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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
sweet dancing 171氏(13スレ目) キール×メルディ 2005/06/30 2005/06/30

かつて向かい合った双子星の様に、若きつがいは踊るのだろうか


「僕ぅ〜らはなぁにひとっつぅ知るk」
草木も眠る丑三つ時。街灯の、薄ボンヤリと紫電に染まるこの町に
千鳥足の影とそれを支える影が、無人の街路を歩いていた
「解った、解った。俺らが悪かった。もうすぐ家に着くから、少し黙ってろって」
そう言って、赤みがかった紫髪を揺らす筋骨逞しい男――ガストンは
自身とは間逆の体格を誇る青髪の男、キール・ツァイベルを宥めた
「フラインッフォールダァウン〜〜はばたっきぃなっg」
しかし肝心要のキールはといえば、宥めの言葉なぞ何処吹く風で
多量の酒と己の歌声に酔いながら、歩道をジグザグ歩いていた
「…………ったく、この酔いどれ学士は」
そんな愚痴を零しながらも呆れず飽かず
このヘベレケと共に居るのは友情故か、罪悪故か
兎も角、曇天に覗く星空の下
滅びの爪痕を未だに残す町中を、男二人は帰路へとついた

『クィッキ〜』
目的地たる一軒家に着いたガストンは、珍妙な音の鳴るインターホンを押す
と、数秒のちにドアロックが外され、中からねこにん型パジャマを着込んだ少女が寝惚け眼で顔を出した
「よう、メルディ」
「ガストン?――あ、キール!」
申し訳なさで彩られた顔見知りの男と、顔を真っ赤に染め上げた同居人の姿に
ボリュームのあるふわふわな淡い紫髪の少女は、一気に覚醒する
「キール、遅過ぎだよぅ…………むぅ〜、おまけに酔い過ぎだな」
青髪の御前様を心配してか、ともすれば唇が触れ合うほどに顔を近づけつつ
しかし鼻腔に叩き付けられるワンインチパンチに、顔を顰めた
「なにもぉないあぁすがぁk」
だがキールは、密かに想いを寄せる――恐ろしい事に、本人は隠し通せていると思っているらしい――相手が
文字通りの目と鼻の先に居る現実を認識する事無く、無駄に歌唱力を披露していた
「本当にすまんかった。俺達が悪乗りしたばかりか、今日はガレノスも乗り気でな」
そのくせ自分はさっさと引き上げやがった――と、苦笑交じりに謝罪するガストンに
メルディは、キールが皆と仲良くするのは良い事だから、と小さく首を振った
「ありがとな、ガストン」
屈託無く送られる謝辞に、ガストンは「おやすみ」と返し、もと来た道を戻っていった
「さ、キールも」
「iてぇ〜ねぇむらせ〜て〜」
「こんな所で寝ちゃダメな!…………もぅ、この酔いどれ学士はぁ」
メルディは聞こえもしない悪態を吐きつつ、歌詞通りに夢の世界へ潜行しようとするキールの手を肩にかける
ドアが閉められると、『カチリ』と小さなロックの音が紫色に包まれた静寂の町に吸い込まれた

