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作品名 作者名 カップリング 作品発表日 作品保管日
無題 レアカプ受け付け係氏 ヴェイグ×ヒルダ 2005/03/30 2005/03/30

「ヒルダとの秘奥義が一番しっくりくる。」
真夜中の宿屋のロビーで、ヴェイグは言った。

何となく眠れず、薄暗いロビーで偶然出会ったヴェイグとヒルダ。
しかし決してお喋りではない2人には、すぐに長い沈黙が訪れたのだ。
気まずい空気まで流れ出した頃、漸くヴェイグが口を開いたのである。

「へぇ。戦闘の最中にそんな事を考える余裕があるのね。」
ヴェイグらしからぬ発言に少し驚かされたヒルダだが、ポーカーフェイスを装い
いつものような皮肉たっぷりの発言でお返しをした。
しかし、ヴェイグはマオやティトレイのようにムキになったりはしない。
冗談や皮肉を牽制するかのように、真っ直ぐこちらを見つめてくるのだ。
ヒルダは視線だけで呪縛されるような不思議な寒気を覚えて、顔を背けた。
真夜中のロビー独特の薄明かりが、2人の顔を頼りなく照らす。

「不思議な一体感があるんだ。ヒルダは感じないか。」
ヴェイグの深く青い瞳は尚も真っ直ぐにこちらを見つめてくる。
やりづらいタイプだ、とヒルダは思った。
「自分の体にさえ違和感感じてばっかりよ。他人との一体感なんて…」
言いかけた所で、ヴェイグが物々しい雰囲気を放っていることに気づいた。
厳しいけれどどこか哀しさの映る瞳に、ヒルダは動揺させられた。
ハーフとしてのコンプレックスなど下らないとでも言いたげなヴェイグの瞳に
初めは戸惑ったが、次第に暗く重たい気持ちがヒルダを支配した。
「…あんたなんかに解りっこないわ。私の気持ちなんてね。」
ヴェイグは尚も黙って見つめてくるだけである。それがヒルダを苛立たせた。
ヒルダは座っているヴェイグの真後ろに回り込み、ヴェイグの首に腕を回した。
「じゃあその一体感とやらを教えてくれる?」
ヒルダは不敵な表情で、薄く微笑んだ。

「本気で言ってるのか。」
動揺を示さず淡々と答えるヴェイグの姿に尚更苛立ったヒルダは、
真後ろからベロリと、首筋に舌を這わせてやった。ヴェイグの肩がビクリと揺れた。
「あら、坊やはロビーでする勇気がないのかしらね。」
ヒルダは今度はヴェイグの真正面に回り、彼の膝の上に座って腕を回した。
ロビーの薄明かりは、彼女をより妖艶に見せた。
「…こんな事でお前の気が晴れるなら付き合ってやる。だが…」
言い終わらない内に、ヒルダは彼の唇を強引に奪った。
「…うっ…」
口を挟む暇を与えずに舌を進入させる。

「……わかった。」
ヴェイグは彼女の耳元でそう小さく呟くと、キスを返した。
激しく舌を這わすが、非常にぎこちない。
「ふふ、初めてなんでしょ。」
図星である。―クレアを友達などと言っていた辺りで、
ヴェイグの青さには薄々勘付いていたが。
「不満か?」
しょげた子犬のような目つきに変わったヴェイグはとても可愛らしく見え、
ヒルダはクスクスと笑った。
「いーえ、むしろ新鮮だわ。」
「…そうか。」
ヴェイグは少し躊躇いつつも、ゆっくり彼女をソファへ押し倒し、再びキスをした。
今度はゆっくりと優しいキスであった。

