総合トップSS一覧SS No.3-074
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 499氏(14スレ目) セネル×クロエ 2005/09/04 2005/09/06

世界も落ち着いて平和に浸っていたある日のこと、セネルは毎日のように外に出かけていった。
「じゃあシャーリィ、巡回に行ってくるよ」
「うん、気をつけてね」
「ああ」
そう言うとセネルは街の方に猛ダッシュで向かっていきあっという間に消えてしまった。
「ふぅ…」
ある程度走るとセネルは後方を確認しながら大きく深呼吸をした。しかしいつもの海ではない…何故か輝きの泉に来ていた。
「遅いぞ、セネル!」
「あ、ああ…すまない」
ふと怒声が混じった言葉がセネルに投げかけられた、セネルは切れた息を整えながら声の方を向くとそこに立っていたのはクロエだった。
「まったく!もう少し早く来れないのか!」
「…む…こっちだってシャーリィの視線を掻い潜るのに一苦労なんだ」
「それは分っているが…」
「それに…もしばれたら光跡翼を発動されかねないぞ…」
「うっ…それは困るな…」
普段は大人しいシャーリィだが、セネルが他の女性と楽しそうに話していたり二人きりになると不敵なオーラを漂わせるのだ…
いわばセネルに対しての独占欲が強いのだろう。
「それで早速始めるのか?」
「ん、あ、ああ…」
「しかしなんで今頃になって泳ぎを教わりたいなんて言ったんだ?」
「そ、それは…泳げなかったら…お前に…水舞…い、いや!騎士とていつも陸上の戦いとは限らぬからな!」
「?」
慌てふためくクロエに疑問を感じつつも輝きの泉に入るセネルはクロエを手招きした。

「ほら、まずは息継ぎから」
「ま、待ってくれ!いくらなんでもこの服装では!き、着替えてくる!」
クロエはそそくさと木陰に隠れてごそごそと着替えをしている。
「まだか?クロエ」
少し遅いので声をかけるとクロエは木から顔をひょこっと出す。
「どうしたんだよ?」
「うぅ…(いざ着替えたのはいいが…恥ずかしくてセネルの前に出られない…)」
顔を紅潮させてそっぽを向いているクロエにまた疑問を感じながらセネルは木に近づいていった。
「早くしないと練習出来ないぞ」
「ま、待て!まだ心の準備が!」
「何が心の準備だよ、ほら………ク、クロエ…?」
「あ、あぁぁ…」
セネルは目を疑った、何故なら先ほどまでの騎士として姿のクロエはいなかったからである。
「なななな!何なんだよ!?」
「ちちち、違うんだ!これはノーマが泳ぐならこういう格好の方が水の抵抗が少ないとか少なくないとか」
顔を真っ赤にさせながら説明するクロエの話を聞いているのか聞いていないのか、セネルの目はクロエの白い水着姿に釘付けになっていた。
昔はシャーリィの救出やいろいろあって気にもしなかったが、平和ボケというのか余計なことまでに目がいくようになってしまったのである、ただでさえ年頃の男のセネルなのだ。
「じ、じろじろ見るな!私自身恥ずかしいのだ」
「す、すまない!(な、何焦ってんだ俺)」
つられるように顔が赤くなるセネルだが無理も無い、剣をブンブン振っているクロエからは想像もつかないほど華奢で可愛らしく俯いている。
「(と、とにかく教えなくちゃな…)」
「(あぁ…恥ずかしい…)」
「まぁ…その…始めるか…」
「う、うん…」
目を逸らしながらセネルが喋るとクロエはコクンと小さく頷き、せかせかと泉の中へ入っていった。