歳不相応に小柄なメルディに、華奢とはいえ一般男児であるキールを二階の寝室まで運べる筈も無く
一先ず一階の自室にあるベッドに寝かせると、自身はキールの酔いを醒ますべく台所へと向かおうとした
その直後――
「むぇ〜るでぃ〜ちゅゎ〜ん」
「ひゃぁ!」
寝かせたキールが、平時では絶対に出さない様な気色の悪い声と共に突如降りかかってきた
お陰でメルディは前方へと倒れそうになったが、すんでの所で踏ん張りを効かせ
バランスをとろうと体を揺らせる内に、もつれる様にベッドへと倒れ込んだ
「もぅ、何するかぁ」
「あ〜、良い匂い。お前シャンプー変えたなぁ、へっへっへ……」
メルディの下敷きになる形のキールが、紫髪に顔をうずめて馬鹿丸出しの言葉を吐く
普段の彼から受ける理知的で聡明な印象は、理性と共に酒が根こそぎ持っていってしまった様で
メルディの抗議も右から左といった様子で、その頭部から発せられる芳醇な香りを堪能していた
「はぁ、この匂い嗅いでると空だって飛べそうだぁ……」
「ハイハイ、ホントに飛べたら学会で発表しよな?ホラ、お水持ってきてあげるから放してな」
「イヤイヤ、今は……水よりメルディが欲しいなぁ」
「………………へ?」
呆れ気味のメルディに届いたそれは、彼女に思考を停止させるに十分過ぎて
気付いた時には背中にあるジッパーは下ろされ、異性とは思えぬほどに繊細な指先が、下着越しに肢体を這いずり回っていた

「やぁ……ちょっ、キィ……ル」
全くなんという手の早さだろうか。つい今し方までその身に纏っていたねこにんは、ベッドの脇でしぼんだ風船の様に放置され
メルディは既に真っ白な下着姿で、キールに弄ばれていた
「ふ、ぁ……っは……ね、キール……やめよ?」
「ところが止まらないんだなぁ、これが」
的確にツボを押さえられて漏れる喘ぎ。褐色肌に純白の下着というコントラストは殊更に官能的で
乱れる豊かな髪と上気する頬、小振りながらも確かな感触を覚えさせる乳房、と
およそ感じ取れる全てがキールの本能を直撃し、収まらない情欲を更に加速させた
欲望の赴くままに、と言わんばかりにキールの手がブラジャーの下へと侵蝕する
「……――ッ!!」
「遅ぉい」
自身でもはっきりと解るほどに硬直した頂点に直に触れられ、すぐさま脇を締めるも時既に遅く
ブラジャーを捲し上げられ、あえなくその双丘を月明かりの下へと曝け出してしまった
そうと認識してしまえば羞恥からか、予定に無い情事で仄かに染まった頬は、一気に顔全体を紅に染め上げてしまう
それでも苛烈さを増していくキールの愛撫に、自然とメルディも呼吸を合わせるようになっていった
「くっ……ふぅ……っ……!」
部屋の中がメルディの桃色吐息で満たされると、キールも言葉を忘れ我知らずとのめり込んでゆく
つい先ほどまでは顔を顰めるほどに強烈だった臭気は、熱を持った少女の感じる所ではなく
頭の片隅で響く官能への囁きが、やがて全てを覆い尽くした

平時の彼からは想像出来ない、些か乱暴な愛撫
だが、愛する者がもたらすそれは、確かに快楽の電気信号となって体中を駆け巡る
「さてと、それじゃ挿れまぁす」
その言葉にふとメルディが時計を見やると、長針が五分も進んでいない事を教えてくれた
早い。おまけに今宵のキールはやけにアクティブで、過去幾度か重ね合った時以上に激しかった
相手の体を思ってか、愛撫にはかなりの時間を割いてくれるキール
初めて互いを求め合った夜などは、実に四時間半を愛撫に費やし――これにはメルディの方が狂いそうになった訳だが――
それ以降も、前戯で秘所を十二分に濡らしてから挿入を試みてくれた過去を鑑みれば、これは明らかにイレギュラーであった
「一寸待って。メルディ、まだ濡れてないよぅ」
勿論、全くという訳では無い。多少強引であったといえ、キールの手は確かに彼女を昂ぶらせてくれた
が、挿れるにしては些かそれは足りなかった
「何ぃ?……どれどれ」
「!い……っぎぃ!」
メルディの訴えを聞き、パンティの下へと潜り込ませたキールの指が、無遠慮に侵入してきた
軽くかき回してみてもキールは指に湿り気も粘性も感じ取れず、メルディの上げる声音にも苦痛が感じ取れた
「っか、はぁ……!」
「あれぇ、何でだ?お前、不感症なんじゃないか?」
「ぐ……ぅ、って言うか……っは……キール、穴が……違、う」
確かに全く濡れてはいないが、挿入すべき秘所の前後を誤るなど、酔い過ぎにも程がある
そもそもこの所謂「菊座」と呼ばれる所を使っての性交など、双方共に未経験であって
こと、される側であるメルディにしてみれば『間違えました!』では済まされない話であった
「HAHAHA、僕が前後不覚にでもなってるって言うつもりか?有り得ないね」
しかし、古今例の無いほどに酒に呑まれたキールには思い届かず
されるがままにパンティを剥ぎ取られ、遂には体の上下さえ反転してしまった

