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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
強さへの想い 魔都伊氏 リムル×カイル 2005/05/10 2005/05/13

   /昼・闘技場


「飛翔せよ! 疾空の刃!」

 少年の剣が唸る。
 少女と交差するかのように、一閃し、背後を取ろうとした。
 だけど遅い。その動きは少女に読まれている。
 剣を防がれるだけではなく、その一瞬ともあろう動きを見切られていた。
 
「奥義!!」
「甘い!」

 もう一度、さっきと同じ位置に戻るように一閃。
 だけどそれも無意味。少女にとっては簡単に避けれるものだ。
 次に出る一撃は重く、華奢な少女の体など一撃で先頭不能に出来るだろう。
 だけど、それは命中すればの話。
 この一閃を避けられれば、次の一撃を命中させる可能性は極端に下がる。
 
「翔王!」

 少年は大きく跳躍した。
 視線には少女しか写っていない。
 ―――避けられる。少年はそう直感した。
 モンスター相手に、何度も繰り出してきたこの技。何度も難を逃れてきた奥義。
 だけどそれも少女には避けられる。
 そもそも間違いだった。複数相手に強力なこの技を一人の少女に使う事。
 唯の剣士ならば十分過ぎるほど倒せる要素の在る技なのだが、少女と少年の実力はほぼ互角。
 ならば一瞬のミスが命取りになる。

「絶憐衝!」

 それでも、一度出そうとした技を急に止める事は、それこそスキを大きく作ってしまう。
 少年は気のようなものを纏い、少女目掛けて急降下する。

「うっ!」
「勝負の切り札は」

 紙一重で避けられた。

「最期まで取っておくものよ」

 聞こえる声は背後からのものだ。
 すぐにでも振り向かないとやられる。
 本能でそう思い、少年は振り向く。が、そこには少女の姿は無い。
 少女は少年の振り向きに合わせ、背後に回ったのだ。

「それが貴方の敗因!!」

 少女は剣を一閃する。
 少年の体を切り刻み、この闘いを勝利にする一撃。の筈だった。
 あろうことか、少年は剣の柄で少女の剣を受け止めた。
 一瞬でも、一寸でもずれていれば少女の剣の餌食になっただろう。
 まさに奇跡としか思われない動きに、少女は一瞬戸惑ってしまう。
 ―――その一瞬を、少年が見逃す筈は無い。

「うぉらぁぁぁ!!」
「―――!!」

 少年・カイルは力任せに剣を振るう。
 だけど、それは少女・リムルに取って避ける事が不可能なものではない。
 せっかくのチャンスを少年は逃した。きっと、周りはそう思っただろう。
 だけど違う、少年は剣を振った時の反動を使って、瞬時に一歩前に出る。
 
「うぐぁ」

 悲鳴はカイルのものだ。
 剣を振った反動を使って後ろや横に移動するならともかく、前に出るなど足にかかる負担は大きい。
 体力が有り余っている状態ならまだしも、戦闘は既に30分は経過している。
 両者一歩も引かず、傷は浅い。
 浅いといっても、それは普通の人なら倒れている程の傷だ。
 30分も動き回れば体力も限界だろう。
 そんな状態で足に負担がかかれば、そうとう辛い。

「はぁ!」
「くっ!」

 それでも、攻め込むチャンスを不意には出来ない。
 足の痛みを我慢しつつカイルは剣を振るう。
 ガキンと剣が交わる音がする。
 さすがというべきか、バックステップを取りながらも、リムルはカイルの剣を防いだのだ。
 
「でい!」
「―――こっち!」

 リムルは右に跳躍する―――カイルは左に剣を振るう。
 そう、つまりはリムルは避ける事に成功した。
 これで状況は五分。と、思われた。
 しかし、カイルの剣は壁にぶち当たってしまった。
 そう、つまりはカイルは遅れを取ったことになる。

