総合トップ>SS一覧>SS No.4-009
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作品発表日 |
作品保管日 |
泣き顔 |
901氏(15スレ目) |
セネル×クロエ |
2005/10/18 |
2005/10/21 |
――ドサッ
「シャーリィ!!」
それは一瞬の出来事であった。
地面へと横倒れになるシャーリィの姿…。
横腹からは赤い血が留まる事なく流れ出ており…。
顔面蒼白…正に文字通りシャーリィの顔からは赤みが消えていった…。
「お、おい!嘘だろ…。
シャーリィィー!!」
そんな彼女の姿を見て、悲痛な叫び声をあげるセネル…。
□ □ □
事の起こりは、本の数時間前…。
いつものように、霧に覆われた魔物を退治するための戦闘へと足を踏み出したセネル一行…。
「さぁ、どっからでもかかってこんか!」
「どうでもいいですけど…あんまり張り切って、足を引っ張らないで下さいよ!モーゼスさん。」
いつも通りのじゃれあい。
「そっち行ったぞ!気をつけろ、クロエ」
「分かっている」
いつも通りの戦闘…。
「……はぁはぁ…はぁ」
違うのは、妙に苦しそうに息をするシャーリィの姿のみ…。
「どうした?シャーリィ?」
「えっ?ううん。何でもないよ!」
そんなシャーリィの異変に気付いたのか…。
セネルはシャーリィの体を気遣う…。
しかし、彼女が何ともないような素振りを見せるものだから…セネルもそこまで気にはとめないでいた…。
ただの戦闘の疲れなのだろう…と。
そんな時…事は起こった。
「危ない!リっちゃん!」
ノーマの掛け声により、全員の視線がシャーリィへと持っていかれる。
視線の先には、倒したと思った魔物が、ここぞと言わんばかりにーシャーリィに切り掛かろうとしている姿…。
セネルが急いで駆け付けるものの…時は遅し。
元々体調が良くなかったのだろう…。
魔物を認知するのが遅れたシャーリィは、横腹辺りを鋭い爪によりざっくりと切り裂かれた…。
「!?シャーリィィー!!」
□ □ □
それからどれくらいの時間が経ったのだろうか。
今もまだオルコットとブレス系の双術による治療が続けられていた…。
「くそ!あの時、俺がシャーリィの状態をもっと気にかけていれば…。」
セネルは、シャーリィの異変に気付きながらも…戦闘への参加を止めなかった自分を責め続けていた。
壁に打ち当てる拳は、血が滲み、見ているこちらまでもが痛みを伴うくらいである…。
「ク、クーリッジ!もう止めろ!自分を責めてもどうにもならない!」
セネルの横の存在…。
クロエはいつも彼を見ていた。
鈍感で、寝坊すけで、だらし無い所も少々…。
だけど不器用ながらも仲間を大切にする優しい心の持ち主…。
そんなセネルにいつの間にか惹かれていた…。
彼の心の中に例えシャーリィがいても…。
彼が苦しむ姿など見るに耐えない。
そんな思いから自分を傷つけるセネルを必死に止める…。
「シャーリィなら大丈夫だ!オルコット殿達がきっと助けてくれる!」
壁に打ち当てられるセネルの拳をクロエは自分の手で包み込む。
騎士であるクロエも女性には違いなく…。
小さく色白な彼女の掌が血の滲むセネルの拳によって紅く染められていく。
「…クロエ…。」
セネルは我に返って、当てていた拳を静める。
しかし、直ぐさまバッと拳を包み込むクロエの手を振りほどくと、
「すまない…。今は放っておいてくれ」
そう言い残し…自分の家の方へとセネルは歩いて行った。
――ザアッ
外は雨が降りしきっていた…。
両親が殺された雨の日…。大嫌いな雨…。
それでも…最近はセネルのお陰でそこまで嫌いではなくなったのに…。
またも…雨の日に嫌な事が起きるのか…。
「私がシャーリィの代わりに傷つけられれば良かったのに…。」
クロエは自然とそう呟いていた…。
シャーリィじゃなく、自分が傷ついたのであれば…セネルがあんな風に自分を傷つけることもないだろう。
あんな彼を見るのは正直辛い。
…違う。
自分が傷つけば、少なくとも…シャーリィを思うセネルを見なくて済むから…。