窓から差し込む月の明かりと街路灯。その融和した光は天からの祝福の様で
しかし、その祝福の只中にいる少女から零れ落ちる、微かな涙と断続的な吐息に歓びの色は無く
何一つ纏わずにうつ伏せた褐色の華奢な肢体に、いっとう張り詰める分身をあてがった
「Let’s挿入〜」
「ッあっく!あああああぁぁぁぁぁ!!!!」
相も変わらず、前後不覚のまま一気に押し込むキール。あまりと言えば酷い仕打ちに、今度こそメルディは悲鳴を上げた
それでもこの酔っ払いは何処吹く風で、すっかり結合したメルディの体を起こすと、腰に手を当てて抽挿を始めた
「イタい!イタい!!キール、やめてぇ!!」
体が上下に揺らされる度に、甘美な快楽の代わりに駆け巡る、引き裂かれる様な激痛
愛も何もあったものではない、粗暴に過ぎる抽挿がメルディの頭を痛みで塗り潰した
「もうヤ……!もうヤダ!キィ……ル!!」
「イタタ、お前本当に濡れないのなぁ。自分でも弄ってみたらどうだ?」
諸原因は自分だろうに、最早拷問以外の何物でもない行為に、メルディは涙を零しながらも、言われるがまま手を動かし始めた

片手は胸をまさぐり、乳首を捏ね、もう片方で陰核を撫で上げ、本来ならキールのそれで満たされていた筈の膣内に指を埋める
真っ黒な頭で懸命に愛撫し、快楽を得ようと試みるメルディ。
しかし、一つ突く度に走る痛みが邪魔をして、結局自身の行為さえ苦痛の助長にしかなり得なかった
それでも時間が過ぎれば、拒絶で強張らせた体が疲労で弛緩し、幾分和らいだ痛みの変わりに、
揉みしだいた胸や指を埋めた秘所が甘い熱をもたらし始めた
「ぅぅ、っく。はぁ……ぁ」
「さぇて、それじゃあラストスパートと行きますか!」
「ふぅ……え?」
僅かだが痛みも引き、漸く頭を塗り潰す霞が黒から白へとなり代わろうとした矢先にこれである
只でさえ無理のある抽挿は、身体を内から削り壊さんばかりに激しく、再びメルディを激痛の渦へと引き摺りこんだ
「ッヒィ……!う、あっつ……ぅ!!」
「ク、うう……」
最早暴力にも等しい抽挿は、殊更にメルディの顔を涙と涎で歪め、
しかしキールはそれさえ気にも留めずに、ただただ己の欲望の赴くままに絶頂へと登りつめていった
そして――
「うおおおお!僕は、鳥になるッッ!!」
「ッ!ああああああぁぁぁぁぁ!!!」
爆発の瞬間、キールは乱暴に剛直を引き抜き、うつ伏せた褐色の背部と臀部に白濁をぶちまけた


祝福の光に満たされた寝室に、再び訪れる静寂。互いに聞こえるのは、か細くも荒い息遣い
少女は純白のシーツを、その瞳より零れ落ちる涙と、その口端から伝う涎で濡らし
青年は過度の運動で、その頭の芯まで酒漬けにし強く、重く揺らしていた
――そして青年は、何かに追われる様に急ぎ、部屋を後にする
後に残った少女は、背中を白く汚したまま、身動ぎ一つする事無くうつ伏せていた