「これで終わりぃ!」
「蒼破刃!!」

 リムルの剣は、確実にカイルに命中したものかと思われた。
 しかし、カイルは壁に当たった勢いを利用し、検圧を飛ばすと同時にバックステップを踏む。
 
「―――ぅ!?」
「そこ!」

 剣圧は目くらまし程度の威力しか無かったが、それで十分。
 カイルはバックステップを取った瞬間に前にダッシュ、勢いに乗ったまま剣を振り上げる。
 カーンという剣が交わる音がすると同時に、剣が空を飛ぶ。
 目くらましの剣圧に、一瞬握力が弱まったと同時にカイルの剣がぶつかったのだ。
 カイルは体勢を整える間もなく、リムルに体当たり。
 リムルは声を上げる間もなく、カイルに馬乗り状態にされ、剣を首元に向けられている。
 剣は手元に無い、馬乗りになられていて、首元には剣が在る。
 状況は最悪だった。リムルに残された道は一つしかない。

「……悔しいけど、降参よ」

 勝敗はここで決した。
 降参する以外道はない。いや、むしろ首元に剣を向けられた時点で負けなのだ。
 本当の殺し合いなら、こんな悠長な事をせずにそのまま剣を降ろされ、首が吹っ飛んだだろう。
 ―――カイルは剣を収め、そっと右手を前に出す。
 リムルも右手を前に出して、二人は軽く握手した。


   /夕方・宿屋

 私は今、カイル君とタイマンで部屋に居る。
 状況を説明しよう。
 試合が終わった後、私は疲れを癒す為にノイシュタットの宿屋に泊まる事にした。
 カイル君達も同じ考えで宿屋に泊まることにしたのだろう。バッタリ出会ったというわけ。
 別に一緒の部屋に泊まるなどという訳ではない。唯、少し話がしたかっただけだ。

「リムルさん……?」
「え? あ、うん」

 少し気まずかった。
 従姉弟といえど、私達は始めて顔を合わせた上に、闘技場で闘ったのだ。
 さらには、カイル君の仲間のへそ出し銀髪のおっさんが「おぃリアラ。カイルを取られるぞ?」なんて事を、
 そのリアラと思われる少女に言っていたのだ。その後、またなんかからかおうとしていたけど、
 へそ出しツインテールのお姉さんがへそ出し銀髪のおっさんに関節技を決めてなんとかなった。
 それで私は、私の従弟ことへそ出し少年と自室で話をする事にしたのだ。

「良い剣捌きだったわね」

 何故かそんな言葉が出た。
 本当はもっと訊きたい事があるのに、何故か負けた相手を褒めるような事になる。
 カイル君は照れたような感じで髪をかく、が私はそれがちょっと気に入らない。

「私は、貴方より多くの修行を積んだつもり」
「え?」

 そうだ、私はきっとこのカイル君よりも多くの修行を積んだ。
 これは推測に過ぎないが、それでもカイル君の修行の量は私より多くない。
 孤児院で子供の面倒を見ている間も、私はきっと修行をしていた。
 強くなりたかった。強くいたかった。
 女というハンデなんて関係ないくらいに修行をした。それなのに私はカイル君に負けた。

「それなのに、それなのに如何して……私は負けるのよ」
「あ、えっと……」

 いきなりの事に困惑するカイル君。
 私もこんな事を言おうとしたのではない。
 唯、如何してそこまで強いのか。何故そこまで強くなれるのか。それを訊きたかった。
 自分に勝った人の意見を訊いて、より強くなりたかった。それだけなのに、何故か愚痴ってしまう。
 それはこの少年の風格が、本当に唯の少年のようだったからだ。
 私も今までいくらか負けた事は在る。だけどその相手はもっと強そうな雰囲気の在る人ばかりだ。
 それなのに、私は今回は、一見唯の少年に見える人に負けたのだ。

「ほんと、悔しいのよ」
「んー」

 そうだ、悔しいのだ。負けたことが悔しいのだ。
 きっと少年に負けたからとか言い訳に過ぎない。唯負けた事を勝手に正当化しようとしていただけ。
 落ち着いて、強くなる為に訊かなきゃいけない事が在る。

「リムルさんは……何の為に強くなりたいのかな?」
「え?」

 その言葉に、私はグラっと来た。
 私が質問しようとしていたことがわかっていたのか? 否、これはカイル君の思いつくままの言葉だろう。
 何の為に強くなりたいのか、そんな言葉は良く聞く。だけど強くなるの理由は強くなりたいからと十分と思っていた。