王の盾時代は男どもの玩具にされていた彼女にとって、ヴェイグのキスは優しすぎた。
いつものペースが乱され、作ってきた壁が崩壊してしまうような気がした。
それが少し恐ろしかった。
「…物足りないわよ。」
そう言うとヒルダは再び攻めの姿勢を示し、激しく唇を貪った。
同時にヴェイグの服の裾に手を入れ、彼の乳首をグリグリと責め立てる。
「うあっ…」
触れるか触れないかのギリギリのラインを指の腹でくすぐったかと思いきや、
二本の指で挟み込み、ぎゅっと強くつまむ。王の盾の連中に仕込まれたであろう
完璧な愛撫であった。生まれて初めての快感がヴェイグを包む。
「…くっ…」
ヴェイグは思わず目をつぶり、歯を食いしばった。
「やっぱりあんたにはムリよ。代わりなさい。」
「…そんな事は…っ」
ヒルダはヴェイグを再び座らせ、その上にまたがって彼のズボンの上から
腰を振った。服越しにヴェイグのいきり立つモノを激しく責める。
「う…ぅあ…っ」
「ね、ムリでしょう。」
完全に形勢はヒルダの物であった。
服越しとは言え、いや、服越しだからこその刺激に早くも限界が訪れそうだった。
ヒルダ自身も喉の奥で小さく声を漏らす。

「…うッ…ヒルダ…もう…」
それを聞くとヒルダはピタリと腰を止め、自身の胸元のボタンを外し始めた。
「まだダメよ。これからなんだから」
ヒルダは胸元と腰のボタンとチャックを外した。中途半端にはだけた姿は、
裸よりもエロティックに見える気がする。
「さぁ、次は私の番。」
ヒルダは自身のヒラヒラした服をまくしあげ、おもむろに下腹部を露出した。
ロビーの薄明かりではよく見えないが、既にヌルヌルとした透明な液体が太ももまで
伝っているのは確認できた。ヴェイグは躊躇いながらも、ゆっくりと指を近づけた。
ぐちゅん、という音がし、ぬるりと指が奥へと誘われる。
少し指に力を込め、2,3回往復させてみる。
「…んっ、んっ…そう…」
そして指を引き抜き、愛液が付いた指を今度はクリトリスに当てた。
「あら、ウブな顔してお勉強済みなのね。よく知ってるじゃない……んっ」
先ほどヒルダにやられた乳首の愛撫を模倣し、緩急を付けて愛撫してみる。
だんだんと吐息を荒げていくヒルダ。
「…はぁっ…あ…上手いじゃない…なかなか……」
ヒルダははだけた胸元から覗く自身の豊満なバストを、ヴェイグの顔にこすり付けるようにして
彼の首に腕を回し、ギュッと抱きしめた。
それに応え、ヴェイグは彼女の乳首にぎこちなく舌を這わせ始めた。

「…んっ…どう?ハーフの身体は…。ぅんっ…が、ガジュマの締まった身体と…
ヒューマの繊細な感度を兼ね備えてるって…はぁっあっ…王の盾の連中はみんな喜んだわよ。」
「……。」
「ハーフの身体が役に立つのは…こんな時だけ…。」
口元は微笑んでいるのに、彼女の瞳はひどく哀しげであった。
ヴェイグは黙ってヒルダの帽子を取り、彼女の角に優しくキスをした。
不意を突かれ、一瞬ひどく動揺した。ヴェイグの優しさに包まれたような気がした。
だが、それを素直に受け止められない。受け止めるのが怖いのだ。
「…あらなぁに?慰めのつもり?慰めってのはこうやるのよ。」
ヒルダはヴェイグのズボンのチャックを下げ、彼のモノを強く握った。
「うっ…」
手首を使って激しく上下にさすりながら彼女は床にしゃがみこむと、
彼のモノの前へ顔を持ってきた。自身の胸でモノを挟み込み、さらに舌も這わせる。
裏筋の辺りをつつーっと舐め上げ、口先から亀頭をちゅぽんと口に含む。
そして激しく顔を上下に動かした。じゅぽっ、じゅぽっと淫猥な音が静かなロビーに響く。
「うッ ヒルダ…ヒルダ…!」