行為を終えたキールは足早にキッチンへ向かったかと思うと、流し台に顔を近付けた
「……う、げっえええぇぇぇ……ぇほっ、げほっ!ッハァハァ」
直後、一気に吐瀉物を撒き散らすとニ、三度咳き込み、そのままうずくまる様に流し台に体重を預けた
しかし頭は眩む様な熱に侵され、口の中は独特の匂いで充満し、
キールは数分と待たずに細身の体躯を持ち上げ、グラスに注いだ水を飲み干した
滑る様に喉を流れ落ちる冷水は、何時もよりずっと清涼で、頭の熱と酸い口内を根こそぎ洗い流す様だった
と、次第に頭が冴え始め、キールの心中に酔いや嘔吐感とは別の不快感をもたらす
「…………僕は」
――鮮明になる記憶
――克明に刻まれる悲鳴
「僕は……何を…………」
それは平時のキール・ツァイベルを自己嫌悪の袋小路に追い込ませるに、充分過ぎるほど充分であった


グランドフォールを阻止する旅の最中に知った、虐待の事実
しかし、それをおくびにも出さない健気な少女に惹かれ、
だからこそ傷付ける事のない様、特に夜の営みには細心の注意を払ってきたのに
――流石に初夜の愛撫に四時間半を費やしたら、その少女の方から叱責を受けた訳だが
己の仕出かした仕打ちは、彼女にどれほどの傷を負わせてしまったのだろうか
大切にしようという、自己の誓いを破ってしまったのではないか

深い嘆息を吐きながら、鬱屈とした思考を払う様にかぶりを降ると、目端に見慣れぬものが入り込んできた
(……浄……水、器?)
先程の、清流が体内を駆け巡る様な感覚はこの為か
しかし、出掛けのキールには憶えが無い。となれば――?
(あいつはこんなにも僕の事を考えてくれているのに……)
もう一度、グラスに注いだ水を一気に飲み干すと、キールは足早に寝室へと戻っていった

そっとドアを開けベッドを見やると、そこには手足を投げ出し、人形の様に微動だにしない少女が転がっていた
白濁に汚された裸体は何処か痛々しく、先程までの官能的な雰囲気が感じられずに、キールは自責の念を更に強めた
「メルディ」
硝子細工に触れるが如く搾り出されたそれに、しかし少女は不必要なほどにビクリと身体を揺らす
焦点の合わない目に恐怖の色が滲み、彼女の防衛本能が、震える裸体をうずくまらせた
名を呼んだだけでこの反応。それでもキールは、深淵の様に静まり返った夜の空気に言葉を乗せる
「すまない」
静寂に響く謝罪の声。それは少女の小さな小さな岩戸を開かせた
彼は見る。水面に覗く紫水晶の様に、涙に濡らした大きな瞳を
彼女は見る。自己への嫌悪感に塗れ、罪の意識に圧殺されそうな蒼の瞳を
思わず交錯する互いの視線に、キールは数瞬間を置いた後に逸らした
「……キー、ル?」
掠れた様な声。これは泣き疲れた声だ、とキールは思考する
しかし、存外怯えを感じさせなかったのは自身の願望か、はたまた事実か
「メルディがこと……わか、る?」
――別段、認識が出来ていなかった訳ではなく、単に押さえが利かなかっただけなのだが
彼女の感じ方も解らなくはないキールは、訂正を省き、視線を逸らしたままで一つ頷いた
そしてまたも訪れる静寂。答えを提示したのに、反応の無いメルディを不思議に思い、キールは視線を彼女へ移す
と、そこには安堵と歓喜のない交ぜになった、愛くるしい珠の様な笑顔があった
それは一糸纏わぬ姿と相まって、キールの劣情を激しく掻き立て、再び分身をもたげさせる
体中が俄かに熱を持ち始め、しかし理性が先程の愚行を頭の中に再生し、キールを律した
小さく深呼吸をし、慎重に歩を進め、ベッドへ腰を下ろす
すぐ脇には、悲痛な叫び声を上げながら蹂躙された事など、疾うに忘れてしまったかの様に穏かなメルディ
一つの芸術品として、そして一人の女性として、この上なく美しい少女に、キールの体温は更に上昇する
「……服を着ろ」
だからこそ、こんな突っ撥ねる様な態度が出てしまう訳だが
言葉が宙空に伝播した途端、月に照らされた壁のシルエットが一つに重なり、その勢いのまま倒れ込んだ