「強くなる……理由……」
「それは多分。とても大切な事さ」
「私は……何の為に強くなろうとしているのか……」

 この少年に言われると、それはとても重い言葉に聞こえる。

「俺は、もっと強くなりたい! 強くなって、リアラやみんなを守っていきたい。
 もちろん俺自身そんなに沢山守れる程凄い奴じゃないのかもしれない。
 だけど、守りたいと思って、守る為に努力するのは別に構わないだろう?」

 ―――ドクン
 私は、今、この少年の、見方を、改めなければ、いけない、と、思った。
 カイル君は、私なんかよりもっと大きい。
 故に、私なんかよりずっと強くなれるのだ。
 どんなに修行しても、きっとこの少年には勝てないだろう。
 私が、強くなる。本当に必要な理由を見つけるまでは。

「ぁ……」
「え?」

 私は、今はカイル君をとても格好よく見える。
 さっきまでは唯の少年に見えたのに、今は世界一の男性に見える。
 その理由は簡単だ……ワタシハカイルクンノコトヲスキニナッタノダ―――
 私は、カイル君に近づいて―――そのままベッドに押し倒した。


   /夕方・ベッドにて


 重なる唇。カイル君の唇を無理やり奪った。
 それはとても優しく、ただ感触を味わうだけのキスだ。
 しかし、その行為がどれだけ大きな事か、たかがキスというものではない。
 カイル君は如何か知らないけど、私はこれがファーストキスだ。
 女にとって初めてというのは。唯の挨拶代わりにしていいものではない。
 ―――一瞬と惑って、ただ唇を重ねていたカイル君は、正気を取り戻したのか私も前から顔を離す。

「ぁ、はぁ。―――何を……?」

 何をするんだ。そう言いたかったのだろう。
 ベッドの上で、こちらからキスをするなんて大胆な行為。
 相手がカイル君じゃなければそのまま犯されても文句は言えないだろう。
 わかっている。カイル君はきっと、あの女の子が好きなのだろう。
 ―――それでも私は、この少年の事を、好きになってしまった。

「私は……貴方を好きになってしまったの」
「ん―――!?」

 今度は力強く、強引にカイル君の唇を力強く奪い、ベッドに押し倒す。
 いくら力が私より上でも、その差は少量だ。体勢が私の方が上に居るのだ。
 そのハンデから逃れられる程力の差は無い。
 舌をからませた熱い口付け、その間カイル君はずっと暴れている。
 暴れているのを押さえつけるのに夢中になってしまい、キスの味をしっかり感じられない。

 「ん……あっ。む」

 くちゅくちゅと、厭らしい音の聞こえるキスに、私は興奮してくる。
 欲しい―――この少年が欲しい。
 だけど、それも無理。これより先の行為は、女が押さえつけながらじゃ難しい。
 唇を離す。この行為はこれまで。これ以上の行為をしようとしても、カイル君にきっと逃げられるだろう。

「リムル……さん……」

 薄らとした瞳でカイル君は私の名前を呼ぶ。
 カイル君は力を抜いている。何故だろう。この行為を拒みたいのでは無いのだろうか。
 良く見ると、カイル君のモノは立派な山になっていた。これが男の生理現象という事はもちろん知っている。

「そっか、理性に負けちゃったんだね。カイル君は」
「ちが……ぅ!」

 また抵抗してくるが、その力は弱い。さっきとは比べ物にならない程に弱かった。
 必死に抵抗しようとする姿がとても可愛い。
 そんなカイル君を見ると、如何も意地悪をしたくなってしょうがない。

「ふふ、可愛い……そんなに抗っても体は正直なのね」
「はぅ―――!?」

 私はカイル君のモノに手を伸ばす。ズボン越しだが、それは立派な剛直だ。
 男は女と違ってしたくない場合でも生理現象が起きてしまうらしい。
 それでもこうやって虐めていると本当に楽しかった。

「抵抗してるけど全然力が入ってない……本当はカイル君もしたいんじゃないの?」
「そんな事……」

 そんな事無いと、否定出来ていない。つまりはそういう事だ。カイル君は自分の性欲に堕ちたのだ。
 ならば後は簡単。実力行使で段々言うことを聞くようになってくるだろう。
 ―――自分でも恐ろしいくらいに、何故か性交の事をわかってしまっている。
 きっとアレね。前世は淫乱だったに違いない。
 そんな馬鹿らしい事を考えつつも、私はカイル君のズボンのベルトに手を伸ばす。
 カチャチャと音を立てるがなかなか外れない―――この間がなんともいえない興奮をそそる。
 やっと外れて、すぐに下着を下ろす。

