総合トップ>SS一覧>SS No.3-071
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作品発表日 |
作品保管日 |
優柔不断お兄ちゃんと強がり剣士 |
クイルセデス氏 |
セネル×クロエ |
2005/09/02 |
2005/09/02 |
「ステラぁぁッ!!」
セネルの腕の中でステラが息を引き取ってから一週間。
ヴァーツラフを倒した事によってクルザンドの脅威は去り、
また水の民と陸の民の同盟をきっかけに両種族の距離も縮まった事によって
遺跡船には今平和な時が流れていた。
その日のよる。
「・・セネル。またここにいたのか。」
ステラの墓前にぼうっと立っているセネルに、ウィルが声を掛ける。
「・・ウィルか・・・俺に何か用か?」
魂が抜けたかのように返事をするセネル。
「特に用事という訳ではないが・・・偶然お前の姿が目に入ったのでな。」
「・・・それで?」
「いや・・なんだ、その・・・たまにはシャーリィに顔でも見せてやったらどうだ?」
「別にいいよ・・・」
ウィルの方を見もしないでぶっきらぼうに答えるセネル。
「・・シャーリィは毎日手紙を書くからと言っていたが・・・実際に手紙が届いたのは初めの二日だけだろう?
このままでは、いつか気まずくなってしまうのでは・・・・」
「シャーリィは水の民で俺は陸の民だ・・・それは仕方のないことなんだ・・・」
セネルは自分に言い聞かせるかのようにそう言った。
「・・・本当にお前はそれでいいのか?」
「・・うるさいッ!!」
セネルの怒鳴り声にウィルが驚く。
「俺だって・・・俺だってこのままでいいなんて思ってねェよ!!好きでこんな所で腐ってる訳じゃない!!
けど・・・俺どうすればいいのか・・・今どんな顔すればいいのかわかんねェんだよ・・!!」
手で頭を抱え、そう叫ぶセネル。
「そうか・・・。わかった・・・俺が口を挟む問題じゃないな・・・すまん、悪かったセネル・・・。」
ウィルはそう言うと、静かに墓地を後にした。
「・・・・くそッ!!」
セネルはしばらくステラの墓前に立ち尽くしていた。
「・・・クーリッジ・・」
墓地の下の通りにいたクロエは、セネルとウィルの会話を一部始終聞いてしまっていた。
「・・・・・。」
セネルが墓地から出ようとしたら見つからないように退散しようと思っていたのだが、
いつまでたってもセネルが立ち尽くしたままなので、クロエは帰ろうにも帰る気にはなれなかった。
(私は・・・なんて声を掛けたらいいんだろう・・・)
心の中ではそう思っていながらも、クロエの足は既に墓地の方に続く階段を登り始めていた。
そしてついに、セネルの背中が目の前まで来た時。
「・・ク、クーリッジ。」
「・・・クロエ」
クロエのどこかオドオドしたような声に呼ばれて、セネルは振り向いた。
「あ、えっと・・その・・ステラさんはお前にとって何なんだ・・・・?」
「何って・・・ステラは・・・子供の頃からずっと仲が良くて・・・シャーリィの姉で・・・
俺の守れなかった・・・大切な仲間だ。」
セネルは自分を責めるように言った。
「・・お前がそうまで自分を責めるのは、ステラさんが大切な仲間だったからだけなのか・・?」
「・・・何が言いたいんだ?」
「いや、私はただ・・・」
しどろもどろになるクロエ。
「言いたい事があるんだったらハッキリ言えよ。含んだような言い方はやめろ。」
やつれきったセネルは、心配してくれているとわかっていてもクロエについきつく当たってしまう。
「・・・お前は・・・ステラさんの事が好きだったんじゃないのか?」
「そんな事・・そんな事わかんねェよ・・・・!!でも・・・俺はステラを守れなかった。
これだけはハッキリとした真実だ。ステラの事を思い出すと・・・それだけで胸が熱くなって苦しくなるんだ。」
セネルは胸の内を打ち明ける。
「・・・・そうか。シャーリィは・・・もういいのか?」
