倒す音であることがわかった。
つまり、この森には“人間”がいるということになる。
「誰かいるのか。」
この様な森に何故、人が?と不思議に思ったが、男はそう呟き自分の耳を頼りに“音”のする方へと
歩き出した。
男が歩を進める度に、耳に聞こえてくる“音”も大きく響きだした。男が“音”のする場所へ
間違いなく近付いている証拠だ。そして、その音が目の前から聞こえてくる所まで近付いた。
目の前の鬱蒼と茂る樹木の枝葉を掻き分け、男はその“音”の元へと漸く辿り着くことが出来た。
「…!? 子供!」
男は、自分の目の前にいる“人間”の姿に酷く驚いた。そこに居たのは、幼女だったからだ。男が
驚くのも無理は無かった。
幼女は男の姿に驚く風でもなく、ただ無表情に自分の目の前に現れた相手を見ていた。
「おまえ…一人か? 親は近くにいないのか?」
男は辺りを見回したが幼女の親らしい存在は感じられず、その事を怪訝に思い尋ねてみた。
「私、一人ですが…。どうかしましたか?」
感情のない平坦な口調で幼女は男の問いに答えた。そして、今度は幼女が男に問いかける。
「あなたは…何故ここに?」
「ん? あ、ああ。俺は、どうやらこの森に迷い込んでしまったらしい。出口はどこだろうか?」
幼女の感情の無い表情と口調に、男は多少の戸惑いを感じながら答えた。
「そうですか。では、出口まで案内します。仕事が終わるまで待っていてもらえますか?」
「わかった。待っている」
男は幼女の仕事が終わるのを待つことにしたが、ふと、何の仕事なのだろうと疑問に思った。この、
危険な森で何の仕事をするのだろうと。
だが、次の瞬間、男は面食らった。
幼女は男に背を向けると、傍の木に立て掛けてあった斧を軽々と持ち上げ、それを思い切り振り落とし
目の前の木を切り倒し始めたのだ。幼女は男の驚きなどお構いなしに、木を切り倒していく。斧の重さも
疲れた様子も全く感じさせない動作で幼女は次々と木を切り倒していくのだ。
その姿に驚きのあまり男は叫んだ。
「おまえが…木を切るのか!」
「可笑しいですか?」
幼女は作業の手を止め軽く振り向き、男の驚きの言葉にも感情の無い口調で答える。
「しかし!おまえは…。」
「プレセアです。プレセア・コンバティール。あなたは?」
男の言葉を遮るようにして幼女は自身の名を名乗った。
「ユージーン・ガラルドだ。…いきなり自己紹介か?」
「おまえは、と問われたと思ったのですが。…私の名を聞いたのではないのですか?」
ユージーンと名乗った男はプレセアと言う幼女の少しずれた所に多少呆れたが、始めに名を名乗らない
のも失礼な事だと思い返し、それについてはもう何も言わないことにした。
「いや。仕事の手を止めさせて悪かった。続けてくれ。」
そして、仕事を続けるように促す。
「……」
プレセアは、少し間を置いてから後ろを向き、斧を振りかざし仕事を再開した。何の苦も無く斧を
自在に操るプレセアに、始めは驚いていたユージンも終いには、その姿にただ感心していた。
プレセアの仕事はそんなに時間もかからずに終わり、後は切り出した木に取っ手を着けて運ぶだけと
なった。
「仕事が終わりました。出口まで案内します」
プレセアはそう言うと取っ手に手を掛け、切り出した木を引き摺りながら歩き出そうとした。
ユージーンはプレセアの行動にまたしても驚き、流石に今度は絶対に無理だろうと思った。そして
慌ててプレセアの傍に駆け寄り取っ手に手を掛けて言う。
「おい!大丈夫か?俺も手伝おう。いくらなんでも子供一人で運ぶには無理がある重さだ。」
するとプレセアは、ゆっくりと両手を胸の高さ迄上げ小さな掌をしげしげと眺めながらポツリと言う。
「子供…。そうですね。子供…ですね」
何を当たり前のことを言うのかとユージーンは不思議に思った。その時のプレセアの表情が少しばかり
怪しく笑みを浮かべたように見えたのは気のせいだろうとも思った。
しかし、それは気のせいではなかった。
「ユージーンさん。…私、本当に子供だと思いますか?」
突然、プレセアはユージーンに擦り寄り、“女”の瞳で見上げてきた。いや、表情は相変わらず感情を
現してはいないのだが、ユージーンにはそう見えたのだ。プレセアが“女”として“男”である自分を
誘っていると。
「…子供ではないと? おまえのその姿は子供以外には見えないが?」
誘いに乗り掛けそうになる自分を理性で押さえ込みながら問いかける。
「試してみればわかります」
感情の全く感じられない言葉で問いかけに答えながら、プレセアはユージーンの股間を小さな掌で擦る。
「試しても…いいのか?」
局部に触れられたユージーンは理性を何処かへ追いやり、プレセアの望むままに事に及ぶのも悪くない
と考えた。そして衣服に手を掛け彼女が頷けば直ぐにでも剥ぎ取ってしまおうと思った。何より、この
全く感情を表に出さないプレセアが、快楽を与えられたらどのように変貌するのだろうという好奇心が
このときのユージーンの心の大半を占めていた。
案の定、プレセアは頷いた。それを待ってユージーンは引き裂くようにプレセアの衣服を剥ぎ取る。
そして、プレセアを地面に押し倒そうとした。