「もう…無理をしなくていい…」
ヴェイグの口から出たのは、そんな言葉だった。
ハッと顔をあげ、見つめた先にはヴェイグの真剣な顔があった。
ヒルダは最初こそ戸惑いをみせたが、すぐに不満そうな顔つきになった。
「無理をしてるのはあんたでしょ。早く出しちゃいなさいよ。」
「違う!」
ヴェイグは彼女をグイっと引き寄せ、今度は荒々しく押し倒した。
「皮肉を言うのも、強気でいるのも、それでお前が楽になれるんだったら良い。
でも俺には無理をしているようにしか見えない。」

真っ直ぐみつめてくる深く青い瞳に、全てを見透かされた気がした。
心臓の音が、やけに体中に響く。ヒルダは初めて弱気な視線でヴェイグをみた。
「ハーフだろうが何だろうが、俺はお前の全てを受け入れてやる。」
彼の瞳にまたも呪縛され、息を呑む。
ああ、とてもこの瞳にはかなわない。きっと誰もかなわないだろうと彼女は思った。
同時に彼の言葉を反芻しながらとても暖かな気持ちがじわりと心に広がるのを感じた。

ヴェイグはヒルダの足を持ち上げ、再びヒルダの方へ目線をやった。
ヒルダがしおらしくコクンと頷くと、ヴェイグは自身をあてがった。
ずぶりとイヤらしい音を立てながらゆっくりと入っていく。
彼の硬く大きなモノが、中で熱く苦しいほどに自身を浸食していく感覚に、
ヒルダは幸福感のようなものを感じていた。
「俺だけじゃない、他のみんなもきっと受け入れているはずだ。」
そういうとヴェイグはゆっくりと優しく突き始めた。
「ぅんっ…んっ、んっ、んあっ、あっ…」
突くたびに漏れる声は、数分前の彼女の喘ぎ声とは比べものにならないくらい
しおらしく、可愛らしく、ヴェイグは初めて本物の彼女をみた気がした。
「んっ、本当?本当なの…?あっ…ひあっ…」
「ああ。」
次第にピストンのスピードを上げていく。ぐちゅぐちゅと淫らな音も増す。
「あっ…!あぁっ…ヴェイグッ…!」
「…っヒルダ…!」

突かれるたびに、今まで頑なだった心が嘘のように柔らかくなっていき、
次第に壊れていくのを感じた。
「あっ…イイっ…ヴェイグ、ヴェイグっ…!!」
「…もう…う…っ!」
「私もぉ……あっ…あぁあっ…!!」

ドクン、と彼のモノが大きく脈打ったかと思うと、
身体の中に熱い液体が勢いよく飛んだ。ヴェイグもヒルダも、
互いにビクビクと身体を震わせて果てた。


――――翌朝。
朝の光がカーテンを貫き、冷たい風に身体がリセットされる。
「さぁて、そろそろ出発しようか〜!」
「そだネ!」
いつものように、朝から元気なティトレイとマオが仕切る。
隣の女子組の部屋も準備は整ったようで、こちらの部屋にやってきた。
「皆さん、おは…」
「おはよう。」
アニーよりも早く、ヒルダが皆へ挨拶の言葉を発した。
一同は一瞬あっけにとられてポカンとヒルダを見つめた。
「なっ、何よ。」
照れくさそうに顔を赤らめながら反論するヒルダ。
「いや…ヒルダが自分から挨拶とかって初めて聞いたからよ…」
ティトレイは珍しい物を見るような目線でじーっとヒルダを見つめ続けた。
その視線に耐えきれずに顔を背けると、不意にヴェイグと目線が合った。

ヴェイグはまた真っ直ぐに彼女を見つめ、らしくないほど優しく微笑んだ。
ヒルダもまた、顔を赤くしながら微笑み返した。

END


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