「シャーリィは・・・。ステラは死に、あいつはメルネスとして水の里に行ってしまった。
今更どんな顔をして会えばいいのか・・・」
「・・気まずいのはわかるが・・・・クーリッジ・・お前本当はシャーリィが好きなんじゃないのか・・?」
クロエは胸の鼓動を抑えてセネルに訊いた。
「そんな・・・・シャーリィは・・なんていうか、その・・・兄弟みたいなモンだからさ・・。
もちろんシャーリィの事は大切に思ってるし、大事にもしたいよ。でも・・・」
「・・クーリッジの気持ちはよくわかったよ。それで・・お前はどうしたいと思っているんだ・・?」
「それがわからないから・・・ずっとこうやって突っ立ってるんじゃねェかよ・・・。
ステラは守れなかったけど、シャーリィは守る事ができた。
ステラが死んで悲しいというよりは・・・虚無感ばっかりが残ってるんだ。
シャーリィだって、大切に守ってきたけど実際会わなくなってしまえばこんなモンだ・・・
ステラが俺にとってどういう存在だったのか、シャーリィはたったそれっぽっちの存在だったのか。
今の俺には何もわからない・・・」
月の光がセネルの悲しい横顔を照らしている。
「・・クーリッジ・・私は・・・」
「悪いけど今日はもう帰ってくれ。心配してくれてるのはわかるけど、
今の俺じゃお前の言葉には耳を傾けられないんだ。」
「そうはいかない。」
ハッキリと言い切ったクロエの目には、さっきまでにはなかった光が宿っていた。
「な、なんでだよ・?!」
クロエの威圧感に、驚いたセネルは一瞬ひるみそうになった。
「・・・クーリッジはずるいな・・。お前は本当にずるいよ・・・。」
そう言ったクロエの表情は、さっきとは打って変わって儚げだった。
「どこがだよっ?!」
「ステラさんが死んで悲しんでいるかと思えば、一方ではお前に会えないせいで元気のないシャーリィがいる・・。
そのくせ、ステラさんは死んでしまった今になっても好きかどうかもわからないだと・・・?
今でもお前を待っているだろうシャーリィはただの妹にしか思えないだと・・・?」
怒った口調ではあったが、クロエはどこか寂しそうだった。
「それが何だって言うんだよ!!どうせお前には俺の気持ちはわからねェよ!!」
「ああわからないさ!わかってたまるものか!!私は・・・私は・・・お前だけを見ていたんだからな!!」
クロエはとうとう一歩踏み出してしまった。
「・・そ、それって・・・?」
突然の状況の変化にセネルは戸惑う。
「お前にはステラさんがいる・・・・それにシャーリィだって・・。
だから私は、この気持ちをずっと胸の内にとどめておこうと思っていた・・。
でも・・そのステラさんを失い、シャーリィに顔を合わす事も出来ずにお前は苦しんでいる・・・・
そんなお前を・・・私はもう見ていられない!!
わ、私だって・・お前が・・・クーリッジのことが好きなんだッ!!////」
恥ずかしさを隠すかのように、クロエは胸を張って言った。
「・・クロエ・・・」
「何も・・言わないでくれ・・・頼む・・////」
クロエは顔を隠すようにうつむきながら言った。
「私にはわかってるんだ・・・色んな事があったから、今はそんな事言われたって困るだけだろ・・・?
お前にとって・・・私は『大切な仲間』の内の一人なんだろ?!」
いつの間にか涙声になっていた。
「そ、そんな事は・・」
「無理しなくたっていいさ・・・急に変な事を言い出して悪かったな・・。
でも・・・私だって軽い気持ちでこんな事言ってるんじゃない!!
私は・・本気なんだ・・・!!」
クロエが顔を上げる。
「・・・・」
セネルはどうすればいいのかわからない様子だった。
「お願いだ・・・クーリッジ。一度だけで・・・今夜だけでいい。
だから・・・私を抱いてくれないか・・?////」
「クロ・・」
「頼む・・!!無理を言っているのは私もわかっている・・・でも、それでも!!
