総合トップ>SS一覧>SS No.3-035
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
可愛いペットととの触れ合い方。 |
ショタが本命氏 |
ユージーン&マオ×アニー |
2005/05/30 |
2005/06/01 |
猫耳。
ここ最近増えてきた新しいヒトのような種族。
しかし彼等をヒトとして扱う者はいない。
なぜなら彼等は愛玩用に生み出された人工的な生き物だからだ。
ヒューマのような顔と、体。
猫に似た耳としっぽ。
限りなくヒトに近い彼等は主人の性的欲求を満たすために改良を重ねてきた。
いつでも相手ができるように生理や妊娠といったものを無くし、良く感じるようにいやらしい調教を受ける。
彼等は性奴隷として、人々に普及していった。
猫耳の少女、アニー・バースはショーウィンドウの中で好奇の視線にさらされていた。
調教を受け、彼女は売り出されようとしていた。
首輪を着けられ、鎖で繋がれて。
ぼんやりと外を見つめているとガジュマの大男とヒューマの少年が立ち止まった。
「ねぇ!ユージーン!あの子欲しい!」
こちらを指さして少年は言った。ガジュマの大男は首を振ったが少年は駄々をこねているようだ。
しばらくするとガジュマの大男はあきらめたようで二人で店に入ってきた。
二人は店員と話をしていた。
猫耳は限りなく人に近く、一人前にするまで手間が掛かるため高額だ。
そのため貴族の玩具になることがほとんどである。
二人は到底貴族には見えない。しかし、
「あの猫耳ですね?」
「あぁ。そうだな?」
「うん!あの子!!」
会話から本気でアニーを買う気のようだ。
「じゃあこれはおまけです。」
店員は袋にアニーを調教するときに使った道具をいくつか入れた。
「でてこい。」
店員は鎖をはずすと、アニーを強引に引っ張った。
「挨拶しろ。」
店員は小声でそう言うと二人に愛想良く微笑んだ。
「アニー・バースです。よろしくお願いします。ご主人様。」
「名前なんて管理するためについているだけですから気にいらなければ変えても結構ですよ。」
「ううん。アニーでいいよ。可愛くてその子に合ってるもん。」
店員の言葉を赤毛の少年は笑いながらそう、否定した。
「じゃ、行こうか♪」
「あ、はい・・・。」
少年に手を引かれ、アニーは店を出た。
二人の後について、初めて店の外に出る。
風、太陽、植物。アニーにとって、全てが新鮮だった。
しかし周りの視線は冷たく、アニーに突き刺さる。
いくらヒトに近いといっても猫耳はヒトではない。
『性奴隷』『玩具』として人々に認識されているのだ。
そのため普通の親は猫耳に子供を近づけないし、猫耳は主に通信販売で取引されている。
いくら普及しようとも猫耳を連れて町を歩く人間なんてそうはいない。
「あの…。」
アニーは思い切って聞いてみる事にした。
「なあに?アニー。」
「私なんかを連れて、恥ずかしく…無いんですか…?」
アニーの質問に赤毛の少年は不思議そうな顔をした。
「なんで?だってアニーは今日から僕の家族なんだよ?家族と歩いてて恥ずかしいなんて変だよ。」
「家族…。」
彼らは自分を『玩具』として買ったわけではないのだろうか?
「着いたぞ。」
ガジュマの男の声がして、アニーは我に返った。
そこはそれなりに大きなマンションの一室だった。
「すごい…。」
狭い店の中しか知らないアニーは思わず声を上げる。
「今日からアニーもここに住むんだよ♪」
少年はアニーに笑いかけた。
「俺は仕事で留守が多い。アニー、マオの相手を頼むな?」
「あ、はい!」
二人は温かい笑顔でアニーを迎えた。
その笑顔を見て、アニーは自然と安心していた。
しかし、アニーは知らない。
赤毛の少年、マオの『遊び』がどんなものか…。
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