自分の事をシャーリィのように心配してくれるかも知れないから…。
だから自分が傷付けば良かった…。
私は汚い…。
騎士であると…
女であった自分は、長い髪と共に捨てたはずであるのに…。
セネルに振りほどかれた手が痛い…。
セネルに拒絶された事が、胸に突き刺さる…。
こんなにも…心に女が染み付いている…。
□ □ □
「俺が手を振りほどいた時…あいつ、すごく切ない顔をしてたな。」
セネルは、自分の部屋のベッドの上に腰をかけ、シャーリィの身を心配するのと共に…クロエを拒絶した時の事を考えていた…。
「クロエの手…俺の拳で汚しちまった」
自分の拳を包み込む手があまりにも女性のものだったから…驚いて彼女の手を振りほどいてしまった…。
セネルがそんな思いから、手を振りほどいたのだとは、クロエは微塵にも思っておらず…。
ポタポタポタ…。
水の滴る音と共に、びしょ濡れのクロエが、部屋へと入って来たのは…セネルが呟いたすぐ後の事であった…。
長い間、雨に当たっていたのだろう…。
寒さからか息遣いが荒く…瞳も潤んでいる。
元々身体のラインがはっきりと出る彼女の衣服は、水で更にぴったりと身体に張り付き…、胸、腰、尻などの形を浮き立たせていた…。
そんな彼女の姿は異様であり、また魅惑的でもあった。
「く、クロエ!?」
セネルは、クロエの姿を見て、目を見開く。
一歩一歩セネルに近づいてくるクロエはどこか、遠くを見る面持ちで...。
「なぁ...セネル...。」
セネルの間近へと足を進ませたクロエが口を開く。
「私に何が足りない?」
「えっ!?」
「シャーリィと私とは何が違うんだ?」
「ク、クロエ!!!!」
セネルが驚きの声をあげたのは、決してクロエの言葉に対してだけではない。
彼女が自分の柔らかな乳房へとセネルの手を導いたからである。
「私の方がシャーリィよりも大きいだろう?」
硬直したセネルの手は、まるで動こうとしなかった。
クロエは、自らセネルの手を上下に動かし、自分の胸を揉んで見せた。
むにゅむにゅと柔らかい感触がセネルの手のひらに広がる。
その感触に思わず、セネルは意識が飛びそうになったが...
「.....ふっ.....ん」
クロエが甘い声を漏らし始めた事により、はっと我に返る。
「や、やめろ!!」
セネルは、胸へと導くクロエの手を強く振りほどく。
2回目の拒絶。
その事実にクロエのキリッとした瞳は潤み、涙がこぼれ落ちる...。
「...クーリッジ。私は...どうしたら良い...。」
クロエはセネルの胸を両手で叩きながら、訴える。
「お前に拒絶されるのが...こんなにも苦しいものだとは思わなかった...。
シャーリィがお前にとって大切な存在なのは分かっている。
私は、お前にとって対等な存在でいられるなら...それでもいいと思っていた。
弱っている時に助けられ...助ける...そんな存在でいられれば良いと...。」
クロエの瞳からボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちる。
「しかし...お前はそれを望んでいなかった...。
横にいることを拒絶された私は...もう...。」
セネルは、クロエの姿にただ驚き、どうすることも出来ず、呆然と立っていた。
涙を拭いてやることすら出来ずに...。
「私のこんな姿はそんなにおかしいか....。
私だって...女だ...。お前に拒まれれば傷つくし...シャーリィの事ばかり考えるお前など見たくない...。
女の自分なんか捨てたはずだと自分に言い聞かせれば聞かせるほど、汚い女の部分が湧き出てくる...。
こんな自分が嫌で嫌で...もうどうにかなりそうなんだ...。」
いつも騎士として強い有り様をなしていた彼女が、こんなにもボロボロに弱り切っている。
「クーリッジ...。助けてくれ...。」
クロエはそう呟くと、セネルの唇を自分のそれで塞いだ。
セネルは目を見開いて驚いたが...彼女を拒むことなどもう出来なかった。
ぎこちないクロエの口付け...。
きっと彼女にとって初めての口付けなのだろう...。
「....クーリッジ...。こんな私、軽蔑したか?