ここに立ち尽くして悩み苦しんでいるお前を見るたび、胸が熱くなって頭の中がグラグラして・・・
もう私には限界なんだ・・・!!だから・・・お願いだ・・クーリッジ・・!!////」
こぼれる涙が紅潮したクロエの頬を濡らす。
「・・・・わかった。」
「・・クーリッジ!!」
「クロエが・・・そんなに俺の事思ってくれてるなんて・・・・全然気づいてやれなくてゴメンな・・・。
確かに今は色んな事がありすぎて頭の中がゴチャゴチャしてるし、気持ちの整理も出来てないけど・・・
このままで良くないって事は俺にだってわかる。それを気づかせてくれたのはクロエだ・・・。」
セネルはクロエの涙をぬぐってやった。
「ありがとう・・・クーリッジ・・・////」
「それに・・・誰かが自分の事を思ってくれてるっていうのは嬉しい事だしな・・・。
こんな俺でも・・・クロエが望むんだったら・・・」
「うん・・・!!」
クロエは大粒の涙を光らせていた。
「クロエ・・・いいか?」
セネルは優しく声を掛けた。
「うん・・・優しく・・頼む・・。////」
クロエは恥じらいながらそう答えた。
ここは墓地の脇にある草むらだ。
夜遅くだから人がいるという事はまずありえないし、
ウィルの家や病院でやる訳にもいかないので、自然な流れでそのままここでする事になったのだ。
セネルがクロエの上着を脱がせる。
「・・・////」
全身に密着したタイツの上からでは体の凹凸がくっきりとわかってしまい、
まじまじとみつめられるとクロエは恥ずかしい気持ちになった。
「クロエ・・本当にいいんだな?」
クロエは黙ってうなずく。
「あ、あの・・・」
「ん?どうしたんだ?」
「・・・セネルって・・・呼んでいいか・・?////」
蚊の泣くような小さな声でクロエは尋ねた。
「ああ・・・俺もクロエって呼んでるしな・・。」
「そうか・・・。////」
そんな話をしている内に、クロエの服はへその辺りまで脱がされていた。
淡いピンクのかかったブラジャーがクロエの胸を覆っているのが見える。
「あ・・セネル・・・////」
クロエは思わず顔を手で覆う。
「そ、それじゃあ・・・////」
セネルの手がゆっくりとホックを外す。
セネルも、ここまで来たからにはまんざらでもない様子だった。
「うああ・・・・////」
今まで戦いの事ばかり考えて騎士として生きてきたクロエには、この羞恥はたまらなかった。
「俺・・・こういう事よくわかんねェけどさ・・・気持ち・・いいか・・・?」
ゆっくりとクロエの胸を揉みながらセネルがクロエの顔を覗き込む。
「・・んあ・・・わ、私・・こんな・・////」
「クロエ・・・・」
間近で胸を見れば、流石のセネルも心臓が高鳴ってきた。
「・・セ・・ネル・・・んん・・」
セネルの大きな掌がクロエの胸を掴むたびに、クロエは腰をよじらせる。
「・・クロエ・・お前・・・」
クロエの胸の先端は、好きな人に触ってもらう事によって主張を始めていた。
「やだ・・セネル・・見るな・・・!!////」
クロエの顔は真っ赤だ。
「気持ち・・・いいんだよな・・?」
セネルはクロエの様子から感じている事を悟ると、胸の先端を指で弾いた。
「・・あんっ!!・・ダ、ダメ・・」
息を荒くして矯正を上げているクロエは、いつもの凛々しい姿とのギャップもあってか、
セネルの目にも可愛く映った。
じゅん・・・・
胸を揉まれて感じている内に、クロエは秘部が濡れるような感覚を覚えた。
「・・・!!」
「・・・クロエ?どうかしたのか・・・?」
「い、いやなんでもないっ!!////」
慌てて否定するクロエ。
「痛かったのか・・?」
「う、ううん・・・・大丈夫だから・・・続けて・・・////」
続行を希望されたセネルは、さっきまでと同じようにクロエの胸を揉み続けた。
「・・はぁっ!!・・やん・・・・!!」
普段は立派な騎士でも、こうして見れば17の女の子だ。
