総合トップ>SS一覧>SS No.3-033
作品名 |
作者名 |
カップリング |
作品発表日 |
作品保管日 |
tale of dreamer |
駄文工場氏 |
ロイド×コレット |
2005/05/28 |
2005/05/29 |
夢を、見ました
懐かしい、あの頃の夢を………。
独りだった私……、私の立場なんて全然
気にしないで、あなたは
『俺はロイドって言うんだ!お前は?』
ごく普通に話してくれた。
『神子……?何だかよく分かんねえなあ……要するにお前はお前だろ。関係ねーって!』
あなたみたいな人、初めてだった。
『ホントにドジだなぁ…。ま、そうじゃないとコレットらしくないかもな!!』
エヘヘ……そうかな?
『喜ぶ所じゃねーだろ………』
エヘヘ……ゴメンね?
『謝るのも違う!』
あなたとのお話は、いつでも楽しくて。
気づいていないかもしれないケド、
いろんなモノをもらったんだよ?
私が自分の“役目”を理解した時には、それが一番の慰めだったし、
向き合うようになってからは、勇気をくれる魔法みたいだった。
あなたがいない場所は、コワイ……。
『転ぶなよ!』
いつもの調子で
『ドジだなぁ』
話し掛けてよ?
『コレット』
寂しい……会いたいよ………ロイド………
少女は、目覚めた。
覚醒しきらない意識に、汗の感触だけが
はっきりしている。気持ちが悪い。
とても暑い夜だ。
満月の煌めきが地上を照らし出して、焚き火が消えているのにも関わらず、隣で寝ている幼なじみの顔がよく見えた。
二人で見張りの当番をしていたが、
どうやら眠ってしまっていたらしい。
お話しし過ぎちゃったかな……と少し後悔する。魔物がやって来なかったのは、幸運だった。
「う〜ん………」
まだ彼は起きない。常に切り込み隊長として、敵の群れに突っ込んでいる体には、
傷の跡や疲労が溜まっているのだ。
無理もない。
しかも彼の場合は、コレットが危ないと誰より先に助けに向かうので、尚更だった。
そんなに心配しなくても……と本人はロイドを気遣うが、正直な所、守ってもらうことは嬉しかった。
いつもそばに居られる。それが最大の理由だった。
住んでいた場所を見上げる事になるとは、夢にも思っていなかった。そして、彼の横に居られることも。
一度は、また話すなんて諦めきっていた。
だから今日のように話す機会があれば、ずっと話し込むのもしばしばだった。
「ロイドを見てると、体の中から心が溢れてくるの!」…彼にはそう言っている。
自分を助け、仲間を助け、彼自身に降りかかってきた困難をもはねのけて。
それでも全く変わらない、彼。
いつしか淡い想いは確実なものに変わり、胸を締め付けるようになっていた。
「ロイド……」
愛しい幼なじみの寝顔に触れる。
温もりを感じるだけでも、鼓動は早鐘になり、心は浮つき出す。
切なさで心が満たされて、「おかしくなっちゃいそうだよぉ……」彼の顔に指を這わす。
コレット自身、重症だなと自覚している。
「一緒なのに夢にいつも出て来るんだよ…エヘヘ、おかしいよね〜。」
相手は寝ているので、彼女は少しだけ思い切って普段想っている事を言ってみた。
実際の彼も夢でみる彼も、コレットにとっては理想の人。ロイド以外考えられない。
そんな事を眠る彼にぽつぽつ話す。
「……でね、んと、えと、///私は…」
「………zzz…」
「ロイドが…だ、…だい…好きだよ…?…あ、ももちろん…男のヒトとして……」
「…………(ガバッ)」
「え?!」
突然だった。
ロイドの腕に押されて、彼の体の下で、コレットは横倒し状態になっていた。
最初は目を白黒させていたコレットだが、置かれた状況に気付くと、真っ赤になって黙り込んでしまった。
ロイドに触れている所だけ病気にかかっているようだった。信じられない位熱い。
しばらくして落ち着いたコレットは、とりあえず
嬉しいような困るような状態を何とかするため、黙ったロイドに声をかけた。
「ロイド……?い、いきなりどうしちゃったの…?」
「……ごめん、途中から起きてて……それで……」
「それで……?」
「が……ガマンできなくて……よ」
「?!…それって」
声が自然と上擦る。期待で心が麻痺する。
「好きだ、コレット。誰よりも。」
「ロイド………」
待ち望んでいた言葉が、彼女の心に響く。
切なさは甘い言葉で瞬く間に
安心感に変わり、涙をもたらした。
「お、おい!?泣くなよ!」
「ゴメンね……嬉しくって……、ホントに嬉しくって……エヘヘ…泣き虫だね、私…」
覆い被さったまま、コレットの涙をロイドの舌が掬っていく。
「んひゃあ!?」
目元のザラザラとしたモノに驚いて、つい
声をあげてしまった自分が恥ずかしくて、
コレットはまた真っ赤になって俯いた。
「……イジワルなんだから……」
「わりぃわりい。……続きも、いい?」
「///もぅ……。ロイドのえっち……」
彼女は彼を受け入れることにした。
前のページへ戻る