が、気がついた時には自分は地面に倒れ仰向けになっていた。プレセアは、ユージーンが押し倒そうと
する前に、逆に彼を押し倒したのだ。素早く、軽々と。
ユージーンは突然のことに呆気に取られていた。そのユージーンの衣服の止め具を斧で引き千切り
脱がせる。すると、そこには逞しい裸体が現れた。
プレセアは、その逞しい胸に唇を落とす。落とした唇を這わせ、胸板の上にある乳首を軽く噛む。
「うっ…あっ…止めろ!」
ユージーンは本来なら自分がプレセアに与えるべき行為を逆に受ける羽目になってしまった。
なんとか立場を逆転させようと抗ってみたが、どういうわけかプレセアを跳ね除けることが出来ない。
相手を子供と侮って手加減はしていたのだが、それにしても変だと思った。気がつかない内に薬でも
盛られたのか、この怪しい“森”の物の怪の幻術にでも掛かっているのか。色々、思いつく限りの
可能性を当て嵌めてみたが、どれも違うような気がした。
そして、有り得ないことだった為に忘れかけていた事実を思い出した。プレセアは軽々と斧を振り回し
切り出した大木を軽々と運べるような力の持ち主だと言うことを。
ユージーンがその様なことを考えていることなどお構いなしに、プレセアは次の性感帯を求めて指を
這わせていた。上半身を攻めつくした頃には流石のユージーンの身体“女”を欲してどうにも堪らない
気持ちになっていた。その証拠に、彼の股間のある一点が血液が集中して熱を持ち膨張している。
膨張した彼のペニスは天に向って直立している。それを目に留めたプレセアは口に咥えようとした。
だが、ユージーンのペニスは彼の身体のように大きく、プレセアの口は彼女の身体のように小さい。
とても、咥えることは無理だった。咥えることを諦めたプレセアは口中に唾液を溜め、その状態で
舐め回し、ペニスをベチョベチョにした。
「うぅっ…はっ…はぁっ…くっ…んんっ」
ユージーンはペニスを弄ばれ、切なそうな表情で呻き声を漏らす。快楽に堪えながらプレセアの方を
見ると、彼女は背を向けて自分の腹部に跨りペニスをしきりに舐めていた。丁度、ユージーンの目には
プレセアの秘所が丸見えになる格好だ。
快楽に身体を支配され力の入らない腕を伸ばし、プレセアの腰を抑え彼女の秘所に触ようとした。
そこは、まだ茂って居らず肉襞もその奥に隠された突起もその形をはっきりと見せていた。ただ、愛液は
滴り落ちるほどに溢れ、秘所は怪しく艶かしく濡れていた。その幼い肉襞を開き突起を指でなぞる。
「あっ! ふっぁ…あっあんっ!」
するとプレセアは、背を仰け反らせて甘い声で鳴く。
「子供でも…感じるのか?」
突起を弄びながらユージーンは、仕返しのつもりでそのような事を言った。
「…子供? 私が? あっ! はぁっん! そう、思うのなら…試してみてください。」
敏感な突起を弄られ、快楽に身体をビクつかせ嬌声を上げながらプレセアは言う。
そして、身体の向きを変えると自分の指で自身の肉襞を開きながらペニスを膣内へと挿し入れながら
ユージーンの股間に腰を下ろし始める。
「す…凄い…大きいです。こんなに大きいのは初めて…です…んんっ…はぁっん…気持ちいい…」
腰をすっかり落としても大きすぎるユージーンのペニスは、プレセアの膣内には収まりきらなかった。
その大きなペニスの全てを身体の奥深くへと咥え込もうとプレセアは何度も腰を上下させる。プレセアが
腰を上下に動かすと、グチョグチョ、ヌチャヌチャとねっとりとした嫌らしい音がした。
「くっ! キ…キツイ。あっ…はっあっ…」
元々、大きなペニスを小さな膣で扱いているのだから締まり具合も半端じゃない。ペニスに感じる
快感も半端じゃない。気持ちも良いが、少々痛みを感じるくらいだ。それでも、快楽の波は次第に
ユージーンの全てを支配し始めていた。それはプレセアも同様で、既に彼女自身、身も心も快楽に支配されていた。
大きな身体のユージーンを小さな身体のプレセアが徐々に征服していく。ユージーンは始めこそ、
自分がプレセアを性の虜にし、支配しようと思っていたろう。しかし、実際に事に及んでみれば、支配
されたのは自分の方であった。もし、誰かがこの光景を目の当たりにしたら誰もが我が目を疑ったこと
だろう。それほどに不思議な光景だ。
今、この二人は互いの身体を貪る事意外は考えられなくなっていた。辺りに魔物が忍び寄って来ても
気付かないだろう。征服した側もされた側も互いの身体の虜になってしまっていた。
ユージーンは、元の場所へ戻ることなどもう覚えてはいなかった。ただ、プレセアとの情事をこのまま
続けていたい。彼の頭の中はそれだけになっていた。
恐らく、彼はもう二度と本来の自分の居場所へ戻ることは無いだろう。
何故、この様なことになってしまったのか。それは、ユージンが迷い込んだのが、物の怪の住処と
言われている“ガオラキアの森”だったからなのか。プレセアの“男”を求める心がそうさせたのか。
はたまた、ユージーンには自分が知らないもう一人の自分が存在していたということなのだろうか。
その答えを知ることは誰にも出来ないことである。
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