そうして胸を揉んでいる内に、クロエがもぞもぞと内股を擦り始めた。
「セ、セネル・・・あの・・・そろそろ・・・////」
「え・・・?あ、そうか・・・うん・・・わかったよ・・////」
クロエが何を求めているかを察したセネルは、へそまで脱がせていたタイツに再び指を掛け、
ゆっくりとずりおろし始めた。
ドクン、ドクン、ドクン。
大きな心臓の音は、クロエ6割セネル4割ぐらいだろう。
だが、セネルの手は肝心な所の一歩手前で止まってしまった。
「・・・い、いくぜ・・・?」
「・・う、うん・・・////」
クロエに確認すると、セネルは一気に太もものあたりまで脱がせた。
クロエのそこは、胸を揉まれた時の興奮ですっかり濡れており、黒い恥毛が皮膚に厭らしく貼り付いていた。
「・・・・・・・/////」
クロエは、羞恥に必死に耐えているようだった。
もちろん嬉しい気持ちも一杯なのだが、人前で裸を・・・それもこんな屋外で晒すなんて、
一年前では考えられない事だった。
「ク、クロエ・・・・////」
自分に触られたせいでこんなになっているのかと思うと、セネルは嬉しくも気恥ずかしくなった。
「そ、そんなに見ないでくれ・・・恥ずかしくて・・・おかしくなりそうだ・・・!!////」
クロエが恥ずかしいと思えば思うほど、そこは敏感に反応してピクピクと小刻みに震えている。
「・・・綺麗だ。」
「えっ?!」
「クロエの・・・ここ・・・・すごく綺麗だ・・・。////」
セネルは目の前に晒された無防備なクロエのそこに目を奪われた。
「な、なに馬鹿なこと・・・っ!!////」
とんだ不意打ちにクロエは慌てふためく。
ぴちゃ・・・
そっとセネルがそこに触れると、かすかに水音が聞こえた。
「セ、セネル・・っ!!そんな・・・・////」
セネルは恥じらいながらも感じるクロエを可愛く思い、指を中へと滑らせた。
「・・はぁんっ!?」
突然の快感にクロエは思わず恥ずかしい声を上げてしまった。
「あ、あぁ・・・・」
快感に悶えているクロエをよそに、セネルは指の本数を2本に増やした。
「きゃああぁんっ?!ん、んああ!!セ、セネルっ!!」
二本目の指の感触に、クロエは声をあげる。
「ク、クロエ・・・気持ちいいだろ・・・?」
「・・う、うんっ!!わ、私・・・すごい・・っ!!こんなの・・・初めてだ・・・っ!!」
いつしかお互いに恥ずかしがる事を忘れ、行為に夢中になってしまっていた。
・・・ぐちゅ。ぐちゅ。
もはや『かすかな水音』ではない。
近くにもし人でもいれば聞こえるかも知れないような音をクロエのそこは奏でていた。
「・・どうだ?」
セネルはクロエが気持ちよがっていることをわかっていて聞いた。
「・・あんんっ!!」
だが、クロエはそれどころではないらしい。
声が聞こえていないのか、返事は返ってこない。
「・・・・。」
セネルは何を思ったか、指をクロエから抜いた。
「・・え・・?セ、セネル・・・?」
クロエは驚く。
指を抜いたセネルは、今度は舌を使ってクロエのそこを愛撫し始めた。
「・・っ!!セ、セネルっ?!・・そんなとこ・・・ダメだ・・汚い・・っ!!ひゃああ!!」
「ううん・・・クロエは綺麗だ。俺が今まで思ってたよりもずっとな・・。」
セネルはそう言うと、すっかり勃起して皮の剥けてしまったクリトリスを吸い上げた。
「んんっ!!もう・・ダメだ・・っ!!わ、私変になるっ・・!!あ、ああああっ!!!」
その時だった。
クロエはかん高い矯正と共に、勢いよく潮を吹いた。
「ん・・・・」
クロエがぐったりしたまま目を開けると、大量に溢れ出た愛液によって濡れた太ももや辺りの草、
そしてセネルの顔が目に入った。
「セ、セネル・・・////」
クロエは思わず赤面すると、セネルの名を呼んだ。
「・・・どうだった?」
セネルは少し恥ずかしくなりながらクロエの目を見た。