「ぁ―――」
「ふふ、大きい」

 当たり前だが、下着の下からはカイル君の剛直が飛び出してくる。
 カイル君の肌の色より少し黒く、ビクビク動いていてまるで生き物みたい。
 知識には在ったが、男のモノを見た事なんて小さい頃、父と一緒にお風呂に入った時くらいだ。
 もちろん父が娘に欲情する訳は無く。大きくなったのを見るのはこれが初めてだ。

「可愛い……如何? 気持ち良い?」
「ひぁ……きもち…ぃ…」

 カイル君の剛直を擦ってみると、感じたのかビクンと反応した。

「ふふふ、これは如何かな?」
「ぁ……いい……リムルさん……」

 剛直を右手で握って、上下に動かしてみる。男が独りでする時は自分の手でこうやるらしい。
 ……カイル君の声を聞いて、私も体が疼いて来る。
 気がつけば、左手が自分の秘部に伸びていた。
 ―――このままでは、服が汚れてしまうので脱がなきゃ。

「リムル……さん?」
「ちょっと待ってて」

 急に手が止まったのを不思議に思ったのか、カイル君は私の方を見る。
 カイル君を気持ち良くして終わらせるつもりはない。ならば、どうせ私も脱がなきゃいけない。
 今脱いでも後で脱いでも同じ事だろう。
 ―――鎧ではなく、部屋着だったのですぐに服も脱げる。
 自分でいうのもなんだが、私の秘部は濡れていた。カイル君のモノをいじっていて欲情したのだ。
 さっきの続き、という風に私は剛直の前に顔を持っていく……そして剛直を銜えた。

「あ……何を……んん!!」
「はむ、んっ」

 少しずつ口の中に含んでいく。
 唯、それだけで剛直は少しずつ大きくなってきた。
 口の中を埋め尽くすような錯覚、それは不思議な感じだ。

「ん……ちゅ。ふぁ―――」
「はっ! んぁ!!」

 男にとって大切なモノを私は口の中にいれてゆっくり上下する。
 苦い、そして熱いそれはとてもいじりたくなる。
 それでもゆっくりこの感触を味わう。強くすればするだけ早くこの行為が終わってしまうからだ。
 左手は、剛直に添えている。右手は、自分の秘部に伸びている。
 ―――自分の手じゃ物足りない。
 これだけ近くに温かさを持っている人が居る。その人を自分は気持ち良くしている。
 それなのに自分は自分で気持ち良くしなきゃいけないなんて―――そんなのは嫌だ。

「くちゅ……ん、私のも……お願い」
「あん、はぁ、ぇ?」

 私は一度、剛直を口から放し、体制を変える。
 カイル君の上に逆に乗った。そう言えばいいだろうか。
 つまりは両者が両者の一番感じる部分を気持ち良く出来るのだ。

「……リムルさんのここ、きれ……ぃです」
「ん……早く……」

 そう言って私はもう一度カイルの剛直を銜えて、上下に動かす。
 カイル君は少し戸惑っているのか、中々動きをみせない。
 数秒後、秘部に何かが当たった感じがした。
 それは他でもない。カイル君の舌だ。

「んっ! あはぁ!!」

 ―――カイル君の方からの私に対する行為はこれが初めてだ。
 自分でしている時とは違う。上手くいえないけど何かが違う。
 あまりの気持ち良さに思わず口を開けてしまう。それではカイル君が嫌だろうからすぐに銜え直す。
 感触に慣れたのか、あまり声は出なくなった。聞こえるのはお互いの呼吸とお互いを気持ち良くする音。
 慣れたというのは普通に感じるようになった訳ではない。気持ち良さに慣れたのだ。
 その、ずっと繰り返された行為がただ気持ち良い。
 それでも、私はこれより先の快楽を求めてしまう。
 
「はぁ……はぁ……」

 重なる呼吸、ほぼ同時にお互いの行為は止まる。カイル君も同じ考えなのだろうか。
 
「カイル君……」
「うん……そろそろ……」

 それは、カイル君の剛直を私の秘部に挿れるという事だ。
 性交では当然の行為のそれは少し怖かった。だけどそれ以上に性欲が強い。
 カイル君に跨って、少しずつ腰を下ろしていく。