「えへへへ、優しいキール。いつものキールだよぅ」
「……バカな事言ってないで服を着ろ」
「脱がしたのはキールだな」
やや上擦った声で抗議するキールに、すげ無く切り返すメルディ。
押し黙ってしまった彼の胸は、早鐘の様に忙しなく脈動し、顔を埋めたメルディに自然と笑みが零れた
「ふふ…………ん?」
「ッツ……ゥ」
飽く事無くキールに抱きつくメルディの太腿が何かに当たった瞬間、キールの顔が僅かに歪む。
ふと、視線を下半身に移すと、太ももの密着するローブの一点が山なりになっていた
メルディが顔を上げると、そこには気恥ずかしげに顔を背けるキールが居た
「キール、痛いのか?」
「自業自得だ」
心底からの心配であったが、帰ってきた返答は味も素っ気もないもので
メルディは暫し黙した後、おもむろにローブに手をかけた
「ッ何をする!」
「痛いなら、メルディが舐めてあげるな」
当然の反応に対し、およそ理解の範疇を超える返事に、キールの思考はフリーズを起こした。
その間にも、メルディは器用にキールのローブを剥ぎ取り、問題のものをパンツから引き摺り出す
と、メルディの視界に、やや赤みの差す、屹立した陰茎が飛び込んできた
今日を除き、幾度か見たもの。今日も、自身の膣内を満たしてくれるはずだったもの。
しかし、あらぬ所を強引に踏み躙ったもの――そんな事を思いながら、
メルディは間近に見る男の象徴を、我知らずと手にとっていた
「!ち、一寸待て!お前、今自分が何を言ったか理解しているのか!?」
触れられた途端、我に返ったキールは些か大仰にがなり散らす
「はいな、解ってるよぅ。オチンチンは舐めてあげるとキモチヨイな。キモチヨイと痛いのなくなるよ?」
「やった事あるのか!?」
「ないよー。でも、アイスキャンデーみたいなものでしょ?」
「全然違う!!」
「そうなのか?同じ様なものだって聞いたのに……」
「だ、誰がそんな事を!!」
「ガレノス〜」
あの、エロジジィ――などと思いながら、視認できる勢いで肩を落とすキール。
とは言え、初めての行為に満更でもない自分がいる事は、身体の火照り具合から良く解るというもので
「…………好きにしろ!」
観念したのか、衣類を脱ぎ去り片膝を立てながら、改めて怒張した陰茎をメルディの前に晒した