「あ、ああ・・・・すごく・・・気持ちよかったぞ・・////」
さっきまでは快感によって気持ちが高ぶっていたが、絶頂を迎え終えると恥ずかしくなってしまうものである。
「そっか・・・。それはよかった。」
セネルはクロエの愛液にまみれた顔で優しく笑った。
「・・す、すまない・・そんなにしてしまって・・・・。気持ち良かったからつい・・・・////」
クロエは目を背けて言う。
「気にするなよ。こうさせたのは俺なんだ。」
セネルは顔をぬぐいながらそう言うと、優しく言った。
「そ、そうか・・・ありがとう・・////」
「・・な、なんだかこっちまで恥ずかしくなってきたぜ・・////」
互いに顔を赤くして目を背けている様子は、とても微笑ましいものだった。
「・・・セ、セネル・・・・」
クロエが沈黙を破った。
「・・ん?」
「その・・なんだ・・・お前も・・・////」
「・・・・あっそうか。わかったよ・・。」
クロエの言いたい事を察したセネルは、服を脱ぎ始めた。
「・・・私だけいつまでも裸なのは恥ずかしいからな・・・////」
ぶつぶつ言いながらも、除々に現れるセネルの立派な体にクロエは胸の高鳴りを覚えていた。
「こ、これで・・・いいんだろ?////」
服を全て脱ぎ終えたセネル。
「あ、ああ・・・////」
裸で向き合った状態のまま、二人は硬直してしまった。
理由はもちろん一つ。二人とも裸になって次にやる事と言えば決まっているからだ。
「・・セネル・・・来てくれ・・////」
「わかった・・・。」
恥ずかしげにクロエに誘われて、セネルは生唾を飲み込むと返事をした。
互いの先同士が触れる。
「・・・・・////」
「・・・・・////」
それだけでも、二人の間に緊張が走る。
「・・・そ、それじゃあ・・・////」
セネルはそう言うとゆっくりと挿入を始めた。
「ん・・・・」
少し入った辺りで、クロエの眉がピクッと動いた。
「・・クロエ・・大丈夫か・・・・?」
「あ、ああ・・・私なら平気だ・・・・・。」
本人がそう言うので、セネルは気をつけながらも挿入を続けた。
「・・んっ!!」
再びクロエは苦しそうな声を上げた。今度はさっきよりも大きい。
「おい・・本当に大丈夫なのか?!」
セネルは心配になってクロエに尋ねる。
「・・大丈夫だ・・わ、私の心配なんていいから・・・」
クロエはそう言っているが、その表情はかなり痛そうだ。
ふと見ると、二人の接合部からは真っ赤な純血が流れ出ていた。
「・・クロエ?!血が出てるじゃないか!!」
「・・・で、でも・・・これぐらい・・・」
「無理するなよ・・・。俺はクロエを傷つける為にこんな事してるんじゃないんだからな・・・////」
その一言が、クロエには妙に優しく聞こえた。
セネルはクロエの痛みが治まるのをじっと待っていた。
「・・どうだ?もう痛くないか?」
「ああ・・・。待たせてしまって・・・すまない・・。」
もう血もだいぶ止まってきていて、クロエの表情も穏やかだ。
「じゃあ・・・続きしようか・・?////」
「そ、そうだな・・・ありがとう・・////」
そして再び、セネルは動き出した。
「・・・ん!!ああっ!!」
もう痛みも殆ど引き、クロエは快感を感じ始めていた。
「・・・!!ク・・クロエっ!!」
さっきまではセネルがクロエを気持ちよくしてばかりだったが、
今度はセネルも自身の快感でおかしくなりそうだった。
「クロエ・・・すごい・・っ!!」
ぬちゃ。ぬちゃ。ぬちゃ。
接合部からは激しい音が漏れている。
「あ、ああ・・・セネル・・はぁ・・・」
二人共快楽の波に酔いしれてしまい、時間も忘れて互いを愛しあった。
セネルだって、もうここまで来たからにはクロエと気持ちよくなりたいと思っているようだ。
クロエに至っては、嬉しくて・・・気持ちよくて・・・渇いたはずの目には再び涙が浮かんでいた。
そして・・・