「んっ!!」

 まだ挿れていない。先がちょっとふれただけだ。
 それなのに、この感覚はあまりにも刺激的だった。
 壊れそうだ、感覚がコワレソウダ。自分が壊れそうだ。意識が壊れそうだ。
 まだ入ってないというのに、この先は如何なるのだろうか。
 怖いけど、それでもカイル君が欲しかった。

「ふぁ!! はぁん!!」
「大丈夫?」
「うん、ちょっと痛いけど。平気」

 少しだけ入る。本当に先端だけだが。
 それでもとても痛い。平気なんてのは嘘だ。
 きっと私の顔は歪んでいて、痛そうな顔になっているだろう。

「リムルさん……やっぱり」
「んんっ!! 馬鹿言わないで……あはぁっ……自分から始めといて止める訳無いじゃない」

 ちょっとずつ、ゆっくりと入っていく。
 止めるつもりなど毛頭無い。痛いけど、痛いけど、イタイけど。それでも続けたい。

「ひゃぁ! はああぁぁぁん!!」

 ブチブチッっと、何かが破れる音がすると同時に、体がマヒしそうな程の痛みがする。
 それでもマヒしない。とても痛い。痛さは収まらない。
 感覚が無ければ楽だろう。でも、それは嫌だ。何故ならカイル君を感じられないからだ。
 カイル君の剛直は半分程入っている。痛みに慣れてくるどころかより痛く感じてくる。
 
「リムルさん……可愛いよ……」
「あんっ。ひぁぁ!」

 痛くて喘いでる姿を、カイル君は可愛いと言う。
 その言葉を聞くだけで私は痛さが快楽と変わった気がした。
 だけどそれも束の間、剛直はそろそろ全部入るところだ。
 ゆっくりと腰を沈めていく。これで……全部入った。

「あ……はぁ……はぁ……ふぅ…はぁ、はぁ」

 カイル君のモノを私の膣内に挿れる。ただ、それだけの行為。
 それだけの行為に息が乱れ、意識が飛びそうになる。
 だけど、ここまでやれた。流石に全部入ると痛さも少しは慣れる。

「ちょっと、休憩する?」

 カイル君は優しくそう言う。
 だけど私は首を横に振る。カイル君だってしたい筈だし、私こそ休憩なんてそんな時間嫌だった。
 痛いけど、それでも続けたい。
 痛いけど、気持ち良くなる。
 痛いけど、それが快感に変わる。
 
「それじゃぁ、動くよ……。あっ、ひゃあん!!」
「ん、あっ。はぁ、はぁ!」

 腰を上げて、下げる。
 初めはゆっくり、一回上げて下げるだけに十秒は掛かっていた。
 慣れというのは恐ろしいものだ。そのスピードではもう痛くない。
 速く、段々腰が速くなってくる。
 これが互いを求める行為。これが男と女の恋愛。
 痛さより快楽が強くなってくる。―――スキだから。

「ふぁ、ぁん! ひぃ」

 厭らしい音に、厭らしい声。
 両方共自分が出していて、とても恥ずかしい。
 だけど聞いて欲しい。それでもっとカイル君に気持ちよくなって貰いたい。
 声で、体で、心で感じて欲しい。私の全部を感じて欲しい。

「あぁぁぁん!」

 カイル君の手が、留守になっていた私の胸に伸びていた。
 無意識だろうか、それとも意志の中からだろうか。
 そんな事は如何でも良い。今私はカイル君に胸を触られてる事実で余計感じてしまう。
 秘部は既にビチョビチョだ。処女膜が破けた事も在り、血も流れている。
 肌と肌がぶつかる音。それは水と水がぶつかる音に近かった。

「はむっ。んーー!」
「―――!」

 そのまま前に倒れこみ唇を重ねる。
 お互いを求める、舌をからめたキス。とても心地よい。
 両者が動かす腰、私の胸の手、ディープキス。
 これらがお互いの快楽を引き上げていく。

「ふぁ! 大きく―――」
「んっ……ふむぅ」

 剛直が大きくなっている事はしっかりわかる。
 これは、私とカイル君が一つになっている証拠だ。
 私の膣内はカイル君が居る。そういう事だ。
 繋がっている。今私達は繋がっている。
 お互いの快楽の為に繋がっているのだ。