「ンく……ちゅル……」
耳鳴りがするほどに静まり返った寝室に、響き渡る淫猥な音。座する男のシルエットに、
兎の様に丸まった少女の影が前後する度にそれは鳴り、今やこの音だけが世界を支配しているかの様だった
「んちゅ……ヒィルゥ……ヒモチイイかぁ?」
「喋るな、歯が当たる。それと、いちいち僕の事は気にしなくて良い」
「ふぁいなぁ……ちゅぱ……ふぅむ………ん……ちゅ」
口の中に含まれた陰茎は、メルディには些か大きい様で。
僅かに掠る前歯と、拙い舌の動きがそれとなくキールを刺激し、その度にメルディの口内で脈打たせた
馴れぬ舌使いで懸命に奉仕する少女の心情を、キールは考える
うずくまったお陰で晒された背中には、自身の刻みつけた白濁の痕。
時折、此方を窺う少女の瞳は涙で赤く充血している。
そして何より、少女が咥えているそれは、先程まで己を傷付けた代物であるとうのに――
(何でこいつは……)
相も変わらず淫らな水音と共に動く少女の姿に、キールはいとおしさを強く覚え、
痛めつけてしまった臀部を優しく撫でてやった――が
「ひゃぅ!!」
「いだぁっっ!!」
突然の柔らかな刺激に驚いたメルディの歯が、咥え込んでいたキールの陰茎に、文字通り噛み付く形になった
男にしか解らないであろう痛みに、一気に萎れた患部を押さえうずくまるキール。
しきりに痛覚を発する頭の片隅で、因果応報の意味を噛み締めながら、狼狽えるメルディに『大事無い』と宥めた
「続き、するか?」
「……遠慮しておく」
それから暫し、少女は色々な意味で可哀想な男を介抱してやった

「さて、と。それじゃ、行くぞ。良いか?」
メルディを見据え、組み敷くキール。痛みが引けば、萎れたモノもまた張り詰め、罪悪感さえ何処かへ引いてしまった様だった
「キールは大丈夫か?まだ痛いなら、メルディは別に……」
「良いよ、大丈夫だ。それに――」
そこでキールは言葉を区切ると、メルディの濡れた秘所に宛がった陰茎を、一気に突き入れた
「僕の事は気にしなくて良い、と言ったぞ」
今度こそ真正面から繋がる二人。互いの息遣いさえ聞こえるほどに近付いた唇は小さく、軽く、触れ合った
儀式にも似た口付けを終えると、キールは肉襞の感触を味わいながら、ゆっくりと抽挿を始める
一つ、メルディに突き入れれば、艶やかな彼女の唇からは熱の籠もった吐息が溢れ
幾度も幾度も繰り返せば、それはやがて喘ぎとなって零れ落ちた
「くぁ……っはぁ、キ……ールゥ」
「ッ……メルディ、痛くはないか?」
「んぅ、大……丈夫な…………もっと……突いてイイ……よ」
潤む瞳、濡れる唇、淡く輝くエラーラ――律儀に答える少女はその全てがとても愛らしく、
キールの情欲をいっとう刺激し、更なる抽挿を繰り返させた
心音と同等ほどの律動で動かされながら、いつしか二人は互いの背中に手を回し、抱き合う様に求め合った
それはまるで、かの太古に創世神によって歪められ、向かい合った双子星の様で
生まれた星を違える二人は、一つとなって深く、深く快楽の中へ溺れていった

キールが動く度に結合部からは蜜がとめど無く溢れ出し、嬌声と共に響く淫音は激しさを増していった
「ふっ……はぁ……ぁ、も、もうダメ……ェ」
「ッ……ク……僕も、そろそろだ」
互いに絶頂は近く、背に回した手に力がこもる。
抽挿はより一層激しさを増し、キールは突き入れる分身が限界を向かえようとしている事を感じた――が
「ッ!?」
膣内から抜き出そうとした正にその時、メルディの細い脚が腰に絡み付く。
メルディの、溶けてしまった様に胡乱な瞳が、多分に艶やかに潤んでいた
「えへへぇ……イイよ、膣内でも」
「バッ!おい、待て!!」
と、口では言うが、既に臨界点に近付いた射精感を止める事など出来よう筈も無く
「クッ……ァ……!」
「ふ、ぁ!……あ、は……あつい……」
メルディと共に絶頂を向えたキールは、既に一回発した後とは思えない量の白濁液を、その膣内へと注ぎ込んだ