「お、俺・・・もうっ!!」
「・・ん、私も・・・だっ!!」
幾度となく繰り返された激しい行為の果てに、二人は今絶頂を迎えようとしていた。
「・・っ!!うあ、あぁああっ!!」
「ひゃああっ!!ああ!!セ、セネルーーっっ!!」
セネルはクロエから自身を引き抜くと、思い切り熱を放った。
その後・・・
「・・・・。」
行為を終えた二人は、すっかり脱力していまい、生まれたままの姿で草の上に寝転んでいた。
「・・・・。」
気まずい沈黙が続いている。
セネルはどんな言葉をクロエに掛けてやればいいのかがわからなかったし、
クロエは何か行動を起こすと幸せなこの時間が終わってしまうような気がして何もできないでいた。
だが・・・
ガサガサ。
気まずい雰囲気に耐えかねたのか、クロエは服を着始めた。
ガサガサ。
それを見たセネルも、無言のまま服を着始めた。
「・・その・・今日はすまなかったな・・。////」
クロエが服を着ながらセネルの方を向いてつぶやいた。
「いや・・俺は別に・・・・」
「ううん・・・。本当にありがとう・・本当はお前を立ち直らせてやりたかったのだが・・・
いつの間にか気持ちが変な方向にいってしまって・・・////」
申し訳なさそうに言うクロエ。
「俺の方こそ・・・ありがとうだよ。」
「・・・?」
「俺の為に必死に怒鳴ってくれたり・・・俺の事をこんなに思っていてくれたり・・・
今の俺を立ち直らせるには十分すぎるきっかけだったぜ。」
セネルはセネルなりに、クロエに感謝しているようだ。
「だけど・・・今回のはただの私のわがままだから・・・////」
「・・クロエのそういう所、俺好きだな。」
「な・・っ!!そ、そういう言葉は軽々しく口にしないでくれ!!////」
『好き』という言葉に過敏に反応してしまうクロエ。
「それで・・・・その・・・結局私の事は・・どうなんだ・・・?////」
クロエはまばたき一つせずにセネルの目を見つめて訊いた。
「クロエ・・・それは・・」
「わかっている。」
困ったような表情を浮かべたセネルの言葉に、クロエは割って入った。
「え?」
「『お前の事は嫌いじゃない・・・
でも、今は考えなくちゃいけない事や立ち向かわなければならない事が多すぎて
そんな余裕がないんだ・・・。だから今は返事は返せない。』だろ?」
「あ、ああ・・・まぁそうだけどさ・・・」
思っている事をズバリ言い当てたクロエに、セネルは驚きの表情を隠せなかった。
「お前の考えている事ぐらいわかるさ。私はお前の事が好きなんだからな。」
恥ずかしがる様子も見せずに、吹っ切れたかのように淡々とクロエは言ってのけた。
「だから待ってやるさ。ステラさんの事も、シャーリィの事も、全部清算できるまでな。
そして、全部綺麗にカタがついて、お前の気持ちの整理ができた時に返事は返してほしい。
・・・ダメかな?」
「ダ、ダメな訳あるかよ・・。
わかった・・・俺は今、自分の向かわなければならない問題と向き合う事にするよ・・。
クロエから元気も貰ったしな。」
胸に手を当て、クロエの温もりを思い出すかのようにして言うセネル。
「ああ。」
「ゴメンな・・・こんな返事にすらならない返事しかできない男でさ・・」
己の弱さをセネルは不甲斐なく感じた。
「気にするな。それが嫌なら、初めからお前みたいな男好きになるものか・・////」
「あ、ああ・・////」
照れるセネルをよそに、クロエは立ち上がった。
「だから・・・その時まで、私達はたんなる仲間同士だ。
今日の事はどうか胸の奥にでもしまっておいてくれ・・。」
「そ、そうだな・・・」
「いいな、クーリッジ!!」
「・・おう!!」
二人はそれだけ言い終わると、互いに別方向に別れて帰っていったのだった・・・。
★END★
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