でも...もう限界なんだ...。今だけで良いから、私のものになってくれ...。」
クロエは、セネルの体をベットに押し倒し、その上に馬乗りの姿勢になると、彼の顔を両手で包み、もう一度強く唇を押し付けた...。
温かな口腔に舌を差し入れ、セネルのそれに絡ませる。
ねっとりとした感触が口腔に広がり、やがてセネルも恐る恐るといった感じに自分の舌を絡め始めた。
「!?ん....んふっ...ん」
セネルの行動に一瞬、クロエは目を見開いたが、直ぐに瞼を下ろすと....二人でねちねちと口の中を舐め回す。
息が荒く乱れ、部屋中にぴちゃぴちゃと卑猥な水温が響く。
「んっ.....んんっ」
やがて、クロエの脚下に、むくむくと固くなってくる男性の感触が生々しく伝わってきた。
クロエは唇を放すと、セネルのズボンに手を伸ばし、セネルのものを優しく撫でた。
「!?ク、クロエ!!」
今まで抵抗をやめていたセネルもさすがにこれには反応する。
「...クーリッジ」
それでも、涙目で悲痛な顔をするクロエを見たら...退かすことなど出来ず...。
セネルのズボンの中のそれは熱く張りつめていた。
羞恥で顔を横に背けるセネル。
しかし、クロエは躊躇いがちにそれを白く長い指で包み込む...。
その指の感触にセネルは小さな呻き声をあげる。
いまにも弾けそうなセネルのそこをズボンからひねり出すと、クロエはそれを口の中に飲み込んでしまう。
「うぁっ......く、クロエ...。」
唾液にまみれた生暖かい舌がセネルの亀頭にねちょねちょと絡みつく。
クロエは喉の奥までセネルのものをくわえ込み、促すように何度も吸い上げる。
じゅばじゅば
「ぅぁ........っん...」
やがて、絶頂感がセネルを襲い、小さな呻き声と共にどろどろの粘液をクロエの口の中に吐き出した。
「!?ごほっ....ケホ...んっ....んん」
初の射精...。
クロエは全て飲み込むことが出来ず、セネルの精液はクロエの服、顔など色々な所に飛び散った。
顔に飛び散った精液をクロエは指で掬うとペロッと舐める。
そんな仕草がセネルの羞恥を更に高める。
「....クロエ....もう止めよう...。」
顔を真っ赤にして俯きがちに訴えるセネル。
しかし、クロエは、セネルの言葉に耳を貸さず、自分の衣服を脱ぎ捨てる。
「私のここ....もうこんななんだ..。」
セネルの目の前で自分の花弁を両手で押し広げ、愛液でドロドロの秘所を見せつけるクロエ...。
ゴクッ
その艶めかしさに思わずセネルは息を呑む。
まだ頭の中で...止めなきゃいけないと...理性が働く。
しかし、その理性とは裏腹に体は素直に反応してしまう。
「....ぁん...んっ」
クロエはセネルの上に倒れ込み、肉棒と自分の秘裂を擦り合わせるように腰を動かす。
それぞれの愛液が混じり合って糸を引いている。
にゅる.....ぬちょ....。
「くっ....うぁっ...す、擦れて....ぅっ」
「あぁ.....はんっ....。」
瞬間、クロエのクリトリスと亀頭が擦れ、体中に電流が走る...。
「ひぁ!あぁぁぁ.....。」
「....ぅあっ...もっ....だ、駄目だ...。」
その感覚にセネルの崩れかけの理性はもろとも崩れ...
体を起こすと、これまでとは反対にクロエの上に覆い被さるようにセネルは身を乗り出す。
「くっ...クーリッジ!?」
そのまま、クロエの秘所に猛りきったセネル自身を宛い、一気に貫いた...。
十分に潤っていたとはいえ、クロエのそこはぎゅうぎゅうにセネルを締め付ける。
「ぅぁっ....はっ..はっ」
パンッパンッ
肉と肉が激しくぶつかり合う卑猥な音と共に激しく揺さぶられながら...
クロエは堪らずセネルの肩口にしがみつく。
「クッ....クーリッ...あぁ..す...すま..ハッ..ない...ぁぁ..」
涙を流しながら謝るクロエ...。
セネルはそんなクロエを見て、胸が締め付けられるような気持ちになった...。
夢中でクロエの唇を貪り、乳房を揉みし抱く...。
「あっ...ぁっ...はっ...も...もぅ...」
「く...クロエ!クロエ!」
激しく互いを求め合う二人。
クロエの膝ががくがくとわななき、ぎゅうっとセネルを締め付けた瞬間、
「あっあぁぁぁぁぁぁ」
「っうぁっ」
白濁液を撒き散らし、セネルは絶頂を迎えた。
事を終えてからしばらく経った後...クロエは口を開いた。
先程の事は忘れてくれ...
お前にはすまないことをした...と。
彼女がえらく悲痛な面持ちで事を言うものだから...
セネルは何も言えず...ただ彼女の表情を見つめていた...。
□ □ □
翌朝、シャーリィが目を覚ましたという朗報を聞き、セネルは急いで病院に駆けつけた。
病院では、もう皆が集まって、シャーリィの回復を喜んでいた。
無論、クロエも....。
シャーリィが目を覚ました事にセネルは強い安堵を感じた...。
胸をほっと一息つき、壁にもたれ掛かるように座り込む。
シャーリィが無事で本当に良かった...。
そのはずなのに....何かが足りない。
(何で隣にいないんだ...。
こっちを見ろよ...。
笑うな...。
お前の泣き顔ばかりが頭に浮かぶ...。
笑うな...。)
いつも隣にいるはずのクロエの姿がない事がこんなに気にかかるなんて...。
モーゼス達と笑顔で話すクロエの姿など見たくない...。
自分は、昨夜の泣き顔ばかりが浮かぶ...。
セネルは、いつの間にかクロエの腕を掴むと、自分の家の方へと引っ張っていた。
「ちょっ!クーリッジ!何をする!」
「お前のせいだ!お前があんな顔で泣くから...。」
そう...クロエがあんな顔で泣くものだから...。
あんな弱い一面を見せるものだから..。
だから、気にかかって仕方がないんだ...。
――ドサッ
「キャッ...ク、クーリッ....んんっ!?」
ごめんな....シャーリィ...。
俺.....。
END
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