薄地のタオルケットに包まれながら、すぐ隣で渋面を作る青年の細身に絡みつく少女の表情は、何処か嬉しそうで
視線が交わる度に、頬を緩めてはにかんでいた
「お前、自分が何をしたのか解ってるのか?」
声質に幾分怒気を含ませながら、その手は少女の柔らかな紫髪を優しく撫で付けている
彼自身、感情と現状の処理に困っているのかも知れない、と思いつつも首はしっかりと縦に振るう
「キールがいつも外に出すのは、メルディがコト考えてくれるからでしょ?さっきだって――」
「なら、何で……」
「でもな、大丈夫。メルディは……キールのコドモ、欲しいよ?」
拙いながらも繰られるそれは、明確な告白で。先手を取られた事への気まずさからか、
キールは小さく『馬鹿が』と罵ると、撫でていた頭を胸元へと押し付けた
「そう焦る事でもないだろう?今はまだ時期じゃない。僕もお前も、もっとちゃんと落ち着いてから作ったって、遅くはないぞ」
「メルディは、今欲しいよぅ……」
ぷぅっ、と頬を膨らませて顔を摺り寄せるメルディに、キールは別の話はないものか、と思案する
と、酔いでおかしくなった鼻腔を擽った先程の芳醇な匂いが、再び香った
「そういえば、シャンプー変えたんだな」
「さっきも聞いたな」
「一昨日に買ったばかりだろう?」
「ん〜……ガレノスがな、今日浄水器と一緒に持ってきたよ」
またか――と苦笑交じりに嘆息するキールは、しかし妙な感覚を覚えた
今宵は何故だか、やたらとかの老人がちらついて見える。シャンプーの件もそうだし、浄水器も彼の仕業であった
メルディにフェラチオなんぞを教えたのも彼だし、思えば自分を此処まで酔わせた者も――

そこまで思考すると、キールは威勢良く飛び起きてリビングへと駆け出し、直ぐにルイシカの旧領主邸へと電話を繋いだ
「おい、ガレノs」
『むぇ〜るでぃ〜ちゅゎ〜ん』
「!?」
『はぁ、この匂い嗅いでると空だって飛べそうだぁ……』
『あれぇ、何でだ?お前、不感症なんじゃないか?』
『うおおおお!僕は、鳥になるッッ!!』
「なっ……」
しかし、受話器の向こうから聞こえてきた、今や思い出したくも無い戯言に、キールは絶句してしまう
と、そこで見計らった様に電話の主の声が聞こえてきた
『いやぁ、随分盛んな事じゃなあ。若いってのは良いものじゃ』
「と、盗聴してたのか!?」
『人聞きの悪い事を言わんでくれよ。引っ越す際に た ま た ま 忘れた私物があっただけの事じゃ』
「じゃあ、メルディに何を吹き込んだ!?」
『男女の営み、と言った所かのう……あれもそろそろ、そんな知識の一つや二つ憶えても良かろうて』
「まさか、シャンプーにも何か仕掛けたのか!?」
『フム、あれはアルコールと混ざって初めて高揚感が得られる……ま、一種の麻薬じゃな。何、少量ならば依存性などありはせんよ』
「……浄水器にも、か?」
『催淫剤を一回分』
最早憤りも消えて失せ、キールは肩を落とし頭を垂れた

「アンタにこんな趣味があるとは驚きだよ、全く」
『なになに、既成事実を作っておけば言い逃れも出来んと言うからのぅ』
「ハァ?」
『元々は水を飲ませてから本番へ、という算段じゃったが、順序が変わってしまってな。まぁ、最終的に目的は達した訳じゃし、良しとしとくかの』
「待て、何を言っている?」
ガレノスの言動は兎角不可解で、キールの思考を掻き乱す――否、それは薄々と感づいている真実を否定したいが為の問い掛け
『解り切った事を聞くのぅ。仕掛けたのはアタシじゃが、仕掛けを考えたのは――』
しかし現実とは無情なもので、女というのは恐ろしいもので。つまり今宵の出来事は全て――


この月夜の情事から一ヵ月後
つつがなく生理を迎えた膨れっ面の少女の脇で
青年は気付かれぬ位小さく、胸を撫で下ろした

                                    sweet dancing 〜FIN〜


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