総合トップSS一覧SS No.3-064
作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
IF Legendea〜洞穴にて〜 888氏(13スレ目) セネル×クロエ 2005/08/27 2005/08/28

「秋沙雨!!」
轟音と共に、自分より遙かに巨大な敵が倒れる。派手に水しぶきを髪や体に浴びるが、問題ない。
向こうでセネルもカタをつけたようだ。ふぅ、と一息ついて剣を納めた……その時。

「クロエ?!危ない!」
「え……!?キャアアアア!!!」
「うわああああ!!」

悪天候が災いして、崩れやすくなった斜面の上。
セネルとクロエが立っていたその場所は、敵を倒した衝撃をモロに喰らって崩れ落ちた。

「……(だからといって)」
顔を上げる。気を失っているセネルの顔を見上げるような形になった。
転がり落ちたせいで服が破れ肌が所々露出している。
鍛えられた肉体を目の前にして、クロエの胸は変則的なビートを刻んでいた。
セネルにも鼓動が聞こえているのでは、と思うと更に速く波打つ。
多分、真っ赤な顔でいるのだろう。自分で分かる位顔が熱い。
まだ短い付き合いではあるが、彼女はどうしようもないぐらいセネルを好きになっていた。
自分でも不思議だけど、彼には無愛想ながら人を引きつける何かがあるのだろう。

「……(クーリッジの……匂い………………ハッ?!な、わ、私は変態じゃない私は変態じゃないわたしはへんたry……)」

何でこんな状態になってしまったのか……?

「……む、無理なぞしなくていい!!」
「駄目だ。大体足や手を痛めたんだろ?……オレは大丈夫だから。」
「ッ………………あり、がとう……」

足場が崩れた後、斜面を転がってきた二人。
それ程の落差でもなかったことが幸いし、どちらも動けない訳ではなかった。
クロエを気遣うセネルによって彼女はいわゆる『お姫様抱っこ』の格好になっていたのだった。
雨は相変わらず降り続いていた。またどこかが崩れてこないとも限らない。
運良く適当な洞穴を見つけた二人は、そこで体力を回復させることにしたのだが……

「…………」
「……クーリッジ?」
「……何か……眠……」
「ちょ、ちょっと!?」

洞穴に入ってすぐ、セネルが倒れた。
気絶する刹那、彼女を下敷きにしないよう自分から横倒しになったが、そのままクロエを抱き枕のようにしてしまったのだった。
どうやら背中にケガをしていたらしい。深くはないが出血が多い。幸いもう止まっているようだ。貧血でも起こしたのだろう。
それを気付かせない為のお姫様抱っこだったことに気づき、クロエは自分を責めた。
とりあえず応急処置を物凄い体勢からこなして、現在に至る。

しかし具合の悪い体勢である。男性のことをあまり意識してこなかったクロエにとって、
よりによって大好きなセネルの腕の中にいることは喜ばしくもどうすれば良いのか分からない、というのが本音だ。
ただ、漠然と「もっとちゃんとした格好が良かった」と思った。
連戦による汗と先程からの雨で、不快に服が体にへばり付いている。

「……あれ?」

ふと生じる違和感。まさか。と思うと同時に手を伸ばす。

「ッ?!(な……何で!?)」

手の先は彼女自身の下腹部に触れていた。妙な熱さがある。
……雨ではない。そこを濡らしていたのは、汗とも違う彼女の体液。
セネルに抱かれて秘所が反応していたらしい。

「は、恥ずかしい……」

バレたら洒落にならないので小声で漏らすクロエ。一度気付くとやたらに意識してしまう。……それがマズかった。

「ッ…………はぁあ……う、ぅん(はしたない……私はヴァレンスの……誇り高い……騎士なのにぃ……)」

手が触れたせいで感じてしまい、服の上から自慰を始めてしまったのだ。
旅のせいでそういう事は久しくご無沙汰だったため、本能のまま指が勝手に動いていく。

「んうっ……ッ……ひぁん……(クーリッジ…………)」

愛しい彼に触れている所から、彼の体温が伝わる。……少し冷えている。

「はぁ……(クーリッジ……私のために……こんなに冷たい……何が『大丈夫』だ、バカ……)」

自分のためにセネルが……と考えるだけで、さらにクロエは燃え上がる。
もう服の上からでもじゅぷ、と卑猥な水音が聞こえている。

「だめだ……クーリッジ……そんなところ……こわれ……はぅ……ちゃう……」

少しイメージするだけで、自分のものよりごつごつした彼の指に責められている錯覚を起こす。

「んん!!……だめぇ……クーリッジ……それ以上は……!」

もうクロエの頭の中はセネルと自分があんなことやそんなことをしている妄想でいっぱいだった。
心と声が直結して、普段からは考えられない程艶っぽい甘えた声を出すクロエ。
ただ、いかんせん想像なので今のヒートしきった彼女には物足りない。
『せめてクーリッジの声でも聞けたら……』ちょうどそう思った時だった。

「ク……クロエ?!何して……!?」
「えっ!?あっ、やぁっ、だめ!?み……見ない……でッ……んあ?!……ふゃぁぁぁぁぁあん!!」

「は……う」
「……(やばい……どうすれば……)」

セネルが目覚めて行為を見られた事に対する恥ずかしさと、求めていた彼の声によって、クロエは抱かれたまま達してしまった。
あまりの快感に、とろけた顔をセネルに無防備にさらす。 セネルはというと、それなりにそういう事に関しては興味も知識もあったため、
いけない、と思いつつも腕の中のクロエから視線を外せなかった。対応に困りつつも何だか得をした感じだ。
クロエはどうやら自分を想ってそれをしていたらしい。自分を考えていてくれたのはとても嬉しいのだが。

「だ……大丈夫か……?クロエ……?」
「ふぇ……?」

呆然としていたクロエに声をかける。すると……

「キャアアアアアアアアアアアア!!!!」
「うおっ!?」

物凄い力でセネルを突き飛ばしたクロエは、そのまま洞穴の壁を向き、真っ赤になって丸まってしまった。
背中を再び強打して顔を歪めたセネルだったが、すぐに立ち直り彼女に近づく。

「く、クロエ……?」
「見られた……見られた……クーリッジに…………あんな姿を……」
「…………(オレはどうすればいいんだ……)」

結局そのまま気まずく夜を明かしてしまった二人。

「…………」
「なぁ……くろ」
「頼む……何も言わないで……」
「……べ、別にオレは軽蔑したりしないぞ」
「……………………クーリッジ」
「な、何?」
「…………私って変態?」
「………………オレは嬉しいかも」
「ッ?!……ど、どういうことだ!?」
「…………そのままの意味……かな?」
「……」

それからの二人は……イロイロと凄かったとか何とか。

糸冬


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