練習してからどのくらい経っただろうか…クロエは水の恐怖を克服して潜る程度なら出来るようになっていた。
「ぷはぁ!出来たぞ!出来るようになったぞ!セネル」
「あ、あぁ…」
先ほどからセネルはずっとこの調子だ、あれ以来クロエをまともに見ようとしない。
「(ええい!何を焦っているセネル!クロエは泳ぎを習いに来ているだけだろう!)」
セネルは頭を勢いよく横に振っている、それに心配したのかクロエはセネルの近くに歩み寄った。
「どうしたのだ?大丈夫か?」
そんなセネルの気を知ってか知らずか間近に近づいてくるクロエに今まで溜まっていた欲が臨界点にまで達し、
それにいち早く気づいたのは本人ではなく彼女のほうであった。
「……セ、セネル…キャッ…キャァァー!」
「え、な、何だ!?どうしたんだ!?」
「お、お前!そ、それっ!」
「は?」
「な、何なんだそれはっ!」
クロエが指差す先にはセネルのズボンがある、普通のズボンだが何か変なのか?とセネルは思いながらゆっくりと下に視線を下ろすと…。
「…………山が出来てるな…」
「れ、冷静に判断するなっ!!こ、この変態!」
「ち、違う!誤解だ!」
「う、うるさいっ!」
そうは言ってるもののクロエはセネルの脈打つたびに動く股間に興味が湧きすぎてチラチラと見ている。

「ど、どうにかならないものなのか!?というかどうにかしろっ!」
「仕方ないだろう!俺だってお前がそんな格好してなけりゃこんな風になってない!」
「何っ?」
あの鈍感のセネルが自分の水着姿で興奮している…嬉しいような恥ずかしいような気分に見舞われる。
「お、お前…」
「何だよ!軽蔑したけりゃ勝手にしろ!俺はもう帰る!」
「ま、待て!」
クロエは怒りながら踵を反して帰ろうとするセネルの手を掴むと思いっきり引っ張って後ろから抱きついた。
「うわっ!や、止めろ!」
「セ、セネル…本当に私で…」
「ほ、他に何でこうなるんだよ…!」
少し罵声交じりで話すセネル、クロエはそれを聞いた瞬間嬉しくて辛抱たまらん状態だった。
この時ノーマに真剣に感謝しても良いと思った、もう壁は無い…言うなら今がチャンスだ…と。
「(ノーマ!いやノーマ神よ…私に力を!)」
「(うっ…せっかく引いてきたのに…クロエの身体が…背中に当たって…)」
ギュッと抱きしめられるほどセネルはガクガクと身体を震わせる。
「セネル!」
「は、はいっ!」
沈黙を破りクロエの声が放たれる、その威勢にセネルは震えていた身体をピンと伸ばして元気良く(?)返事をすると
クロエは大きく深呼吸をして耳を疑うような言葉を投げかけてきた。

「わ、私は…お前が好きだ…ずっと前から…」
「へっ?」
「いつもいつもセネルの事ばかり考えていた…」
「嘘…だろ…」
「嘘ではない…お前は鈍感で気づかなかったと思うが…」
クロエが俺の事を好き?ポカーンと口を開けたままだらけるセネルはもう何を考えて良いやらさっぱりだ。
「だから…お前に抱いて欲しい…」
「…だ、抱いて欲しいって…?」
「ば、馬鹿者!女の子からそんな事を言えるわけ無いだろ!お前は!」
「抱くって………ちょ、ちょっと待てー!それはマズイ!絶対にマズイ!落ち着けクロエ!」
やっと思考が回復したセネルは何をして欲しいか明確になった、それは自分のものを収める最終手段!
シャーリィの目を掻い潜ってこっそり読んでいた本の内容。
「私はいつも冷静だ!頼む!お前のためならば私はヴァレンスの姓を捨ててクーリッジになっても構わない!」
暴走状態のクロエは抱きついていた手を離すとセネルを後ろから突き飛ばした。前のめりに倒れこんだセネルが仰向けになると
いつの間にかクロエが覆い被さってセネルの手首を掴んでいた。
「セネル…」
「お、おい…まずは話し合おう…な…」
「話し合うよりもこっちの方が分りやすいだろう」
「シャーリィにばれたら光跡翼が!」
「そんなもの私とお前の魔神剣でどうにかなる…」
「そ、そんな簡単なことじゃ…うむっ!」
眼前に迫ったクロエの顔、唇に温かくて柔らかい触感が伝わってセネルの言葉をふさいだ。


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