「ぁ……んはぁ!! ふぅん!」

 私の膣はカイル君の剛直を、きつく締め付ける。
 まるで飲み込むような、そんな感じで、不思議な感じだ。

「あん、はぁ、ひぁん、ふあぁ! んん!」

 恥ずかしい、喘ぎ声が恥ずかしかった。
 だけど声が漏れる。
 痛いから漏れる。気持ち良いから漏れる。
 カイル君は私を可愛いと言った。だから恥ずかしくても可愛くならなきゃ。
 男にとって、女の喘ぎ声は可愛い。良くはわからないけどそうだと思う。

「んんっ!!」

 剛直が大きくなるのが、自分の膣内に在るのだからとても感じる。
 その大きいのが私の膣内で動いている。上下に、とても厭らしい音を立てて。
 そう思うと、顔を赤面させてしまう。……いや、既に赤面してるから変わらないだろう。
 唯、お互いを求める行為。お互いが腰を動かし、お互いが気持ちよくなる。

「んぁ……はぁ……オレ……」

 ビクンっと動く。それはもうすぐ果てるという前兆だろう。
 腰をもっと速く動かす。果てるまで、快楽を得る為に。

「んぁぁ!! ひぃ!! 膣内に……はぁ……膣内にお願い!!」
「ぇっ!」

 戸惑うカイル君。
 それはそうだ。膣内射精が如何いう事か私でもわかる。
 ましてや避妊具をつけていない。子供が出来る可能性だって十分に在る。
 だけど、だからこそ私はカイル君を膣内で感じたい。
 私の膣内をカイル君で一杯にして欲しい。

「あ、はぁっ。んん!!」
「駄目だ、もう……」

 まだ大きくなる。これが最高だろう。
 私の秘部もぐちゃぐちゃだ。私ももうすぐイキそうなのだ。
 このままいけば一緒にイケる。一緒に快楽を感じる事が出来る。
 カイル君は抜くべきか、抜かないべきかと考えているのか、腰の動きに違和感が在る。
 が、私は抜く事は認めない。無理にでも膣内に出してもらう。

「俺、もう出る!!」
「来て!! 私の膣内にぃ!!」
「あ、うぁぁぁ!」
「あはぁっ……ふぁ、ひぁぁぁん!!」

果てると同時に私はカイル君の胸にグッタリと倒れこむ。

「んぁ……」
「カイル君で……いっぱいだぁ」

 まだ、少しだけ出てるカイル君の精子を感じる。
 熱い……お腹が熱い。けど、それが心地よい……

 「ん……」

 最後にもう一度、唇を重ねる。
 それは唯、重ねただけのものだった。


   /夜・宿屋の自室にて


「ただいま……」

 そっと、部屋のドアを開ける。
 さっきの行為をばれている訳は無いのだが、やはり後ろめたいものが在るだろう。

「おぅカイル! お楽しみだったか!!」
「!?」

 出迎えたのはロニだった。
 ロニのからかいも、今のカイルにとっては心臓爆発ものだ。

「ん? どうしたカイル……まさかおまぇグギャアアアーーー!!」
「全く、しょうもない事言ってるんじゃないよあんたわ!!」
「ナナリーさん、腕はそっちに曲がりマセンカラァァァァァ!!」

 ナナリーのおかげで、なんとか誤魔化せた。

「そういやぁリムルさんのお父さんって誰なの? リリスさんの家に行った時は、それらしい人はいなかったけど……」

 リアラの疑問に、ロニは真面目な顔になって

「……そういやぁ、あの娘が剣を振るうところカイルに……いや、なんとなくスタンさんに似てた気がするんだよなぁ」

 ―――この言葉の意味はわかるだろう。
 全員凍結したように固まる。
 まさか、リムルの父がスタンなんて事はないだろうと願って……

「まさか……ねぇ?」


   /リーネの村の外れ


「リムル如何してるかなぁ。ねぇ、お兄ちゃん。父としてちゃんと見守ってあげてね」

 スタンの墓の前でそんな事を口にするリリスの姿があったとさ。


 カイル・リムル・スタン・リリスは『近親相姦』の称号を得ました。


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